東方史上最強の弟子 レンイチ   作:浜栲なだめ

13 / 55
今回は新キャラ回。



高天原結成編
第十三話「結成! 高天原」


 蓮一が魔法の森での修行を終え、博麗神社へ帰って来てから三日が過ぎた。

 雲一つない晴天にギラギラと照りつける太陽と鳴り止まぬ蝉の声、博麗神社からそう遠くない人里まで歩いて行くだけでその額に汗が滲む。

 幻想郷に、夏が来ていた。

 額の汗を拭いながら蓮一は人里のとある施設の正面に立っていた。大きく、年季の入った木造建築の建物には大きく『自警団』の三文字が書かれた看板が掲げられている。

 

「ここが里の自警団で間違いなさそうだな……」

 

 何故蓮一が今日、里の自警団を訪ねる事になったのか、それは今から数刻前に遡る。

 

 

 数刻前、博麗神社。

 蓮一は師匠に呼び出されて博麗神社の本殿に来ていた。相変わらず参拝者のいない本殿の賽銭箱。その隣に師匠は座っていた。

 蓮一がそこに駆け寄ると、師匠は立ち上がって一つ横にずれて座り直し、蓮一に空いた隣に腰かけるよう促す。

 

「蓮一、先日の魔法の森での修行の甲斐あってあなたの身体づくりは完了したわ。もう十分に疲労も取れたようだし、今日から本格的な修行を開始していくわ」

「――! はい、師匠!」

 

 師匠が蓮一を魔法の森に出向かせた理由、それは霊力回路の生成を試みるためであった。なにせ、これから蓮一は妖怪退治を行っていくのだ。まず霊力を練れなければ、妖怪に対抗する術を持たなければ始まらない。

 そして、その霊力回路は霧雨魔理沙という嬉しい誤算も相まって大成功を収めた。

 これで蓮一は師匠から修行を受ける準備を完了したと言える。そして、魔法の森での修行の疲労が癒えた今日、遂に本格的な修行を開始しようと師匠は言った。

 蓮一も待ちに待ったその言葉に力強く返事を返す。

 

「よし、それで蓮一。これから修行をやっていく上で一つ問題があるのよ」

「何ですか?」

「私、人に物を教えるという行為が恐ろしく苦手でね。なんていうか、言葉で説明するよりその体で感覚を覚えてもらう派、というか……」

「……はい」

 

 師匠の口調がどことなく重い。師匠の育成能力がどれ程のものかは知らないが、師匠の様子を伺う限りでは相当の苦手意識があるようであった。

 魔法の森で蓮一にありとあらゆる知識を短期間の内に見事に詰め込んで見せた魔理沙程のものを期待している訳では無いが、蓮一もそこまで自身なさげに語られると流石に不安になってくる。

 

「そこで、あなたの修行に他からも助けを借りる事にしたわ」

「え? それってつまり……?」

「複数人の師匠があなたに修行をつける事になるわ」

「……成程」

 

 つまりは蓮一一人に対して、数人の師匠がついて修行をみるという事である。

 師匠の育成能力に不安がある以上、妥当な対策であった。蓮一もそれを理解し、頷いて同意の意を示す。

 

「勿論、主に修行を見たりするのは私よ? でも、私が教えきれない部分で蓮一に学んでもらいたい事も沢山あるわ。そのためにどうしても私以外にも師匠が必要なの。安心なさい、その師匠達も私選りすぐりの達人級(マスタークラス)達よ。必ずお前を遥かに強く鍛え上げてくれるわ」

「まぁ、師匠が決めた事ですし、弟子の俺に異論はないですけど。それで師匠、少し気になったんですけど『マスタークラス』ってなんですか?」

 

 達人級(マスタークラス)。蓮一には聞き覚えのない単語であった。

 師匠はそういえば説明してなかったと前置きを入れてその説明を始める。

 

「まず、武人にはその力量に応じて位階が存在するわ。その最下層が弟子級。おおよそほとんどの武人はここに分類され、蓮一もこの弟子級の下層に分類されるわね。師匠を持ち、武を磨いている途中の者。その範囲は広く、武術を始めたばかりの初心者からある程度武の高みに到達した者まで様々。おそらく早くても三、四年はこの階級からは出られないでしょうから、覚悟しておきなさい」

「は、はい。覚悟はできてます」

「よろしい。次に弟子級の殻を破った一つ格上の武人達のいる階級、妙手。弟子以上達人未満の武人でその力量は弟子級の遥か高みにあるわ。そして、才に恵まれなかった者や努力を僅かにでも怠った者の終着点でもある。折角妙手の域に到達してもそこで武人としての成長が終わる者も多いわ」

「才に恵まれなかったって……それじゃあ、いくら頑張っても妙手止まりの武人もいるって事ですか?」

「ええ、その通りよ。そして、大半の武人がそうなるわ。残念ながら生まれ持った才だけはどうにもならないからね」

 

