麗しの世捨てロリババア生活を邪魔する奴は全員殺す(涙目)   作:がぱおら

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必殺・学級崩壊剣

「リーヴァスの森に近づいてはダメだ」

 

 

王子ディッツは、神の啓示を理由に、賢者との接触を頑なに反対した。

 

宰相も、ディッツや"陰の者"の証言で、正面切っての対決は自殺行為だと理解している。

 

もっとも、討伐方法は問題ない。

遠距離からの狙撃や専門家による暗殺等、手段は山程ある。

問題は、準備万端の戦場へ賢者を引きずり出し、釘付けにする手段だ。

 

アレストレウシス帝国を襲撃した理由が邪剣ならば、邪剣の国々のうちひとつを選び、賢者が来るまで張り込めば良い。

 

しかし、マルヴリアス王国を説得するには、帝国が邪剣に支配されていたと明かしてはならない。

賢者の蛮行が、邪剣の国々を討滅しただけならば、王国にとっては何も害にならないからだ。

そうなれば、宰相に動かせる手札はなくなり、賢者の裁きを恐れる日々が始まる。

 

宰相は、「賢者の帝国襲撃」に理由をつけて、「王国の手勢が邪剣の国々で賢者を迎え討つ」ように仕向けなければいけない。

 

幸い、説得材料……ディッツに対して人質になり得る人物には、心当たりがあった。

 

 

「聞けば、賢者様は相当気難しいお方の様子。帝国襲撃は、俗に言ってしまうと……賢者様のストレス発散……ではないでしょうか」

 

「宰相殿、どういうことだ。ストレス発散とは、これまたなんとも……うぅむ」

 

 

現王は、宰相の発言に考え込む。

 

 

「賢者様は、王子様との再会に免じ、命を助けてくださった……王子様はそう仰られましたね」

 

「ああ。次は無い、とも言っていた。だから、リーヴァスの森は、マルヴリアス王国ある限り、永久に不可侵でなくてはならない」

 

「ですが、王子様のお命はひとつ。リーヴァスの森を探索した命は四つ」

 

「……、まさか!?」

 

 

ディッツは察し、愕然とした。

 

 

「賢者様は恐らく、王子様の一時の命すら例外であり、本来は四つの死を以て罰とするおつもりだったのでしょう。しかし、王子様のお連れという一点で、見逃された」

 

 

宰相は人生で一番、こじつけ能力をフル回転させていた。

 

 

「賢者様は、王子様の命ひとつは再会の喜びで、侵入の罪を帳消しになされた。残りの命三つ分の罰のうち、ひとつは王子様への信頼で一度胸の内へ収められた。そして、残り二つの死は、行き場を失ったのです」

 

「……そんな、そんなことがあっては……」

 

「無知であろうと、罪は罪。賢者様はお厳しい方なのでしょう。三つ目の死が、リーヴァスの森に近い帝国に向けられたのです」

 

「それでは、あまりに釣り合わない! 何故、帝都城を丸ごと破壊した!? 失われた命は一つに収まらない!」

 

 

ディッツの反論に、宰相は頑張ってこじつけようと試みる。

 

 

「そ、それは、王子様に近しい命として、現帝様を選ばれたのでしょう。賢者様には、現帝様だけを狙い撃ちにする手段が無かったのです!」

 

「な、なるほど……いや、しかし……」

 

 

ディッツは心情的に納得できない部分と、賢者に感じる底の知れなさで揺れている。

宰相は勝負とばかりに畳み掛けた。

 

 

「……まだ罰はひとつ、残っております。リーヴァスの森と、王国、帝国の次に近い国は……」

 

「……! リカラ商公国……マキルダ!!」

 

 

かつてディッツが、王国へ戻る旅の最中、何度も助けられた女商人。

商業の発達したリカラ商公国で、店を構え、邪剣に支配された現公に対抗すべく議員となった、ディッツの恩人のひとりにして戦友、マキルダ。

 

彼女こそが、宰相にとっての人質であった。

 

 

「……賢者様の怒りが、マキルダに!? こうしてはいられない! 現王!」

 

「うむ、ディッツよ! リカラ商公国からマキルダ殿を救出するのだ! 宰相殿、この機会に後顧の憂いを断っておくべきだ。次なる敵はリカラ商公国! 戦の準備を!」

 

 

マルヴリアス王国は束の間の休息を終え、新たなる戦いへ身を投じた。

 

 

 

 

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"修理"で形を戻した邪剣を使い、乞食男ホムンクルスを使い捨てつつ、実験を繰り返した。

結論。

 

 

「普通にヤバいわ、邪剣」

 

 

邪剣は確かに、戦闘力では私には及ばない。えっへん。

だが、邪神のテロリズムだけあって、潜伏能力が凄まじい。

 

抜き身では目に見える程濃い邪気が滴っているのに、鞘に納めれば普通の剣と見分けがつかないのだ。

加えて、折れると黒いガラス片にしか見えなくなるが、異常性は喪失せずに各種能力は健在っぽい。

 

精神汚染力も驚異的だ。伊達に神様製ではない。

邪剣所持者に認められると、破壊衝動が急激に向上し、暴力への抵抗感が著しく減退する。

特筆すべきは、「自身の強さを証明したい」という欲望が極端に表出する点だ。

 

おかげでホムンクルスはすぐ反抗期になって、大量に処分するハメになった。

乞食さんとの出会いに感謝。

 

邪剣の何が厄介って、「剣が抜けたら所持者認定」というガバガバセキュリティだよ。

所持者以外には抜けないが、所持者が死んだら登録初期化。

奪い合いと殺し合いを推奨するシステムだ。

"複製"でコピーしてみたところ、ひとりが複数所持しても問題ないっぽいのも世紀末。

折れるとひとかけら毎に個別の邪剣判定になるのもクソ。

 

あと、なんか邪剣固有の「邪剣スキル」みたいなのがあるらしい。急に異能バトルはじめるなよ。

皇帝様の邪剣は「裏切りと笑顔」。「裏切り」と「笑顔」ではなく、カギカッコ内全部でひとつのスキル名だってさ。

警戒心を緩めるパッシブスキルと、表情を強制的に操作するアクティブスキルの複合スキル。

しょうもなく感じるけど、政治家なら便利だったのかもしれない。

 

まとめると、「異世界を漫画のヤンキー学校にする剣」。

 

引きこもりヲタクとして嫌過ぎる。

これは早急に根絶せねばならない。

主人公王子くんの王国の偉い人が邪剣を抜いたら最後、のどかなロリババアの森はあっという間に焼き討ちだ。

 

 

「やはり王国以外全部滅ぼすつもりで行こう」

 

 

なんならテロリスト神も潰す。

私の平穏なロリババアライフを邪魔した罪は重い。

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