最近ちと忙しくて少し間が空いてしまった…
気をつけねば笑笑
では、どうぞ!
七紅天会議が終わった翌日…私はベッドに横になっていた。
七紅天闘争とか言う野蛮なイベントの開催が決まり…放心状態になってしまっている。
「夏空に…パッと花咲くコマリかな。アハハハハ…上手いでしょ?爆死する私を花火に例えてみたんだ。」
「コマリ様…起きてください。夕げの準備ができました。」
ヴィルが夕食を部屋に持ってきた。だけど食欲が湧かない。
「私は感情を失ったんだ…もう駄目だ。」
「夕げのメニューはデミグラスハンバーグですよ?」
ヴィルが作ったデミグラスハンバーグの香ばしい匂いが私の食欲を刺激した。
私は一気に食欲が湧いてベッドから起き上がり、椅子に座った。
食事を終えた…
ヴィルがナフキンで私の口の周りを拭く。
「七紅天闘争頑張れそうですか?」
「うん…頑張る…
って頑張れる訳ないだろ!?」
私は叫んだ後すぐに意気消沈する…
「はぁ…どうしてこんな事に…七紅天なんかやりたくないのになぁ…」
「では、お尋ねしますが、コマリ様はどのような職業に就きたいのですか?」
「就職なんてしないよ。私は小説家になりたいんだ。」
これは切実な願いだ。
「そういえば新作を書き上げたんでしたっけ?」
何でヴィルが知ってるのか最初ツッコもうとしたが、あの時こいつが私のベッドに全裸で寝ていた事を思い出してやめた。
「うん。昨日の会議の後感想を聞きたくてサクナに原稿を渡したんだ!一応親戚が書いたって事にして!」
「コマリ様はペンネームをお使いですか?」
「いや…今は本名で書いてるけど。」
「それは新作もですか?」
「うん。原稿用紙の裏に…」
アッ!!??
私はそこで気づいてしまった…
サクナに渡した原稿にはバリバリ私の名前を書いてしまっている!?
つまり…
「では今頃メモワール殿に読まれてしまっていますね。」
「そ…
それはまずい!!!」
「コマリ様!!」
私は部屋を飛び出して灰色の雲に覆われた空も気にせずに家を出た。
雨がザーザーと降り出し始めた頃…
サクナは寮でヘルデウスと共に一緒に作ったカレーライスを食べていた。
「でね!コマリお姉ちゃんがサザンドラさんから私を守ってくれたの!本当にかっこよかった!あのフレーテさんにも一歩も引かないで…」
「ご馳走様。」
話を終える前にヘルデウスはカレーを食べ終わると帰る身支度を始める。
「じゃあまた来週に来るから。」
それだけ言い残すとヘルデウスは部屋から出ていった。
残されたサクナは不安と寂しさが混じった表情でヘルデウスが去った後を暫く見ていた。
「お父さん…私…頑張るよ。家族を守るために…」
サクナは残ったカレーライスを早々と食べ終えると後片付けを始める。
すごい雨だ…傘もささずにきたから服や髪がびしょ濡れ。
だけどそれ以上にあの小説を私が書いたことをバレてしまうのが本当に恥ずかしい!
だから私は雨に濡れる事なんてお構いなしに走る。
サクナが住んでいる寮と私の家はそこまで距離は離れていない。
急いで行けばすぐに着く。
「待ってろ!サクナ!」
小説もそうだが、私はサクナと話してもっとあの子を知りたいと思っている。
だからこの際だから色々話そう!
