昔から大好きなポケモンと最近ハマったひきこまりのクロスオーバー作品です!
慣れないですが、ぜひ呼んでいただけると幸いです!
引きこもり吸血鬼と警察猫
多くの国が存在する大陸…この大陸にテラコマリ・ガンデスブラッドは生まれた。
ムルナイト帝国にて…
今日も彼女は引きこもっていた。
「ん〜…イルカ気持ちいい〜…」
父親のアルマン・ガンデスブラッドに買ってもらった特大のイルカの抱き枕を抱きながらベッドの上でゴロゴロするコマリ
彼女が長女として生まれたガンデスブラッド家は国内でも数多くの功績を立てた高名な貴族である。
勿論彼女もそんな誇り高い一族のために努力をした。
しかし…ある日を境に挫折してしまったのだ。
彼女曰く自分にはありとあらゆる才能が欠落していたらしい。
第一に運動神経が皆無、第二に魔法が使えない。第三にもう15歳だと言うのに同年代の吸血鬼と比べてかなり小柄である事
テラコマリがこのような事になってしまった理由…
それは彼女が血を飲めないからである。
幼い頃から何故か彼女は血の匂いや味、見た目も生理的に受け付けないと言う。
吸血鬼にとって血は成長に必要な栄養源がたくさん含まれている。それが飲めないテラコマリは魔法が使えず身体能力も低いまま15歳になってしまったのだ。
「まぁ私には一億年に一度の美少女とも言える容姿と何故か昔から高い体温の2つがあるからいいんだけどねぇ…」
この世界は力がほぼ全てである。
テラコマリはそんな世界に異を唱えるためにひきこもる事にしたと言う。
「ふにゅ〜ん。」
力の抜けた声を出してベッドでゴロゴロするテラコマリ…
だが、数秒してからなんだか下腹部の辺りがムズムズしてきた。
「んぅ…んぅぅぅぅ。痒い!!!ん?」
あまりのむず痒さに下腹部を見るテラコマリ…
するとそこにはムルナイト帝国を象徴する国章が刻まれ、すぐに消えてしまった。
「ムルナイト国章?何で?」
「おはようございます。テラコマリ様」
不思議に思ったテラコマリだが、突然女性の声が部屋に聞こえてきた。
「うわぁ!!いつのまに!?誰だよ!?」
テラコマリが声の方へ向くとそこにはメイド服を着こなし水色の髪をした美しい少女が立っていた。
「先程からおりました。自己紹介を致します。私はヴィルヘイズと申します。所属はムルナイト帝国軍。階級は準三位特別中尉。本日づけでテラコマリ様の専属メイドとして着任いたしました。」
突然現れたヴィルヘイズと言う少女に対し警戒心を剥き出しにするテラコマリ。
「い…一体何が目的なんだ!?お金か?」
「そんなに怯えないでください。私はテラコマリ様の味方です。」
いきなりそんな事を言われても…と警戒を解けないテラコマリ…
それと同時に彼女は猛烈な尿意を感じた。
「お…おい。ヴィルヘイズとやら。ちょっと此処で待ってろ。」
テラコマリはベッドから離れ、トイレに行こうとするが、
何故か手を掴まれてしまった。
「そんな暇はありません。今すぐ私と一緒に宮廷に来てください。」
「何でだよ!?離せ!私はトイレに行きたいんだ!」
必死に振り払おうとするが、日々訓練をしている軍人にヒョロヒョロなテラコマリが敵うはずがなくただジタバタするしかなかった。
「トイレに行っている暇なんてありません。私の話を聞いてください。」
「漏らすぞ!?漏らしてもいいのか!?」
「漏らしながら聞いてください。」
「それはただの変態じゃないか!?」
我慢の限界が近いテラコマリ。
「ヴィル君。離してあげなさい。」
すると男性の声が聞こえてきたと同時にテラコマリの腕を掴んでいたヴィルは手を離した。
じたばたしていたテラコマリはうわぁ!?と言う声を出してそのまま地面に転んだ。
テラコマリは赤くなった鼻を摩りながら顔を上げる。
そこにはテラコマリの父 アルマン・ガンデスブラッドが立っていた。
「おぉ!!コマリ!大丈夫かい?」
「か…顔が痛い…そ…それよりお父さん!何なの!?こいつ!!」
テラコマリはヴィルヘイズを指差しながらアルマンを睨む。