 師匠は顔を曇らせながらも淡々とそう言い切った。

 蓮一の中で武術の世界の理不尽的な厳しさが不安となって纏わりつく。自分は妙手の先にいけるのか。それだけの才を持ち合わせているのか。

 考える程に胸中の不安は募り、蓮一はそれを一旦振り払う。今から自分の才の有無を心配していても仕方がない。まずは今を、弟子級の殻を破る事が目標なのだから。

 そう何度も自分に言い聞かせる。

 

「大丈夫よ、蓮一には才覚があるわ。私が保証する。どれだけ時間がかかるかは予測できないけど、必ずあなたは達人級(マスタークラス)に、私の居るこの領域に到達できるわ」

達人級(マスタークラス)……」

「そう、武の才に恵まれ、尚且つ努力を怠らなかったごく僅かな者のみに到達できる武人の最高位。これからあなたが会う新たな師匠達も同じ達人級(マスタークラス)よ」

 

 蓮一の全身が震えた。目の前にいる師匠は、そしてこれから出会う新たな師匠達は、自分の想像を超越した神域にいる豪傑なのだ。

 そんな最高位の武人達がこぞって蓮一という未だ武の始線に立ったばかりの少年を鍛えてくれるというのだ。ここまでされて武者震い一つしない者などその時点で武人としての才能がない。

 自然と蓮一の口角が吊り上り、笑みを浮かばせていた。

 

「どうやら、満足いただけたようね」

「ええ、これ以上の修行環境なんて考えられません。感謝します、師匠!」

「分かればよろしい。じゃあ、早速今からその師匠達に顔見せに行ってきなさいな。場所は――――」

 

 

 こうして今に至る。

 いざ、自警団の入り口に手を掛けると緊張が走る。この中に蓮一がこれから師匠として教えを乞う達人級(マスタークラス)の武人がいるのだ。

 気温と緊張に濡れた手を一旦服で拭い、改めて扉に手を掛け、勢いに任せてそれを開く。

 

「し、失礼します!」

 

 緊張気味にそう言って中に入ると、丁度集会中だったのか、列を作って並ぶ自警団のメンバーと、その前の壇上に立って何かを話していたリーダーらしき人物がそこにはあった。

 そして、その全員の始線が勢い良く中に入ってきた蓮一に注がれていた。

 最悪のタイミングだった。この凍りついた空気を蓮一にはどうする事もできない。そうして慌てふためいている所に、リーダーらしき青年がわざとらしく咳払いを入れる。

 

「あー、ごほんごほん。えーっと、君、悪いけど今は集会中でね。もうすぐ終わるから用件はその後で聞く、それでいいかな?」

「え、あ! は、はい! 大丈夫です! 失礼しました!」

「あー、出て行かなくていいよ。まぁ、そこらへんで気楽に座って待っててよ」

「は、はい!」

 

 完全に動揺して自警団を後にしようとする蓮一を笑いながら引き留め、座って待っているよう促した優しげな口調の青年は蓮一が近くの椅子に腰かけると途中だった話を再開した。

 

「――――という事で、それじゃあ、皆よろしく頼むよ! よし、じゃあ解散!」

 

 壇上の青年の発したその一言で列を作っていた自警団のメンバーは四方に散らばり、パトロールに出て行く者や、大テーブルに集まって談笑を始める者、また里の人々から寄せられたものらしい手紙の束を持ってチェックし始める者など広い室内はさっきの静かな空気から一変、賑やかに慌ただしくなった。

 蓮一が隅にあった空き椅子に座ったまま動けないでいると、さっきのリーダーらしき人物が駆け寄って話を聞きに来てくれた。

 

「あー、いや、すまないね。緊急の用件だったりしたかい?」

「い、いえ! そんな事はないです、むしろすみません! 大事な集会中に」

「いやいや、こっちも大したものではなかったから、ははは」

 

 頭を下げる蓮一に対し、青年は極めて温厚な態度で接し、そして自己紹介を始める。

 

「あー、僕はこの自警団の団長をやらせてもらっている辻秋(ツジアキ)という者だ。気軽にツジとか、ツジさんって呼んでくれ。皆にもそう呼ばれてるから」

「か、考えておきます」

 

 流石に明らかに年上の人間を初対面でそこまでフレンドリーに呼べる程蓮一は無神経でも礼儀知らずでもない。

 

「あの、俺は蓮一っていいます。今日は今度から俺の武術師範になってもらえるという事で挨拶に来ました」

「あー、蓮一って君かぁ。随分若いね、まだ子供じゃないか。今何歳だい?」

「あ、えっと今年で14になります。えーっと、辻秋さんが俺の新しい師匠になってくれるんですよね?」

「え? 違うよ?」

「えぇ!?」

 

 辻秋の予想外の返答に蓮一は驚愕の声を上げる。この自警団の団長を任される位だからきっと彼が新たな師匠に違いないと思い込んでいたのだ。

 辻秋はそんな蓮一の反応を見て愉快そうに笑っている。

 

