か、カマクラが若返ってる!?   作:9ナイン9

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42:過ちに小細工を施そうとするが、比企谷八幡は思い直す。

「いってて……やっぱつれぇわ」

 

 背中に痛みを感じてると、青く澄んだ空が目に入る。

 やはり村人が魔王と組手とか無茶があったのかもしれない。土攻撃で隙を突いたと思ったら、指一本で華麗なカウンターを食らってノックダウンされたしな。

 

「マスター、魔力操作に意識を割き過ぎですわ、マイナス20点。目線でどこに攻撃するかバレバレ、マイナス30点。土を使った目くらましは、まぁまぁ良かったですわ、プラス5点。殺意が足りない、マイナス20点。わたくし以外の女と付き合ってる、マイナス8万点」

 

「明らかにその魔王式の査定おかしいだろ。阿漕な中古車販売店でも、もうちょいマシな査定するぞ」

 

「意味不明な事を言った、マイナス100点ですわ」

 

 そもそも8万点も減点された時点で、挽回不可能だろ。ここまでくると減点なんて怖くないね。魔王相手に怖くないとか言える俺、マジ勇者。よくよく考えたら、組手をしてるのって俺に倒された設定になった事への腹いせのような気がしてきたぞ。

 

「さあ勇者様、魔王を倒した実力を見せて欲しいですわ♡」

 

 やっぱ腹いせかよ!

 

「……一泡吹かせてやるよ、魔王様」

 

 結局俺は小一時間程で、一矢報いる事なく10回以上も土ペロさせられた。そして、何度目かの土ペロで頭を打った事で、超重要な事を思い出してしまった。

 

「今日って……1月3日だよな……」

 

「マスター、最後の足搔きは良かったですわ。フェイントを入れて、足を狙ってきたのはポイント高いですわよ」

 

 なんかルーメリアが珍しく褒めてきてる。だが、それどころじゃない俺は、全身から血の気が引いていくのを感じる。

 現実逃避し過ぎて目の前が真っ暗になっていくような感覚。

 意識を保つ為に頭を振る。今日だけは現実逃避が出来ない。なぜなら今日は、彼女──雪ノ下雪乃の誕生日だから。

 

「ヤバイ……っ! ヤラかした!」

 

 ここ最近考えなければイケないタスクが多すぎて、完全に誕生日と言うモノが頭から抜け落ちていた。自分の誕生日も8年振りに思い出したまである。

 社会人になってから自分は疎か、誰かの誕生日すら祝わってこなかったからな……。

 これは俺が悪いのか? いや俺は悪くない。俺から誕生日と言う概念を奪った社会が悪い。だから俺は悪くない。

 

「ん? どうしたんですの?」

 

 え、本当に待って、昨日寝る前に電話した時あいつ普通だったぞ。え、何でなんも言ってくれなかったの? え、ヤッベ、マジでなんも用意してない。死にたい。

 

「胃が痛い……」

 

 どうするどうする、まだ朝の8時だから本気を出せば誕プレは間に合う。だが、オシャレなレストランとかの予約は絶望的だ。そもそも、今日のあいつの予定とか知らないし。知ってる事と言えば、土日を挟む関係で雪ノ下HDが1月5日までが正月休みである事ぐらいだ。

 

「マスター、本当にどうしたんですの? この世の終わり、みたいな顔になってますわよ」

 

 本当にある意味、終わりを迎えそうだよ! 

 いっその事、開き直りながら『お前何も言わなかったじゃん……』って図太く構えるか? 

 いや、それはだけはダメだ。彼氏として最低にも程がある。よってイベントスルー作戦だけは何が何でも無しだ。

 

「ルーメリア悪い、俺は急用が出来た。お前が従魔達を率いてダンジョンに行ってくれ。それと、エルランとセインフィールさんとは穏便にやれよ」

 

「ちょマス……もう!」

 

 ルーメリアがなんかプンプンしてたが、余裕のない俺は慌てて家に戻って由比ヶ浜に『マジヤバイ。起きたら電話をかけてくれ』と送信。その後は身支度を大急ぎで整えて、出発の準備を済ました。

 

「八幡さんおはようございます。凄く慌ててるけど、どうかしたの?」

 

 靴を履いてると、後ろから癒しを感じるような声を掛けられた。首だけを振り向かせて確認すると、薄着姿の聖女様がいた。後光が見えるのは果たして気のせいだろうか……。てかエルフの足めっちゃほっそ。あとちょっとエロイ。

 

「ああ、ちょっと急用でな。セインフィールさん、今日は適当に家事をしててくれ」

 

「はい。エイ……八幡さんも用事頑張ってね」

 

 聖女様が一瞬悲しそうな表情を浮かべたが、直ぐに笑顔を浮かべて見送ってくれた。悲しいそうな表情を浮かべた事に関して、俺は見て見ぬふりをした。

 良かったなクソ勇者、凄く愛されてるぞ。俺と勇者を重ねるのはやめて欲しいが。

 

