「それではブンカさん、ロドスの入院手続きを完了いたしました。よろしくお願いしますね」
この一か月、義父への手紙や大学中退と正社員登録等の色々な手続きに追われてあっという間に時が過ぎていった。そして今、俺はロドス本艦に赴き感染者として入院の手続き兼八島商工業社員としての契約手続きを済ませた。
非感染者である事実はケルシー先生やウチの社長など
……キララ達には騙すようで申し訳ないが、こればかりは彼女達が巻き込まれないようにするためにこうするしか無かった。もしバレた時は潔くビンタでも食らっておこう。
とりあえず俺は無事にロドスへの入艦手続きが完了した。そういや極東以外の遠方の地に行ったことはこれまでなかったな。国内旅行ならまだしも外国の旅行なんてこの間大会で行ったの龍門くらいだったし、ロドスは各地に移動してるらしいからわりと楽しみでもある。
ただ故郷にある仕事道具や大量の私物も持っていこうとしたが、量が量なために一部しか持ってこれなかった。まぁコンテナ二つも埋まりかねない程の荷物をいきなり持ってこられるのは流石に迷惑掛かるだろうし、多少はね?
なので後日に倉庫用コンテナと職場で作業場代わりのプレハブ小屋をロドスに運ぶよう手配しておいた。交渉は大変だったが俺の充実な生活の為に代償が多少の治験なら安いもんだ。
手続きを終えて現在は宿舎の空いてる個室を借りて荷解きをしている。仕事場が来るまでのプライベート空間であり、ちょっとしたビジネスホテル風な部屋で妙にわくわくしている。
──コンコン
「ん。入って、どうぞ」
「ブンカ、入るよ?」
「やっほーブンカ、遊びに来たよ」
扉を開けると同時にキララとウタゲが部屋へと入ってきた。
あらいらっしゃい、ご無沙汰じゃないですか(KBTIT並感)。
とはいえ迎え入れるにも今は荷解き中だから散らかってるけどな。とりまそこらで座って寛いでくれ。
「じゃ遠慮なく~。あ、この漫画懐かしい」
「結構荷物少ないんだね。ブンカの事だから私みたいに大荷物になるかと思ってた」
ふぅん、今あるのは少数精鋭で選んだ逸品達だ。まぁ後ほどコンテナで私物が大量にやってくるんですけどね、初見さん。
「ちょっと待って? コンテナとかそんなの聞いてないよ?」
「ブンカってどんだけ私物持ってくるのさ」
何を言ってるんだ。娯楽は多くて損は無い。それにいくつかの私物はコンテナの中で埃被らせるままにせず、漫画やCDはレンタルで他の人に貸出し出来るようにするなど、使い道を考えてるぞ。ロドスには娯楽を提供できて、俺は小遣い稼ぎが出来るwinwinな関係だよ。
「ちゃっかりしてるね~」
「ん? じゃあ以前見せてくれた
キララが言う秘蔵の逸品とは
「今の所それは俺の好感度次第の裏メニューってとこだな。あ、二人は問題無いんで借りて楽しむならおけ」
「わかった、後でなんか良いのあったら借りるね」
「あたしも面白いのあったらヨロシク〜」
まぁ二人から他の人に最悪バレても構わん。その時はその時で未来の俺に丸投げだ。
「あ、そうそう。人事部からブンカにロドスの案内を頼まれてるけどこの後暇ー?」
(荷解き終わったら暇なんでその提案は)あ~、いいっすねぇ。じゃけん(荷解きチョッパヤで終わらせてから)行きましょうね~。
「それと、なんかドクターがブンカのこと聞いて気になってたから案内する時は執務室に立ち寄って欲しいって言ってた」
ドクター? 医者ならロドスにたくさんいるでしょ?
「そっちの意味じゃなくて、博士の方の意味。ケルシー先生と同じここロドスで一番偉い人の一人なんだよ」
「あとトップの人はアーミヤちゃんっていう少女がいて、彼女はロドスのCEOだよ〜」
ふーんそういうことね、完全に理解した。(わかってない)
──さて、荷解きは一通り終わったぞ。つーわけで早速ロドス内の挨拶回りに出かける! あとに続け二人共!
「いや、ブンカは案内される方だからね。ウロチョロしてると迷子になるよ?」
「この前もメテオリーテさんが迷ってたよね。あの人私達よりも長くいるはずなのに何でだろう?」
え、何それ……つまりロドスは新宿駅(並な迷路)ってこと……ッ!?
―執務室―
「ドクターいるー? ウタゲだけど、この前言ってた私達の友人を連れてきたよー」
「──……ああ、カギは空いてるから入ってきていいよ」
キララ達に案内され、早速やってきた執務室。ウタゲの呼びかけに扉から中性的な声の返事が聞こえる。てか声に生気が宿ってねぇんだけど大丈夫か?
