合わせ鏡の転生者   作:lily_black

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少女はシンフォギアとファウストロープの神獣鏡、異なる技術体系からなる同一の聖遺物の力を纏った。すなわち『異なる同』の力と特性をその身に宿した。

神獣鏡は世界を映しだす鏡。『異なる同』の2つの鏡は、無限の世界を映しだす合わせ鏡となった。


少女はその身に神を宿した。すなわち神の力と特性をその身に宿した。

神は言語であり、その身が滅びても同一の言語を語る異なる身体に復活することができた。つまりは『異なる同』へと転生する力があった。


斯くして少女は無限の世界の『異なる同』、別世界の自分自身へと転生する力を得て、合わせ鏡の転生者となった。


小日向未来という転生者

 私、小日向未来は転生者だ。この表現が正しいかどうかは知らないけれど、呼び方なんてどうでもいい。

 

 重要なのは私が今まで何回も死んで、そのたびに平行世界の小日向未来として生まれ変わっているという事実。それこそ幾百万でも足りないくらいに私は私を繰り返している。

 

 これがまたなかなかに厄介で、何度も何度も似たような場面、同じような事象に出くわすことになる。ライブの事件なんて最たる例。さすがに何度も経験するとどんな凄惨な事件であっても何も感じることができなくなる。

 

 それでもまだ最初のころ、たぶん数百回くらいかな?

 

 そのころはどこの誰が、どんな事件を起こすのかわかってるんだから「より良い未来にできるはず、きっと私が生まれ変わったのはそのためなんだ」なんて、正義のヒロインぶって頑張ってたような気がするけど、結局意味なんてないと理解してやめてしまった。

 

 どんなに頑張ろうとセーブ&ロードなんてないわけだから次の世界ではまた振り出しに戻ってしまうし、とにかくラスボスさん(フィーネ)が厄介だった。だってなにかあったらすぐにノイズ使って始末に来るんだもん。ギアも何も持ってないただの小娘に対抗できる手段なんてほとんどなかった。

 

 その頃は16の誕生日を迎えたことのほうが圧倒的に少なかったと言えば、ラスボスさんがどれだけ大変な相手だったのか理解してもらえるかな?

 

 そうして頑張るのをやめたんだけど、無意味に繰り返される人生(いま)を生きる意味が見いだせなくなっちゃって、いつか永遠に眠れる日を夢見てしばらくは自殺ブーム。

 

 首を吊ったり、屋上から飛び降りてみたり、ガソリン被ってみたり、思いつく限り何でもやったけれど、どれだけ痛くてどれだけ苦しい死に方をしても、すぐに次の小日向未来として生まれ変わってしまう。本当に辛かったな。救いを求めて死んではまた絶望しての繰り返し。

 

 目の前が真っ暗で、死にたくて死にたくてたまらなくて、でも本当の意味で死ねることは絶対になくて、転生するたびにその事実を突きつけられるんだ。

 

 だから魂を切り裂くイガリマにはすっごく期待してたんだよ。きっと解放してくれるって。切歌ちゃんなら私を救ってくれるって。なのにイガリマの刃では私を殺しきるには足りなかった。あの時の絶望ったらなかった、あまりにもショックで何度も切歌ちゃんに八つ当たりしちゃったもの。

 

 でも終わらせてくれそうな能力してるのが悪いよ。こっちは藁にも縋る思いだったっていうのに、それを踏み躙ったんだから。

 

 それでもひたすらに死にたかったから、絶望から目を背けていたかったから、切歌ちゃん虐めながら自殺しまくってたんだけど、ある時誰か(ひびき)の前で凄惨な死にざまを晒したことがあったんだ。

 

 そしたらそれが結構癖になっちゃって、誰かの目の前で何回も何回も死んだ。そのたびに悲痛な表情で泣き叫んで私の名前を何度も何度も呼んでくるものだから、その絶望(カオ)が見たくてまた死ぬのを繰り返した。

 