 そして、俺はプレゼントを買うべくプリウスに乗り込み、木更津のアウトレットパークに向けて車を走らせた。

 

♢ ♢ ♢

 

 プレゼントを買い終えて車内でサンドイッチを食べている。

 色々迷った末に雪ノ下へのプレゼントは、高価な万年筆3点セットと申し訳程度のパンさんグッズを買った。勿論、贈答品代と言う名の経費扱いにした。

 

 社会人が自分では買わないけど、拘りたいそこそこ高価で見栄えが良い物。それが俺の万年筆に対しての印象だ。実際貰えば、使う場面は多いだろ。会議とか、アイディアを纏めたいときとか。

 俺を追い詰めるアイディアとかは纏めないで欲しいが。うわぁ、雪ノ下ならやりそう……。

 

『必ず〜出会うから〜♪』

 

 恐怖に震えていると、スマホから着信音が鳴ったので確認する。由比ヶ浜結衣と表示されていた。

 

『やっはろー! で、ヒッキー何かあったの?』

 

 電話に出ると昔馴染みのアホっぽい挨拶が聞こえてきた。

 

「よぉ由比ヶ浜。えーとだな、一つ聞きたいんだが、今日ってなんの日か分かるか?」

 

『当たり前じゃん。ゆきのんの誕生日でしょ。あ、今ゆきのんと一緒にいるんだよね! ちょっと代わってよ』

 

 流石は雪ノ下との親友歴10年以上のガハマさん。ちゃんと覚えてるんですね。……なんか自分が情けなくなってきた。

 

「いや、その……何て言うか……一緒にはいないんだ……」

 

『はっ?』

 

 やめて! お前ヤラかしただろ、みたいな圧を掛けないで!

 

『ねぇヒッキー。まさかだよ、まさか忘れてたとか無いよね……? いや〜、流石のヒッキーでも、ゆきのんの誕生日を忘れるとか有り得ないか〜、HAHA』

 

 そのまさかです。絶賛胃が痛いです。

 

「由比ヶ浜、落ち着いて聞いてくれ。それが……」

 

 俺は潔く全てを話した。言い訳マシマシで。

 

『ヒッキーマジ有り得ない! え、馬鹿なの!? 死ぬの!? ダンジョンに頭ヤラれたんじゃないの!?』

 

 この驚きようヤベー。どうやら俺は女性の敵になってしまったようだ。

 ただ一つだけ、言っとかなくてはならない事がある。

 

「お前に馬鹿って言われると、流石にへこむんだけど……」

 

『ふざけてるなら切るよ!?』

 

 流石に失礼すぎたようだ。うん、謝ろう。なんなら泣きながら縋るまである。

 

「冗談だ、冗談。頼むから切らないでくれ。俺今マジで泣きそうだから!」

 

『ヒッキーが泣いても自業地獄ってやつ?な気がするけど……』

 

 自業自得だろ……。確かに自身のせいで、置かれてる状況は地獄なんですけどね。待てよ、的確に言語化する辺り、由比ヶ浜は天才なのかもしれない。

 

「由比ヶ浜……お前天才だな」

 

『なんで褒められてるの!?』

 

「それより、お前雪ノ下の今日の予定とか知ってたりするか?」

 

『しーらない。てか知ってても今のヒッキーに教えたくない。チキン』

 

 何でガハマさんがオコなんですか……。彼女の親友から情報を貰って、小細工を弄しようとしてるチキンなのは認めますけど。

 

「そんじょそこらのチキンと一緒にすんな。骨無しチキンと言え」

 

『誇らしい事じゃないからね!?』

 

 でもどうするべきか……。由比ヶ浜も何も知らないとなると、直接雪ノ下に連絡して謝るしかないよな……。これさぁ『何で謝ってるの? 悪い事でもしたの?』って責られて、男側が何も言えなくなるパターンですよね。

 

『ねぇヒッキー。逆にさ、ゆきのんがヒッキーの誕生日を忘れてたらどう思う?』

 

 どうするべきか悩んでると、由比ヶ浜が厳しめに問いかけてきた。

 

「それは……少しだけ……悲しいかもな」

 

『少しだけ?』

 

「いや、結構悲しい。普通に泣く」

 

『でしょ? ヒッキーに悪気が無いのは分かるよ。復縁したのも最近だし、誕生日が頭から抜けてたのも仕方ないと思う。でもさぁ、今ゆきのん凄く悲しい気持ちだと思うよ』

 

「それはそうだが……でもあいつにはもう予定だってある可能性があるだろ? 今更、俺がしゃしゃり出て予定を壊すのも嫌だし……」

 