そんな事を考えているうちにサクナの寮へとつながる石橋に差し掛かった。
橋の下には川があり、雨の影響で流れがやや強くなっている…
落ちたらひとたまりもないだろう…
私は橋を一気にかけ抜こうとありもしない体力を更に絞り出して走る速度を上げる。
だが、
「ゔぇ!!??」
その途中で私はツルンと足を滑らせてしまった…
そして…
そのまま川の中に落ちてしまった…
勿論私は泳げない。
金槌だ。
「誰か…!!ブクブクブク…!!…助け…!!」
ヤバい。もうダメかもと思ったときであった。
「大丈夫ですか!?」
男性の声がして私は強い腕力で川から一気に陸地へと引き上げられた。
「しっかりしてください!大丈夫ですか!?……おお!!ガンデスブラッド殿ではありませんか!!!」
私を助けてくれたのは何とヘルデウスだった。
「ゴホ!ゴホ!ヘルデウス!?何でここに!?」
「メモワール殿に話があってその帰りなんですよ!しかし…ガンデスブラッド殿がまさか泳ぎがお得意ではないとは驚きましたな!」
「あ…あぁ!私が唯一苦手なのは泳ぐ事だからな!」
ヤバい…安直すぎる誤魔化し方だったか?
「なるほど!まぁどんな完璧な人間でも苦手なものはありますからな!私の苦手なものは異教徒ですし!」
それは苦手なものか?それよりもお礼を言わないと
「あっ!すまない!お礼を言わないと!助けてくれてありがとう!ヘルデウスが助けてくれなかったら今頃川底に沈んでいたよ。」
「とんでもない!貴方は大切な七紅天仲間であると同時に…
メモワール殿と一緒にいてくれる欠かせない存在ですからな。」
ヘルデウスがサクナの名前を出した瞬間何だか既視感のある表情をしたように見えた…
お父さんがよくする表情に似ている…
「ヘルデウス…ありがとう!勿論私も貴方を大切な七紅天仲間だと思ってるし!サクナとももっと仲良くなりたいと思っている!」
「そうですか!それは良かった!ガンデスブラッド殿…どうかあの子の…
サクナの心の支えになって助けてあげてください。貴方なら安心して任せられます。」
「勿論だ!」
ヘルデウスはそれだけ言い残すと傘をさして帰っていった。
「何だか本当のサクナのお父さんみたいだったな…よし!サクナの所に急ごう!」
サクナの寮はもうすぐだ!
サクナの部屋の前まで来た私は呼び鈴を鳴らす。
すると、すぐに扉が開き、サクナが出てきた。
「テ…テラコマリさん!?どうして此処に!?」
サクナは驚いた表情をしている。それはそうだ。急に来てしまったからな…
「突然来て申し訳ない!ちょっと小説の事で話があって…」
「ずぶ濡れじゃないですか!!うちのシャワーを使ってください!風邪を引いたら大馬鹿です!あっ!でもちょっと散らかっていて…できれば寝室の方は見ないでいただくと嬉しいのですが…」
?? そんなにひどく散らかっているのかな?
サクナに手を引かれて私は彼女の部屋に入っていった。
シャワーを浴びて身体を温めていると
「テラコマリさん。お着替え此処に置いておきますね。多分サイズは大丈夫だと思います!濡れた服は洗濯して乾燥させてから後日お返ししますね。」
「うん!色々とごめんね!ありがとう!」
本当にサクナは優しい子だ。こんな私にここまでしてくれるなんて…
サクナとは本当にいい友達になれそうだ!
シャワーを浴び終わった私は脱衣所に移動してサクナが用意した服を手に取る…
どうやらTシャツのようだが…
前面に私の顔がデカデカとプリントされていた…
間違いない…カオステル達が勝手に制作した閣下Tシャツだ…
な…何でサクナが閣下Tシャツを持ってるんだ?
もしかして誰かからもらったのかな?
