か、カマクラが若返ってる!?   作:9ナイン9

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12:やはり女の子を出すと、ダンジョン配信は盛り上がる。

 とうと月曜日になってしまった。探索者になってからもっとも憂鬱な仕事(ゴブタニの趣味)であるダンジョン配信。

 陰キャ歴=年齢の俺が陽キャ属性の仕事をやるなんてキツ過ぎる。だが、今さら辞めるなんて言えない。投げ銭も貰い過ぎたし、来週もやりますなんて言った手前、引くに引けない状況だ。

 

「わたくしはレッサーヴァンパイアなんて下等な種族から進化なんかしてませんわ! 生まれた時から栄えある魔王ですのよ!」

 

 ルーメリアは指示台本を見て、プンプンしながら文句を垂れている。

 元々ルーメリアを配信に出す気は無かったが「わたくしも出ますわ! えっ、引っ込んでろ!? 出ますの!出ますの!出ますの!」って駄々をこねるもんだから仕方なく出す事にした。

 

「あくまで設定だ、魔王をテイムしたとか言ってみろ。俺もお前も電波系だと思われるぞ? お前は大好きなお菓子を食い過ぎてヴァンパイアプリンセスに進化した、オーケー?」

 

「全然オーケーじゃないですわ! 大体、電波系って何ですの!?」

 

「妄想癖のある頭のオカシイ奴の事を言うんだよ」

 

「ぷっ……あら失礼。マスターにお似合いの言葉過ぎて、つい笑ってしまいましたわ」

 

 …………このメスガキめ。

 

「よし、お前を本に入れる。絶対に入れる。何がなんでも入れてやる!」

 

 俺はルーメリアに暗黒な笑みを向けながら、【モンスターブック】を呼び寄せた。

 

「ちょ、ちょちょ! マスター、今のは軽いヴァンパイアジョークですわ! マスターは根暗で卑屈で腐ってて、オマケにケチですけど頭は正常……だと思いますわ」

 

 おかしいな……俺の心が泣いているんですけど……。あと、思いますじゃなくて言いきれよ、頼むから。

 

「兎に角! わたくしも配信?とやらに出ますわ!」

 

 これはもう何を言っても駄目そうだな……。

 

「…………再三言うが、設定は守れよ? 魔王だとか、勇者の話は一切するな。アダマンタイトとか変なアイテムも見せるな。良いな?分かったな!?」

 

「心配し過ぎですわ。わたくしは偉大なる戦血の魔王、ルーメリアですのよ? 大衆を喜ばせるなどグリフォンを狩るより容易いですわ」

 

 ロリ魔王はふんす、と無い胸を張りながら大口を叩いてるが、コイツが自信満々の時ってかなり怖いんだよな……。

 

「はぁ〜準備を済ましたら裏庭に来いよ」

 

 もう八幡は朝から疲れました。なので実家に帰らせて頂きます、って言いたい所だが、両親に白い目で見られそうなので今日の配信を緩〜く頑張ります。

 なんだよ、小町が実家に帰る時は優しくするクセに……シクシク

 結構前に俺が実家に顔出した時なんてお袋に「八幡に孫を期待するのは………ごめんね、アンタには酷よね」って何とも言えない顔で言われたぞ。

 

 俺も一通りの準備を済まして、裏庭ダンジョンのゲート前に到着する。準備と言っても配信キューブと黒い猫仮面を用意しただけだがな。

 配信の場所は……今日は3階層で良いかな。犬型、ハイエナ型、ウサギ型のモンスターしか出ないし……あ、あと稀に熊が出るか。

 

「にゃ〜♪」

 

 カマクラが俺に向かって、お腹を見せながらゴロリンしている。撫でて欲しいんだな、お言葉に甘えてモフらせて貰お。

 

 俺はワシャワシャとカマクラのお腹を撫で回しながら、【モンスターブック】出現させる。取り敢えず改めて全員の現状を把握しとくか。

 

ネーム:カマクラLv7

 種族:招き猫

スキル

【招福】【斬鉄爪】【魔爪】

 

ステータス

生命力:3500/3500

魔力量:2300/2300

筋力 :+3800  

耐久力:+2800

敏捷力:+4100

知力 :+1800

 

