あの後プラモVSの大会はどうにか無事に終わることが出来た。結果?俺の優勝ですが何か?
でも今回の大会は今までに比べてレベルが一番高かったゾ。初戦のは砂漠ステージじゃなかったらああも上手くミサイルの雨を防げたか怪しかったし。
準決勝で戦った二本腕のMAもどきも中々強かった。見た目以上に速いしシールド機能やゲロビ、ワイヤ―式で発射される腕とかで凶悪武装のオンパレードだった。ジオングやザムザザーかな?見た目ポケモンのメタングぽかったけど。
実体剣は折られるわ、脚が奴の腕に捕まって引き寄せられた時は肝が冷えたよ。あの時自分から脚を切り離して拘束から離脱し、隙を突いてビームサーベルでコクピットエリアを貫いた咄嗟の判断を褒めてやりたい。
あ、予備パーツはあるから決勝戦は万全の状態で挑むことは出来たから安心して、どうぞ。
そして決勝戦では、あのチート侍野郎がマジで強かった。武士の戦い方を突き詰めた機体の強さに、あの機体を難無く操れるプレイヤースキルが合わさってシンプルに強敵だった。しかも斬撃飛ばしてくるとかお前戦国アストレイ頑駄無かよぉぉ!!?
ホント強くてフェイズシフトが切れたし、最後ナイフで突貫して勝利をもぎ取ってやったからな!身バレ防止のためにSEED時代の某スーパーコーディネイターのパイロットスーツでコスプレしたけど、戦闘難易度まで原作ストライク搭乗の時みたいにハードモードにしなくていいだろいい加減にしろ!
あ、試合後に対戦した相手とは握手と、可能なら連絡先を交換した。こう気に入った相手とはまた対戦出来るようにしたいからな。
そして表彰式を終えた後、俺は会場近くの噴水広場で人との待ち合わせしていた。あ、格好はパイスーじゃなくて普通にカジュアルな服装に着替えたゾ。
「お待たせ、ブンカ」
「おっす、久しぶりだねブンカ」
「久しぶりキララ、ウタゲ。二人が元気そうで何よりだよ」
手を振って見知らぬ人物と共にやってきた幼馴染と親友に返事をする。鉱石病で心配してたけど、二人の様子が思っているより元気そうでホッとした。病は気からっていうし、悪化しない程嬉しいことはない。
「それで、そちらの人達が二人の保護者かな?」
「うむ、私はアカフユと申す。お主の戦い、大変良い物であったぞ。しかし元の姿がこうも素朴な青年とはな……人は見た目によらぬな」
「初めまして、スノーズントって言います。よろしくお願いしますね」
「アカフユさん、スノーズントさんよろしくお願いいたします。二人がいつもお世話になっているようで、迷惑かけてませんかね?」
「いやブンカ、親みたいなこと言わないでよ」
「これでもあたし達、ロドスでちゃんと仕事して役に立ってるしね」
「ブンカ殿よ、ロドスでは二人はしっかりと自身の役割を果たしておる。それは私が保証するぞ」
「私はロドスのエンジニア部で働いていますが、キララさんはプログラミングの方面で力になっていて助かってます」
そうなのか、これは過保護に心配しすぎていただけかもな。それと彼女達の親御さんには問題無いと報告出来そうだ。信頼出来る相手からの情報なら彼らの子を思う不安が少しでも和らいでくれるだろうし、
「さてと、外で立ち話もなんだし予約していた店で食事に行こうか。俺(とバイト先のチーフ)のおごりなんでお金のことは心配しないでくれ。アカフユさんもスノーズントさんもどうぞ」
「ラッキー、ゴチになりまーす」
「随分と気前が良いな。では遠慮なくいただこう」
「ひょわぁ!?夕飯いただいちゃっていいんですかぁ!?」
「みんなったら……じゃあブンカ、お言葉に甘えるよ?」