「はは、ごめんね。まぁ、確かに僕はここの団長だけど武人としては未熟でね。才が欠如しているせいでもう長い事妙手の殻を破れないでいる。悪いが、僕では巫女様――もとい君のお師匠様の要望には応えられない」

「そうだったんですか。じゃあ、俺の師匠となる人っていうのは一体……?」

「あー、それは……今君の隣にいる奴だ」

「え?」

 

 ふと横を見ると、蓮一の事をしゃがみ込んでジーッと凝視している褐色肌の巨人が目の前に居た。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!?」

「アバァァァァァァ!?」

 

 蓮一が驚きの余り大声を出すと、それに驚いたのか褐色肌の巨人も両手を上にあげて驚愕の叫び声を上げる。

 しばらく収まりそうもない動悸をそれでも深呼吸して多少落ち着けると、改めて目の前の褐色肌の巨人を観察する。

 蓮一が巨人と称したようにその身長はゆうに2mを超え、かなり広く作られている自警団の建物内も彼がいると小さく見えてしまう程である。

 また、その全身は見事なまでに鍛え抜かれた筋肉で覆われており、その腕の太さは蓮一の足より太い。

 そして、何よりこれ程までに目立つ人間がすぐ隣に居たにも関わらず辻秋に言われるまで全く気付かなかった事が不思議でならなかった。

 

「あー、おい阿八(アバチ)。自己紹介しろ、今度お前の弟子になる蓮一だ。巫女様から直々に頼まれたの覚えているだろう?」

「アバ! もちろん覚えてるよ! アバチの名前は阿八(アバチ)っていうよ! よろしく、レンイチ!」

「え? あなたが僕の師匠? ってことは達人級(マスタークラス)の?」

「ああ、この巨人みたいな奴が君の師匠に抜擢された阿八だ。まぁ、言葉が片言で意思疎通が図りにくいかもしれんが、実力は保証する」

 

 辻秋にそう言われ、もう一度満面の笑みを浮かべて手を差し伸べる阿八を見る。

 そして、蓮一はその大きな手に自分の手を差し伸べ、固く握り交わす。阿八との握手は力強く、彼の握力の高さを感じさせるが、不思議とその中に慈愛を感じる。

 外見こそ一見恐ろしそうではあるが、その性格は優しさの塊のような、慈愛に満ちた好青年だと、そう蓮一の第六感は告げていた。

 

「これからよろしくお願いします! アバチ師匠!」

「うん! こちらこそよろしくよ! アバチ頑張って妖怪ブッ壊す方法教えるよ~!」

「言い方が物騒だな……」

「あー、取り敢えずお互い挨拶も終えた所で、どうかな、蓮一? このまま帰るっていうのも味気ないし、これから僕や阿八と一緒に人里のパトロールに行ってみるかい?」

「え……? また何故?」

 

 何故、突然パトロールに同行するよう辻秋が持ちかけたのかよくわからないと蓮一が尋ねると、辻秋は一瞬拍子抜けた表情を見せ、途端に大笑いを始めた。

 

「ハハハハ、何を言っているんだい蓮一、君は明日からここで働くよう巫女様に言われてきたんだろう? その新人研修をやろうって事さ」

「…………え?」

「ハハハ……あれ? 本当に聞いてないのかい?」

「アバ?」

 

 予想外の行き違いにとまどう少年と青年。そして、話についていけていない巨人の計三人はその場でしばらく固まっていた。

 

 

 どうしてこうなった。

 蓮一の頭の中はそればかりだった。これから修行をつけてもらう新たな師匠に挨拶に行ったつもりが、何故今自分は自警団の見習いをやっているのか。

 そして、ただの見習いのパトロール如きに何故、自警団の団長とこれから自分の師匠になる巨人の二人が付き添いで来るのか。

 もう、目立ちまくりであった。

 さっきから数メートル歩く度必ず誰かしらに声を掛けられる。自警団の団長である辻秋と達人級の強さを誇る阿八。里の人々に知れ渡っているのは当然であった。

少し顔を見せれば二人に里の人々があの時は助かった、とか、これからも頑張ってくれ、とか、実はこんな事で困っているんだ、とか声を掛ける。

そして、その度にパトロールの足が止まる。

 今日は簡単にパトロールのルートを覚える程度で済ます筈であったのにこれでは日が暮れてしまう。

 というか既に時刻は夕刻。日が暮れ始めていた。

 

「お二人とも人望があるんですねー」

「いやいや、そんな事ないよ」

「アバ! 里の皆を助けてる内にいつの間にかこうなってたよ!」

 

 消沈した蓮一の棒読みの台詞を一切気に掛ける事もなく、素直に蓮一の言葉を好意として受け取る辻秋と阿八。

 最早ツッコむ気力もなく蓮一は溜息を漏らす。

 