「彼女は今日からコマリの専属メイドになるヴィル君だ。」
「いや…私に専属のメイドなんていらないんだけど…」
テラコマリはヴィルヘイズを見ながらあからさまに嫌な顔をする。
「でもね…これは皇帝からの命令なんだ。」
「はぁ?」
テラコマリは思わず首を傾げる。
「その事については私がご説明いたします。コマリ様、七紅天をご存知ですか?」
「知ってるけど…あれだろ?ムルナイト帝国軍の中でも高い実力を持つ7人の吸血鬼の将軍の事だろ?」
「はい。その1人にコマリ様が選ばれたのです。」
「は?」
その後…テラコマリは以前父親に皇帝になれたら働いてもいいと冗談を言った事。
その冗談を真に受けたアルマンが皇帝に直訴をした事…
テラコマリの事について皇帝に話し、評価を得て七紅天に抜擢した事を全て聞いた。
そして…自身が寝ている間に皇帝が部屋に忍び込み、キスをして契約した事も聞いた…
「KIMEEEEEEEEEEEE!!!!!!」
テラコマリは悲鳴を上げてヴィルヘイズと共に宮廷へと向かった。
ムルナイト帝国 中層街
ムルナイト帝国の一般地位の市民が主に居住している街。
その街中を猛スピードで走る男…
そして…それを追いかけるムルナイト警察の制服を着た2人
「へっへっへ!間抜けな警察なんかに捕まるかよ!」
「待て!!!ルーク!!逃がさないぞ!!」
「くそぉ!!毎回加速魔法を使いやがって!」
1人はオレンジ色の髪色をしてオオカミの耳と尻尾が生えていた。
もう1人は大柄で薄茶色の髪から犬の耳を生やし、尻尾もあった。
「また、あの裏道まで逃げるつもりか!ウインディ!裏から回れ!挟み撃ちにするんだ!」
「わかった!ルガルガン!」
ウインディと呼ばれた青年はルガルガンと呼ばれた青年に大声でそう言われ、裏道を走る。
ルガルガンはそのまま男を追いかける。
「今日こそは逮捕してやる!スリのルーク!」
ルガルガンとウインディが追いかけている男…ルークは窃盗の常習犯だった。
どうやら今日も人が多いこの近辺でスリをしようとした所をパトロール中の2人に見つかり、逃げているようであった。
しかし、ルークは加速魔法を使って毎回警察から逃げ延びていた。
それもいつもこれから挟み撃ちをする裏道で
「(しかし…いくら加速魔法を使っているとはいえ…警察の中でも持久力に長けた俺やウインディまで撒けるとは一体何故だ?」)
ルガルガンがその事が毎回引っかかっていた。追いかける人数を増やそうが、どれだけ挟み撃ちにしようとしてもルークは必ず裏道で姿を消してしまう。
最初は魔力の限界まで加速魔法を使用してそのまま逃げ切ったと思われ、その対策も行ったが、全く効果がなかった。
「(まさか…本当に加速魔法以外の方法が?とりあえず今は『あいつ』の言う通りにするしかねぇか)」
ルガルガンはそのままルークを追いかける。
そして…ついにルークがいつも逃げ切る地点まで近づいた。
ルークがいつもこの近辺でスリを行うのは理由があった…
いつも通りギリギリ警察の目が届かないタイミングで裏道に入り、
壁に手を触れる。
そして…5秒で壁に通り道が出来た…
「(へっへっへ…これでいつも通り…)」
ルークが通り道へ入ろうとした時
突然何かが足に絡まり…
「な…何だ!?うわぁぁぁぁ!?!?」
ルークはそのまま逆さ吊りにされてしまった。
「こ…これは何だ!?」
ルークの足を絡め取っていたのは植物の蔦だった…
それも硬く分厚い…ナイフ程度では傷ひとつつかないであろう。
「やっぱりそうだったか…」
そう言って姿を現したのは…
黒い仮面をつけ、猫の耳が生えた緑色の髪色のマジシャンのような風貌の少年だった。
「警察の中でも持久力がある2人でさえ撒かれてしまう理由…もしかしたら抜け道があるのかと考えたが…魔力にしか反応しない隠し通路があったとは…これはポケモン人でただ追跡させるだけでは捕まらないな。」
少年の後ろには自分を追いかけていた2人もいる。
ルークは罠にかかってしまったのだ。