 改めて見るとウチのエースは異常だ。1レベル上がる毎に全ての項目が500も上がるんだからな。因みに新しく覚えた【魔爪】は爪に魔力を纏わせるスキルだ。魔力を帯びた爪はかなり伸びる。

 

ネーム:ゴブタニLv6

 種族:ゴブリン

スキル

【身体強化・小】【瞑想】

 

ステータス

生命力:380/380

魔力量:310/310

筋力 :+400

耐久力:+300

敏捷力:+320

知力 :+160

 

 ゴブタニは筋トレも頑張ってるお陰で、ステータスの伸びが良い。最近獲得した【瞑想】は瞑想をすると魔力が回復していくスキルだ。イマイチ使い所が無いのが残念である。

 

ネーム:ソフィーLv5

 種族:アース・スライム

スキル

【高速消化】【アルミ硬化】【酸消弾】【粘性液】

 

ステータス

生命力:180/180

魔力量:170/170

筋力 :+150

耐久力:+330

敏捷力:+140

知力 :+150

 

 ソフィーは可愛いだけのスライムでは無くなった。歌って踊れるアイドルみたく、可愛い上に戦えるスライムになったのだ。それと最近獲得した【粘性液】はネバネバした液体を吐き出すスキルだ。

 

ネーム:ルーメリアLv5(幼体)

 種族:ヴァンパイアプリンセス

スキル

【異世界言語】【操血魔法】【魔力感知】

 

称号

【戦血の魔王】【勇者殺し】【神殺し】

 

ステータス

生命力:720/720

魔力量:720/720

筋力 :+720 

耐久力:+720

敏捷力:+720

知力 :+720

 

 我が家の魔王様は見た目だけはプリティガールで、ダンジョンではオールマイティガールだ。新たに獲得した【魔力感知】はかなり便利。これのお陰で敵の接近が容易に分かるようになった。

 因みに最近知ったが、ルーメリアは日光の元ではステータスが50%ダウンする。ただ、体調が悪くなるとかは無いとの事。ヴァンパイアって不思議だ……。

 

 今の所、ウチのパーティに必要なのはヒーラーぐらいか? 次点でバッファーか、航空戦力って所だな。本来、立ち位置的にバッファーは俺がやるべきなんだが、それらしいスキルが全く手に入らないのが痛い。

 

「来ましたわよ」

「ゴブ」

「プルプル」

 

 自分の無力差に頭を悩ませると、全員が揃った。

 全員準備ばっちしのようだな。ソフィーなんてルーメリアの頭上で「今日も頑張る!」って、プルプル揺れながら戦闘の意思を表明してる。

 

「揃ったな。今日は配信をするが、いつも通りに戦ってくれ」

 

 俺はそれだけ言って、全員でダンジョンに突入。

 2時間もしない内に3階層へと辿り着き、俺は配信キューブの設定操作に入る。

 

 今日のタイトルはどうするか……。分かりやすく『鎌谷幕府に新たな仲間!?なんと!可愛いスライムと可愛いヴァンパイア!!』にするか。ネタバレ感が強いが、コレにしよう。

 

 どうか今日は誰も見に来ませんように! と言う願いを込めながらスタートボタンを押した。

 

:経ニキさんチィースww

:可愛いヴァンパイアってマジ?

:早くヴァンパイア見せて!

:スライムを従魔にするなんてセンスある〜

:鎌谷幕府の配信ずっと待ってました!

:今日こそはジャンケンに勝つ

:義経さんこんにちはー

:今日はどんなトンデモが見れるか楽しみにしてます!

