なんかまた冬に逆戻りで寒すぎますね!
では、どうぞ!
マスカーニャside
第3部隊と交戦中の第7部隊及び第6部隊…
その最中に古城の方角から凄まじい爆発音と熱風が巻き起こった。
「な…何だ!?」
ラウドボーンが振り返ると
古城やその周辺が炎に包まれていたのである。
他の隊員達も突然の出来事に唖然としてしまった。
「まさか…ブラッド?」
マスカーニャは直感的にあれがテラコマリによるものだと確信した。
しかし、爆発が巻き起こっただけではなかった…
何と激しい炎と爆風がマスカーニャ達がいる場所まで迫ってきているのである。
「おい!!あれヤバくないか!?」
「こっちまで来てるぞぉぉ!!!!」
第3部隊の隊員達は慌てふためいて逃げ始める。
だが、炎はすごいスピードでこちらまで迫っている為間に合わない。
マスカーニャは考えた…
そして、一番の得策を思いついた。
「一か八か…」
マスカーニャは地面にトリックフラワーを連発し、大きめの穴を作った。
「よし!!これなら! ニンフィア!!!ラウドボーン!!!」
マスカーニャの声に2人は振り返る。
「この中に入れ!爆風をやり過ごす!」
「わかった!今行くよ!!」
2人はマスカーニャが作った穴に入る。
「俺が一番上になる。炎なら俺は半減にできるからな。」
「すまん。ラウドボーン。」
ラウドボーンが一番上に覆い被さり…2人を守る。
だが、ニンフィアはここであることを思い出した。
「待って!!!サクナは!?サクナはどうするの!?」
「!!!!!サクナ!!!」
2人は外へ出ようとするが…
「待て!!もう爆風が来る!!!手遅れだ!!」
マスカーニャに止められる。
「クソったれ!!!!何で古城で爆発なんか!!!」
「サクナ!!!」
すぐに炎と爆風が襲ってきた。
凄まじい高熱だ。
穴の外では高熱に焼かれた隊員達の悲鳴が響く。
古城 西側
交戦中のオディロン・ヘルデウス両軍にも爆風と炎が襲いかかる。
多くの隊員達が一瞬で焼き尽くされた…
それは連撃のウーラオスやドドゲザンも例外ではなかった。
「な…なんじゃこりゃああああああああああ!!!!??????」
ドドゲザンはキリキザンやコマタナ達諸共爆風に飲み込まれた。
「ぐっ!!!!」
連撃のウーラオスは何とか巨大な岩の影に隠れてやり過ごそうとするが…
近くにヘルデウスが正座をして手を合わせて祈りをしている姿が見えた。
彼は諦めて炎を受ける覚悟をしているのだ…
だが、連撃のウーラオスは幾ら魔核で蘇るとはいえ師父であるヘルデウスが死ぬところなど見たくない。
「師父ぅぅぅぅぅ!!!!!!!」
連撃のウーラオスはヘルデウスの元へ駆け出していた…
テラコマリの放った大技ブラストバーンは映像機器にも影響を及ぼし、帝国中のスクリーンは砂嵐になってしまった…
宮廷では…
ブラストバーンの影響により映像を映し出していた水晶も割れてしまっていた…
「おぉ!!!見たか!あれは炎タイプの中でも扱えるものはごくわずかしかいない究極技ブラストバーンだ!!威力はあの煌級魔法『地獄を灼く曙光』にも匹敵するぞ!いや、孤紅の恤で更に威力は上がっているか。小国であれば簡単に焦土に変えることができるな!」
「煌級魔法はあらゆる魔法の中でも最強クラスに位置されるもの…それ以上の威力が出せるテラコマリ様のブラストバーン…この目で見れて良かったです。まぁ使用後に反動でしばらく動けなくなるのが難点ですが…」
カレンやモリモトが感心する中アルマンは焦りと困惑の表情を浮かべている。
「笑い事じゃありませんよ!また、コマリが烈核解放を…」
「まぁまぁ。大丈夫だ。心配はいらないさ。」
カレンは新しい水晶を持ってきてくれとメイドに頼む。