「はーい、んじゃお邪魔しますかー」
「失礼しまーす……」
「ん、失礼しますっと」
部屋に入って中を見ると、そこには机に向かって淡々と事務処理を行っている黒フードの人物と、隣の机でコータスの少女が書類を確認していた。
はえ~、(机にある書類の山が)すっごい大きい……。さては彼らは社畜じゃな? (名推理)
そんなことを思ってると執務室のお二人方は一旦業務を止めて、こちらの方へと歩み寄って来た。
「お見苦しい姿を見せてしまい申し訳ございません。……えっと、貴方がブンカさんですね? 私はアーミヤと言います。若輩な身ですがここロドスのCEOを務めています。そして隣のこの方は──」
「私はDr.●●●。鉱石病の研究者だ。多分名前は今の上手く聞き取れなかっただろうから、ドクターと呼んでくれ。みんなからはそう呼ばれている」
そう言ってロドスCEOのアーミヤさんとロドス研究者のトップであるドクターが自己紹介してくれた。しかしドクターの名前、なんかよくわからん発音で上手く聞き取れなかった。ここではリントの言葉で話せ(グロンギ並感)
まぁそれはそれとして、こっちもご挨拶。挨拶しないとイヤーッ!! グワーッ!! されるからね、しょうがないね。
「初めまして、八島商工業のブンカと申します。この度ロドスでお世話になりましてご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。あ、こちら名刺ですのでどうぞ」
「これはご丁寧にありがとうございます。こちらの名刺もお渡ししますね」
「二人から君の事を少し破天荒だって聞いたけど、意外と礼儀正しいね」
よし、社会人基本ムーブ、名刺交換はつつがなく出来たな。一先ず挨拶は問題無く終わった。
あと二人は何変なこと言ってんだ。基本礼儀正しく誠実であるはずだが? けどはっちゃける時あるから破天荒なのは否定出来んが。俺は自己分析は出来る人なんでな。
つか当の二人は何故か信じられないような目でこっち見てるし。なんか挨拶でおかしいとこあったか?
「うわ、こんな皮を被ったブンカ初めて見た」
「うんうん、しかも無駄に様になってるから正直引くほどびっくり」
黙らっしゃいそこのお二人。それと皮を被っているじゃなくて、公私の区別がしっかりしてると言って欲しいゾ。全く。
「その割にはあの時ケルシー先生に遠慮無くドスケベフェリーンとか言ってたけどね」
「ブッwwケルシーがwドスケベwwってwww!」
「ドクター、そんな風に笑っちゃだめですよ。確かにケルシー先生は少し刺激的な格好をしていますが……」
「……ほう、誰の格好がおかしいのか聞いてみたいものだな」
「「「「「……あっ」」」」」
全員が執務室の扉に視線を向けると、そこには書類の山を台車で持ってきたケルシー先生の姿がそこにいた。
「さてドクター、彼らとの会話で十分に気分転換が出来たんだ。追加の書類を持ってきたぞ」ドスン!
「わァ……あ……」
うわ、山がさらに増えた。あとドクターがちいかわ状態になってシナってるし。
なんとなくだがこのままいてはケルシー先生の怒りに巻き込まれる気がする(確信)。ここは一先ず避難だぁ! 逃げるんだよス〇ーキーィィ!!!
「いやスモー〇ーって誰なの!?」
「ツッコみいれてないであたしたちもおさらばしよ。んじゃアーミヤちゃんにドクター、あたしたちはこれで失礼するね~!」
「ちょ、君たち待って!? せめて弁明だけでもしてっ!?」
なんか後ろから呼び止められる声が来たけど無視だ無視! こんなところに居られるか! 俺達はここから脱出させてもらう!
その後、執務室から全てを奪われ哀叫しているかのような声が廊下にまで響いたらしいが知らん、そんなことは俺達の管轄外だ。
ブンカ
修学旅行にWiiを持ち込んでくる感覚で私物沢山持って来ようとしたアホ。一応交渉でどうにかなったため、後日コンテナとプレハブ小屋がロドスにやってくる。
思った以上にロドスが迷路だったため案内無かったらヤバかったなと感じた。あとドクターを初めて見た時「ボン〇ルドっぽい見た目だなこいつ」と内心思ってた。
キララ、ウタゲ
ロドスの職員から主人公のロドス案内を頼まれ、共に行動。意外と社会人としての態度を取れてる主人公の姿にびっくりした。けどなんやかんやではっちゃける部分もあるので彼らしいと思っている。
スモー〇ーって誰?
ドクター
ロドスの偉い人。主人公のことはちょっと変わり者だとキララ達から聞いていたが、ちょっとしたやり取りとキララ達との関わり方を見て、良い意味で変わり者だと思ってる。
ケルシーをドスケベフェリーンと言った部分には素直に称賛している。けどその後巻き込まれないよう一足先に逃げられたのは許さん。この日はケルシーによってまだ休んじゃだめですよ状態と化した
アーミヤ
この時はOPERATORS!に出てくるアーミヤ状態だったため、比較的融通は聞いてた。なので今回はドクターと一緒に社畜状態で業務をこなしていた。主人公のことは派遣元の八島商工業からある程度話は聞いているが、ドクター共々彼の非感染者判定は知らない(ロドスで彼の非感染者判定はケルシーにリーとア、あとワルファリンしか知られていない)