「おやおや、もう疲れたのかい? 蓮一はまず体力作りからかな?」

「アバチ、いいトレーニング知ってるよ! 明日からそれやるよ、レンイチ!」

「いえ、おそらく明日からは疲れる事はなくなると思います。そして、ここまでパトロールに時間をかける事も」

「いや、悪かったよ。まさかここまで時間を食うとは予想だにしていなかったんだ。それに皆の声を無下にする訳にもいかないだろう?」

「ごめんよ、蓮一。ここまで里の皆がアバチ達に感謝していたなんて寝耳にミミズだったよ」

「……いや、ミミズは流石にエグ過ぎでしょう。そこは水にしましょうよ。ていうかそもそも使い方から間違ってるし!」

 

 そんな会話をしながらもようやくパトロールを終えて自警団のすぐ近くまで帰って来た時、不意に蓮一はへばりつくような嫌な感覚を覚える。

 それは、所謂『嫌な予感』というやつを数倍にしたような感覚で、蓮一にはそれが自身の第六感による何かしらの察知だと気付いていた。

 まだ霊夢のように百発百中とはいかないが、蓮一の第六感もそれなりにはアテになる。

 何より、蓮一の直感は今まで一度も『嫌な予感』に限っては外れた事がない。

 

「――! いけない!」

 

 突然、何かに気付いたのか辻秋は一目散に途轍もないスピードでどこかへ走って行く。

 その先に居たのは転んだのか、地面に座り込み、膝を擦り剥いて泣いている少女であった。しかし、それだけではない。

 その少女に辻秋以上の速度で向かって来るものがあった。

 それは巨大な牛車。何があったのか、立派な黒い牛が二頭、牛車を凄いスピードで引っ張って暴走しているのだ。その車線に丁度少女がいる。

 

「まずい! 今から間に合うか!?」

 

 蓮一もコンマ一秒遅れて辻秋を追おうとするが、それをあろう事か阿八が肩を掴んで制止する。

 その間にも牛車は少女にみるみる近づいていく。

 

「ちょ!? アバチ師匠!? 何を……!」

「大丈夫よ、ここは辻秋に任せるよ」

 

 何も問題ないと阿八は先行した辻秋に全て任せろと言う。蓮一は当然そんな事は納得できないと阿八に掴まれた肩を振りほどこうとするが、いくら力を加えても蓮一の掴まれた肩は微動だにしない。

 ついに牛車が少女の目と鼻の先まで来た所で辻秋が少女の居る場所まで辿りつく。

 しかし、今から少女を抱えてその場から離れるには余りにも絶望的。なんとか少女の壁になるような立ち位置を取っているが、暴走牛から見ればそんなものは薄っぺらな紙同然だろう。

 

「だめだ! 辻秋さん!」

 

 少女と牛車の間に立った辻秋を暴走した牛車が襲い掛かる。

 蓮一は双方が激突する瞬間を見ていられずその目を閉じる。暴走した牛二頭の突進を生身の人間が受ければ死は確実。

 しかし、いつまでも人々の悲鳴や叫び声は耳に入ってこない。蓮一が不思議に思い、薄らと目を開けると、そこには二頭の牛を両腕で正面から抑え込み、牛車の暴走をその身一つで止めている辻秋の姿があった。

 

「…………え?」

 

 目の前の状況が信じられず蓮一は口を開けっぱなしでいる。辻秋は確かに筋肉質な身体ではあったが、その体形は他の団員よりも小さい位で、阿八と並んでいる時はほとんど子供と大人だ。腕も足も特筆する程太い訳でもなく、とてもあの牛車を一人で止めるなど不可能に見えた。

 しかし、現実に辻秋は単純な力で暴走牛二頭の突進を完全に止めていた。多少、地面に辻秋の足がめり込んでいるのが見えるが、決してそこから後退するような事はない。まるで見えない壁にでも当たったかのように、二頭の牛は辻秋の立つその場所から一歩も前進できずにいた。

 

「ハァァァァ!」

「ブモォォォォ!」

 

 辻秋と牛の雄叫びが夕暮れの人里に響き渡る。

 しばらく、その状態で双方力の競合いを続け、そして最後には牛の側が崩れた。

 完全に牛が止まった事を確認すると、辻秋が手を離し、額の汗を拭いながら蓮一達の方に向かって笑顔で手を振り返す。

 急いで蓮一達は辻秋の方へと走って行く。

 

「辻秋さん!」

「あー、蓮一君。すまない、急に離れて行ってしまって」

「いや、そんな事はどうでもいいですよ! それより今あの暴れ牛二頭を腕力で捻じ伏せましたよね!? 一体どういう筋肉して――――う!?」

 

 蓮一はその辻秋の手を見て思わず声を上げる。

 今まであまり辻秋は手を上に動かす事がなかったので、着物に隠れてその腕の全貌は見えていなかった。しかし、着物に時折浮かび上がる腕の輪郭から意外にも細腕である事は蓮一にも見抜けた。

