「あのですねまず、元々俺は捨て子で赤ん坊の頃義父に拾われて今日まで育ったんですよ。義父に息子娘はいないし完全な一人っ子って訳です。あと彼女はヴァルポだからエーギルの俺と種族が違うからな?
なんで俺はシスコンでロリコンじゃないし、まかり間違っても突如脳内に溢れ出した存在しない記憶なんて出てねぇからそろそろ肩へ掛かる力を緩めてくれないお二人さあああ痛い痛い! マジこれ以上はヤバいって──
──コキッ!!
んぎゃあああああ?! 今コキッ!! って鳴ったよねえ!? アカン、このままじゃ俺の肩が死ぬぅ!!!?」
九尾の美少女からお兄ちゃん認定された瞬間、女友達に手やタコ足で肩を掴まれ背筋が冷えそうな威圧と共に説明を求められました。ロリ三人娘はそれぞれ反応を示し、ポプカルちゃんとスズランちゃんは修羅場じみた状況にあわあわとしていた。
シャマレちゃんは俺に呆れを含んだ冷ややかな視線を向けつつ、何故かシャマレちゃんのぬいぐるみが生き生きと動いてい──キェェェェェェアァァァァァァウゴイタァァァァァァァ!!?
そんなことはともかく、俺のプライドをかなぐり捨てた弁明で二人はとりあえず怒りの矛は収まってくれた。うぐぉ……いまのはいたかった……痛かったぞー!!! (宇宙の帝王並感)
あと、こんな茶番の中で昔の記憶を頭ン中からどうにか掘り起こした結果、何故スズランちゃんが先程俺をおにいちゃんと呼んでいた心当たりが出てきた。
「もしかして……10年位前に義父と旅行で行った稲荷神社にいたリサちゃんか……?」
「っ! はい! リサですブンカおにいちゃん! 会いたかったです!」
「マジか!? うわ~随分大きくなったなぁ~!」
しかしマジで分からんかった。あん時の彼女って今より全然小さかったしもちろん可愛かったが、今はこうして素敵な美少女に成長してるから見間違えたわ。あと先程の彼女に対する違和感も道理で説明がついた。九尾のヴァルポって確か彼女と彼女の父親くらいしか見たことないし、あれは見覚えある故の違和感だったんだなっと。
リサちゃんも俺に会えて嬉しいのか抱きついて来てお腹に頭スリスリしてきた。こうも懐かれてんのは嬉しいが、ここまで気を許してもらうようなことしたっけか? あの数日間でやったことなんて読み聞かせや散歩や昼寝に付き合って、あと歌を教えたくらいか?
まぁそれはそれとしてカワイイ! ロリに懐かれてあぁ^~(純粋さに)心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~。コータスじゃなくてヴァルポだが。
……なんでそこのお二人はケータイ仕舞って? ポリスメンはやめろぉ!?
あ、写真もやめろぉ!? もしリサちゃんのトッチャマカッチャマにそれ見られたら俺死ゾ。特にカッチャマの方は殺りかねないからシャレにならんのぉぉぉ!!!
―食堂―
ロリっ娘三人をパーティに加えやって来た食堂。お昼時なのか多くの人達で混雑しながらも賑わって盛況なようだ。空いてる席を探すために歩き回っているが、あちらこちらでいい匂いが漂い空腹感が刺激される。厨房を見ればで忙しなく動き回るスタッフの姿も見え……ん? なんかあそこの厨房に侵入しようとしてるペッローの嬢ちゃんがいるんだけど。あ、厨房スタッフに侵入阻止されてその後片足義足の牛角の保護者らしい人に連れて行かれた。
気を取り直して空いてるテーブルを探しにあちこちを見回す……うわ、あの山盛りのマッシュポテトすげぇな。誰が食べるん──って待て待て!? 物凄い速さで山を平らげたぞ!? えっ、あのちんまいロリが全部食べたの? 彼女の周りの人達(鬼の男女と蜥蜴要素が濃い白いサウラの人)はいつも通りのことと言わんばかりに平然としてるし。
他にもアメリカンサイズなアイスクリームカップを平らげる赤い女がいたり、枝豆を鞘ごと食べてるコータスの男性がいたりと、食堂とは名ばかりのテーマパークを掻い潜りながらどうにか空いてるテーブルについて席を取ることが出来、各自注文することになった。ロドスの食堂キョキンキャ(アルベド族並感)な俺はとりあえず日替わりメニューを選んだ。無難な安牌を選んだが、少なくともハズレは無いだろう。
頼んだ本日の日替わりメニューはオムライスセットだった。わぁい、オレ、オムライスダイスキ! (幼児退行化)
他のメンバーの昼食メニューはキララはパンケーキサンド、ウタゲはハンバーガー、リサちゃんはクリームシチュー、ポプカルちゃんはお子様ランチ、シャマレちゃんはボロネーゼパスタだった。どれも美味そうやなほんまに。
「てかブンカそれ大丈夫? ここの大盛って結構多いよ」
「あたし達が食べるのより遥かに多いんだけど」
俺の目の前に盛られているのはトロトロの半熟黄身がかかった特盛のオムライス。某中間管理職で出てきた大盛カツ丼程ではないが、一般的な飲食店の大盛に比べれば少し多めだ。
とは言えさっきのあのマッシュポテトの山に比べればマシな方だろう。
「安心しろ、お残しは絶対しない主義なんでな。そんじゃ、いただきますっと」
「「「いただきまーす」」」(極東組)
「えと……いただきます!」(ポプカル)
「……いただきます」(シャマレ)
大盛オムライス、いざ実食──美味いっ! (即オチ炎柱並感)
「うわっ?! びっくりしたぁ……!」
「ちょっと、急に大声出さないでよ。ほら、周りがチラチラ見てきてんじゃん」
悪い悪い、俺って咆哮音痴だからな~(意味不明)。
それはともかくまじでうんまいぞこれ!? スプーンの進む手が止まらん! うおォん、今の俺はまるで人間火力発電所だ! (ガッガッガッ!)
