黒鉄の騎士がダンジョンに潜っても誰も気になるまい 作:ワニの騎士
呪術……それは炎を操る術。大昔に魔術に分類されていたが、呪術の祖と呼ばれたイザリスのクラーナが研究を進め呪術という新しい術を究めて彼女の弟子を通して他の呪術師に広まっていった。炎の業を振るうにはその身に火を宿す必要がある。呪術師にとって、火は特別なものであり、大抵は一生を共にし、大事に育て続ける。彼らにとって火はまさに半身であり、分かち合ったものは火の血縁となるのだ。彼女の火は彼に渡り、そして一人のエルフに分けられた。
「さぁ、両手を出してくれ」
トーリンに促されリヴェリアが手を差し出すと、彼の手から発火した火が彼女の手へと移される。その火は熱くなく、痛みも感じず、ただ温もりを感じた。そして火は手に吸われるように消えていった。
「不思議だ…身体の内側からジワジワと火の温もりが広がっていくのを感じる」
「最初は俺もそうだった。直ぐに慣れる」
火が吸い込まれた両手をまじまじと見るリヴェリアの肩を優しく掴んで彼女の目を自分に合わせた。彼女から見ると顔がバケツ兜で隠れているので目の合わせようがないのだが……
「いいか?これから炎の業を伝授する前に、大切な事を言う。それを決して忘れず、頭の隅に置くんだ」
「炎の業はとても強大だ、時には傷を癒し、時には盾となり、時には毒となり、時には全てを魅了する。だが決して過信するな。『火を畏れろ。その畏れを忘れた者は、炎に飲まれ、全てを失う』わかったな……」
「あ、あぁ」
彼が肩から手を離すと手を叩いて暗くなった空気を何とかしようとした。
パチン
「さて、早速授業を始めようか、まずはこの業から………………」
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暗い暗い地の底、病と虫が蔓延する病み村で、一人の騎士と一人の呪術師がいた。
「今更だがお前はなぜ呪術を学ぼうと思ったんだ?お前ならその大剣を振るうだけで良さそうだが」
「火には昔から思入れがあるのです……危険で温もりがある火には…。火を見ると思い出すんだバーニスの鍛冶場の音、光景を」
「故郷が心の支えだった。しかし、死を繰り返す度に記憶が薄れてしまう…それでも火は違う。火だけはあの光景を思い出させてくれるんだ」
「私はこの思いを決して忘れたくない。だから貴女に弟子入りしたのです」
「なるほど…何がなんでも呪いに抗う為に呪術を乞うたのだな、無駄な詮索はしないと決めていたが良い話を聞いたよ。やはりお前は馬鹿弟子だな」
「その……馬鹿弟子という名は何とかならないのですか」
「いいや、馬鹿弟子は馬鹿弟子だ。変えるつもりはないぞ」
あぁ……お前は愛おしい馬鹿弟子だな
この作品ではトーリンはどのファミリアに入るのがいいですかね?
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フレイヤ・ファミリア
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イシュタル・ファミリア
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不死人は独りだ