:トイレで仕事サボってるなう

 

 オイオイ、アナンスも何もしてないのに一気に同接が1万人まで増えたぞ。ネット恐ろし過ぎだろ。つーかサボってないで働けよ。

 

「ソフィー、ルーメリア、ちょっと来てくれ」

 

 画面外にいる新入り達を呼んで、俺は紹介する事にした。

 

「我がパーティの新たな仲間のソフィーとルーメリアだ。さぁ二人共、画面の向こうのリスナーさん達に挨拶を」

 

「プルプル♪」

 

 ソフィーは配信キューブに向かって触手を振っている。

 可愛くてついつい、俺はスマホで写真を撮ってしまった。よし、良い1枚が撮れたぞ。

 

「わたくしはヴァンパイアプリンセスのルーメリア。大衆?の方々よろしくですわ」

 

 ルーメリアは鮮やかなカーテシーで挨拶をする。おおー、異世界製のドレスアーマーだからかヤケに様になってる。流石は肩書きが魔王なだけはあるな。

 こっちも写真撮っておくか。

 

:幼女キタ━(゚∀゚)━!

:え?はっ!?マジでヴァンパイア!?

:めっちゃ可愛い!欲しい!

:これまさかの通報案件?

:いやいや幼女にしては言葉が流暢すぎだろ

:従魔士って幼女もテイムできるんだな……

:ヴァンパイアプリンセスなんて種族初めて聞いたぞ

:スラちゃんもプルプル可愛い

:俺ヴァンパイア捕まえてくる

:変態多すぎだろww

:ブルーサファイアのスライムって新種じゃない? ¥1000

:私もスラちゃん頭に乗せたい ¥1000

:初めてリアルで白髪の幼女を見たぞ

:騙されるな!アルビノの幼女だろロリコン野郎

 

 アルビノか……。真っ白な肌に綺麗な白髪。特徴的には確かにアルビノだな。本気で人間の幼女だと思ってる奴がチラホラいるようだ。

 てかロリコン多くね? 中身BBAだぞ。あと俺をロリコン呼ばわりすんな。

 

「ルーメリア、操血魔法を見せて差し上げろ」

 

 指示をすると、ルーメリは血を展開し、辺りに血の弾丸を発射した。

 

「このように、マジのヴァンパイアです。それとスラちゃんはソフィーって言うので、そう呼んであげて下さい」

 

:操血魔法なんて聞いた事ないぞ

:ヴァンパイアプリンセスのテイムはどこでしたんですか? ¥500

:なんでこんなにポンポン従魔が増えてんだよ!しかも可愛いのばっか!

:ソフィーちゃんも小さくて可愛い!

:経ニキさん!いや義経兄さん!ルーメリアさんを僕に下さい! ¥2500

:てかスライムの触手って結構伸びるんだな

:このチャンネル新発見多すぎ問題

:チャンネル登録しました

:今日からルーちゃん推しになります! ¥1000

:ソフィーちゃん手振って! ¥250

 

 ラノベの鈍感主人公みたく、僕なんかヤラかしちゃいました?って言いたい気分だが、ヤラかしてる自覚しかないから言えない。

 

「ルーメリアは…アレだ、北海道のダンジョンでレッサーヴァンパイアをテイムしてからその後、可愛く進化した。ヴァンパイアプリンセスに進化した理由は不明だ。多分だが……スイーツを食いまくったのが原因じゃないかと思ってる」

 

 俺って嘘つく時、こんなに口がペラペラ回るんだな。電波系って思われるよりはマシだけど。

 

 とりあえず移動を開始し、従魔が戦ってる間、俺はコメント返しに全力を注ぐ事にした。前回よりスパチャが飛んでくるのは気のせいか? 人気者になったと錯覚しそうだが、俺は勘違いなんかしない。人気なの俺じゃなく従魔達だ。

 

:ヴァンパイアってスイーツ食うのかよww

:ルーメリアちゃんは何が好きなの?

:義経さんは北海道住み? ¥500

:頼朝さんの動きが目じゃ追えないんだがwww

:控えめに言って頼ニキさんがヤバすぎるww

お米こまち:カー君!?〇〇ちゃんポイント低い……

:このチャンネル見てると従魔士が当たりジョブに見えてくる

:ゴブちゃん前より筋肉付いてない?

:スラちゃんが飛ばしてる弾えげつなww

:義経のパーティまさか強い? 

:経ニキも戦えよww

:いつか龍もテイムしたりしてな

:経ニキ少しは男見せろよ!

 

 何でちょいちょい俺に戦えコールしてくる奴がいるんだよ……。ブロックしちゃうぞっ☆

 てか待て!危なく見逃す所だったが、このカー君って書いてあるコメは何だ!?