古城
「ん…んぅ…あれ?…」
意識が戻った私はとてつもなく巨大なクレーターの中心にいた…
目を覚ましてから何故か数分間体が動かなかったが、すぐに動けるようになった。
「私…どうしたんだっけ? 確か…デルピュネーやオオニューラに襲われて…それでその後は…」
私は必死に記憶の断片を辿り…思い出そうとする。
そして、一番大切なものを思い出した。
「そうだ!!ヴィル!何処だ!ヴィル!!」
私はデルピュネーから庇って怪我をしたヴィルを必死に探す。
「ヴィル!!!」
すると、私から少し離れた所に倒れているヴィルを見つけた。
全身傷だらけだが,まだ息をしている。
「良かった…生きてる。ごめんね。ヴィル…今,病院に送るからゆっくり休んでくれ。」
私は転移用の魔法石を取り出してヴィルを帝都の病院に転移させた。
私を助けようとしてくれたエアームドや第2部隊の隊員達も探したが,見つからなかった。
恐らくはもう…
魔核で蘇るのを待つしかない。
「ごめん。私のせいで。」
私は手を合わせて皆に合掌する。
そして、元いたクレーターの中心に戻る。
「これ…一体何があったの?まさか…夢?」
一瞬夢を疑ったが…足元にジャリっと音がして見てみると
粉々になった紅玉が散乱していた。
「跡形もないな…仕方がない。マスカーニャ達を探そう!」
私はまだ生きている可能性があるマスカーニャやサクナ達を探そうとした
が…
「ご機嫌よう。ガンデスブラッドさん。」
後ろから怒気が混じった声が聞こえてきた…
私が恐る恐る振り返ると…
そこにはフレーテ・マスカレールが立っていた。
「フ…フレーテ!!他の奴らはどうしたんだ?…1人か?これは一体何があったんだ!?」
「何がですって…」
私の言葉にフレーテは怒りで震えている。
「とぼけないでください!!ヘヴン様もメタル様もメモワールさんもデルピュネーもポケモン人達も!皆何もかもあなたが焼き払ってしまったのでしょう!?」
私が焼き払った!?
フレーテが何を言っているのか全くわからなかった。
「何を言ってるんだ!?私は何も…」
「ええ。そうですわね。貴方にこんな事ができるわけありませんわ。あの炎からは魔力の流れを全く感じませんでしたわ。大方爆弾かミサイルでも使ったのでしょう。」
爆弾やミサイルを用意した覚えもない…
もう訳が分からない。
「ん?それは…」
フレーテの目線は私の足元に散らばっている紅玉に向けられる。
「まさか…紅玉…」
「これは違う!!私が壊したんじゃないんだ!!気がついたら粉々になっていて…」
「ふざけている!!!!!」
フレーテの怒号が鳴り響く…
「自分が助かりたいために七紅天闘争を台無しにして紅玉を破壊するなんて!!!」
フレーテの全身に魔力が集まり始める。
「だから違うって!!誤解だ!!」
「貴方は帝国の癌です。これ以上好き放題にさせる訳には行きませんわ…」
フレーテの剣に黒い渦が発生し始める。
あれは暗黒魔法だ…
凄まじい吸引力で私は立つ事ができなくなり、尻餅をついてしまう。
「(駄目だ…フレーテは完全に私が紅玉を壊したと思っている…どうすれば…)」
フレーテは暗黒魔法をより強めていく。
炎が急速に沈静化した後…
マスカーニャ・ラウドボーン・ニンフィアの3人は焼け野原となったフィールドに出てきて生存している仲間を探していた…
「焦土だな…これは…」
第七部隊・第六部隊・第三部隊も全滅だった…
だが、フレーテやサクナと思われる遺体は見つからなかった。
女性である2人はすぐにわかるはずだからだ。
「サクナが見つからない。あの子…生きてる。」
「ついでにフレーテもな…多分俺たちみたいに地面に穴を開けてその中でやり過ごしたか爆風が来ないところまで転移したかだな。」
