のこのことノイズに釣られた響は、小規模な集団を潰して回りつつ順調に誘導されていってる。
はぁ、響ったらノイズの動きがあからさまに怪しすぎるのに全然気づかないの、あまりにも鈍すぎるよ。だってほとんどのノイズが会敵するなり逃げ出すんだよ?それも決まって同じ方向に。明らかにおかしいじゃん。罠じゃん。
せめて罠とは気づかないまでも違和感くらいには気づいてほしいものだけど、まさに猪突猛進って感じで追撃をためらう素振りも警戒を強める様子も全くなし。
少しは見どころを作ってほしいところだけど、こんなゴミみたいな罠に無警戒でかかってるようじゃ先は長くないかも。
「よお、オメェが立花響だな?」
「ッ、だれ!?」
おっと、ネフシュタンの鎧を装備したクリスが出てきた。てことは響は最後の最後まで気づくことなく誘い込まれてしまったんだね。
それにしても、ネフシュタンってダサいなあ。ラスボスさんだとそう感じないのにクリスが着てるとダサく感じるんだよね。なんなんだろ、着られてる感があるというか、風格が足りてない?
「フン、別にアタシが誰だろうがオメェを連れてくことに変わりねぇ。痛い目ェ見たくなかったら大人しく付いてきたほうが身のためだぜ?」
「……断ったら?」
「痛い目ェ見たくなかったらって言ったのが聞こえなかったかぁ?まあいい、どっちにしろこっちのほうが手っ取り早ェ!」
言うが早いかクリスが振りかぶって攻撃を仕掛ける。ふむ、足りてないのは品格だったかも。
さて、クリスの攻撃を大きく飛びのいて躱したところで戦闘が始まったわけだけど、このまま戦ったって十中八九響が負けるのは目に見えてる。扱う聖遺物の
「オラオラッ!どうしたぁ!?逃げてばっかじゃどうしようもねえぞ!」
クリスはまだ大したことない大振りの攻撃しかしてないのだけど、それでも響は避けるので精一杯みたい。でも出来もしないのに下手に受け流そうとして痛手を負うよりはマシかな。
「なめ、るッなあ!」
「ッ!?」
おお、響が攻撃の間隙を狙って突貫した。クリスはちょっと油断してたね、ほんの少しだけ反応が遅れて隙ができたよ。そして響は勢いのままに思いきり拳を振り抜いた。
「ハッ!そう簡単にやられるかよォ!」
だけど響の渾身の一撃はクリスが半身逸らしただけで簡単に避けられた。もちろんクリスはただ避けるだけじゃ済まさない。すれ違いざまにヒザを腹部に叩き込む強烈なカウンター、さらに衝撃で浮いた身体を容赦なく地面に叩きつける。
「ガッハァッ!?」
これは終わったね。ギアの解除こそされてないみたいだけど、傍目から見ててもキレイなカウンターだった。あのレベルのダメージ貰っても即座に動けるのは、それこそ
響も頑張ったんだけど素直過ぎたね。鞭の間合いの内側に入ったのは私も驚いたし結構よかったんだけど、クリスに隙が生まれてたとはいえ直接殴りに行くには距離が遠すぎた。ネフシュタンは着かず離れずの距離感が一番戦いたくない距離なんだ。攻撃するためには一度その距離で留まってクリスの思考に負荷をかけてさらなる隙を作るべきだった。
フェイントも何もなくまっすぐに突っ込むのは攻撃のタイミングも読まれやすいし、タイミングが取れるならそれに合わせてのカウンターも容易になってしまう。
とはいってもさすがに素人同然の響には厳しい話か、ネフシュタンの性能も知らないわけだし動揺してるのが目に見えてたらイケると思ってしまうよね。でも、本当にただただ嬲られて終わると思ってたから間合いを詰めるって判断ができたのは嬉しいよ、今後の成長に期待だね。
「戦い方がまるでなっちゃいねぇなぁ、お嬢ちゃん?フィーネはどうしてこんな奴を欲しがるんだ?ま、これでアタシの仕事は終わり、ッと!」
「グゥ!?」
これでこのイベントは終わりかと思ったら、
響大丈夫?あ、よかった。意識は辛うじてありそうだね。
「おいおいいきなりぶっ放すなんてどんな教育受けてやがんだぁ?」
「その鎧は2年前、私が不出来な剣であったがために無数の無辜の命とともに奪われたもの。それを目の前にして鞘走らずにいられようかッ!」
「ハ!欠片程度の力しかないシンフォギアでどうするってんだぁ?」
「無論、貴様からその鎧を取り返すことで今日こそ汚名を返上させてもらうッ!」
「できるもんならやってみやがれってんだ!だがアンタは端からお呼びじゃないんだよ!こいつ等の相手でもしてな!」
「なにッ!?」
ソロモンの杖で呼び出したノイズを翼さんに嗾けるクリス。目的の響は確保できてるから無駄な戦闘はせずに撤退するつもりみたい。
「ノイズを出した!?……それだけじゃない、操ってる!それに、2年前、無辜の命って……」
あれ?響の様子がおかしい?なんかブツブツ言ってる。ああもしかして、天災とそう変わらないはずのノイズが操られてるの見て驚いちゃった?