 〇〇の中に入るのって"お兄"だよな……小町にバレたくさいぞ……。

 スマホで着信を確認したいが、ダンジョンでは普通の電波は受信出来ないので無意味だ。

 

「ど、どどこ住みかはノーコメントだ。ルーメリアは甘い物なら何でも好きだぞ。それと前も言ったが、従魔士は自らは戦わないんだよ」

 

 いかん、少し動揺してしまった。ここはバレたのが小町で良かったと考えるべきだ。これが戸部とかだったら「べっー!ヒキタニ君ヤバイっしょ!拡散してあげるべ!」と有難迷惑な事をしてくるかもしれないからな。

 だから落ち着け俺。ネットリテラシーの高い俺は、個人情報対策に関して万全だ。俺に繋がる情報は絶対に言わない。故に俺が比企谷八幡だと言う事は、仮面を付けてる限りはほぼバレない筈だ。

 

「マスター取ってきてあげましたわ」

「ニャ〜」

「ゴブッ」

「プルプル♪」

 

「あ、ありがとうなお前たち……」

 

 コイツら……カメラが回ってる時はドロップ品を拾うのを積極的に手伝うんだな。いや、まぁ、別にいいけどさぁ。

 

:皆いい子じゃん

:人語話せるルーメリアちゃんヤバくない?

:ルーちゃんと結婚したいです! ¥1500

:普段は従魔をどうしてるんですか? ¥1000

:てか何でドロップ率100%なんだよ

:おい、今ドロップ品どこに入れた!?

:空間が歪んだように見えたのは気のせいか?

:ドロップ品はどこに入れたんですか!? ¥2000

 

 正直言って【ストレージリング】を動画で見せるかは迷ったが、ダンジョンに出てくるミミックで手に入れたと言えば、問題無いと判断した。

 因みにミミックってのは超低確率でダンジョンに現れる宝箱モンスターで、倒すと何らかのレアなマジックアイテムを落とすと言われている。

 

「この指輪に空間収納の能力が備わってるんだ。たまたまミミックを倒して手に入れた。それと従魔だが、普段一緒に家で暮らしてて、最近料理が大変なんだ。HAHA」

 

:はぁっ!?空間収納だと!?

:経ニキさんラノベの主人公説www

:チートアイテムキタ━(゚∀゚)━!

:経ニキさんってクランとかに入ってたりする?

:これダンジョン史に残る大発見だろ

:そのリング売れば軽く100億はいくぞwww

:チートアイテムに可愛い従魔達、どこの主人公だよお前www

:転移者?転生者?

:夜道気に付けろよ義経さんよ

:ウチのクランに入って下さい! ¥5000

 

 チートアイテム保持者だと分かれば、すかさず勧誘かよ。現金なヤツらだな。

 

「生憎俺はソロが気に入っている。人間とクランやパーティを組む気は無いな」

 

:ソロでチートかよ

:チートや!

:チータやろそんなん!

:もうビーターや!

:リアルなろう系

:経ニキさんは独身?独身だよな?こっち側だよな!?

:可愛い従魔達がいる時点でギルティ

:これからは真剣に従魔士として頑張る奴が多くなりそうだな

:ソロ志望かー勿体ないな

 

 リアルなろう系とか言うなよ。俺がなろう系の主人公なら今頃、可愛い幼馴染みとダンジョンに潜ってるぞ。なにその主人公、爆散しろよ。

 

「コメント欄にキバオウ湧き過ぎな。それと安心しろ、俺はそっち側だ。悲しくなるから言わせないでくれ」

 

:けっ、どうだかな。結婚してないだけで、女に囲まれてんだろ

:こっち側に引きずりたい奴多すぎwww

:【朗報】経ニキさんは独身だと判明

:従魔は室内飼いかー社会人じゃないとキツイな。

:次の配信で幼女が増えてたりしてww

 

 好きで独身なんてしてないっつーの!あの時あんな事言ってなきゃ、今頃は温かい家庭を築けてたかもな……。

 

 そんな事を思ってたら、後ろからズボンをガサガサと引っ張られた。

 

「マスター!ワタクシも配信?っぽい事がしたいですわー!し・た・い!」

 

「お、おい、分かったから、分かったからズボンを引っ張るな!」

 

:ルーちゃんが可愛い過ぎてヤバイ

:これ完全従魔に尻に敷かれてますやんww

:お?ルーメリアちゃんにバトンタッチ?