しかし予想以上にここの食堂の飯は美味しいってことが分かったのは大きい収穫だ。飯を楽しみに出来るのは人生で重要なことだからな。ここはそのことを分かってる。
「ブンカお兄さん、おいしそうに食べてるね」
「食べるスピードが速い……」
「シチューも美味しいですが、おにいちゃんを見てるとオムライスも美味しそうです」
ん? ロリ達がこっち見てるけどなんだ……あ、そういうことか。ほれ、オムライス分けてやる。
「え?」
「おにいちゃん、いいんですか?」
遠慮するな。子供はよく食べることも一つの仕事だ。三人で仲良く分けな。
あ、俺は紳士だからもちろん口付けてないとこ掬ったし、掬ったスプーンや皿は新品の物だからエチケットはしっかりしてるゾ。
「じゃあ、三人で分けましょう。ありがとうございますおにいちゃん」
「ありがとねブンカお兄さん!」
「……ありがと」
おうおう、よく食えよ……ってキララ、ウタゲ、どうした?
「ねぇブンカ、私達にもオムライス分けてくんない?」
「そうだそうだ、オムライス分けろー」
……二人共、分けるのはいいが大丈夫なのか? パンケーキサンドもハンバーガーもカロリー高いし、これ以上食うと太るz──
「「………………フンッ! (コンビネーション脛蹴り)」」
「タコスッ!?」
あ痛ってぇ!! なんか脛を蹴られたんだけど何で!? 女子はカロリーを気にするから割と親切心で言ったつもりなんだが!?
「……にぶちん」
「ロリコン」
「今のはおにいちゃんが悪いですよ」
「えっと、三人ともケンカはだめだよ?」
「ポプカル、今のはあのロリコンが悪いから宥めなくていいよ」
脛を痛がる俺の周りには(ポプカルちゃん以外)味方が居なかった。誠に遺憾である。ぴえん。
あとウタゲ、ロリコンって言ったこと覚えてろ。おかげでシャマレちゃんにロリコン認定されたジャマイカ。
おま〇け
食堂で聞き耳立ててた職員の会話
(あ、リサちゃん達だわ。今日も可愛いわね)
(おや、しかもウタゲとキララと一緒とは珍しい組み合わせだ)
(ん? なんか見慣れない男子が混ざってんな)
(拙者、百合の間に挟まる男は大嫌い侍。義によってそこの間男を天誅致す)
(まてまてまて、ここで暴力沙汰は不味い。食堂出禁になるぞ)
(ヤるなら人気のないとこでな……)
(お前ら物騒すぎるぞ……)
(聞き耳立てたがどうやらあの男子、ウタゲとキララの友人らしい)
(へぇ、あの娘達に彼氏がいたの。意外と隅に置けないわねぇ)
(けどどうして彼はリサちゃんに懐かれて……ファッ!?)
(聞き間違いか……? いま彼に向かっておにいちゃんって言ったよな?)
(しかもあんな笑顔で呼んでる……)
(リサちゃんにおにいちゃんがいるなんて、ボクのデータにはないぞ!)
(やめちまえデータキャラ)
(よく見ろ、種族が違うから血縁とかは無いだろう。精々親戚か知り合いの年上男子として慕って呼んでいるんだろうな)
(だとしても、リサちゃんにおにいちゃん呼ばわりされるのは羨ましいぞ!)
(これは我らの光教の緊急会議を開かなければ……)
(ここに邪教徒いるんだが)
((リサちゃんのおにいちゃんという立場は)僕のだぞっ!! )
(違う! 貴様が(リサちゃんの)おにいちゃんであるはずがない!)
(どけ! 俺は(リサちゃんの)お兄ちゃんだぞ!!)
(おまえら少しは静かに……あ、マッターホルンさん。これは違うんです、だから俺だけ許して──)
この後食堂で変に騒いでた職員達全員が正座させられ、厨房スタッフによってしこたま絞られたとのこと。
ブンカ
義父との旅行でスズランパッパマッマとは昔に会ったことがある。パッパの方は優しそうで、マッマの方はヤバいという認識。けど、どちらもスズランの親バカだということは分かっている。
スズランに関しては立派に成長した妹分という認識。
スズラン
今度カッチャマがやって来る我らの光。ブンカに関しては昔遊んでくれた優しいお兄ちゃんという認識。あの日から会えずにいたが再会出来て嬉しい。けど子供扱いにはほんの少し複雑さを感じているとかなんとか。