オレが裏ボスなんてあり得ない……   作:あずき@

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第1話

いつからだろう? 自分と言う存在に疑問を持ったのは……

 

産まれた時? いや、それはない。両親の反応は至って普通だった。

 

保育園に入った時? いや…まだだ。まだこの時には具体的な確証は得られなかった。

 

入園後暫くしても、生まれ付いての鉄面皮からか中々友達が出来なくて、たまらず先生に相談しに行った時? ……多分、コレだ。

 

あぁ…今でも思い出す。あの先生の、俺が話し掛けた際に垣間見せた恐怖に歪んだ表情を……!

 

ひたすら「すいません…! すいません…!」と繰り返される謝罪の言葉を‼︎

 

………翌日、オレにはトモダチができた。

 

オレの初めてのトモダチは全ての園児と全ての先生だった。

 

以降、小中とこの様な状態が続き、そして現在、高校に入学したオレは、ようやく自らの置かれたトンデモナイ現状をより具体的に認識するに至ったのである。

 

高校入学から早半年、何時ものように登校すべく玄関を出ればズラリと人の道が出来ており、その人垣はご丁寧にも約1km先に見える学園内の入り口まで伸びている。

 

「銀英(ぎんえい)様。ご機嫌麗しゅうございます」

 

「「「「「「「「麗しゅうございます‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」」」」」」」」

 

こりゃダメだ…な実例その1『自らのカリスマ性が大暴走‼︎ 最早完全に取り返しがツカナイ』

 

因みに我が校は、私服登校が許可されているにも関わらず、オレ以外の全ての生徒及び教員達は一律タキシード、もしくはメイド服で統一されていた。

 

もちろん俺は至って普通の服装で、今日も黒のジーンズと白地のワイシャツに何の特徴もない手提げカバンを持っている。

 

「……皆もおはよう。相変わらず元気そうだね」

 

こりゃダメだ…な実例その2『オレ以外の全員が前世からの転生者でここをゲームの世界だと認識している(因みにオレは生まれも育ちもこの世界でましてや自分自身が裏ボスなんて大仰な存在だとはついぞ思ってもみなかった)。』

 

見慣れた景色とは言え、この先もこの様な現状を終始繰り返していかなければならないのかと思うとゲンナリしてくる。

とかなんとか物思いに耽っているうちにいつの間にかカバンがひったくられており、その特殊な登校時間を急かす合図に従いオレは、やたらと軽くなった肩をガックリと落としつつトボトボトと歩き出すのだった。

 

……それにしても歩く度に後方の執事&メイド隊が隊列を崩してオレを180度扇型に囲うような隊列で着いて来るのが実に落ち着かない。

 

コレには流石のオレもたまらなくなり「もういい加減にしてよ……」と溜息混じりに呟いてしまうのだった。

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