しかし、他に着る物は見当たらない…
「マジか…」
まさかあの時カオステルに言った事が現実になるとは…
私は不本意だが、Tシャツを着るしかなかった…
Tシャツを着た私はサクナがいる部屋の扉を開ける。
「サクナ〜。悪いが,別の服はないか?流石に自分の顔が描かれたTシャツを着るのは…」
だが、私の目の前に衝撃的な光景が飛び込んできた。
部屋は恐らくサクナの寝室…
しかし、部屋中にあるのは私と同じ姿形をした等身大人形…
壁には私の写真が大量に貼られ…ベッドには私がイラストされた抱き枕や私をデフォルメしたぬいぐるみの数々…
サクナの寝室は私で埋め尽くされていたのだ…
「あやま〜…」
私は思わず目が点になり、その場で立ち尽くしてしまう。
「ち…違うんです!テラコマリさん!」
声がした方を向くとサクナがクローゼットの中に私の等身大人形をしまっていた。
「これは違うんです!」
サクナが慌てて何かを否定している…
私は服を変えて欲しいことも忘れてしまっている…
「サクナ…」
「はひぃ!!」
返事を噛んでしまったサクナ…
ちょっと可愛いと思ってしまった。
「す…すごいね。この部屋…私がいっぱいだ…」
「ごめんなさい…私…私…テラコマリさんの事が大好きなんです!!!」
「そうだったんだ。私なんか好きになる理由あるの?」
こんなヘタレでコミュ症な奴を好きになる理由なんてあるのかな?
クラスで例えるならサクナはモテモテなクラスのアイドルで私は隅っこにいるような陰キャだ。
「なんかじゃありません!テラコマリさんは優しいし可愛いしでもいざと言う時は身を挺して私を助けてくれるかっこいい王子様でもあるんです!」
顔を赤くして恥ずかしがりながら言うサクナ…
ヤバい…結構恥ずかしい。王子様なんて私には程遠い言葉だ…
「王子様は言い過ぎだよ〜。でも、なるほどね。それでこんなに私のグッズを集めたんだ。」
「はい!中でも等身大コマリ人形は最高傑作なんです!」
驚いた…此処にある私のグッズの数々は全てサクナの手作りだと言う。
すごいな…これだけの量を作るなんて…
「ま…まぁ趣味は人それぞれだしな!私も人に言えない秘密はあるし…」
「小説を書いている事ですか?」
私は思わずビャッ!?と声をあげてしまった。
「ソウダケド…ミタノ?」
「はい!原稿用紙の一枚目の裏側にテラコマリさんのお名前が書いてありました!」
「はぁぁ…遅かったかぁ…」
でもまぁ…この部屋を見たら小説書いてる事がバレるのくらいどうだっていいような気がしてきた。
外は大雨から一変…夕焼け空でオレンジ色に染まっていた。
私とサクナはリビングに移動して話をしていた。
「テラコマリさん、私…不安なんです。」
「七紅天闘争か?」
サクナは頷いた。
「皆さん本当に強い方達ばかりで…私みたいに弱い吸血鬼はすぐにやられちゃうんじゃないかって…それに私はテラコマリさんと争いたくありません。」
「だったら同盟を結べばいいんだ!私とサクナが手を組めば少なくとも敵が1人減るし味方が1人増える!いいアイデアだと思わないか?マスカーニャとニンフィアもきっと賛成してくれるさ!」
「で…でも…テラコマリさん。どうしてそんなに優しくしてくれるんですか?私はテラコマリさんの…ス…ストーカーみたいな物なのに…」
サクナの言葉で私は思わず立ち上がる。
「そんな事ないよ!あれはそれだけ私の事を大事に思ってるって事でしょ?嬉しいよ!それに…サクナは私のと…友達だから!!!」
「えっ…」
「友達が助け合うのは当然の事だろう?」
私は恥ずかしさを堪えて何とか言いたいことを言う。
「友達…」
「ご…ごめん。私と友達なんて…嫌だったよね?」
サクナは首を横に振る
「嫌じゃないです!!お友達になれて光栄です!私…フィアちゃんとラウ君以外にお友達なんて出来たことないから…よろしくお願いします!!」
サクナが深々と頭を下げる。
「こ…こちらこそよろしくお願いします!」
私も頭を下げる。
それにしても友達か…私にとっては初めての友達だ!