 だが、今、辻秋が蓮一達に振っている右腕を見て細腕という認識を改めざるを得なかった。

 確かに辻秋の腕は細い。間違いなく辻秋以上の太さの腕を持つ者は阿八に限らず自警団に大勢いた。だから蓮一の見抜いた細腕という『形』としての概念は誤ってはいない。改めるべきは細腕だからといって筋肉の質も太い腕に劣るという『力』の概念。

 辻秋の腕の筋肉の付き方は異常と言っていい程であった。明らかに普通の筋肉の付き方をしていない。筋肉で全身を覆われた者を度々筋肉ダルマなどと呼んだりもするが彼にはそれすら手ぬるい。一体どんなトレーニングをすればそうなるのかわからない程に極限まで絞り込まれた筋肉は最早不気味ささえ感じさせる。

 彼の腕は細いのではない、ただの1ミリグラムさえ無駄のないよう、絞り込まれているのだ。

 

「あー、やっぱり気色悪いよね、この腕。すまない、あまり人前には晒さぬよう気遣っていたのだけど、ははは」

「い、いえ……むしろ凄いと思います。どうやったらそんな筋肉の発達の仕方に?」

「辻秋は全身がモモヒキ筋っていうなんか凄い筋肉になってるよ! だから実はアバチと同じ位力強いよ!」

「も、股引筋だって……!? なんなんだそれは……!?」

「いや、違う。モモヒキ筋じゃなくて桃色筋ね。阿八の言った通り僕の全身の筋肉は瞬発力の白筋と持久力の赤筋両方の性質を備えた特殊な筋肉になっているんだ」

「よ、よく分からないけど……凄い!」

「はは、まぁ僕もよく分かっていないんだ。説明は全部師匠の受け売りさ」

「辻秋さんにも師匠が!?」

 

 辻秋にも武の師匠がいると聞き、蓮一は一種の親近感を覚える。

 しかし、蓮一が話題を広げようと次の言葉を口にしようとする前に辻秋が蓮一を手で制す。また、阿八も突然臨戦態勢に入り、二人ともある一点を睨んでいる。

 

「牛止まっちゃっ……た?」

 

 停止した牛車。牛達の引いていたその豪華な装飾の屋形(やかた)の中から一人の女が音もなく出てきていた。

 蓮一はその姿に一瞬見惚れていた。

 立烏帽子(たてえぼし)をかぶり、足にすら届きそうな黒髪をなびかせ、黒と青を基調とした着物を羽織ってそこに立つ姿はそれだけで不思議な気品と優美さを感じさせ、それを見るあらゆる者を魅了させた。

 ある二人を除いては。

 

「ここまで全く僕達に気配を悟らせなかった。かなりの使い手だ。油断するな、阿八!」

「もちろんよ! 最初っからブッ殺す気でいくよ!」

 

 蓮一の隣で辻秋と阿八の放つ強烈な闘気に当てられ蓮一は我に返る。

 そんな二人の闘気を察知し、牛車に乗っていたらしい美女もこちらの方を向く。

 

「なんだか妾大ピ~~~~ンチ?」

「女、今貴女が暴走させた牛が女の子を轢く所だった。それにこの牛達も無理矢理走らされたせいで随分と疲弊してしばらくは使い物にならないだろう。如何なる理由があってそんな非行に及んだのか!」

「アバ! 牛さんも女の子も危ない所だったよ! 謝るよ!」

 

 美女は辻秋と阿八の問いを完全に無視して無表情に二人をまじまじと観察する。そして、観察を終えると、興味を失ったのか背を向けてその場を去ろうと歩き始める。

 慌てて辻秋が彼女を呼び止める。

 

「ま、待て! とにかく自警団の本部まで来て頂きたい! 断る場合は、力ずくでも連れて行くが、異存ないな!?」

「そうよ! 悪い事したらまずごめんなさいよ!」

「…………」

 

 美女は立ち止まり、また辻秋達に向き直る。そして、あから様に面倒そうな表情を浮かべた瞬間、蓮一は突然周りの温度が5、6度下がったのではないかという程の寒気を覚える。

 そして、それがあの美女の殺気だと気付くのに数秒かかった。

 

「……お前達、しつこいぞ。まだ向かって来るなら容赦なく殺す……よ?」

「ッ!?」

 

 次の瞬間、まるで嵐のような殺気が辻秋や阿八に向けて放たれる。近くに居た蓮一もそれに巻き込まれ、あまりの気に意識が飛びかけ、たまらず膝をついてしまう。

 依然として辻秋と阿八は立ったままだが、辻秋の方は相当辛そうな表情を浮かべている。

 