『逃げる言い訳をしないの! あたしからゆきのんの予定を聞き出して、作戦を立てようとするのは違くない? 彼氏なら正面から謝りなよ。プレゼントも買ったんでしょ? 正直言って今のヒッキー、ちょー情けないよ』

 

 全くもってその通りだ。由比ヶ浜がいなかったら、俺はまたもやまちがえる所だった。

 

「そう……だな……その通りだ。逃げてるよな……本当にその通りだ」

 

 自分に言い聞かせるよに、逃げ出さないように、何度も由比ヶ浜の言葉を肯定する為の声をだした。

 

『なんか真面目な事言っちゃったけど、直ぐに事故のお礼をちゃんと言えなかったあたしに言われても、って感じだよね……あはは』

 

 変に空気を読んだのか、または言い過ぎたと思ったのか、彼女は過ぎ去った過去を持ち出して、自虐的に空気を中和しようとしていた。

 

「まだそんな事を気にしてたのかよ。むしろ1ヶ月近くも学校を快適に休めたから、感謝したいのはこっちの方だわ。なんならプロム成功の伏線になったまである」

 

『プロム……あー、あの時の……てか、何でプロムが事故と関係あるの?』

 

 そう言えば、詳細は何も伝えて無かった気がする。ドン引きされそうだから言わないけど。

 

「…………いやまぁ、たまたま雪ノ下の母ちゃんが良い人だったってだけの話しだ。深い意味は無い、HAHA」

 

『? 良く分からないけど、あん時は色々大変だったよね』

 

「あぁ、あん時はマジ社畜ってたわ」

 

 あっぶね! どうにか誤魔化せた。あん時の作戦は傍から見たら小悪党って思われかねないからな。盤上のクイーンを取るために、相手の罪悪感を刺激をした。まさに怪我の功名。

 

「なんか気持ち悪い泣き言を聞かせて悪かったな。お陰でまちがえずに済みそうだ。ありがとう」

 

『うん、役に立てて良かった。ヒッキー頑張ってね!』

 

「じゃあ謝り倒してくるわ。……お前が友人で良かった」

 

 気が緩んだせいで、最後に変な事を言ってしまった。

 

『え、今デレた!? 最後のもういっ、』

 

 俺は照れ臭くなって、電話を途中で切った。なんで俺は最後の最後であんな事を言うかなー! 今日は絶対に毛布の中で悶絶するやつじゃん。あぁ、野生のゴブリン共に八つ当たりしよ。金になるサンドバッグとかゴブリン共マジ便利。

 

「……ここからは男の意地だ」

 

 覚悟ガンギマリになった俺は震える手で雪ノ下に電話を掛ける。

 何回もプルルと、コールが耳に響く。

 10コール鳴っても出ない。よし、あと5コール鳴っても出なかったら、夜に改めて掛け直そう!

 出て欲しい思いと、怖いから出て欲しくない思いがせめぎ合う中、耳に冷たい声が入ってきた。

 

『はい、もしもし』

 

「よ、よぉ雪ノ下。昨日の電話ぶりだな……」

 

『何か用件でも?』

 

 声が凄く冷たい。もう声から不機嫌感が丸出しだ。

 

「いや、その……誕生日を祝いたくて……だから、電話を掛けた」

 

『……覚えていてくれたの?』

 

 これは間違い無く高度なトラップだ。ここで『勿論、覚えてるに決まってんだろ~』って言えば一見、こと無きを得られそうだが余計に地獄になる。何故なら、覚えてたと言う状況証拠(サプライズ)を準備してないからだ。なので、このトラップを無視して攻撃を仕掛ければマジックシリンダーが発動して俺のライフは0になる。マジ爆☆殺。

 もうこの状況になった以上、ベストな選択は存在しない。

 なので俺には、誠心誠意謝ると言うベターな選択しか残されてない。

 

「違う……今朝、思い出したんだ。本当に悪いと思ってる」

 

『悲しかった。でも貴方が忘れる筈が無いと……自分に言い聞かせて、紛らわせて……けども、貴方は本当に忘れてて……』

 

 グスッ、と泣き声が聞こえてきた。

 免罪符なら沢山ある。『仕事が立て込んでたんだ』とか言えば、分かって貰える可能性は確かにある。だがそれは、余りにも自己中心的な考えだ。

 

「言い訳はしない、ごめん。こんな俺に会いたくないとは思うが、俺は……俺はお前に凄く会いたいと思ってる」

 

『そんな事言って貴方って本当にずるいわ……っ! どうせ私で性欲を解消したいだけでしょ、ケダモノ粗チン八幡』

 

 八幡は悪口じゃないだろ。てか粗チンって……意味の無い悪口と分かってても地味に傷つくんですけど。

 

「なに変なこと言ってんだよ。今までヤリ目でお前と会った事なんて一度たりともないぞ」

 