「そうだ!ヘルデウスさんにも協力してもらいましょう!」
「ヘルデウスか…確かに名案だな!」
ヘルデウスも味方側についてくれるなら心強い。
かくとうタイプのウーラオスも味方になる事だしあくタイプのサザンドラやドドゲザン相手に優位になる。
「ちょっと変な人ですけど…信頼はできますよ!ウーラオスさんの他配下のポケモン人さんも皆さんお強いです!」
そっか…サクナは…
「そういえば…サクナはあの人の…」
「はい。孤児院で育ちました。家族を皆殺しにされた私を引き取ってくれたんです。」
しまった…孤児院にいた理由は安易に聞いてはならない事だ…
私は馬鹿な事をした。
「ご…ごめんね!サクナ!辛い話を!」
「気にしないでください。テラコマリさん!ちゃんと家族はいますよ?」
どう言う事だ…魔核で蘇ったって事か?ならなんで孤児院に…
しかし、サクナははぐらかすように部屋の後ろ側を見つめる。
「あれが家族です。」
私は後ろを向くと棚の上に写真が置かれていた。
サクナの両親と思われる2人とサクナより歳上の女の子…恐らく姉だろう。
「私のお姉ちゃん…名前がコマリだったんですよ?」
「そうなんだ!何だか親近感が湧くね!」
私も名前はテラコマリだが、周りからはよくコマリと呼ばれるのでかなり親近感がある。
「とても綺麗なイルカ座の星座を持っている人でした!」
綺麗なイルカ座の星座?どう言う意味だ?それにでしたって…
「私は直感的にわかるんです。その人が持っている精神の形が…」
サクナは両手で私の手に触れる。
「!!寒いの?冷えてるよ。」
スベスベして柔らかく綺麗な手だが、とても冷たかった。
「蒼玉種は体温を持たない種族でその特徴は凍てつく鉄壁の身体…私のお母さんは蒼玉種のハーフなんです。なので私はクォーターですね。」
するとサクナは私の頭を…
自分の胸へと移動させた。
私はサクナの豊かな胸に顔を埋めているのだ…
「ちょ///サクナ!!??何して!?」
「不思議だと思いませんか?体温は冷たいのに心臓はしっかりと脈動してるんですよ?」
柔らかなサクナの胸…その奥からはかすかに心臓の音が聞こえる。
とても優しいが…どこか悲しげで寂しげな旋律のようだった…
サクナは自身の胸から私の頭を離す…
「テラコマリさん…少し星を見に行きませんか?」
「ちょ…ちょっと!?」
私はサクナに手を引っ張られて立ち上がる。
「最後に見るのは美しい物の方がいいですから…」
そう言われて私はサクナと共に外へ出た。
七紅府にて…
マスカーニャは昨日の会議の事を考えていた…
「(昨日の会議はいろいろとおかしかった…俺たちは何であんなに感情的に怒りをむき出しにしてしまったんだ?それ以前にも不審だったのはフレーテ陣営だ…会議に出席する筈だったギルガルドが主人の命令を無視してサザンドラに押し付けた…一体なぜ…)」
「な…なぁ!!あんた!」
考えながら歩いていると青い隊服の吸血鬼に声をかけられた。
「何か用か?」
「あんた!第七部隊のマスカーニャだろ?」
「そうだが?」
「俺は第六部隊なんだが…あれを見てくれ。」
吸血鬼に言われてマスカーニャを外を見る。
そこには同じ第六部隊の吸血鬼達が激しい模擬戦をしていた。
サクナ様のために!!!全てはサクナ様に捧げる!!サクナ様に栄光あれ!!!と大声を出しながら皆、魔法を発動している…
明らかに変だ…
「何だあれ…普通じゃない…」
「そうだろ!?あいつら昼も夜もサクナ様サクナ様って言いながら模擬戦ばかりしてるんだ!!!」
