私はスラム街で産まれたんだ。
その時の名前はチェイン・ペンドラゴン。
うん、過去の三英傑、【ダイヤモンドの騎士】ペンドラゴン、【死神】ホークウィンド、【魔導王】ゲートキーパー、の一角の血を継ぐもの……と言えば聞こえは良いけど何のことは無い。
娼婦だった母さんが、三英傑の血統を自称するありふれた客の戯言を本気にしちゃっただけなんだけどね。
私……いや、僕はその時は取るに足らないガキだったよ
糞を拾って肥料として売り、便所掃除をして生計を立てる、どこにでもいる貧民。まあ文字通りのクソ野郎だね、ギャハハハ。
その時は富も、風俗も、酒も、タバコも無かったが大切な人がいた、幸せだった頃だ
今思い返せば母さんは善良な人間かは怪しかったんだけどね。それでも私への愛情は売るほどあった。母さんは言っていた。愛情とは相手の幸せを願う事。その定義に照らせば、僕は嫌と言うほど愛されていた。僕も愛していた。
しかし母さんは、病気になった。その上、治療には莫大な金が必要だとも、スラム街唯一のヤブ医者に言われた。
延命には、こんなスラムに住んでいない一般人の1年分の賃金と同額を毎月払う必要があるとも言われた。不可能だと思った。
誰にでも一つは特技があるという。私の場合は剣術のスキルだった。ボンクラの私じゃそれで金を作ることはでき無かったけどね。
結果母さんは、死んだ。その詳細は言わない、言いたくない、言えない。
後々外の世界に出て分かったけれ母さんの死因はありふれた、それこそスラムからちょっと出れば容易く治せる病気だった。
ヤブ医者は嘘をついて私をからかっていたんだ。
クソ親父、ペンドラゴンを名乗っていたゆきずりの客が金を持ってくれば知識を持っていれば母さんは助かったと思う。なにより私がしっかりした医者に見せていれば母さんは生きていた。私が殺したも同然だ。
母さんの簡単な葬儀が終わった後、僕は喪失感で痺れた脳で遺骨を眺めていた。
そして《奴》は扉を叩いた。そしてもう一つの地獄が始まった
扉からでてきたのは二人の男
ドス黒い闇の様な目をした髭面の大男。【盗王】キューブ・メタリカム。
着飾った服と確かな威厳と実用的な筋肉で身を固めているが、その目に映る、弱者を虐げ強者に媚びるだけのチンピラメンタルは隠しきれてない、後に2代目盗王の手駒となる、若い時のアーダン・アーカイブ
そいつらが私を拉致って、反社共の奴隷兼ストレスのはけ口に仕立て上げた。
9歳から22歳になるまで僕が所属……というか飼い殺しにされていたしていた組織はすごかったよ
僕にスリなんかやらせやがったクソヤクザ。僕を脅してクスリの売人になる事を強要してきた挙げ句断ったらボコってまたスリをさせやがったクソ共。
最悪だったよ。餓死一歩手前の僕はスリと空き巣を強要され、今に至っても僕の体に後遺症を残す程の虐待をゲラゲラ笑いながらされた。盗王から遊び感覚で熱湯を目にかけられ失明直前まで追い込まれた。アーダンに意識が飛ぶほど殴られた挙げ句胃液を全部吐き出すまで蹴られた。朝は僕の爪に針をねじ込まれ叩き起こされた。僕の唯一の友達だったネズ文くん(ドブネズミ、享年5歳)を踏みつけにして殺し泣き喚く僕は彼の肉を喰わされ……
うん、まあこんな感じ。そんな哀れむ様な目をしなくて良いからさ。
そこで“僕”はこの世のあらゆる悪意と言う悪意をぶつけられて壊れちゃったし“俺”になっちゃったけど、ここでしっかり死んでりゃ良かったねって今では思うよ。
まあ生き残っちまって、俺は22歳の誕生日、盗王が別大陸……、ハルドライールに魔手を伸ばそうという遠征のどさくさに紛れて逃げられたんだ。
そっからはもうね。
うん。世界に悪意を振りまいた。
