麗しの世捨てロリババア生活を邪魔する奴は全員殺す(涙目)   作:がぱおら

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調子ノリノリだった時期

私が異世界転生して約一阿僧祇年が経った、ある日の出来事。

 

その日も私は、森の奥深くでマジカル農法スローライフを満喫していた。

 

数々の苦難を乗り越えて得た、夢のロリババアひとり暮らし。

人間関係の構築に難アリなロリコンの、全ての願望を実現させた生き方。

楽しくないわけがない。

 

今日も今日とて最高だね。

漬物を掻き混ぜるのも鼻唄混じりだ。

 

誰が見ても立派な魔女と言える、ぶかぶかローブ姿の幼女。

この姿と永遠の命(任意終了可)を得る為に、どれだけ苦労したことか……ああ、苦労というのは報われるものだなぁ。

 

うっかり姿見を見て、己の美幼女っぷりに見入ってしまった。手が止まっていた、いかんいかん。

 

 

「今日も私のなんとエターナルロリなことか」

 

 

罪深きは完璧過ぎなキャラメイク。

大満足の異世界人生だ。

いろいろと苦労したが、転生してよかったなぁ……。感慨深い。

 

その時、脳内に直接警報が鳴った。

 

 

「……は? 侵入者?」

 

 

ロリババア生活徹底のため、私はマジカル農法の副産物として産まれた魔法植物を独自にマジカルプログラミングし、森中に植えた。

部外者が現れたら、私の脳内に直接マジカルに一報入れるように設定してある。

 

警報にも野生動物のパターンとか、魔法生物のパターンとかいろいろあるが、今回鳴った警報のパターンは、

 

 

「に、人間の侵入者だと!? 何者だ!?」

 

 

私は大慌てだ。

 

玄関前に転がっていた農的雰囲気作りの鍬を武器代わりに抱き、"広域鑑定"の魔法を使用する。

 

ロリババアは魔法に関して最強でないといけないので、死にものぐるいでチート魔力を得たのだ。人体改造、痛かったなぁ。

久々に最大限活用する日が来てしまった。

 

 

「おのれ人間め……私の快適スローライフを脅かしやがって!!」

 

 

社会不適合者の自覚があって、他人と関わりたくないから、世捨て人ロリババアやってるのに、なんでそっちから飛び込んで来るんだ!

 

私は涙目になりながらも、侵入者の位置を特定した。

幸い、それほど深くまで侵入してはいなかった。

 

数はたった二人。

どちらも生命反応が薄い。

 

 

「……死にかけなのかな。動く様子もないし」

 

 

なぁんだ、行き倒れの類いか。

少なくとも、今すぐ危険というわけでもなさそうだ。私は警戒を解いた。

じゃ、どんな事情があっても人間と関わりたくないし、後は野生動物が食べて綺麗にしてくれるだろうから、全部忘れて漬物を……、あっ。

 

ここで私の思考に電流走る。

 

 

「ロリなら助けよう」

 

 

私はロリコンだ。

自らロリババアになる程度にはロリコンなのだ。

 

魔法植物が、ザザザーっと音を立てて移動し、道を作った。

 

鍬を構え、私は感知した地点へ向かう。

……鍬はロリババアの武器じゃないね。ロリババアポイント、マイナス2。

次の侵入者の為に、後で手に取りやすい位置にでかい杖でも常備しておこう。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

辿り着く前に、生命反応が消えたので、人間の片方は顔を合わせる前に死んだ。

 

 

「うへぇ」

 

 

そして、生き残った方は赤ん坊だった。

血だらけの女性に抱かれて、びーびー泣いていた。

 

 

「……そこまでロリなのは求めてないんだよなぁ」

 

 

せめて言葉が通じる程度の知性は欲しいタイプなんだよね。

 

状況から察するに、なんて迂遠な言い方しなくても、シンプルに母親とその子供なんだと思う。

女性の服装は、それなりに裕福そう。

金の刺繍とかあるし、間違いなく森歩き目的コーデではない。

 

貴族の女性……なんだろうけど、多分なんかから逃げてきたんだろう。

背中がざっくり斬られてる。

 

うーん、どこをどう見ても厄介事!