「く、くそ……! なんて気当たり!」

「辻秋、ここはアバチに任せて辻秋は蓮一守るよ!」

「すまない、阿八。武運を祈る!」

「お前、妾と同じ特A級の達人級(マスタークラス)……か。でも残念ながらお前は――――」

「アバ!?」

「妾の好みじゃな……い」

 

 その台詞の途中、今までそこに立っていた筈の美女の姿が一瞬にして消え、次の瞬間、既に阿八の懐にまで潜り込んでいた。

 阿八もすかさず、防御の構えをとるが、初動は美女の方が早かった。

 何発もの鋭い突きが阿八の身体を直撃した。

 

「急所を突い……た。命だけは助かるだろうが、もう二度と武人としては立ち直れま――い?」

「ア~バダバドゥ~!」

 

 最後の突きを入れ、完全に仕留めたと思い込んでいた美女に突然、阿八から風を切る鋭いキックが後頭部に向けて放たれた。

 阿八は繰り出された突きを当たる瞬間、驚異の反射神経と身体能力で体を僅かにずらす事で急所への直撃を避けていた。

 それに気付かず一瞬反応が遅れ、ギリギリその場でしゃがみ込む事でその蹴りを躱すも、浮いた黒髪までは避けきれず、美女の黒髪はその蹴りによってまるで日本刀で斬ったかの如く綺麗に切り落とされていた。

 切り落とされ、地面に舞い落ちていく自分の黒髪を見ながら美女が浮かべたのは怒りの表情ではなく、僅かな笑みであった。

 

「中々、やる。気に入った、名を名乗れ、巨……人」

「ん? アバチは阿八よ!」

「そうか、阿……八。妾もここまでの武人に出会えたのは久々。興が乗った、ここで妾と死合(しあ)……え!」

 

 自分と同等の武人に出会えた喜び。

 それに僅かとはいえ心からの笑みを浮かべ、美女は左の着物袖からどこにそんなスペースがあったのか、三振りの刀を取り出す。素人目から見てもその三振りの刀はどれも宝刀レベルの業物である事がわかる。

 そういくつも無い筈なのだ。刀自身から鮮明な殺気を感じる程の業物というのは。

 美女はそれを全て左手で持ち、右手でその一振りを掴み、抜刀しようとする。

 だが、そこで美女の動きは止まった。

 いつの間にか刀を抜こうとしていた右手を押さえられ、その首に手が掛かっていたのだ。

 蓮一は勿論、辻秋や阿八も突然現れたその者に驚き、動きが止まる。何より、美女は触れられるまでその気配を察知できなかった事に大層驚いているのか、目を見開いたまま、微動だに出来ないでいる。

 

「全く、蓮一がいつまでも戻らないと思ったら大変な事になっているわね」

「お前は……!」

「師匠!」

「み、巫女様!?」

「アバ! 巫女様よ!?」

 

 美女の動きを止め、この場の空気までを支配したのは他でもない師匠であった。いつも通り紅白の巫女服を着て、紫髪をたなびかせる、妖怪退治の達人、博麗靈夢その人であった。

 美女は師匠を見ると、諦めたように殺気をおさめ、素早く手を振りほどいてその場を離れる。

 

「久方ぶり、博麗……の。ようやく妾と死合う気になった……か?」

「そんな訳ないでしょう。というか、文にも書いたじゃない、私の弟子の育成を手伝って欲しいの」

「世迷言を。妾がそんな事を承知するとでも――――」

「敗者は勝者に従うんじゃないの?」

「むぅ……」

 

 何故だか、あの只者ではない美女も師匠にだけは頭が上がらないらしい。どうやら戦いは無事に治まったようで、蓮一は安心して溜息を漏らす。

 隣の辻秋も表情が和らいでいた。

 

「それで、博麗の。お前の弟子というのにまずは会わせ……て。話はそこから」

「あら、目の前にいるじゃない。蓮一、こっちに来なさい」

「え? は、はい!」

 

 師匠に呼ばれ、蓮一は立ち上がって、師匠の元に走って行く。その姿を見て美女は不思議そうに首を傾げる。

 

「――? 君いつからそこにい……た?」

「え、最初からいましたけど……」

「……存在が矮小過ぎて気にも留めていなかっ……た」

「師匠、俺この人嫌いです」

「こういう奴なのよ、勘弁してあげて」

「こんな子供を弟子にとって本当に大丈夫……か? 見た所完全に素人」

「問題ないわ。才はある、後はそれを磨き上げるのに腕の確かな師匠が必要なのよ」

「ふん……普通なら断る所。でも妾はお前との勝負に敗れてい……る。敗者は勝者に従う……者。それに――――」

 

 急に美女は蓮一の顎を掴んで、顔を引き寄せる。

 互いの息遣いまでが聞こえる紙一重の所まで蓮一を引き寄せ、その顔をまじまじと見つめると、無表情に言う。

 

「こいつ、将来いい男になりそう。今の内から唾をつけておくのも悪くないか……も?」

「いい歳して子供相手に盛らないで頂戴。蓮一に手出したら塵も残さず滅するわよ」

「なーんちゃっ……た」

 