「くっそぉ…」
こうしてスリのルークは捕まった。
ムルナイト警察 警視庁本部
ムルナイト帝国には軍の他に帝国内の治安を維持するための警察組織が存在する。
先程ルークを捕まえた少年…マスカーニャはルガルガンとウインディと共に上層街にある本部まで戻ってきていた。
彼らはポケモン人と呼ばれる亜人種で18つのタイプと呼ばれる属性を持ち、魔法とはまた違う異能を操る種族である。
「だけどよぉ。お前よくわかったな…ルークが魔力にしか反応しない隠し通路を使って毎回逃げ切ってたなんて。」
「最初から違和感だらけだったんだ。本当に加速魔法だけで逃げ切ったのであれば絶対に目撃者が居るはずだし。いつも同じエリアでスリの被害報告があるのが不自然すぎた。加速魔法だけに頼って逃げるのにはこのやり方はあまりにもリスクが多すぎる。」
「確かに言われてみればな…だけどまさか魔法が使える吸血鬼ならではの逃走方法だったとはな。」
「調べてみたが、あの裏道には普通の隠し通路みたいな物がなかった。半分賭けみたいな作戦だったが、上手くいって良かったよ。」
マスカーニャは2人と共に食堂へと向かい、少し遅めの朝食を摂ろうとしていた。
「まぁこれで中層街のパトロールに魔法を使える人員を動員してくれるといいんだが…」
「今までがあまりにも無謀すぎたんだ。ポケモン人の警官だけで現場対応なんて…今回の一件で上層部も理解はしてくれるだろう。」
食堂でメニューを選ぼうとしているマスカーニャ。
すると…
「おーい。マスカーニャいるかー?」
同僚の1人がマスカーニャを呼んだ。
「何だ?俺のこと呼んだか?」
「あっ!いたいた。マスカーニャ!係長が署長室に来てくれって!」
署長室と言う単語が出てきてザワザワしだす食堂。
「(何だ?署長室に?俺、何かしたか?)」
マスカーニャは若干の不安に駆られながらも署長室へと向かっていった。
署長室へと向かったマスカーニャを2人の男性が待っていた。
「おう!お疲れさん!マスカ!」
「お疲れ様です。ルカリオ係長。フシギバナ署長。それでお話しとは?」
「それについては私から説明しよう。」
フシギバナと呼ばれた壮年のポケモン人の男性が口を開く。
「まずはマスカーニャ君。先のスリのルークの逮捕については本当にお手柄だった。やはり君に任せて正解だったよ。まだ、15歳で配属されたばかりだと言うのに犯人検挙率は署内でもトップクラスだ。本当に素晴らしいよ。」
「私には勿体無いお言葉です。ありがとうございます!」
マスカーニャは頭を下げる。
「そこで君の上司であるルカリオ係長と相談してね。1週間前辺りから皇帝陛下から下されたある命令について君に一任したいと思うんだ。」
「ある命令?」
まさか…別国に潜入してスパイ活動を行えなど言われるのではと考えてしまうマスカーニャ
「あぁ。君には…
今度七紅天大将軍に就任されるテラコマリ・ガンデスブラッド氏とコンビを組んで彼女の補佐を任せたいんだ。」
「・・・・はい?」
思わず腑抜けた声が出てしまったマスカーニャ
「それは…つまり?」
「明日からお前には軍に特別中尉として異動してもらいたいんだ。」
ルカリオに肩に手を乗せられるマスカーニャ。
「いやいや!何で俺が軍に!?俺、警察官ですよ!?警察が軍に異動なんて前例が…」
「私たちも最初はそう思ったんだ。だが、皇帝陛下がどうしても君がいいと聞かなくてね。すまないこれは皇帝からの命令なんだ。」
「諦めろ。マスカ。それにお前ならあいつとも上手くやれると俺は思うんだ。」
「(あいつって…)」
マスカーニャは溜め息を吐く。
「それで…異動っていつに?」
「今からだ。今から宮廷に向かってご挨拶をしてきてくれ。」
「はい!!??今から!?」
マスカーニャは訳もわからないまま馬車に乗せられ、宮廷へと連れて行かれた…
続く
いかがでしたか?
ここからの物語の展開ですが、結構原作改変があります!
割と王道な少年漫画展開が出てくるかもです!
では、また!