『私に女性としての魅力が無い、と言いたいのね』

 

 なんて理不尽なんだ。オコのんに何を言っても揚げ足をとられそうだ。

 

「ちげぇよ、魅力有りまくりだろ。お前に魅力が無かったら大半の女子なんて魅力ねえぞ」

 

『そんな都合の良いこと言っても、会ってあげないわよ』

 

 当然だよな。俺はちゃんと謝った。だがもう万策尽きた。押してダメなら諦めろだ。

 

「そうか……そうだよな、いきなりってのも迷惑だよな。わりぃ、後で良いから空いてる日を教えてくれ。必ず埋め合わせするから。それじゃ、」

 

『待ちなさい』

 

 女々しくならないように、潔く電話を切って諦めようとしたら引き止められた。きっと、まだ責め足りないんだろうな。甘んじて罵倒を受け入れよう。

 

『貴方の、その諦めがいい所が嫌いよ』

 

「ご、ごめんなんさい」

 

『私よりダンジョンの事しか考えてなさそうな所も嫌い』

 

「でもダンジョンに行かないと稼げ──」

 

『なにか?』

 

「──なんも無いです。ごめんなさい」

 

 もういい。ひたすら謝ろう。

 

『私に告白するより先に、海老名さんに告白したのが嫌だった』

 

「アレは、じゃなくて、ごめんなさい!」

 

 あんな若気の至り、もう時効だろ! お陰で戸部の恋のライバルになったしよ。マジっべーわー。

 

『由比ヶ浜さんの胸を、チラチラ見てたのも気持ち悪くて嫌だった』

 

「……超マジでごめんなさい」

 

 俺のチラーミィ全部バレてたのかよ。認めたくないものだな、自分自身の若さゆえの過ちというものを。

 

『一色さんにボディータッチされる度に、鼻の下を伸ばしてるのも嫌だった』

 

 いろはすぅ……。てかそれ不可抗力だし、おれ悪く無いじゃん。

 

「う、うん、すいません」

 

『それから、誕生日に一緒に居てくれようとしない所も嫌い』

 

「ごめ……うん?」

 

 謝りかけて、俺は疑問が浮かんだ。

 待てよ、これは許したいけど簡単には許せないと言う複雑な心理現象なのでは?

 

「雪ノ下様、とりあえず生きててごめんなさい。直接もっと罵倒したいですよね? だから、会いに行かせて下さい」

 

『やっぱり特殊性癖なのね、マゾ谷君。良いわ、彼女としてその気持ち悪い性癖を矯正してあげる』

 

 ほらビンゴだ。

 雪ノ下がもう誕生日と言う理由で、会いたくても会えない複雑な心理状態なら別の理由で会えば良い。

 とは言っても、結局会ったら謝ると言う選択肢を連打しなければならない。俺は一体、何を矯正されに行くんだ……。

 

「じゃあ、えーと、どこに行けば良いんだ? 車だから大抵の所には行けるぞ」

 

『なら、その……この前送ってくれたマンションに来てくれるかしら』

 

 oh。彼女が一人暮らししてる部屋にいくのか。まぁ交際してるし、お互い良い歳した大人だし、特段変と言う訳では無いか。

 

「分かった、すぐ行く」

 

『待って、その前に私の家の近くにスーパーがあるのだけど、そこに寄って貰っても良いかしら』

 

 野菜やら肉やらを、買ってくるように言われてしまった。俺はパシリかよ。いつもルーメリアにもパシられてるから別に良いけど。

 

「オーケー。じゃあ、着いたら連絡するわ」

 

『ええ、待っているわ。気を付けて来てね』

 

 味気無く通話が終わり、俺はスーパーを目指して車を走らせた。

 

♢ ♢ ♢

 

 買い物も終わって雪ノ下のマンションに着き、雪ノ下の部屋に入れて貰ったのだが……。

 

「会いたかった……ずっと寂しかった。彼女の誕生日を忘れるなんて最低よ」

 

 部屋に入った途端に、玄関で雪ノ下がいきなり抱き着いてきたのだ。

 え、俺が電話したゆきのんと、このゆきのんは別人だったりするのん?

 

「悪かったって。それと、もっと罵倒しなくて良いのか……?」

 

「バカボケナス八幡」

 

 小さく悲しそうに罵倒レベルの低い事を言われた。

 

「本当好きだなそのフレーズ」

 

 俺の胸に顔を埋めていた雪ノ下が顔を上げてくる。泣いてたからなのか、目が僅かに腫れていた。

 

「名前が悪口になるのが芸術点高くて好きなのよ」

 

 八幡的には芸術点低いけどな。

 一、十、百、千、八幡サンダー! うん、元ネタ以上に超ダセェー。やっぱ名前を使って芸術点を上げるのは無しだな。

 

「生ける芸術になれて良かったわ。死んだあとは価値が吊り上がりそうだ」

 

「貴方の芸術的な価値は、爆発してから上がるのよ」

 

 どっちの意味で言ってるんだ……。NARUTOの方じゃないよな。物理的に爆発なんてしたくねぇぞ。

 

「勿論NARUTOの方よ」

 

 物理的な方だったよ!