「ぁ、ぁぁ、ぁあああ、あああああああああアああああああアアアああああアアアアあアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」
「ッ!?なんだ!!?」
響の姿が真っ黒に染まって咆哮する。それだけで空気がビリビリと震えてフォニックゲインが吹き荒れた。まさか暴走までしてくれるなんて、今日がこんなに愉しい日になるなんて想像もしてなかったよ。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!オマエガッ!オマエガァァァァァ!!!」
暴走した響はそのまま近くにいたクリスを攻撃し始める。突然の暴走に混乱した様子のクリスはさっきとは打って変わって防戦一方。暴走状態の響の攻撃は暴走前以上に精彩に欠いてるけど内包する威力は桁違い、まともに受ければネフシュタンといえども無事では済まない。クリスもそれを感じてるのか冷や汗垂らして随分と大袈裟に避けている。
「クソがッ!調子に乗んなッ!」
格闘戦を嫌ったクリスが鞭を剣状にして強引に振るい、距離を離しにかかる。だけど暴走状態はその見た目通りに理性吹っ飛んで破壊衝動に支配されてるんだ。普通なら何らかのアクションを返してその隙に距離を離せるだろうけど、
「なぁっ!?」
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙アアアアアアアァァァァァッ!」
それどころか傷つくのも厭わずに鞭を掴んで引き寄せる。それだけでクリスの身体は空中に無防備な姿を晒すことなり、ついに殴り飛ばされて地面を転がることになった。
威力を殺すことも衝撃を逃がすことも出来ない空中で破壊衝動に任せた一撃を貰ったのは勝敗を決するには十分、ネフシュタン越しであってもかなりのダメージがクリスに入っただろうね。
「がはっ!!があぁぁぁっ!?」
即座にネフシュタンの再生が始まり、その再生に身体を巻き込まれ浸食されてるクリスがと~っても可愛い悲鳴を上げる。
千ノ落涙
影縫い
それでもさらに追撃しようとする響に、降り注ぐ無数の剣が待ったをかけた。
「待ちなさい、彼女にはまだ聞かなければならないことがある。それに流石に殺そうとするのを見過ごすわけにはいかないわ」
「ユルサナイ!ダレモカレモ!ミンナ!ミンナアアアアアァァァァァァ!!!」
「くっ!」
響の標的がクリスから翼さんに移った。影縫いを力任せに突破して翼さんに肉薄する。
翼さんは流石と言うべきか、うまく響の攻撃をいなし受け流して立ちまわってる。ただ、やっぱりネフシュタンを一撃でダウンさせた威力を脅威と認識してるのかどうしても攻めに転じきれないでいるみたい。
「クソッ!覚えてやがれッ!」
「な!?待て!グッ!!!」
そうこうしてるうちにクリスは三下のやられ役みたいなこと吐き捨てて撤退、それに一瞬意識を持っていかれた翼さんは攻撃への反応が遅れて鳩尾に重い一撃を入れられる。咄嗟に後ろに跳んでダメージを軽減してたみたいだけど貰った場所が場所だけに片膝をついてしまった。
そして暴走した
「あなた、泣いて……グ、ゥ……ッ!」
そのまま翼さんを絞め殺すことになるのかと思ったけど、突然響が電池が切れたかのように倒れてしまった。同時にギアも解除されてる。あらら、ちょっと無理しすぎちゃったかな?死なないといいけど。
「翼!」
ちょうどタイミングを見計らったかのように車が来て、中から風鳴司令が降りてきた。
「ゲホッゴホッ!……叔父様、申し訳ありません、ネフシュタンを取り逃がしてしまいました」
「いや、それはいい。それよりも立花響くんのことが先決だ、急ぎ病院へ運ばなくては。それに、対応も今まで通りとはいかないだろうな」
ありゃ、結局二課に保護されるっぽい。そのうえで戦力とするならある程度事情を話す必要があるだろうけどどこまで話すんだろ?風鳴司令は知る権利があるとか言って全部話しちゃうかも?
もし二課が一切を話す気がなくても、なにがあったのか知れるように仕向けてもいいかもしれないね。そっちの方がきっと、愉しくなるよ。
ようやくクリスちゃんを出せました
当初の予定では7話くらいで登場予定だったんですけどね……
アンケートの結果、好きにしていいが圧倒しましたので投稿内容は好きにさせていただきたいと思います
ご投票ありがとうございました
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