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「見つけました、吉野順平です」
「アレ?私服?」
「学校には暫く行っていないみたいですね」
虎杖と伊地知は、特級呪霊の情報を聞き出す為に、順平を追跡していた。
「で、どうすんの?」
「これを使います」
そう言いながら、札が厳重に貼られた籠を取り出し、虎杖の目の前へ持ってくる。
「!それ呪霊?」
「“蝿頭”、四級にも満たない低級の呪いです。人通りの少ない場所に出たらこれを彼に襲わせます」
「うぇ!?」
「①呪いを視認できない一般人の場合、虎杖君が救助してください。②視認出来るが対処する術を持たない場合、同様に虎杖君が救助し映画館に居た際のことを聴取してください」
そして3番目の対処を説明しようとしたその時の事だった。
「…!?伊地知さん!呪霊!!」
「なッ……仕方ありません、②です!呪霊を祓った後に聴取を!!」
伊地知がそう言い終える前に、虎杖は車から降り順平の元へ走り出していた。
『にょーにょーにょーにょー』
「……なんで追ってくるんだよっ!!!」
呪霊が目の前に現れた瞬間に順平は逃げ始めていた。そのためある程度の距離を保って逃げられているのだが、少しずつその距離が縮まって来ている。
(真人さんの警告通り眼鏡もしたのに!!!なんで!!)
呪霊の中には“見られている”と感じるだけで襲ってくるものもいる。真人は順平がそれに襲われない様にショッピングモールで買った眼鏡を渡していたのだが。
『めけめけめけめけめけめけめけ』
「目合わせて無かっただろ……!」
まるで最初から順平を狙っていたかの様に、呪霊は順平が視界に入ってきた瞬間に襲いかかって来たのだ。これじゃ眼鏡をかけていようが仕方がないだろう。
遂に体力が限界になり順平の速度が落ちた瞬間、呪霊が襲いかか━━━━らなかった。
「“逕庭拳”!!!」
『ぼふん』
横から現れた虎杖が、速度をそのままに呪霊へ攻撃を叩き込んでいた。
「大丈夫か!?」
「……え?、う、うん」
順平の無事を確認すると、直ぐに呪霊へと向き直る……が
『こぺぽーん』
「……あ?」
何故か通常の呪霊の消え方では無く、地面に溶け込むかのように呪霊が消えて行く。
「祓えたのか……?」
「……あ、あの!ありがとうございます!」
先程の恐怖が今更になって襲いかかってきたのか、少し体を震わせながら虎杖へ礼を言う。
「おう、それとこんなこと起きてからすぐで悪いんだけど聞きたいことあるんだ、いいか?」
「聞きたいこと?」
(さっき呪霊を倒してたってことは、呪術師ってことだよな……てことはもしかして……)
目の前の高校生が呪術師である、という事は先程呪霊を殴り飛ばした光景を見て理解できる。そうなると順平に聞きたいことはおおよそ絞られてくる。
「とりあえずここじゃなんだし場所移そうぜ、走って疲れてんだろ」
「う、うん」
虎杖に促されるまま、順平は後ろから着いていく
「……大当たり、かな」
背後から見ている人間に気付かないまま
「人って面白い発明するよねえ、コレとか簡単に火つけられるんだよ?」
下水道の中、殆ど真人の私物で埋め尽くされた空間で七海と真人は対峙していた。
「……御託はいいです、何が目的ですか」
「あれ、あんま興味無い感じ?」
「質問に答えてください、貴方は呪霊でしょう、なんのために人間の物を集めているんですか」
「酷いなあ、ちょっとぐらい話聞いてくれたっていいじゃん」
七海の冷めた返しに対し、頬を膨らませながら反論する。
「別に大した意味もないよ。ただの趣味、それだけ」
「……見るからに昔の物も混ざっている……あなた一体いつ生まれた呪霊ですか」
「いつって言われても……俺昔から隠れて暮らしてたからどのぐらいか知らないよ。ギリギリみんなが刀持ってた時ぐらいじゃない?」
その答えに対して七海は顔を顰める、つまりは江戸後期か明治ごろ、そのくらいからこの呪霊は生きていると言うのか。
「随分と、隠れるのがお上手なようで」
「まあそうだね、未だに四人ぐらいしか人間と話してないし」
「それにしては残穢がわざとらしかったですが」
「あちゃ、もしかしてバレてる?」
それだけ生きていておいて未登録という事は、“出会った人間全員を殺している”か“単に発見されていなかった”の二択だ。前者は窓に発見されている以上可能性としては低い、後者ならば目的のため誘い出されたと考えれば妥当だろう。
「もう一度問います、何が目的ですか」
「……五条悟、彼に伝えたいことがあってね」
「なんですって?」
耳を疑う、呪霊が五条悟に伝えたいこと?
「けど本人に掛け合ったって瞬殺されるのがオチでしょ?」
「まあ、そうでしょうね」
「だから彼に俺の話を聞いて貰うために君たちに掛け合って欲しいんだけど……」
「無理に決まっているでしょう」
そう言うと真人はげんなりとした顔でその場に座り込む。
「ま、だよね」
「……映画館であなたが目撃された際もですが、未だにあなたによる被害は一切発見されていません。五条さんになんの用でしょう」
「えー、言ってもどうせ信じてくれないと思うんだけど」
「その程度の信憑性の話をあの人にするつもりだったんですか……」
「別に俺は死んでもいいんだけどさ、この情報なかったら彼、場合によっては死ぬよ?」
七海は先程とは打って変わって、険しい表情へと変わる。まあ当たり前だろう、彼らにとって“五条悟の死”という事はそれだけありえないことなのだから。
「……一気に信憑性が下がりました」
「でしょ?まあ死にはしなくても封印ぐらいならされちゃうかもね」
「…………報告ぐらいであれば五条さんにしても構いません。どんな内容かによりますが」
「まじ?じゃあ━━━」
その内容を話そうと口を開いた瞬間、真人の上半身が斜めに斬り落とされた。
「なっ……!」
「……!!!」
一級術師の七海、特級呪霊の真人をして、一切存在を悟らせなかった。錆だらけの刀を両手で持った落ち武者の様な姿の呪霊が、真人を背後からいきなり切りつけたのだ。
『困るんだよね真人、私の計画の邪魔をされるのは』
「呪術師っ!!よく聞け、こいつは!」
『駄目だよ真人、吉野順平に死んで欲しくはないだろう?』
「……ッテメェ!!!」
『あれだけ言っていたのに
真人は瞬時に下半身を生やし、切り離された方の下半身を使い七海を隔ててドームのように壁を作る。
『おや、そんな使い方も出来るのか……前回会った時よりも益々成長していて私も嬉しいよ』
「呪術師、こいつは俺が相手する!!お前は虎杖悠仁の所へ急げ!!」
そう言い切る前に、七海は壁の反対側へと走り出していた。
『もうそんなに信頼関係が出来ているなんて……妬けてくるね』
「……いちいち物言いがキショいんだよクソ
『……折角だ、どのくらい成長したのか確かめさせて貰おうかな』
「折角だ、テメェの呪霊のストック枯らさせてやるよ」
下水道の中、呪霊同士の戦いが幕を開けた。
呪術廻戦ってまさにヒロインって感じの女の子が三輪ちゃんぐらいしか居ないんですよね、釘崎はヒロインっていうか“姉貴”って感じだし