 師匠の言葉にも一切動じず、謎の言葉を放ちながら美女は蓮一を離す。

 全く読めない。言動は意味不明かつ奇奇怪怪、表情はほとんど無表情。これ程までに行動の読めない女性は蓮一のこれからの人生の中でも彼女以外皆無と言っていいだろう。

 

「まだ名を名乗っていなかっ……た。妾は鈴鹿御前(すずかごぜん)。まぁ、精々修行で死なぬよう死にも狂いで頑張……れ」

 

夕日に照らされ、相変わらずの無表情で鈴鹿御前はそう言って蓮一に手を差し伸べる。

師弟の契りのような意味合いの握手だったのだろうが、彼女の放った殺気とその行動の読み難さに危険と恐怖を感じた蓮一にはとてもその手を取る勇気はなかった。

 

 

 夜の博麗神社の石段。そこを上る三人の豪傑達とそれに囲まれた一人の素人がいた。

 

「さて、蓮一。お前はこれで私の集めた新たな師匠の内二人と出会ったわね」

「はい、阿八師匠と、鈴鹿……師匠ですよね」

「妾、随分嫌われた……なぁ。いや、怯えられた……か?」

「アバ! あんなブッ殺す気マンマンの殺気浴びせたら当然の反応よ! レンイチまだ素人よ、気を付けなきゃだめよ!」

 

 あからさまに鈴鹿御前に対して引き気味の態度をとる蓮一に鈴鹿御前はむしろ楽しそうに笑みを向ける。

 阿八はそれを見て蓮一を庇うようにその肩を引き寄せて鈴鹿御前から遠ざけるようにする。その様子を見てやれやれといった顔で溜息をつきつつ師匠は話を続けた。

 

「実は私が集めた師匠は全部で五人いるわ。そして、残りの三人は既に博麗神社に集まってもらっている。本当は蓮一がもう少し早く帰ってくる予定だったからあのタイミングで鈴鹿御前と鉢合わせるつもりはなかったのだけれど。とにかく、師匠全員と顔合わせだけはしてしまいましょうか」

「はい……」

「大丈夫よ、鈴鹿御前(そいつ)程規格外の奴ばかりじゃないわ」

 

 不安気に返事をする蓮一に師匠は笑って安心するよう言う。

 やがて、石段を登り終えると、そこはいつもの博麗神社の境内ではなかった。本殿の目の前に三人の豪傑が立っていた。夕日の逆光で顔こそ見えないものの、境内に入ってから一気に空気が変わった。

 

――これは……何て威圧感!

 

 豪傑達の放つ気が境内の空気に重みを与えているのだ。まるで急に高山地帯に入ったかのような息苦しさを感じつつも、蓮一は臆せず一歩踏み出した。

 多少鈴鹿御前の放つ殺気に怯え、心が弱っていたのは事実。しかし、かと言ってここで修行から逃げ出す訳にはいかない。

 蓮一の覚悟が、彼らの発する気を上回った。

 

「ほう……」

「うん、肝が据わってるね、わいちゃんらの気当たりにも負けなかったね」

「…………」

 

 石段を登り切り、三人の元に近づいた事で本殿が陰になり逆光が消えた事でようやく見えた三人の師の姿。

 一人は、銀髪に眼鏡を掛けた半妖。

 一人は、黒い翼と阿八に並ぶ巨体を持つ初老の烏天狗。

一人は、緑髪に赤いチェックの上着とスカート、ピンク色のパラソルを差した女性。

その内の一人を蓮一は良く知っている。

 

「霖之助さん? なんでここに……?」

「やぁ、久しぶり、蓮一君。まぁ、見ての通り僕も今日から君の師匠になるという訳さ。これでも腕には自信があるから安心してくれていいよ」

「ん? 森近どんはもうわいちゃんらが弟子と知り合いね?」

「ええ、射命丸(しゃめいまる)殿。実は少し前に魔法の森で彼と会っていまして」

 

 射命丸と呼ばれた烏天狗が霖之助と蓮一の会話に挟み入ってくる。蓮一から見てもこの烏天狗と霖之助は鈴鹿御前に比べて遥かにまともに見える。

 どうやら本当に規格外な存在は彼女一人だけらしい。そう胸を撫で下ろしていると、師匠が割って入り、話を始める。

 

「さて、今日は皆集まってくれてありがとう。文にも書いてあったと思うけど、この度私は弟子を取ったわ。娘の霊夢ではない、ここにいる人間、蓮一よ」

「まさか、かの巫女様が弟子を取るなんて、長く生きたわいちゃんにも予想できなかったね」

「ええ、僕も彼女とは付き合いが長いですが、後継者は霊夢だけだと思っていました」

「アバ! よくわからないけど、めでたいよ!」

「正直、どうでも……いい」

「…………」

 