ニンフィア・ラウドボーンはサクナが生きている可能性が高いとわかり、安堵した。
「なぁマスカーニャ…」
「何だ?」
「これをやったのはテラコマリなんだろ?だけど…あの炎。」
「ブラストバーン…だよね。炎タイプの究極技…なんで吸血種のテラコマリが使えるの?」
2人の疑問はもっともだ。自分達ポケモン人は魔法を使えない。それと同じく吸血種を始めとする人間種はポケモン人の技を使う事はできない。
言い逃れはできないと悟ったマスカーニャはこの2人には話そうと決めた。
「話すと少し長くなるが…ブラッドは…」
すると…3人から少し離れたところに古城へと走っていく人影が見えた。
シルエットから女性だとわかる。
フレーテではない。
身長が彼女よりも低く…髪は短い。
あれは間違いなく
「サクナ!!!!」
「生きてたんだ!!行くぞ!!」
ニンフィアとラウドボーンはサクナを追いかけていく。
「(メモワール…ブラッドの元へ向かっているのか…助けに…いくのか…)」
マスカーニャも2人の後を追う。
古城
マスカーニャ達は古城の辺りまで来ると…
「あれはフレーテ・マスカレール!?」
「やっぱり生きてやがったか!!」
生き残っていたフレーテがテラコマリに対して暗黒魔法を発動していた。
テラコマリはその場で座り込んで吸い込まれないように何とか堪えているが,限界を迎えるのは時間の問題であろう。
「あのままじゃまずい!!!ブラッドォォォォ!!!!」
マスカーニャは何とかテラコマリを助けるために走る。
だが、暗黒魔法は更に勢いを強めフレーテは呪文詠唱も始めている。
「(クソ!!!間に合え!!!)」
マスカーニャはフレーテに向けて葉のナイフを投げようと構える。
だが、その必要はすぐになくなった。
一瞬で背後まで迫ったサクナが素手でフレーテの背中を貫いていたからだ。
「あ…あぁ…」
サクナが手を引く抜くとフレーテはその場で崩れ落ちた。
サクナはフレーテを無理矢理仰向けにして馬乗りになり、拳を振り上げた。
「や…やめ!!???」
そして.…フレーテの顔面目掛けて硬い拳を叩きつけた。
骨と肉が砕け散る音が響く。
フレーテは一撃で動かなくなり…
絶命した。
「嘘…だろ?…」
マスカーニャはサクナに対して身震いをした。
今まで気が付かなかったが…あの美しい白銀の少女からは明らかにミリセントに近い強者のオーラが漂っている。
恐らく自分が挑んでも勝てない。
「サクナ…」
「また殺してしまった…」
「また?…やっぱりあいつが…」
またと言う言葉にマスカーニャはサクナが一連の事件の犯人であると確信し始める。
よく見ると右目が赤く光っている…
あれは烈核解放で間違いなかった。
サクナはフレーテから離れると座り込んでいる私に近づく。
「テラコマリさん…良かった。やっと会えました。」
「サ…サクナ。無事だったんだね。良かった。」
私はサクナの後ろにあるフレーテの死体に目が移ってしまう。
サクナはそれに気がついたのか片手でフレーテの足を持って軽々と持ち上げるとそのまま遠くへ投げ捨ててしまった。
「サ…サクナ!!ご遺体をそんな風に扱うのは駄目だよ!!」
「ご…ごめんなさい!テラコマリさんフレーテさんを見て怖がってたから遠くへやろうと思って…」
サクナは申し訳なさそうに返事をする。
よく見ると目にはうっすらと涙も浮かんでいる。
「い…いや!ごめん!言いすぎたよ…私がこんな事言える立場じゃないよね…」
サクナは私を助けてくれたんだ。
まずはお礼を言わないと
私は立ち上がる。
「サクナ。助けてくれてありがとう。こんなに強かったんだね。」