 何の脈絡もなく突然死ぬのももちろん愉しかったけど、1番のお気に入りはフロンティア事変で神獣鏡を纏ったときに絶唱を詠うこと。LiNKERで無理やりに適合係数をあげた急造品なんかが絶唱なんてしたらどうなるかなんて、火を見るより明らかだよね。

 

 響はもちろん翼さんもクリスも、切歌ちゃんや調ちゃんだってすっごく驚いてくれるから最っ高にゾクゾクしちゃって何度も詠っちゃった。

 

 それでも何度も何度も繰り返しているうちに飽きてきちゃったんだけどね。その時にはだいぶ自殺衝動が発散されてたのもあって、とりあえず死ぬのはいったんはやめることにした。

 

 今思えばなかなかに最低なマイブームだったけど、すっごく愉しかったんだもん、仕方ないよね?

 

 それから暇を持て余しまくった私は何かを極めることに時間を費やすことにした。最初は陸上、その次は音楽。櫻井さんに櫻井理論を教えてもらったり、エルフナインちゃんに錬金術を教えてもらったり、緒川さんから忍術の手解きを受けたこともあったなぁ。

 

 このころが1番楽しかったかな?時間はいくらでもあるからとにかく思いつく限り何でもやって、そのおかげさまで今では大抵のことは出来るようになった。転生したら身体に染み付いた技術はなくなってしまうわけだけど、それを扱った経験までなくなるわけじゃないし、また身体に覚えさせればいいだけ。要点を理解してる分習得も楽だし。

 

 そうやって学びたいことを一通り全部学んだあとは、それを使って色んな人生を歩んでみた。やっぱり苦労して手に入れた知識や技能っていうのは1度は使ってみたいものだよね。

 

 今まで歩んできた人生だと、櫻井了子を継ぐ天才考古学者だったり、錬金術師だったり、SONGでオペレーターやったこともあるし、調査部として緒川さんの下で働いたこともあった。時には世界中を敵に回す大立ち回りなんてものをやってみたこともある。とにかく新しい刺激を求めて色んな立場の色んな小日向未来をやってみた。

 

 でも最近それにも飽きが来てるんだよ。やりたいことは大体やりつくしてしまった感じ。完全に飽きるか次にやりたいことが見つかるまでは続けるつもりだけど。

 

 だって味がしなくなるまで、味がしなかろうと噛み続けないと退屈に喰い殺されちゃうからね。

 

 ……今の笑うところだよ。

 

 まあいいや、だいぶ前置きが長くなっちゃったけど結局何が言いたいのかというと、今回の人生はどう生きようかな?ってこと。久しぶりに二課に所属するのもいいかもしれないけど、最近の人生は戦ってばかりいたからたまには一般人として過ごすのも悪くないよね。でも一般人は刺激が少ないからなぁ。

 

 まあどう生きるにしろ、神獣鏡は確保しないと。結構戦闘以外にも、というか道具の聖遺物だけあって戦闘以外のほうが使えて便利なんだ。

 

「みくぅ!ちゃんとはなしきいてよぉ!」

 

「はいはい聞いてる聞いてる。昨日のご飯が美味しかったって話でしょ」

 

「ぜんぜんちがうよっ!?もう、みくーっ!」

 

 とりあえずは頬を膨らませて不機嫌アピールしてるお姫様(ひびき)にはツヴァイウィングのライブ(惨劇の会場)に行ってきてもらおうかな。

 

 

 明るくて可愛くて、素直で元気なとってもいい子の可哀想なところ、みんな大好きでしょう?

 

 

 

 




以前書いていた作品が中途半端なところで止まっていたので修正して再投稿です

あらすじ前書きの概念を世に放出しなければという思いの再投稿ですので2話以降続くかどうかは不明です

追記:あらすじに書いていた内容は本話前書きに移動しました

2話の執筆について

  • 絶唱(何に変えても)
  • 聖詠(できる範囲で)
  • なけなしの勇気(少しずつでも)
  • バラㇽの呪詛(ええんやで)
  • 393の想いが重い(閲覧用)
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