その後俺達は少しお高めの龍門料理のレストランで食事を楽しんだ。俺とキララとウタゲはお互いに沢山の身の上話を交わした。本当は鉱石病になった時に傍に居てやれればよかったのを居てやれずに遅くなってごめん、と。遅れたお詫びと鉱石病に対して励ましのために大会に招待して優勝を飾るのを見せてやりたかったと俺は二人に謝って、本音を伝えた。そんな俺を二人は笑って許してくれた。本当、俺には勿体無い位に良い親友だ。
ウタゲとキララはロドスでは基本事務処理やエンジニアの手伝いとかの後方支援で頑張っているらしい。近々では外勤の任務に初めて向かうらしいが、危険度は極めて低いものだという。親友が危険な目に合うかもしれないのは嫌だが、彼女達だってもう子供じゃない。戦闘に手慣れたアカフユさんがその任務には着いて来てくれるらしいし、俺からは油断せず無事に生きて帰って来て欲しいと二人に伝えた。
因みに二人の保護者さんからも色々と尋ねられた。
アカフユさんからはプラモVSの戦い方を尋ねられた。どうも俺のプラモVSバトルで脳が焼かれ、今度は自分用の機体でプラモVSをやってみたいとのこと。
コンテンツに携わっている身として、新規の人がこうして興味を持ってやってみようと思ってくれるのはありがたいので、せっかくなら思い切って楽しんで(あわよくば沼って)ほしいと思い数日間プラモVSのコーチを引き受けることを約束した。
スノーズントさんは科学者らしく、俺の機体について興味を持って尋ねられた。せっかくなのでストライクブランを見せると「ひょわぁ……」と驚いてくれた。かわいい。
その後機体の造形や武装などで気になった点を聞き、それを答える形で会話が弾んでいった。話して分かったけど、意外とこの人モデラーの素質あるかも。お前もモデラーの沼に入らないか?
そんなこんなで話の弾んだ楽しい会食を終え、夜の龍門の大通りを散歩してから各々が宿泊先に戻るために解散しようした──その時だった。
(──ッ!危ないキララ!!)
「うわ!?いきなり何するのさブ―」
不意に感じた殺気。前世のサバゲーやFPSで感じた嫌な予感が警告を発していた。
殺気の出所から予測する攻撃の位置。しかしその斜線上にはキララが重なっていた。このままでは不味いと俺は反射的にキララを突き飛ばし、彼女を斜線から逸らす。
キララを突き飛ばすのと同時に、脇腹に焼けるような激痛が襲う。痛みの先を見ると俺は脇腹にボウガンの矢を受けていた。
狙撃か!?しかしいったい何のために──う、なんか気分がわルくナ……ってき、た。
や……バ、たお、れ──。
「ブンカ!?しっかりしてブンカ!!」
「落ち着けキララ!体を揺すらず出血部分を抑えろ!スノーズント、ロドスへの連絡はどうだ!?」
「さっき連絡しました!ですが、どうやら人込みで渋滞で時間がかかるそうです……」
「むう、イベントの賑わいを逆手に取られたか……」
ブンカの傷害事件が起き徐々にざわめき始めた大通りにて、矢を受けて倒れたブンカを必死に呼びかけるキララ。指示を出すアカフユ。ロドスへの救援連絡をするも時間がかかることに落ち込むスノーズント。龍門で奇襲、それも暗殺という味な真似をされた。
アカフユは保護者として自らの落ち度に恥じる。いち早く殺気に気づいたのは平凡な暮らしを送っていた極東人で、彼は咄嗟にキララを突き飛ばし庇った。本来なら自分が請け負うべき役目を他人にさせてしまうなど、切腹同然の失態だ。
今すぐにでも切腹で詫びたい気持ちが湧き上がるがロドスではそれを許してはくれない。切腹する暇があるのなら次を考え挽回すべきだと今所属している製薬会社はそう注意するだろう。
怒りの感情の中で頭を冷静にし、彼女達の大事なご友人を死なせぬよう考え、周囲を警戒する。
「──待てウタゲ、どこへ行くつもりだ」
「ちょっとね。すぐ戻るってば」
「ならぬ、相手がわからぬ以上迂闊に動けば、やられてしまうのはお主だ」
「……だからってこのままじっとしても「もしお主が動いて怪我でもしたら、ブンカ殿は喜ぶのか?」……うっ」