 

「……そっちの分野も履修したのかよ」

 

「し、仕事終わりとか暇だったのよ。私的には『同じ痛みを知らなければ他人を本当には理解できない』という言葉に、不覚にも感銘を受けてしまったわ」

 

 彼女が頭ペインになる前に、正しい道に戻さなければ。

 

「お前、頼むから変に世界平和とか目指すなよ……」

 

「それより上がって。買い物もありがとうね」

 

 彼女はそう言って、俺を抱きしめてた腕を解いてくれた。

 家に上げて貰った俺は、雪ノ下に付いて行き、リビングへと入った。

 ちょいちょいパンんさんグッズと猫グッズが目に付く以外は、シンプルな部屋だ。

 

「買ってきた物は、ここに置いとけば良いか?」

 

「ええ、そこに置いといて頂戴」

 

 リビングテーブルにスーパーで買ってきたものを置いて、俺は棒立ちとなった。

 

「座ったら?」

 

 既に座ってる雪ノ下にそう言われたので、俺も高級そうなソファーに座った。

 

「比企谷くん」

 

 雪ノ下が不機嫌気味に自分のすぐ隣の位置を、ポンポンと叩きだした。

 隣に座れっ事だよな……。いきなり殴ってこない事を祈ろう。

 位置を変えて、改めて座り直すと雪ノ下が俺の肩にこつんと頭を乗っけてきた。

 思ったより甘い雰囲気になってきたな。罵倒を連打されるよりは良いけど。 

 

「今日夕飯は何がいい?」

 

「えーと、夕飯、俺も頂いていいのか?」

 

「誰かさんが忘れてたせいで、誕生日に夕飯を作る羽目になってしまったもの」

 

「本当に悪かったって」

 

 これは食っていかないとダメだよな……。なんなら泊まって行かないとダメな雰囲気まである。従魔達の飯が心配だが、こうなったらもう聖女様の主婦力を信じるしかない。従魔達の好み記したマニュアルは渡してあるし大丈夫であろう。戻ったら家が全焼してるとかないよね?

 

「なぁ、今日は泊まった方が良いのか?」

 

「貴方はどうしたいの……?」

 

 やめて、そんな潤んだ目で見つめないで!

 

「うぅ……と、泊まらせて下さい」

 

「分かったわ。仕方ないから、保護してあげる」

 

 俺が泊まって行くのが嬉しいのか、雪ノ下の声が活き活きしだした。

 俺は捨て猫か何かかよ……。

 

「ニャー」

 

「気持ち悪い声を出さないでくれるかしら、ヒキガエル君」

 

 カマクラの声真似をしただけで酷い言われようだ。ヒキガエルの声真似だけはしないからな。

 

「トラウマを刺激するのやめて貰えないですかね」

 

 トラウマを抉られた俺は、リュックからプレゼントの入った袋を取り出した。

 

「もっとサプライズとかして……雰囲気良く渡せれば良かったんだが……ご、ごめん」

 

 しどろもどろに声を出す俺の手から、雪ノ下はプレゼントを優しく手に取った。そのままラッピングされたプレゼントを、彼女は丁寧に開けた。

 

「万年筆と……パンさん……パンさん!」

 

 出来ればパンさんより、高かった万年筆の方を喜んで欲しいんですけど。まぁ喜んでくれてるし何でもいっか。

 因みにパンさんグッズは、最近発売された探索者パンさんとか言う探索者風の衣装で着飾ったパンさんのぬいぐるみを買った。

 

「ありがとう、比企谷君。一生大事にするわ」

 

 雪ノ下の笑顔が眩しい。八幡萌えちゃいます。

 

「ああ、喜んでもらえて何よりだ」

 

 ちゃんと謝れたし、プレゼントも渡せた。これでどうにか、まちがいが起こりそうだった誕生日イベントはベタークリアって事でいいだろう。

 

「そう言えば、先ほど由比ヶ浜さんから連絡がきたわ」

 

「お、おう」

 

 その報告を俺にされても。まさか俺の愚痴で盛り上がってた感じだったりするのん?