:引っ込め!義経! ¥1000

:ルーちゃんに代われよ  ¥1000

:幼女にコメント読んで欲しい  ¥1000

:はよう代われ! ¥1000

:失せろ義経! ¥1000

 

 コイツら!俺を引っ込める為にだけに投げ銭するとか正気かよ!流石はネットに巣食う悪魔共と言うべきか、中々に理解し難い。

 

「べ、別に悲しくなんか無いんだからねっ!」

 

 俺は捨てセリフを吐くが「お前のツンデレとか誰得だよwww」ってコメントが溢れてしまった……シクシク

 

「ルーメリア、ここに手を乗っけろ」

 

「了解ですわー♪」

 

 配信キューブにルーメリアの魔力登録を済ませる。これでルーメリアの周りにコメントが流れる筈だ。

 

「これがコメント……面白いですわね。それでは改めて、人類の方々。次期ヴァンパイアクイーンのルーメリアですわ」

 

:さっきも思ったけど凄い綺麗なお辞儀

:ブフォッ ¥500

:おっふ ¥500

:そのお辞儀だけでも1万以上の価値があるぜ ¥10000

:この世のモノとは思えない可愛さ

:やっぱヴァンパイアの女性って可愛いんだな

:はい!はい!ルーメリアちゃんはマスターの事好きですか? ¥1000

:ヴァンパイアクイーンになるの確定なんだwww

:これVTuberじゃないんだよな……

 

 幼女に貢ぐとかコイツら正気か?ここまでくると魅了の魔法を掛けられてんじゃないかと疑いたくなるレベルだ。いや、正気じゃないからスパチャなんてしてるのか。

 

「あら、こんなにお布施を頂けるなんて嬉しですわ。これはサービスですわよ……チュッ♡」

 

 ルーメリアはあざとさ大盛り、可愛さマシマシで画面に向かって投げキッスをする。流石にそんなんでスパチャするバカはいないだろ……

 

:エデンは存在した!! ¥5000

:これが俺のファーストキス…… ¥2500

:パンツ溶けました  ¥5000

:俺の性癖が壊れた  ¥3000

:うおぉぉぉぉぉおお! ¥7500

:ノーマルな俺が新しい扉を開いた件について ¥5000

:もうロリコンって言われても良い!通報されたって構わんぞ!! ¥2500

:ルーメリアちゃんもっとキスプリーズ!!!  ¥10000

:ロリコン量産チャンネルに名前変えろwww

 

 前言撤回、馬鹿しか居ませんでした。てか、下手なキャバ嬢より確実に稼いでるぞ。キャバメアリさん流石過ぎて怖いよ!ロリっ子魔王恐ろしいですわ!

 今日で性癖が歪んで、変態紳士になった奴は多そうだな……。

 

「もっとキスが欲しければワタクシを幸せにして欲しいですわね。そうすれば、いっぱいし・て・あ・げ・ま・す・わ♡」

 

 艶かしく言い放ち、ルーメリアは画面にウィンクを飛ばした。

 当然コメント欄はスパチャの嵐。コイツ魔王じゃなくて、キャバ嬢だったろ絶対。にしても普段と違う一面を見せるルーメリアに俺も内心驚いている。魔王属性の方々って仮面スキルがパッシブなのかな? やっぱ魔王って侮れねえわ。

 

「う〜ん、そうですわね……マスターの事が好きかに関しては……」

 

 そこまで言うと、ルーメリアは俺を一瞥して、ニヤリと笑った。

 オイオイ、今コイツ碌でもないな事考えただろ!?

 

「取り敢えずマスターはワタクシの嫁同然ですわ!」

 

 よめ?ヨメ?YOME?余命の事かな?なら胃痛で俺の余命がかなり減りそうだよ!