「昼も夜も?」
「俺はエンタメ戦争で死んで4日くらい前に蘇ったらこうなってたんだ…」
4日前…七紅天会議が決まった日時と重なる。
「ちょっと前まであの小娘は誰からも見向きもされない雑魚だったんだ!!!俺は…サクナ・メモワールが恐ろしい…彼奴はただの七紅天じゃない…もっとヤバい何かなんだ!!」
「(ギルガルドの件と類似しているな……まるで洗脳みたいな…
洗脳?記憶…改竄…!!?? まさか!!!!!)」
マスカーニャは走り出した。
「すまない!!!急ぎの用事ができた!!」
「(間違いない!!!あの時ラウドボーンが言っていた事はボロだったんだ!!)」
ラウドボーンとニンフィアはサクナの執務室でそれぞれ帰りの身支度をしていた。
すると突然執務室の扉が勢いよく開かれた。
「何?」
「やかましいぞ!!マスカーニャ!!扉はもっと静かに開けろ!!」
マスカーニャはラウドボーンの声に耳を貸さずそのまま詰め寄る
「ラウドボーン…それにニンフィア…お前ら何を隠してる?」
マスカーニャの一言に2人に緊張が走る。
「隠してる事?何のことだ?」
「メモワールの事だ…奴に関して隠してる事を全部言え。」
「サクナの事?お前一体何を…
「俺はメモワールが烈核解放を持っており、それが記憶を改竄する能力だと思っている。」
「!!??」
ラウドボーンとニンフィアは明らかに焦った表情をする。
「きっかけはお前の一言だ…ラウドボーン。お前はレストランで食事をしていた時記憶を改竄すると言っていた…
ヴィルヘイズは記憶を操作するとしかあの時は言ってなかったぞ?」
ラウドボーンの額から汗が出る。
「さっき第六部隊の吸血鬼に会ったんだが、彼が言うには以前まではメモワールに見向きもしていなかった吸血鬼達が今では人が変わったようにメモワールに忠実になっているらしい。」
「そ…それだけサクナに人望があるって事じゃ…」
「異変はそれだけじゃない。七紅天会議の時のギルガルドだ…調べたら奴は今までフレーテ・マスカレールの命令を無断で無視した事はないらしい。今回の会議もいつものように承諾したそうだ…偶然とは思えない。もしかしたら第六部隊もギルガルドも…メモワールによって記憶を改竄されたんじゃないかと思ったよ。」
マスカーニャの話に対して2人は何も答えない。
「お前ら…メモワールを庇ってるのか?ラウドボーン…お前警察官だろ?」
「だからなんだよ…」
「身内だから見逃すのか?幼馴染だから見逃すのか?好きな女だから見逃すのか?そんな甘い考えで警察官を務めてるのか?」
マスカーニャの言葉にラウドボーンは我慢ならず胸ぐらを掴む
「お前に何がわかる!!!!!サクナの事を…あの子が抱えている苦しみを…悲しみを…何も知らないくせに何が語れる!!!!」
「それがお前の答えか…テロリストを野放しにするんだな…」
「!!??取り消せよ…マスカーニャ!!!!サクナはテロリストなんかじゃない!!!」
「やめて!!2人とも!!!」
ラウドボーンはマスカーニャに殴りかかる寸前だったが…
ニンフィアが制止した。
外は日が沈み…暗い夜空に星達が光り始めていた。
私とサクナは寮の近くで星空を見ていた。
「こうして星空を見ていると落ち着きますね。」
「そうだなぁ。星座って綺麗だよね!」
「テラコマリさんの記憶も星座のように綺麗ですよ?」
ん?どう言う事だ?
「テラコマリさん…テロリストは何のために悪事を働いていると思いますか?」
サクナ…いきなり何を聞いているんだ?