 

「貴方がダンジョンで頭を打って、物忘れが激しくなってるって聞いたのだけれど」

 

 ガハマさん庇ってくれたんですね。もっと他に庇いようがあったと思うけどね。

 

「お、おう……確かに頭を打って土ペロしたわ……」

 

「土を舐めるのが好きなの? 貴方の晩御飯は泥団子でいいかしら」

 

「人間が食べれる物を作って下さいよ。お願いしますから」

 

 彼女は俺の肩から頭を離して、立ち上がり、俺に手を差し伸べた。

 

「晩御飯を作るのを手伝って頂戴」

 

 俺は彼女の手を取って、立ち上がった。

 

「ああ、手伝える事は何でも言ってくれ」

 

「母さんから早く結婚相手を見つけなさい、と言われたいるのだけど」

 

「そ、その手伝いは、必ずするから安心してくれ」

 

「ふふっ、一応期待して待っておく事にするわ」

 

 現状、結婚への障壁は多い。未来の事も不明瞭で分からない。だけど、こうやっていつまでも彼女と手を取り合っていければと切に願う。その為にも必ず強くなって、Sランクダンジョンを攻略してやる。

 

♢ ♢ ♢

 

 翌日……飛びすぎ? あの後は燃え上がり過ぎてアダルトな場面が多かったとだけ言っておこう。

 俺は寂しがる雪ノ下をどうにか説得して、昼過ぎに家に着く事が出来た。

 自身の昼飯を後回しにして、仕事の為に知恵を借りるべく、ギャーギャーうるさいルーメリア達とリビングで会議する事にした。

 

「むーむむっ! マスターから香る女の匂いを取らないとですわ!」

 

 家に着いてから、やたらとルーメリアが背中やら腕に胸を押し付けてくる。

 本当やめて欲しい。昨日雪ノ下とはっちゃけ過ぎて、もうエロ方面に使う体力が残されて無いんですよ。

 

「彼女に会いに行ってたんだから当たり前だろ」

 

「うそっ! 人間の彼女いたんですね」

 

 その『お前みたいな奴が彼女持ち!?』みたいなリアクションやめてくれませんかね、聖女様。俺ってそんなに彼女持ちに見えないのだろうか……。

 

「とりあえず会議を初めるぞ」

 

 我ら鎌谷幕府が一ヶ月後の東京ビッグサイトで、開催される技術展覧会に参加する事になった旨を全員に伝える。加えて、雪ノ下HDから貰ったブースでやる催し物について、良い案がないか全員に尋ねた。

 

「マスター、わたくしに良い案がありますわ」

 

 おお、流石は魔王様。国家経営してただけあって、イベント事には強いようだ。

 

「テントを設置して五万円を払えば聖女と一発ヤレる、ってのはどうですの? これなら確実に儲かりますわよ」

 

 モラルを全力で無視した案をドヤ顔で言いやがったよコイツ!

 

「ふざけないでよ、ブラッドノイズ! 私が体を売る訳ないでしょ! 貴女は何で、そう下劣な事しか言えないの!」

 

 やはり魔王の案が気に食わない聖女が青筋を額に浮かべながら、机をパアンッと叩いた。

 

「マスターに保護された分際で生意気ですわね聖女。貴女が給料分働けるように案を出してあげたんですのよ。感謝なさい」

 

「ブラッドノイズ、貴女って本当に幼稚ね」

 

「あ?」

 

 異世界のヤベェ女共がまた揉めだしたよ。何でルーメリアは一々ちょっかいを出すかなぁ。セインフィールさんも、反応しないで無視しろよぉ。

 俺はため息を吐き、セインフィールさんの横にいるタマエに目線で合図を送った。

 

「後輩さん、喧嘩メッ」

 

「ご、ごめんなさい、タマエ先輩……」

 

 良く分からないが、この聖女様は自分より歳も実力も遥かに下のタマエを先輩と呼んで敬っている。きっと職場での上下関係を重んじるタイプなのであろう。俺は全く詳しく無いが、異世界の教会って上下関係が厳しかったのか?

 

「ルーメリア、お前は一々挑発すんな。構ってちゃんに見えるぞ」

 

「わたくしはただ、儲ける為の案を出しただけですわ。なんら間違った事は言ってないですわよ、フンッ」

 

 そっぽを向いてしまったルーメリア。確かに効率だけを考えれば、性に関するビジネスって有りなんだよな。

 例えば、うちの女性陣に際どい格好をさせて、撮影会で稼ぐとか。なんなら俺も金を払ってでも撮りてぇわ。技術展覧会の運営側が許すとは思えないけどな。

 

「最初に言っとくべきだったな。全員聞いてくれ、性関連と暴力関連の案は無しだ。イベントの主催側が許すとは思えないからな」 

 

「ゴブゴブ」

訳:人間なんて美味い飯を売れば、勝手に買うだろ

 

「ニャー」

訳:それなー、人間なんか飯食わせておけば良いんだよ

 

「ワウーン」

訳:結衣も甘い物ばっか食べて、体重増えてた

 

 ちょっとサブレさん、少しは由比ヶ浜の尊厳を守ってあげて!

