麗しの世捨てロリババア生活を邪魔する奴は全員殺す(涙目)   作:がぱおら

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人見知りレベル100を舐めるな

邪剣を徹底的に研究した結果、新たなる魔法"邪剣鑑定"の開発に成功した。

 

"広域鑑定"、開発時は状況に応じて鑑定対象と表示データを臨機応変に指定できる便利魔法だと思ってたんだけど、いざ緊急時になってみると、いちいち指定してる暇なんてなかった。

王子様侵入の時、私は生粋の非戦闘者なんだって再認識できるくらい、わたわたと大慌てしたからね。

 

なので、最初から邪剣以外に反応しない特化魔法として、1から開発し直した。

 

邪剣のことならなんでもわかるぞ。

固有スキルは筒抜けだし、どこにあるかもわかる。所有者データもぶっこ抜ける。

 

あとは位置情報を使って、直接隕石でも降らせてやれば、お家にこもったままで万事解決……とはいかない。

結局は現地に赴いて、邪剣を回収する必要がある。

邪剣は破片だけでもヤバい精神汚染能力があるし、しかも折れると目視判別不可になる。

城跡地から持ち逃げする時、袋を貰ったのはナイスな機転だった。

 

もっとも今の私は、私自身の組成を改竄して、邪剣のアクセスを禁止してある。なので、うっかり邪剣を手に持ってしまっても問題はない。

世の中に絶対はないから、洗脳特化の邪剣が出た時のために慎重さは捨てないけど。

スローライフしてる横で異能バトルするのホントやめてくれ〜。どこまで対策すりゃいいのかわかんないよ〜。

 

私がプチプチと邪剣をサーチ&デストロイして現状維持する間に、乞食ホムンクルスを改造した水槽脳に命令して、「世界中の邪剣を一箇所に集める魔法」のプログラミングをさせることにした。

"転移"って使用者、つまり私がいちいち位置とか全部指定するシチュエーションしか想定してないんだよね。少なくとも"転移"させたい対象が目視範囲内に無いと難しい。

不特定多数全域から条件で検索して抽出する方法は外注してしまおう、というわけ。

 

これから邪剣を一気に片付ける準備が整うまでの間、私は焼きロリババア回避の為、一本一本手作業で回収作業だ。

凄まじくやりたくない。

 

とりあえず、一番近い街からやっていくことにした。

いきなり三本も反応がある。

おそろしくやりたくない。

 

私は、すっかり研究基地に様変わりしたロリババアハウスを"浮遊"で飛び立った。

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

着いたのは、滅茶苦茶人が多い街だった。

 

 

「いや多過ぎ」

 

 

私は五階建ての商業施設っぽいとこの屋根上に降り立ち、街並みを見下ろしていた。

通りが人で埋まって、地面が見えない。

そして滅茶苦茶店が多い。屋台もわんさかある。

ファンタジーの定番、交易の街的なアレなのかな。

 

パーソナルスペースが東京ドームとタメ張れるくらいデカい私にとって、ここは地獄だ。

 

 

「帰りたいよ〜」

 

 

私はべそべそ泣きながら、早速"邪剣鑑定"を使った。

 

街で一番デカい建物にひとつ。

地下にひとつ。

多分冒険者ギルド?にひとつ。看板に冒険者ギルドって書いてるのに魚屋とかだったら恥ずかしいから断言はしない。ロリババアは慎重なのだよ。

 

まずは地下から確認しよう。

建物内の奴らは嫌だ。人混みから逃げられない屋内とか吐きそう。

 

で、地下への入り口を探したら、豪華な屋敷の敷地内っぽった。

 

 

「うへぇ……」

 

 

門番とかいるし、入りたくない……。

 

うーん、地下の間取りさえわかれば、こっそり穴掘って入れるんだけど……。

 

 

「……そっか、地下の間取りがわかればいいんじゃないかな?」

 

 

"マッピング"の魔法を開発してしまおう。

後々、ロリババアハウスの増築の際に、間取りを図面化するのにも使える。

 

ちょちょいーっと、空間を魔力で型取りして、サイズを下げてから3Dモデル化して……。

ちょっと精密過ぎたか、気泡とかもびっしり反映しちゃったぞ。何がなにやらになってしまった。

微調整だ、感度を下げたり、範囲指定をいじったり……。

こちゃこちゃっ、と。

 

完成。

細かいコードはチート魔力任せのゴリ押しだけど、改良は後ですればいい。

 

早速"マッピング"を試運転して、地下空間の図面をゲットした。

想像以上に広い。

 

豪邸に"浮遊""透明""静音"で侵入して、ロリボディでデカい花壇の影に隠れ、土に"転移"を使って穴を掘っていく。土の行き先は……私の家の庭でいいか。

 

 

 

ぞりぞり掘って、岩盤も粉砕して、ミスタードリラーに徹することしばし。およそ十五分くらい?

 

遂に穴が開いた。

穴と言っても、視界が通る程度の幅しかない。

これで私には充分だ。

 

穴に"光源"の魔法を落とす。

そうすれば、地下室の床が見えるので、そこ目掛けて"転移"。

 

ロリババア式の潜入法だ。すげーっしょ。

 

地下室への着地と同時、背後から殺意。

やっべ、人いる部屋だったか。

 

"盾"の魔法を全方位に発生させて攻撃を防ぐと、驚きで息を呑んだ気配が伝わってきた。

 

 

「……何者だ、貴様っ!」

 

「え、えーっと……私は、そのぉ」

 

 

どう答えたものか考えつつ、私は振り返った。

 

私を襲ってきたのは、筋骨隆々・ムキムキマッチョの全身鎧男だった。

武器は……ただの剣だ。業物っぽいけど、邪剣じゃないなら興味はない。

 

 

「どうやって侵入した! ここをベルコット様の商品保管庫と知っての狼藉か!?」

 

「……えーい五月蝿い五月蝿い!」

 

 

気の利いた返しが思いつかなかったので、"転移"で鎧男の首を刎ねた。

 

がしゃーん、と鎧男は倒れ、床に血溜まりが広がっていく。

 

 

「誰なんだベルコット……」

 

 

一息ついて、ようやく部屋を落ち着いて観察できた。

 

部屋というより、廊下、通路だった。

しかも地下牢だった。

 

向かい合わせに鉄格子があるタイプの、ジメジメした地下牢である。

通路はそれなりに長く続いているようで、出力絞った"光源"では行き止まりは見えない。

 

で、気になる牢屋の中身だが……人間がいた。

多分、奴隷なんじゃないかな。

みすぼらしいボロ布と、足枷と、死んだ目。

商品保管庫とか言ってたし、奴隷だな。奴隷でいい。お前ら今日から奴隷ね。

 

しっかし、まあ……中世ファンタジー名物、奴隷キャラと、ついにエンカウントしてしまった。

なんでこんなとこに邪剣があるんだ。




おおよそ今後の王子くんの展開が固まったので、次話投稿するくらいの時にアンケートを〆させていただきます。
ご協力ありがとうございました。
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