麗しの世捨てロリババア生活を邪魔する奴は全員殺す(涙目)   作:がぱおら

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計画実行は大抵一瞬

超高空から、一気にダイブする。

目的地は、兵士に描かせた絵で見た城、の、門前の広場!

一般ロリが避難する時間を稼ぐために、「危険人物が出たぞー!」と目立たなくてはいけない!

目立ちたくないけど! ロリの命のために! 仕方なくやるぞ!

どうせご鑑賞のお代はお命で頂戴いたしますのでなァ!!

 

 

「"炎上""炎上""炎上""炎上""炎上"ォォォォ!!!」

 

「な、なんだぁっ!?」

 

「空から火が、いや魔術師が!? 奇襲か!?」

 

 

今回使うのは、火を放つ魔法。

そこかしこに乱射する。主な目標は建造物! 巻き込まれた兵隊さんはごめんね! 火葬費用は頂かないんでね!!

 

 

「きゃあああ!!」

 

「に、逃げろー!」

 

 

白昼の広場には、屋台とかいっぱい広がってたし、家族連れも大勢いた。

まだ戦争が始まってるとは知らされてなかったのかな?

ともかく、私は火事を起こすことに全力を尽くす!

 

 

「み、皆さん落ち着いて! 避難を!」

 

「鐘だ! 鐘を鳴らせ!!」

 

「俺達は不埒者の討伐だ! 盾持ってこい!!」

 

 

敵襲の鐘を鳴らしに行った兵士は無視。

住民の危機感煽るためにも、彼には頑張ってもらわないとね!!

 

 

「っと」

 

「曲者めぇ!」

 

 

早速斬りかかってきた兵士がいる。

勇敢なのは結構なんだが!

 

 

「や、やめろ! 手元狂って家族連れのロリに当たったらどうするんだ!」

 

「何をわけのわからんことをっ!」

 

「お前も"炎上"ォ!」

 

「ぐわあああ!?」

 

 

一番乗りを称えて、彼にはこんがり肉Gになっていただいた。

広場は阿鼻叫喚、建物には火がついて、鐘もガンガン鳴っている。

 

火はいいぞ。

火災の煙は、今まさに敵が国の中にいるという狼煙になる。

平和ボケしてる国民がいても、燃え盛る家々を見れば目も覚めるだろう。

 

 

「対魔盾、用意できました!!」

 

「くっ、これしかないのか……マルヴリアス王国攻めに持って行ったんだったな! ええい、陣形を組めェい!!」

 

 

がっしりとした青銅色の盾が、ずらずらと整列した。

気にせず放火を続けていると、今度は盾の背後に弓兵が現れる。

 

 

「弓兵構えェい!! 合図を待つな、休まず射かけろ!!」

 

「しぇいッ!!」

 

「くらえ!」

 

 

ヒュンヒュンと弓が鳴り、私に文字通り雨あられと矢が迫ってきた。

鉄の矢だ。一瞬で"炎上"対策をしてくるとは、やるもんだねぇ。

 

だが、鉄切れ程度でこのロリババアに傷をつけようなどと笑止千万!

 

 

「"炎上""炎上""盾""炎上""炎上""炎上"!!!」

 

 

火付けの合間に魔力盾を生成する程度はお茶の子サイサイなのだよ。

 

 

「なっ、片手間に"盾"だと!?」

 

「怯むな!! あの勢いでは集中力も魔力も長くは続かん!」

 

「少しでも意気を削れ!」

 

 

兵隊は仕事熱心だ。全然矢が途切れない。

……広場には……よし、もう逃げ遅れたロリは居ないな!

 

実は、こっそりエリーンちゃんに、避難誘導を手伝ってもらっていたりする。

人数がいれば、出来ることはなんだってある。

今エリーンちゃんが『人形』にしているのは、この国の兵士だ。見た目でまず不審感は軽減されるし、それにじっくり観察しようにも非常事態だ。

人命救助はあまりやったことがないのか、不思議そうにエリーンちゃんは持ち場に着いていた。

すまないね、武力行使の機会はまた今度。

 

さて。

対魔盾って何? アレに私の魔法ブチ当てたら、どうなるのかな。

魔力を分散させたり、軽減させたり、もしかして反射とかしてくるのかな?

試してみよう。

 

魔力を練る。とにかく威力を追及して、魔術をプログラミングする。

兵士達がざわついた。

 

 

「こ、この膨大な魔力反応は……!?」

 

「警戒! 衝撃に備えろ!!」

 

「踏ん張れ、対魔盾隊!!」

 

 

本当にいいリアクションしてくれるなぁ……。

じゃ、軽く一当てしてみますか。

 

 

「"ビーム"」

 

 

シンプルな熱光線。

私の指先から放たれたレーザーは、射線上の一切合切を蒸発させ、城門を貫通した。

……距離設定そのままの飛距離だったぞ。減衰ゼロじゃん。

 

 

「な」

 

「え……?」

 

「た、盾が、なんで」

 

 

対魔盾とやらも、それを持っていた兵士も、その背後の弓兵も、まとめて蒸発していた。

兵士達はしばらく呆然としていたが、

 

 

「……っ、た、盾は無意味だ!! 命を賭して一太刀入れろォォォ!!」

 

「う、うわああああっ!!」

 