 こいつらの言い方はアレだが、やはり料理系で攻めるのが無難なのかもしれない。ある意味、真理ではある。結局の所、商売は根源的欲求である食・睡眠・性をいかに刺激するかだしな。

 社畜時代に『100%疲れが取れる枕』を一万円で買って、失敗した俺が言うんだから間違い無い。

 

「飯か……豚汁でも作って売るか。楽だし」

 

 従魔達と言うか、タマエとルーメリアとセインフィールさんに売り子でもさせれば、色香に惑わされたカモがネギ背負って寄ってくるに違いない。はい決定。

 

 会議を終わらそうとしたら、セインフィールさんが手を挙げて待ったを掛けだした。

 

「八幡さん。この世界は牛とか豚ばかりで、オーク肉……モンスター食材を使った料理で商いをすれば、儲かると思うわよ」

 

 オークって二足歩行で歩くイカツイ豚の魔物だよな。魔生物図鑑でしか見た事ないけど。てかアレ食えるのかよ。二足歩行の生物を食うとか、嫌悪感ハンパないんだけど……。

 でも、ラノベとかだと意外と美味いって描写されてる時あるよな。

 いかんいかん。フィクションと現実を混ぜるのは危険だ。

 

「聖女にしては良い案を出しますわね。あー、久しぶりにカプリアが食べたくなってきましたわ」

 

「ちょっとブラッドノイズ。にしては余計よ。てか、貴女ってカプリアを食べてたの? 意外ね」

 

「こう見えてわたくしは高級料理より、魔族領の庶民区域にある料理を好んで食べてましたわよ。お忍びで屋台に行くのが、本当に楽しかったですわ。いつも四天王のショットに連れ戻されてましたけど」

 

「あら、あの偉大なる魔王ブラッドノイズが庶民派だったなんて驚きね。でも気持ちは分かるわ。私も久しぶりにケルチョが食べたい」

 

「ケルチョも良いわですわね。でもオーク肉の料理ならアラペルスが一番じゃなくて?」

 

「貴女って、マニックな所を攻めるのね。アラペルスなら北のブラストルデン帝国が一番美味かったわ」

 

 唐突に始まってしまった異世界グルメ談義に、2人以外はポカーンとなってしまった。

 一体何を聞かされてるんだ俺は。知らない単語ばっかが脳に入ってきて不快感を覚える。これは知らない内に、領域内に入ってしまったのかもしれない。無領空処で廃人になる前に、俺は止めに入いる事にした。

 

「ストップ。お前ら以外が置いてけぼりだ。てか、本当は仲良いだろ」

 

「今すぐにでもぶっ殺したいですわ」

「八幡さんの従魔じゃなかったら、寝首を掻いてる所ね」

 

 本当に物騒な奴らだな。でもこんな奴らを一瞬でも仲良くさせた異世界グルメってスゲェな。やはり女性はどの世界でもグルメ好きが多いのかもしれない。

 

「話しを戻すぞ。オーク料理を売るのは無理だ。知ってるとは思うが、ダンジョンで倒すと粒子になって消える。しかもカマクラがいるとは言え、ドロップするのが肉とは限らない。売るほどの量を確保なんて出来ない」

 

「ならオークを気絶させて、外に輸送すれば良いだけの話しじゃなくて?」

 

「あのな、そもそも論オークがいる市民解放型ダンジョンでそれをやると犯罪なんだよ。確か法律で、魔物をダンジョンの外に出すのはアウトだった筈だ」

 

 言ってしまえば、従魔達は限りなくブラック寄りのグレーだ。従魔に関する法整備が進めば良いのだが。

 ……あれ? そう言えば、探索者協会は具体的なテイム方法を公開してくれたのか? 後で調べるか。

 

「何を言ってるんですの? マスターは既にオークが出現するプライベートダンジョンを持ってますわよ」

 

 呆れた様子で頬杖をするルーメリア。裏庭ダンジョンでオークなんて……っ!

 

「そうか。お前が持ってきたダンジョンがあったな」

 

 ルーメリアが正解を示すかのようにニヤリと笑みを浮かべた。その横ではセインフィールさんが、ガッツポーズを決めている。

 

「良かったね後輩さん。故郷の味が食べれて!」

 

「はい、タマエ先輩。オーク肉が手に入ったら料理するから食べてみて下さい。マジ美味いですから」

 

「うん! 期待してるよ後輩さん」

 

 ちょっとタマエちゃん、いつから先輩風を吹かすようになっちゃったの。

 

「お前ら、ちょっと待て。まだまだ詰めるべき箇所はあるぞ。気絶させた後のオークの輸送方法とかどうする? 生きてる奴は空間収納に入れられない。下手したら二匹を輸送するだけで、丸一日を使う羽目になるぞ」

 

「それならモーマンタイですわ!」

 

 魔王によるオーク輸送作戦は以下の通りに説明された。

 

