合わせ鏡の転生者   作:lily_black

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最終的に25票集まり、響はフラワーに就職することになりました

今回は会話メインです


後悔先に立たず

 特異災害対策機動部二課本部にて、二課の主要なメンバー*1が一堂に会していた。

 響がシンフォギアを纏った日についうっかり笑いすぎて響を見失っちゃったから、ちょっとだけ二課にお邪魔してみることにしました。

 それは数日前に突如として現れたガングニールのシンフォギアを纏う少女の情報を共有するためであり、二課としての今後の対応方針を固めるためでもあった。

 響のことは少し気がかりだけど、一応ロリコンのお兄さんたちに常に見張るように言ってあるしたぶん大丈夫でしょ。

「緒川、報告を」

 

「はい。まずはこちらをご覧ください」

 

 スクリーンに映し出されたのはとある少女のプロフィール。数日の調査により集められた、ガングニールの装者と断定された少女のものだ。

 

「立花響、現在15歳。都内の一般家庭の出身でつい最近中学校を卒業していますが進学はしていないようで、数日前から個人経営の飲食店で働いています。

 小学生の頃は元気で明るく友人も多い普通の女の子だったみたいですが、中学のある時期から一変。交友関係、家族関係ともに一気に劣悪なものになってしまい、そのせいかかなり荒れていたようで在学中に校内にて同級生を複数名病院送りにした事実が確認されました。

 また中学校を卒業後すぐに行方不明になっており、家族から警察に捜索願が出されています。その後の足取りは現在調査中ですが、監視カメラの映像などからほとんどは都内にとどまっていたものと思われます。

 現在は調査部にて監視を継続しています」

 あれ?てっきりまだ野宿を続けてると思ってたんだけど、働き始めたんだ。響にそんな社会性が残ってたなんてびっくりだよ。

「ふむ、背後関係はどうなっている?彼女が所属、或いは支援していると思わしき組織はあるか」

 響に背後組織?そんなのいるわけないじゃない。背後霊ならここにいるけど。ん?今は響から離れてるんだから、浮遊霊?

「はい、少なくとも中学を卒業するまでは彼女の背後に組織的な存在は確認できませんでした。念のためご家族や店主も調べましたが同様です。

 ですが我々と同じく彼女を監視しているチームが少なくともひとつ。彼らについては調べがつきました。

 彼らは反社会的な組織で近年急速に成長しているグループです。その性格は冷酷で残忍。真偽は定かではありませんが敵対組織の構成員が一夜にして全員消えたという話もあり、さらに聖遺物を積極的に収集している疑惑すらある危険な組織です。

 彼女が彼らと協力関係を結んでいる可能性は、現状コンタクトをとろうとする素振りが共に皆無なため低いとは思われますがないとは言い切れません」

 あ、お兄さんたち見つかっちゃってあらぬ誤解受けてるじゃん。そういうのじゃないんだけどな……まあいいや、今さら引かせたところで余計に拗れそうだし放っとこ。

「ふむ、聖遺物を収集する反社会的組織か。ガングニールの入手経路の可能性もあるか?」

 

 風鳴司令のつぶやきをしかしシンフォギアシステムの第一人者たる櫻井了子が即座に否定する。

 

「それはないでしょうね。だってガングニールのシンフォギアは奏ちゃんと運命を共にしたんだもの。そしてシンフォギアを作れるのはあたしだけ。ないものは手に入れられないわ」

 ガングニールはアメリカにもう一振りあるんだから手に入れようと思えばイケるよ?ラスボスさんったら嘘ばっかり。

「しかし、実際に彼女はシンフォギアを纏ってみせた。これは紛れもない事実だ」

 

「それが謎なのよね、もうこの世にないはずのシンフォギアを、どうやって扱っているのか……。いっそのこと本人に聞いてみちゃう?」

 だけどきっと内心冷や汗ダラダラだよね?アメリカが裏切ったんじゃないかって気が気でないんじゃないかな?そう思うとなんだかとっても愉快だ。ラスボスさんには何度も苦汁をなめさせられたからなぁ。

「それなんですがひとつ気になる点が」

 

 そういって緒川がさらに端末を操作する。次に表示されたのはレントゲン写真、その胸部には無数の小さな影が写っていた。緒川はちらりと翼を見て言葉を続ける。

 

「これは2年前、あのライブ会場で砕けたガングニールの破片を一身に浴び、奏さんがその命と引き換えに守った少女のレントゲン写真です。破片の大部分は取り除かれましたが、心臓付近に食い込んだものは摘出が難しく体内に残りました。そしてその少女というのが、」

 

「立花響くん、そういうことだな?」

 

「……はい」

 

「ッ!?」

 わっ、どうしたの翼さん?急にそそる表情(カオ)して、もしかして誘ってる?

「了子くん、君はどう思う?」

 

 話を振られた櫻井はしばし思考を巡らせ、慎重に口を開く。

 

「…………直接診たわけでも、調べたわけでもないから多分に憶測は入るけれど、あり得ない話ではないと思うわ。いえ、それ以外あり得ないと言ってもいいのかしら。

 そもそもシンフォギアは聖遺物の持つ力を増幅してエネルギーに還元、鎧の形に再構成したもの。ただのガングニールの破片ではたとえ力を増幅できたとしても固定できず、ましてやシンフォギアとして再構成することなんてできるはずがないの。

 その点シンフォギアとして再構成された後のガングニールの破片であれば、それは当然シンフォギアとして機能して力を発揮できるでしょうね。さしずめ、奏ちゃんの置き土産といったところかしら」

 

「っ!」

 いいねいいね、翼さんのそんな姿観れるなんて二課に来た甲斐があったよ!あれ、行っちゃった……。

 その言葉聞いた翼はフラフラと立ち上がり、何も言わずに出ていく。それを複雑そうな表情で見届け、緒川が口を開く。

 

「……調査部としては、彼女との接触は慎重に行うべきだと考えています。その……先ほどは翼さんがいたのであえて言わなかったのですが、彼女は退院後にいじめの被害にあっていたようでして。

 特に彼女の学校からライブに参加して生き残れたのが彼女だけだったようなんです。当時の世間のムードと相まって相当にひどい扱いをうけていたとか。それに彼女のご実家もバッシング被害を受けて父親は蒸発し、母親も心身を病んで現在も病床に臥せっているとか」

 え、絶対それ話してたほうが翼さんいい表情(カオ)見せてくれてたよ……。師匠(センセイ)ったら酷い……。

 誰も何も言わない、言えない。静寂が場を支配した。概要を聞いただけでも彼女が相当に辛い目にあってきたことは想像に難くない。確かに翼に伝えられる内容ではなかった。

 

「……つまりは、我々のせいで彼女の一生に取り返しのつかない傷を負わせてしまった、というわけだな」

 

「そう、なります……。心苦しいですが、今我々が彼女に接触したところで良い影響は与えないでしょう」

 

「だろうな。かといって何もしない訳にもゆくまい。俺たちのせいだというなら尚のこと。せめて彼女がこれ以上辛い思いをしなくてすむよう努めなければな」

 

 その言葉に皆一同に頷く。異論などあろうはずもなかった。

 私としては観ごたえがあればいいけれど、響は二課と絡んだほうが絶対に面白い劇になると思うな。

 1人を除いて。

 

 

 

*1
風鳴弦十郎、緒川慎次、櫻井了子、風鳴翼、藤尭朔也、友里あおい




完全に自分の技術不足ですが、三人称視点は得意ではないため読みにくかったらごめんなさい。

救いは

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