「化け物めぇぇっ!」

 

 

開き直って、近接武器を構えて一斉突撃してきた。

完全に死を覚悟してやがる。

マジで凄く職務熱心だなぁ……。

 

 

「仲間を盾にしろォ!!」

 

「俺の身体で防ぐぞぉぉぉ!!」

 

「来るならっ、来るなら来いーッ!!」

 

「きえええっ!!」

 

 

雄叫び、怒号、猿叫。

全部まとめて、

 

 

「"炎上"っと」

 

 

焼き払う。

範囲は広場全体。

逃げ場無し、遮蔽も無意味。

いやはや、諸行無常ってヤツだねぇ。

断末魔すらなく、全ての兵士が炭と化した。

 

 

「さてさて、次はロッカちゃんの出番だ」

 

「は、はい。頑張ります」

 

 

"転移"でロッカちゃんを呼び寄せて、"拡声"を付与した。

私より口の達者なロッカちゃんが、この役には適任だ。

 

 

『ハリッシア神国の皆様、今すぐ国外に逃亡してください。神都城から、火の手が迫っています。魔力の炎です、消化は無意味です。今すぐ、国外へ逃亡してください。大火事です。身の安全を第一にして、逃げてください。繰り返します……』

 

 

ロッカちゃんにはしばらく、防災無線に徹してもらおう。

平行して、私の放火も進めていく。

次はデカい城を燃やす!

 

 

「"炎上"……ああ、火の勢いが不足してるな。よし、"火達磨"」

 

 

燃焼過程をすっ飛ばして、『火に包まれた』状態にする魔法。

シンボルっぽいお城が、文字通り燃え上っていたら、流石に目立つだろう。

城の材質的にはおかしな光景だが、それだけにインパクトも抜群。

魔力で維持している炎だから、厳密には火炎放射みたいなものなんだけどね。

ちなみに、当然のように城内は熱されるし、酸素も不足する。

蒸し焼き城だ!

 

 

「ん」

 

 

城のかなり上層、窓が割れて、何かが飛び出してきた。

……人か。人?

こっちに飛んできてる。

……こっちに飛んできてるぞ!?

 

 

「おおおおおっ!! 化け物め覚悟!! "粛清と天使"!!」

 

 

光の羽を生やした、軽鎧のイケメンだ!

手には邪剣!

多分偉いヤツだな、神国編ラスボスの予定だったと思われる。

 

 

「ちぇいやあぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

私の"盾"を、全力で切り刻まんとするイケメン。

残念ながら全部弾かれているが、すげー鬼気迫る表情だ。

剣筋も凄まじい。ゲームの演出にすれば、光の線が縦横無尽に走っているような表現になるだろう。とんでもないスピードの百裂斬りだ。

一撃一撃も、甲高いガキーン!という音が鳴っている。火力不足ではない。

単純に、私の"盾"のほうが強いだけみたいだ。

 

 

「ぬああああっ! 貴様、まさかとは思うが、賢者ではあるまいな!?」

 

「あ、そうそう、それ聞こうと思ってた。なんか恨まれるようなことしたかな?」

 

「やはり賢者か! 知らぬと言うならば、思い知れ! 自らの過去の悪行をッ!」

 

 

その後、すげー恨みつらみ籠ったイケメンの長い語りが入ったが、生憎ロリのお話以外に興味はないので聞き流した。

あとでロッカちゃんに要点だけ聞いたら、過去に私が滅ぼした国の末裔だったらしい。

んなこと言われても、心当たり多過ぎて、どの国のことやらさっぱりだわ……。

 

 

「んー、そろそろいいかな」

 

「今、ハリッシア神国筆頭騎士たる」

 

「"炎上"」

 

 

名前も知らないまま、イケメン騎士は灰になった。

 

 

「ロッカちゃん、そろそろ仕上げするよ」

 

『あ、はい。……ハリッシア神国の皆様、神都城をご覧ください。ご覧になったら、国外逃亡してください。去る者は追いません。残る者には、明日はありません。以上、神の裁きでした』

 

「か、神の裁きかぁ。デカい口叩いたもんだね」

 

 

ロッカちゃんの演説、どんなカバーストーリーだったんだ。

まあとにかく、神国を滅亡させるとしよう。

 

 

「"落雷""崩落"」

 

 

紫電一閃。

空から稲妻が走り、城の天辺に直撃。

ガラガラと、音を立てて城が崩れる。

あとに残ったのは、瓦礫の山と、燃え続ける街並み。

 

 

「"転移"、エリーンちゃんもお疲れ様~」

 

「ただいま! 門番の兵士さんも痛めつけておいたから、一般人の逃亡に支障はないよ!」

 

「ナイスファイト! ロッカちゃんもご苦労様」

 

「……ああ、これであたしも、稀代の国滅ぼしの片棒担いだことになったんだなぁ……」

 

「貴重な体験だったっしょ?」

 

「そうですね。ええ、とっても……」

 

 

"生命探知""邪剣探知"で、城に生存者がいないことも確認した。

瓦礫に埋もれた邪剣を"転移"させていき、"邪剣探知"に反応がなくなったところで。

 

 

「じゃ、一度私の家に帰ろう」

 

 

私達三人は、森の奥のロリババアハウスへ転移した。

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