1.ルーメリアがオーク共を気絶させて、操血魔法の鎖でグルグル巻きにする。

2.気絶したオークを、2トントラックに変形したエルランに、ゴブタニが可能な限り詰め込む。

3.詰め込んだら、途中で落ちないようにソフィーが粘体を生かして荷台を覆う。

4.輸送の護衛として、カマクラとサブレをエルランに乗車させる。

5.ダンジョンの外にいるセインフィールさんがオークを手早く解体する。

※セインフィールさんとルーメリアしか魔物解体の技術が無い為。

 

 魔王様パネェ。こんな作戦を直ぐに思いつくなんて、流石は経験豊富な魔王様だ。しかも従魔達の適材適所を見極めてるのもポイント高い。

 

「それとマスターとタマエは、聖女から解体技術を教われば良いと思いますわ。覚えておいて損は無いですわよ」

 

 こいつってセインフィールさんの事が嫌いな割には、高く評価してる節があるよな……。宿敵とか仇敵とか言うぐらいだから、実力だけは認めてんだろうな。

 

「シャー?」

訳:あれ魔王様、私は?

 

「……蛇は……今後に期待ですわね」

 

「シャー……」

 

 俺は落ち込んでしまったザリンを掬い上げてから自身の首に巻いて、励ますように頭を撫でた。

 

「大丈夫大丈夫。お前には明後日の配信で活躍して貰うからな」

 

「シャー」

訳:マスター大好き

 

「アヒャッ! こら、耳を舐めるな」

 

 ザリンは何故か、俺の耳を舐めるのが好きだよな。本当可愛い奴だ。

 てか、よくよく思い出してみればルーメリアが持ってきたダンジョンってもう一つあったよな。この際両方のダンジョンの特徴を聞いてみよ。

 

「なぁルーメリア。お前が持ってきた2つのダンジョンの特徴を教えてくれないか」

 

「ああ、そう言えば、詳しくは語っていなかったですわね。一つはオークやスパイクブルと言った、わたくしのいた世界で食用に良く使われた魔物がいるダンジョンですわ。スパイクブルもべらぼーに美味しいですわよ」

 

「嘘!? 今後はスパイクブルも食べれる感じなの!?」

 

 おっと、今一瞬だけ聖女様の口から涎が出たぞ。この人、ひょっとして残念なエルフだったりする?

 

「聖女……貴女って意外と食い意地張ってますわね……」

 

 魔王様、おまいう案件ですよそれ。

 でもスパイクブルって確か、角が真っ赤で獰猛な牛型の魔物だったよな。セインフィールさんのリアクションを見る限りだと、美味いに違いない。なんなら話しを聞いてるだけで、オークが美味そうに思えてきたわ。

 

 どんな味がするのか想像してると、ルーメリアが説明の続きを再開した。

 

「2つ目のダンジョンは採掘型ダンジョンですわ。ミスリルとか普通にありましたわよ。最下層なんて運が良ければ、アダマンタイトが出る可能性すらありますわね」

 

「…………」

 

 なんか凄い単語が色々聞こえてきて、俺は唖然とした。

 

「…………なあ、ミスリルって言ったか?」

 

「言いましたわね」

 

「アダマンタイトって単語も聞こえた気がしたんだが……」

 

「それも言いましたわね。アダマンタイトは、あくまで可能性の話しですけど」

 

「……建てれる……建てられるぞ……お前達となに不自由なく住める豪邸が建てれるぞ! よっしゃぁっ!」

 

 柄にもなくガッツポーズを決めてしまった。

 

「だから持ってきたんですのよ。立派な魔王城をお願いしますわね、マスター」

 

 いや魔王城は無理だが、海外の豪邸並の家を建ててやるよ!

 苦節29年、トータルで見たらボッチ生活のが長く、特に映えない人生だった。でも今は収入もそれなりに有って、綺麗な彼女も出来て、可愛い家族達にも恵まれた。そう、俺の悲惨な幼少期は人生成功への伏線、あるいは試練だったんだ。

 何より、探索者になってから夢にまで見た豪邸が、あともう少しで手に入る!

 

「ニャー」

訳:何で泣いてんだよ、キッショ

 

 キショくてごめんなさいね。でも男泣きぐらいさせろよ。

 てか何で全員、俺を見ながら引いてるんですか……。

 

「ひ、【ヒール】」

 

 淡い緑色の光が、俺をほのかに包んだ。

 聖女様に癒しの魔法を掛けられたんですけど……。でもなんか体が温かくて、妙に気持ち良い。

 

「あ、あの……八幡さん、気分はどう?」

 

「……なんか……生まれてきてごめんなさい」

 

 あれだよな、ヒールを掛けたくなるレベルで俺の泣き顔が気持ち悪かったんだな。もう違う意味で泣きそうだよ!




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