“俺がこんなに不幸なのにお前らがのうのうと生きていられるなんて許せねえ。歪んだ天秤は直さねえといけねえ。不公平は正さないといけねえ。俺も不幸と言う特大の重りと釣り合う様に、その他大勢の不幸と言う特大の重りをつけてやる。堕ちろ、堕ちろ! 、堕ちろ!! 俺のとこまで落ちてこい! 世界! ”
ってね。
害して壊して裂いて冒して侵して犯して滅ぼして消して絶やして嬲って殺して殺して殺して奪って殺して奪って殺して奪って奪って奪った
多分君が考える最悪の悪行の100倍は酷いことしたよ。
かつて【ゾディアック】キューブ・メタリカムという超越者の大悪党によって、十年間虐待を受けた私が、盗賊君や他の犠牲者達を反社のストレス解消用のサンドバッグに仕立て上げたのは皮肉な話だよね。
そこからリルガミンで暴れて迷宮に逃げるまで大陸全土の私以外の全ての人間を地獄に落としてやろうとしてたんだけど、でも、【ゾディアック】には刃向かえなかったんだ。何度か奴がこの大陸に残した構成員と小競り合いをしたって報告を聞いただけで、足がガクガク産まれたての子鹿みたいにぷるぷる震えてたんだ。諸悪の根源は分かっているのに、その怒りを罪の無い弱者にばっか向けていた。ゾディアックに関しては、戦いたくないあまりに何故か親愛の情まで向けていた。
“最悪だな、お前”って?
あはは、ありがとう。
ヴァンパイアロードさんにも言われたよ。あっ彼ね、この前地上に出てきて児ポでパクられたワイルドな褐色肌のイケメン。
“小生も長い事生きてるけどチェイニー殿より人未満と言う言葉が似合う御仁は見た事ありませんな”ってね
え? ああ……うん。迷宮入ってワードナさんと戦った時の事……
ぶっちゃけボコられたの五文字で終わるよ。
健闘したのかって?
……デコピンの風圧で鋼鉄歪ませるわ、魔術抜きの単純な戦闘技術だけで転移するわ、【領域】展開しただけでマスターレベル冒険者ショック死させるわ、一位階の【火花魔術】が通常冒険者の【核撃魔術】よりもエグい破壊規模だわ、魔術を手刀で殺して無効化するわ、当然の権利のごとく音より早く動くわ、衝撃受け流す要領で斬撃を受け流すわ、カシナートをデコピンで弾いてひび割れ作るわ、やろうと思えば最高火力魔術一発でリルガミンの地上を焦土に変えられるわの化け物に勝負が成立するわけねえだろ。正気かテメエ。
ごほん、まあ、【超越者】の私と【
私も結構強かったんだぜ。今のベテラン級……レベル7の侍君とタイマンしてもほぼ確実に勝てる程度には
【カシナートの剣】っつーかき混ぜ機みてーな剣、【村正】って言うヤバいブツ抜けば大陸最強の武器と天性の剣の才、あと人を虐殺しまくったことによる順応によるレベルアップのお陰で強かったんだよ。
今では剣を細胞が拒否する。殴るのも切るのも殺すのも細胞が拒否するから戦士系統職にはなれないけどさ。
それでも負けた、ボロ負けした。
“俺”の遺言が「「我々は共に
え? VSワードナ聞きてえって? どうせワードナとは戦うんだから参考までに聞きてぇ、他意は無い、ないったら無い、って?
むー、私がボコボコにされてるのを知りてえって事? 性格悪いなー。リョナ趣味でもあるのかな? キャーエッチ♡
はいはい、言います言います。
ええと、なら迷宮突入後から話続けようか
取り乱したのも直ったって? うるさいな
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
迷宮クズたわけのスキマ
解像度がアレだっただけで黄金の剣は描写以上に強い
ネタあと10話くらいで尽きそうだったので外伝でエルミナージュ行かせたいのですが、ちょっと世界観ぶれそうなので良いかどうかのアンケートへお答え頂けると嬉しいです。
エルミナージュに行く話書くの
-
良い
-
オーエンキューブワードナチェイン後
-
リルガミンで完結させて