 

んで、追手っぽい生命反応は、今のところ周囲にはない。

うん、どう見ても致命傷で、場所が森だもんね。

最期まで見届ける必要ないって判断しても仕方ないよね。

実際に死んでるし。

 

私がもっと全力で急げば、生きてるうちに間に合って、回復魔法のひとつでもかけられたかもしれない。

だが、侵入者は等しく侵入者。

私が到着して事情聴取するまで生命力を繋ぎ止められなかった、己の不運を嘆きたまえ。

運動して体力と根性付けてたら間に合ったかもしれないから、来世はマッスル貴族になるんだぞ〜。

 

アンデッドになられても困るから、浄化魔法を使っておいた。

後は野生動物に任せよう。

これで問題の1つ目は解決。

 

2つ目、今も元気に泣いてる子供への対処に移ろう。

 

 

「ていうかロリじゃないな、こいつショタだ」

 

 

抱き上げて、確認して、確信を得た。

 

ロリじゃないなら、手段はひとつ。

 

孤児院に投げ込む!

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

私はね、誰にも邪魔されないロリババアライフが望みなのよ。

人間関係がプレッシャーにしか感じられない人種なの。

困るんですよね、こういうの。

 

なんつーかさぁ、情がうつって、おばあちゃんの気まぐれ育児みたいな展開はさぁ、望んでないんすよ。

まだロリなら一考してたけど、ショタなら尚更即決。

 

魔女に育てられた貴族の息子……なんて、いかにもな展開に巻き込まれるのは勘弁。

どうせえげつない能力で大活躍するんだろコイツ。

そんで私は師匠面して助けながら、血の繋がりがないせいでヒロイン候補になっちゃって……!

あーやだやだやだやだ! 私は私だけのロリヒロインなんだ!! イケメンチートハーレムの肥やしにされるために一阿僧祇年生きてきたわけじゃあねーんだぞこんにゃろめ!!

 

私はいったい何と戦っているんだろう。

ともかく、ショタを放り込む孤児院を探して、転移魔法を使いまくった。

 

出来るだけ森から遠い場所がいいな。なんなら海を越えてもいい。

いやむしろそうしよう。森で殺したハズの子供が、突然別大陸に現れるなんて、誰も思わんだろう。

私は間に合わなかったら諦めるが、間に合ったら最低限はなんとかしたくなる、自己中心的で小心者なロリババアである。

 

最終的に、空中浮遊で探してて見つけた中くらいの大陸(中陸?)に、小さな漁村を発見。

豪華な暮らしは出来ないだろうが、海の幸で飢えることはあるまい。

 

漁師の集会場みたいになってる教会っぽい建物があったので、深夜に侵入。

ピクニック用のバスケットに、安眠魔法で熟睡するショタと、宝石を詰める。

宝石は、不老不死の研究中に山ほど出来たガラクタだけど、見た目綺麗だし、売れば受け入れ金くらいにはなるだろう。

 

昼間見た限りでは、活気があって気持ちの良い漁村だった。

きっとショタをマッチョで爽やかな漁師に育ててくれるハズ。

 

 

「寿司を食ってすくすく育てよ〜」

 

 

私はショタ宝石入りバスケットを教会の入口に安置して、森へ転移した。

いや〜、いいことしたなぁ。

久々に寿司でも食いたいな。

 

 

 

それきりで、私はショタの存在を忘れた。

侵入者のいないロリババアライフは最高だった、と付け加えておこう。

異世界転生サイコー。

 

 

 

====================

 

 

 

ショタは貴族どころではなく、王族だった。

ロリババアの濃縮改造魔力で安眠魔法を直にかけられたことで、魔力のツボがいい感じに押されたショタ改め王子はチート魔力に開花した。

宝石は錬金術の秘奥に繋がる手掛かりだったので、漁村が港街になるくらいの額で全部売れた。

 

港街を繁栄させた王子は幸福を運んできたと厚遇され、村長改め町長の義理の息子として育った。

王子は孤児院の幼馴染や町長の孫娘等とラブコメ的少年時代を過ごした後、神様の啓示を受けて生まれの国に戻ることになるのだが。

その際、王子も神様も、なんで別大陸にいるのか、わけがわからず首を傾げたのであった。

今後の展開の参考にしたいので、今のうちに王子くんの結末を決めるアンケートです。上ほど穏便。方向性固まり次第〆

  • 五体満足で国も無事
  • 国を失い田舎に帰る
  • 全身ボロボロで介護状態
  • 名誉を守って死んで祀られる
  • 命も名誉も否定される最悪パターン
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