 師匠の言葉でその場の全員の視線が――いや、さっきから何も喋ろうとしない緑髪の謎の女性を除き――蓮一に向けられていた。

 豪傑達の好奇の視線はそれだけで蓮一に何か圧を感じさせる。

 

「私はこれからこの蓮一を私のいる境地まで連れて行く。そのためにあなた達の力を借りたい」

「――!」

 

 次の師匠の言葉で全員が、少なからず驚愕の反応を見せる。

 『私のいる境地に連れて行く』という言葉、それに全員がまるで彼女の正気を疑うかのように師匠に視線を集めていた。

 

「言っておくけれど、私は本気よ。そして、可能だと踏んでいる。かつて私と死闘を繰り広げたあなた達の実力はこの身に染みてよくわかっているわ。あなた達程の豪傑がここまで集まれば、私の弟子、蓮一は必ず『史上最強の弟子』に育つわ」

「……また、無理難題を」

「でも、それはそれで面白そうね。巫女様の認めた弟子をわいちゃんらでどこまで鍛え上げられるか腕が鳴るね」

「よくわかんないけど、取り敢えずアバチ蓮一に妖怪ブッ壊す方法教えるよ!」

「やるからには本気でや……る。死んだら所詮はそこま……で」

 

 それぞれ勝手な事を言っているが、全員共通して案外乗り気なようであった。

 それが、それ程までに師匠の影響力が強いという事なのか、それとも何か蓮一にこの豪傑達の意欲を湧き立たせる何かがあるのか。

 何はともあれ、師匠の修行計画は順調に進みつつあった。ある一人の例外を除けば。

 

「ねぇ、そろそろ飽きてきたし、私は帰ってもいいかしら?」

 

 その一言で全員の視線が今度は今まで一言も喋らなかった緑髪の女性に向けられる。

 しかし、豪傑達の視線にも何一つ動じる事なく、彼女は欠伸をしながらさらに続ける。

 

「正直、私弟子は取らない主義なのよ。それに、人間なんて壊れやすくていけない。悪いけど私は降りるわ」

「幽香……」

 

 幽香、と師匠に呼ばれた緑髪の女性はそう言うと、他の返答を待たずに踵を返して博麗神社を立ち去ろうと歩を進める。

 が、その足は突如どこからか現れた抜き身の刀が彼女の首に突き付けられた事で止められる。

 幽香は刀を突きつけた張本人、鈴鹿御前の方をジロリと睨むと、どこか威圧の入り混じった微笑を浮かべて尋ねる。

 

「これは……何の真似かしら?」

「帰るのは、許されな……い。お前もこの巫女にかつてやられた口だろ……う? ならば、敗者は勝者に従うが理。違う……か?」

 

 幽香と鈴鹿御前、二人の間でまるで嵐でも吹き荒れているかのような殺気のぶつかりあいを感じる。

 当然、蓮一はあまりの殺気に動けず、師匠を含め他の豪傑達は皆いつでも制止に入れるよう間合いを計り、その表情に緊張を漂わせる。

 極限の緊張状態の中、しばらく幽香、鈴鹿御前、他の豪傑達の三者の睨み合いが続く。

 そして、やがて一人が殺気を収めた。

 それは意外にもこの緊張状態を作った原因、幽香であった。

 

「わかったわよ。別に貴方達とこの場で争う気は『今は』ないわ。この場に残るわ。博麗の巫女の案に従うわよ。だから、全員その殺気を収めてくれるかしら?」

「わかればい……い」

「ふぅ、心臓に悪い」

「まったくね、止めるこっちの身にもなって欲しいものね」

「アバ!」

「まぁ、何はともあれこれで全員の同意を得られたわね」

 

 一気に場の空気が和らぐと、師匠は話を再開し、皆を引きつれて神社の境内裏へと足を運ぶ。

 蓮一も何度かは境内裏に足を運んだ事はあったが、特に変わったものもなく、森林が広がるだけの地帯であったように記憶している。

 しかし、いつの間にできたのか、そこには立派な道場が建てられていた。木造で自警団本部よりも広いであろうその道場の正門には大きく『高天原(たかまがはら)』と達筆で書かれた看板が掲げられている。

 

「では、今より我ら幻想郷指折りの豪傑が集うここを、『高天原』と名付ける! そして、この一番弟子として人間、蓮一を迎える!」

 

 いつの間に妖怪退治の際に付ける鬼の鉄仮面をつけた師匠はそう、高らかに叫んだ。

 高天原、神々の住む都の名を冠するその道場にかくして神域の達人達が集まった。そして、この高天原の一番弟子、蓮一はこの日を境に魑魅魍魎の蠢く妖怪退治の世界に、そして幻想郷の武の世界に急速に足を踏み入れていく事になる。

 

 




流石に梁山泊っていうのは気が引けるので名前は変えました。
なんだかケンイチ要素が濃くなってきた気がするのであらすじの情報更新しておきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。