 

「な、何言ってんだお前……!? ち、違うぞリスナー諸君!ルーメリアが勝手に!」

 

:経ニキお前嫁なのか?

:逆だろ普通www

:羨ま〇ね!

:嫁(男)

:テメェ!こっち側ってのは嘘だったのか!!!

:【悲報】ルーメリアちゃんの嫁が義経さんだった模様

:クリボーがやらかしたみたいに言うなwww

:嫁ニキさんちぃーすwww

:嫁ニキwww

:男でも嫁になれんだな(遠い目)

:従魔達が稼いんでだから、ある意味嫁なのは間違い無いな

 

 嫁ニキってなんだよ!?

 ヒキガエル君と同じぐらい不名誉な渾名だぞ。いかん、このままではリスナーのオモチャにされかねない。

 

「こ、これはアレだリスナー諸君。小さい妹が将来お兄ちゃんと結婚する!的なやつだ。で、大きくなった時にお兄ちゃんと結婚?やめて!キモイ!って言われるまでがセットだ」

 

:ヤケに説得力を感じるぞwww

:例えが娘じゃなくて妹www

:実話臭がするのは気の所為か?

:俺の妹も小さい頃は可愛いかったな〜

お米こまち:〇〇ちゃん……その実話ポイント低いよ ¥888

:嫁ニキさんはシスコンなんすねww

 

 俺は覚悟を決め、888円のスパチャを送ってくれた【お米こまち】って人の詳細情報を確認するべく、そのコメントをタップしてみた。

 特にチャンネル持ってる訳じゃないな。てかアカウント名【お米こまち】ってなんだよ……。これはやっぱ小町で確定だろ。

 ハハ、若返ったカマクラに気づくとは流石家族。まぁカマクラを家族に選んだのは、他ならない小町だけどな。

 

「来てくれ頼朝さんとゴブくん」

 

 カマクラとゴブタニがモンスターを倒したのを確認して、呼びよせる。

 そして俺はカマクラを抱き上げて、耳元で小さく言葉を吐く。

 

「多分小町が見てる。お前の元気な姿を久しぶりに見せてやってくれ」

 

「にゃ? にゃ〜ん!」

訳:小町が? 任せろ!

 

 カマクラが頷く。俺はカマクラとゴブタ二をアップにするべく配信キューブを調節。

 

「さぁ、今日2匹ともあんまりリスナーさんと触れ合えてないだろ。元気な姿をみせてあげなさい」

 

「ゴブゴブ」

 

 指示をすると、ゴブタニはマッスルポーズを披露した。コイツ筋肉キャラで行くつもりだな……。

 

「ニャー♪」

 

 カマクラは空中でアクロバット回転からの壁走りを披露。うん、お前は本当に元気だな。数ヶ月前の老いてた姿とは別物だわ。ヤッベ、涙が出そうだ。

 

:キャー!ゴブさんの筋肉大好き! ¥1000

:筋トレYouTuberの筋モリと言います。今度ゴブさんとコラボさせて下さい! ¥2500

:猫って岩壁を走れんだな(遠い目)

:頼ニキさん今日もキュートだね ¥1000

:これ今日の頼ニキの飯代に ¥2000

お米こまち:カー君、本当にカー君なんだね…… ¥5000

 

 妹よ、金は大事にしてくれ。今度会ったら美味いもんでも奢ってやるか。てか、ゴブタニの筋肉好評だな。何気にコラボのオファーきてるし。まぁ普通に断るけどな。

 

「コラボのオファーありがとうございます。前向きに検討に検討を重ね、その上で検討を加速しときますね」

 

:www

:検討士にジョブチェンジかよwww

:コラボする気ねーだろwww

:検討しかしてねえww

:前向きに検討って最強の逃げ言葉だよな

:2つ前の無能銭ゲバ総理を思い出したわ

:あの総理が暗殺された時はザマァって思ったのはここだけの話

:よし!増税だ!