「今回は引率者である私の力不足だ。もし腹が立つのなら私に怒りをいくらでもぶつけるがいい」
「……分かってるよ。敵討ちにいってもアカフユに八つ当たりしてもブンカの傷が良くなるわけじゃないし、喜ばないって。とりまキララの手伝いをするよ」
「感謝するぞウタゲ。──しかし、どうにか下手人を捕らえる方法は「おや皆さん、こんなところでどうしましたかい?」……む?」
大事な人を傷つけられて内心荒ぶっているウタゲを宥めブンカの元に行かせたアカフユは下手人を捕まえるにはどうすべきかと頭を悩ませる。その時、アカフユ達に胡散臭そうな男性の声が掛けられる。
アカフユが声の主の方に視線を向けると、そこにはコートを着た龍の男性と大柄なペッローの青年、フェリーンの男女の四人がこちらに向かってやってきた。
「お主は確か、リー殿であったか?」
「そういう貴女はアカフユさんでしたかね?見た所何かお困りのようですけど、もしよろしければおれに話してみてはどうです?」
「そういえばお主はここで探偵業を営んでおったな。──であれば、少し話を聞いてもらえるだろうか?」
「──なるほど事情は分かりました。ア、その怪我人を治して「リーおじさん、アなら既にその怪我人のとこへ向かいましたよ。一応ストッパーとしてウンを向かわせました」……うちのガキどもは仕事が早くて助かるねぇ」
やれやれと思いながら、今回の事件にリーは内心不愉快さを感じていた。聞けば暗殺で彼らのうち誰かが狙われた。それも未来ある若者が悪人の悪意にさらされるのは気分が良くない。
今日は四人で外出して大通りの近くに来たのは幸いだった。アの腕であれば、あの怪我なら問題無く対処してくれるしストッパーのウンもいる。隣で話を聞いていたワイフ―も「許せませんね!」と正義感を露わにして手助けしようとする意志も見えた。
そして目の前にいる彼女―アカフユはこの事件をみすみす逃がそうという気が感じられなかった。この時点でリーはやるべきことを決めていた。
「リー殿よ、すまないが犯人捜索と捕縛に力を貸してもらいたい。私と他の者ではそういったことは不得手なのだ……。報酬は私の手持ちで必ず払う」
「─いいでしょう、その依頼承りましょう」
「本当か!?感謝する!」
「なに、聞いた感じあの怪我人は行いからして立派な若人だ。年長者としてちぃと手を貸そうと思っただけですよ。アとウンは後で来るロドスの救援に引き継いで貰う為に残しておきます。私とワイフーで「ちょっといいかな?」……うん?貴女は確か、ウタゲさん?」
「犯人の捜索だけど、それってあたしも手伝っていいかな?」
「ウタゲ、しかしお主は……」
「キララに「自分の代わりに犯人を捕まえる手伝いをして欲しい」って頼まれてさ。これでも留学生として龍門にいたし、リーさん達の指示にちゃんと従うよ。で、どうかな?」
「……おれはそれなら構いませんけど、アカフユさんの許可が無いと認められませんね」
「ウタゲ、今回の責任は私が背負おう。その代わり無事に戻ってこい!」
「っ!──ふふん、まかせなさ~い」
「決まりましたね。そんじゃ一つ、探し人でもしましょうか」
・ストライクブラン
主人公がプラモVSで使う白い機体。極東のプラモファイターからは“極東の白い悪魔”として恐れられている。
ベースはエールストライクガンダムだが、ブースターなどはオオトリとかのパーツで改造し、性能は素組のエールストライクに比べると段違いに引き上げている。あと大楯に実体剣を収納してるなど細かい改造をしてる。
主人公は万能さで愛用しているが、本来の戦闘スタイルとしては相性が良いわけではない。
原作キャラ
・キララ達
キララとスノーズントは泣きながらも出来る事をやり、ウタゲとアカフユは犯人に対しキレていた。
・リー探偵事務所
アカフユから事情を聴き、犯人捜索の手を貸すことにした。