サクナは安心したのか笑みを浮かべる。
「強くないですよ?フレーテさんは油断していましたから。」
いや、正面から挑んでも多分この子はフレーテと十分渡り合えたような気がする。
「でも…素手で体を貫いていたよ?サクナは魔法中心の戦いをするんだよね?そんな事もできたんだ…」
「普通の吸血姫なら誰でもできますよ?」
サクナはそう言うが…恐らくできない。
あれはこの子の怪力だからできる事だと思った。
「これで七紅天はほぼ死んでしまいましたね…テラコマリさん…」
サクナはゆっくりと私に歩み寄る。
サクナの右腕はフレーテの血で真っ赤になっており…
頬には返り血が付着している…
命を助けてくれたとは言え…
何だかミリセントに近いオーラも感じた…
怖い…まさか私も…
サクナは私の前で座ると…
左手で私の頬を撫で始める。
血の匂いと共に…
花のような甘い香りがする。
「サクナ…?」
「覚えていますか?一緒に星を見た夜…私がテラコマリさんに質問した事を…」
勿論私は覚えている。
「あの時言いましたよね?脅してくるテロリストを倒しちゃえばいいんだって…すごいなって思いました。」
いつのまにかサクナから怖いオーラは消えて…
あの時と同じ何処か寂しげで悲しい雰囲気が漂い始める。
「サクナ…何でそんな悲しそうなの?」
「この有り様を見て…あの言葉は虚勢とか見栄っ張りじゃなくて本当の本当に事なんだなって思いました。何よりもあの七紅天会議の時…悪竜の攻撃から私を庇ってくれました…本当に格好良かった。」
サクナは続ける。
「でも…私はそんな風にはなれない…私程度の力では逆さ月に敵わない…どんなに努力しても…組織に従順であっても…もうやめてくださいって懇願しても…奴らは私の大切な人たちを傷つけようとするんだ…」
サクナの体に魔力が集中し始める…
「力がないから…勇気がないから…傷つきたくないから…私に選択肢は一つしかないんです…これからも…逆さ月の歯車として必死に働くしかないんです…」
サクナの体から段々と魔力が消え始める…
「フレーテさんも…魔核の場所を知らないんだ…」
サクナの目からは大粒の涙が流れ…赤くなっていた右目はいつものあの綺麗な青色に戻っていた…
「テラコマリさん…ごめんなさい…
テロリストの正体は私だったんです…」
「えっ…」
サクナがテロリスト…
私は全く気が付かなかった…
でも思い返してみれば
ヴィルがサクナに対して殺気を感じたと言った時があった…
恐らく彼女は本当の事を言っている…
じゃあお父さんを殺したのも…
だけど…だけど…
私はサクナが自ら望んでこんな事をするようには思えなかった…
何よりもサクナは苦しそうで…悲しそう…
誰かに助けを求めているようにも見える…
「サクナ…どうしてそんなに苦しそうにしてるの?」
「どうして私の心配をしているんですか?私は逆さ月のテロリストなんですよ?」
「確かにそれは嘘ではないと思っている…でも。
私はどうしても君が望んでこんな事をしているようには見えないんだ。」
「!!!!!」
サクナの表情が変わる。
「サクナ…帰ろう?私にできる事なら幾らでも力になるから…」
私はサクナの手を握ろうとするが、
彼女は私から離れてしまう。
「帰りたくても…帰る場所がないんです…」
サクナは私の額に指を近づける…
「テラコマリさんにも事情を知って欲しかったんです…
何も知らないまま戦い合うのは不幸ですから…
精神魔法『マインドリフレイン』」
サクナがそう詠唱した途端…
私は意識を失ってしまった…
古城の地中深く
何者かが蠢き…
凄まじい咆哮を轟かせた…
続く
いかがでしたか?
描いてるとマジでサクナ可哀想すぎて泣けてきます…
では、また!!