:お前ら異次元の少子化対策って名言を忘れるな

 

 皆さん意外と昔の総理とか覚えてるもんなんだな。まぁ非業の死を遂げたお偉さんだったしな、あの増税メガネ。

 

 ルーメリアにコメント対応を任せながら俺らは3階層の探索をゆるーく進めた。正直もう5階層まで行ってるから3階層は、大方調べ尽くしている。

 

:このパーティ楽しそうで良いな〜

:ソフィーちゃんのネバネバと酸が中々に凶悪ww

:にしても従魔がいると楽そうで羨ま

YY:頼朝さん今日も可愛いわ。ニャーニャー ¥10000

YY:頼朝さん、これで美味しい物でも食べてね ¥10000

 

 おっと、ブルジョワのYYさんが2万円を繰り出してきぞ。この人、猫を使った詐欺に騙されないか心配だ……。

 

「頼朝さんカメラに向かって手を振ってあげなさい」

 

「みゃーん♪」

 

 カマクラは二足で立ち上がり、キューブに手を振る。おおぉ、カマクラが立った。

 

「見に来てくれたリスナーの皆さん。今日もスパチャありがとうございます。えーと、キュンです」

 

 俺は親指と人差し指で、俗にキュンポーズと言われるポーズしてみせた。

 

:似合わねーww

:一昔前のポーズww

:義経アンタ20代後半だろww

:ポーズで年齢がバレたなww

:懐かし過ぎてワロタww

:時代遅れw

:仮面の男がやっても誰得ww

 

 くっ、迂闊だった。ポーズで年齢が推察されるとは思わなかったぞ。高校の頃、一色と由比ヶ浜が良くやってたからやってみたが、結果が大草原とか恥ずか死ぬんですけど!

 

「マスター、ワタクシが手本を見せますわ。リスナーの皆さん、キュン♡キュン♡いつもありがとうですわ♡テヘッ」

 

:誰だ!時代遅れって言った奴は!! ¥3000

:うおぉぉぉぉぉおお!! ¥5000

:可愛い過ぎんだろぉぉぉぉお ¥2500

:ルーたん最高!!! ¥1500

:反応真逆でワロタwww

:チャンネル登録しました! ¥1000

:これが完全無敵のアイドル……¥2500

 

 むむっ!? 何この手のひら返し。ネットに巣食う萌え豚共め。

 

 てか、もう結構配信したな。今日はこれぐらいにするか。

 俺は両手でパンパンと叩き、キューブに向かって閉めの挨拶をする事にした。

 

「リスナーの皆さん、今日はこれでお開きにしたいと思います」

 

:また来週かよ〜

:配信日数増やせよ

:せめてSNSアカウント作ってアナンスしてくれ

:ルーたんを独り占めすんじゃねえ!

:拡散するからXアカウントを作ってくれ!

:もっと配信すればもっと稼げるぞ

:頼む!頼むから俺からルーちゃんを取り上げないでくれーーー!!

YY:もっと頼朝さんが見たいわ…… ¥10000

 

 金は充分稼げてんだよな……。てかYYさん?さりげなく要望を叶える為に1万ぶっ込むのやめようね。

 

「こっちも忙しいんだ、週1で勘弁してくれ。Xアカウントは……そうだな作っておくわ」

 

 確かにアナンスが無いのは少し不親切だな。

 

「じゃあジャンケンで締めますね、今日は……」

 

「プルプル!」

 

 従魔達に視線を投げるとソフィーが「僕がやりたい!」と主張してきた。

 

「今日はスライムジャンケンです。いきますよ!最初はグー!ジャンケンポン!」

 

 ソフィーは触手を使って器用にパーを作った。スライムの触手便利過ぎじゃね?

 

「リスナーの皆さん、また来週」

「来週も遊びに来てくれると嬉しですわ♡」

「ニャ〜」

「ゴブ♪」

「プルプル♪」

 

 従魔全員とでカメラに向かって手を振る。

 

:負けたぁぁぁぁあ!

:プロポーズは来週まで引き伸ばすわ

:スライムってジャンケンできんだなwww

:もう1回ジャンケンを!