「きっと…そうしないといけない理由があるんだと思います。」
「それはそうだろうけど…」
サクナは更に続ける
「もしもですよ?テロリストに家族を人質に取られたら…テラコマリさんならどうしますか?」
そんなの…決まっている。
「テロリストを倒す!」
「えっ?」
「悪いのは家族を人質に取っているテロリストだろう?そいつがいなくなれば解決じゃん?」
「さすがですね…私だったらとてもそんな事…」
サクナは暗い表情をして俯いてしまう。
「どうしたんだ?サクナ…どこか具合悪いところでもあるの?」
私はサクナの背中を摩るが…
「星を見上げていてください。すぐに終わりますから」
サクナはすぐに姿勢を上げて…
何故か私の首に両手を当てようとしてきた…
サクナ?
「コマリ様」
突然背後からヴィルの声が聞こえてきた。
サクナは何故か驚いた様子で手を引っ込める。
「お前いつの間にいたんだよ!?軽くホラーだぞ!?」
「コマリ様…明日も早いです。もう帰りましょう。」
「わっ!!??わかったから!引っ張るな!サクナ!また明日!同盟の件もよろしくな!」
ヴィルに無理やり引っ張られる形で私は帰路についた。
後から聞いたが,ヴィルはあの時サクナから殺気を感じたそうだ…
気のせいだとは思うが…
夜…ヘルデウスは祭壇で日課の祈りをしていた。
その途中教会の扉が開けられ…
ラウドボーンが入ってきた。
「親父…ちょっといいか?」
「祈りの最中は声をかけるなと何度も言ったはずですよ?ラウ」
ヘルデウスは祈りをやめてラウドボーンに視線を移す。
「すまん。さっきマスカーニャが来てな…七紅天会議の事なんだが…」
「知っています。サクナがギルガルドを殺害して記憶を改変し…会議を混乱させる可能性が高いサザンドラが出席するよう仕組んだ事も…」
「知ってたのか…知ってて何もしなかったのかよ…」
「私ができるのはあの子の父親になり…せめて心の支えになる事です。」
「・・・本当にそれでいいのか…親父…」
「今はこれしかできません。」
「サクナがどんな思いでいるのかわかってんだろ?」
「・・・・」
何も答えないヘルデウスにラウドボーンは詰め寄る
「俺はわかってる。サクナは自分を孤児にした元凶に今も利用され続けてるって…だから今回のテロ行為もそいつに命令されてやむを得ずやってるだけだってな。」
「ラウ…」
「親父はもうわかってんだろ?誰がサクナにテロを強要させてるかって…教えてくれよ。一体誰がサクナを!!!!」
「貴方には絶対に教えられません。教えれば貴方の事です。元凶に直接制裁を加えるでしょう…」
「当たり前だ…すぐにでも炎で焼き尽くす。」
「それだけはなりません。」
ラウドボーンは拳を思い切り握る。
「だったらこのまま黙って見てろって言うのかよ!!!サクナが苦しんでいるのに何もせずにいろって事か!!??ふざけんな!!!サクナみたいな優しい子が…幼馴染が虐げられているのに!!傍観者を演じ続けられるか!!!」
ラウドボーンの怒号が教会に響き渡る。
だが、ヘルデウスは表情一つ変える事なくラウドボーンの肩に手を置く。
「ラウ…よく考えなさい。もしも今ここで元凶に制裁を加えたらそれこそサクナや周りの人間にまで危害が加えられる可能性も高い…それでも貴方は…知りたいですか?」
「!!??くっ…」
ラウドボーンは俯いてしまう。
「貴方の気持ちも痛いほどわかります。私も本当は今すぐにでもあの子を苦しめている奴をぶん殴ってやりたい…だけどそれはあまりにも軽率すぎるのです。」
「じゃあ…俺達はどうすればいいんだ…」
ヘルデウスはラウドボーンの肩に優しく手を乗せる。
「今は苦しくても耐えるんです。そして…時が来たら…
テラコマリ・ガンデスブラッド殿と共に元凶を打ち破りなさい。」
「テラコマリ?何であいつの名前が…」
「彼女ならサクナを暗闇から救い出してくれる光となってくれます。」
続く
如何でしたか?
次回はいよいよ七紅天闘争かぁ…
めっちゃポケモン人出るからえげつない文章量になりそう笑笑
では、また!!