:スライムの触手万能過ぎワロスwww

:またねルーちゃん!愛してる! ¥8000

YY:頼朝さん、また来週遊びにくるわ ¥10000

:ゴブさん!是非コラボを! ¥3000

:ソフィーちゃんプルプルかあいい♡ ¥3000

 

 俺は停止ボタンをポチッと押して終わらした。

 

「どれどれ今日の稼ぎは……50万!?マジか……」

 

「やはりどの世界でも男ってチョロいですわね」

 

 ルーメリアはいやらしくフフッ、と笑う。これが女性配信者の裏側ってやつかよ。見た目幼女でそのはセリフ怖すぎですわよ。

 

「お前ら、今日は国産牛でステーキを作ってやるよ」

 

 俺がそう言うと、従魔達はドロップ品を速攻で拾い集めた。コイツらマジで食い意地張ってんな!

 

♢ ♢ ♢

 

 俺達がダンジョンを出て、少し経った時だった。

 

『必ず〜出会うから〜♪』

 

 スマホから着信音が凄い勢いで流れてきた。画面には最愛の妹の名前が表示されている。

 

「はぁ〜間違いなく問い詰める気満々だよな……」

 

 クヨクヨ悩んでも仕方ないので、電話に出る事にした。

 

「も、もしm……」

 

『お兄ちゃん!?あの配信はど言う事? 何でカー君が若返ってるのさ!?』

 

「待て待て落ち着け。ここ数ヶ月で色々起きすぎて、電話では語り切れないんだ」

 

『お兄ちゃんはさ……本当にダンジョン探索者やってるの?』

 

「……………ああ、本当の本気のマジでやってる。だから心配するな」

 

 小町の気持ちは分かる。家族が探索者なんかやってたら誰でも心配になる。逆の立場なら俺は全力で小町を止めてるに違い無いしな。でも、今さら企業務めで従魔達を養える気がしない。もう俺には探索者しか無いんだ。それにフワッとしてるが、夢だって出来たんだ。

 

『ねぇ、だからって何? 説明になって無いよ兄ちゃん。小町はお兄ちゃんが本気で選んだ仕事なら応援するよ? でも大切なお兄ちゃんとカー君には死んで欲しく無いのです。あ、今の小町的にポイント高い!』

 

「お前27になって未だにポイントとか言ってるのか。お兄ちゃん的にポイント低いぞ」

 

『なに? 電波悪いからもう1回言ってくれる?』

 

 無駄に圧を感じるんですけど……。

 

「いや……何でも無い……」

 

『とりあえず電話だと長くて言え無いんだよね?お兄ちゃん。じゃあ明日そっちに……えーと、富津市だっけ?に行くから、よろしくね』

 

「ちょ!明日ってお前仕事は?」

 

『去年の有給が余ってるから余裕〜』

 

「いや、でも俺にも仕事があってだな……」

 

『お兄ちゃんはダンジョンと小町、どっちが大事なの?』

 

 その2択はずるいぞ妹よ。そんなの勿論……

 

「小町に決まってんだろ。なんなら小町一筋だ。だから大志と今すぐ別れなさい、お兄ちゃんが養ってあげます。お、今のは八幡的にポイント高い」

 

『え、ウソ? まさかあのダメダメなお兄ちゃんから養うって言葉が出るとは!でも小町は大志君に養って貰うから、お兄ちゃんはカー君を養ってね!』

 

 手強いな大志の奴。あの虫め、小町を泣かしたら地獄に落としてやるからな。

 

「なぁ、本当に明日こっち来るのか……?」

 

『当たり前じゃん。お兄ちゃんが不摂生な生活を送ってないかの確認もしなきゃだし。でも1番はカー君に会いたいな!』

 

 優先順位カマクラが上かー。まぁでもカマクラも喜ぶから良いか。

 

「そこは普通お兄ちゃんが1番だろ……」

 

『ハイハイ、お兄ちゃんが1番1番。兎に角明日行くからよろしくね、お兄ちゃん♪ じゃあまた明日!』

 

「おい、小m……チッ、アイツ切りあがった」

 

 なんて強情な妹だ。まぁそんな強情な所も愛してるぞ。あ、これ小町的にポイント高そうだな。

 

「煩く言われる前に家の掃除をするか……」

 

 こうして俺とゴブタニとソフィーは、小町襲来に備えて家の掃除を開始した。ルーメリア?アイツに掃除をやらせると、何故か余計に汚れるから駄目だ。




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