ポケットモンスター 炎の吸血姫の革命   作:テツノカシラ

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どうも!!


テツノカシラです!

ヤバい…もうサクナが酷い目に遭うシーン書くの辛すぎる…


では、どうぞ!!


アステリズムの廻天

 

 

 

マスカーニャはサクナがテラコマリに向けて何か魔法をかけた様子を見ていた。

 

 

「メモワール!!!あいつやっぱりブラッドを!!!」

 

 

 

マスカーニャはテラコマリを救うために悪エネルギーを両手に込めて攻撃の態勢に入る。

 

 

 

「待って!マスカーニャ!」

 

 

 

だが、ニンフィアが止めに入る。

 

 

 

「どいてくれ!ニンフィア!彼奴はやっぱりテロリスト…しかも逆さ月のスパイだったんじゃないか!!!もう容赦しない!!」

 

 

 

マスカーニャはニンフィアを押し除けようとする。

 

 

 

「マスカーニャ!!!俺たちの話を聞いてくれ!!!」

 

 

 

だが、後ろからラウドボーンにも羽交い締めにされる。

 

 

 

 

「どう言うつもりだ!?お前らも逆さ月の…」

 

 

 

 

 

 

 

「あれはサクナの精神魔法マインドリフレインなの!!あの子が相手に見て欲しい自分の記憶を精神世界で見せる魔法なの!!!」

 

 

 

 

「マインドリフレイン?」

 

 

 

「そうだ!だからサクナはテラコマリに攻撃をしている訳ではないんだ!!」

 

 

 

2人の言葉でマスカーニャを抵抗する力を少しだけ弱める。

 

 

 

「お願い…少しだけ様子を見て…何かあれば私たちも何とかするから…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・妙な動きをし始めたらすぐに動くからな…」

 

 

 

マスカーニャは攻撃を一時的にやめる。

 

 

 

 

そして…地面に座り込む。

 

 

 

 

「なぁ。メモワールやお前達の事について全てを聞かせてくれよ…

 

 

 

 

 

俺もブラッドについて話す…」

 

 

 

 

 

ニンフィアとラウドボーンはお互いに目を合わせてうなずく。

 

 

 

 

「わかった…この際だから全て話すよ。」

 

 

 

 

ニンフィアは話し始める…

 

 

自分達とサクナの事について…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あたし達とサクナが出会ったのはヘヴン教会の孤児院って言うのは知ってるとは思うけど…

 

 

最初にサクナに話しかけたのはあたしなんだ…

 

 

 

あたし実はお母さんがポケモン人で父親が吸血鬼の家庭に生まれたんだ。

 

 

純血のポケモン人として生まれたあたしはすぐにお母さんを亡くして

 

 

 

 

 

それからは父親に…

 

 

 

 

虐待とか…色々されてきたんだ。

 

 

 

 

あたしの父親はろくでなしでね…

 

仕事もせずにいつもギャンブルとかで借金作って酒ばかり飲んで

 

 

気に入らない事があるとすぐにあたしに暴力を振るった…

 

 

 

そんなある日近所の人が孤児院に通報したんだと思う…

 

 

 

警察が家に来て父親は逮捕されて

 

 

 

あたしは孤児院に保護されたんだ。

 

 

 

それからは孤児院で暮らすようになって…

 

 

ラウと出会ったんだ。

 

 

ラウもあたしと同じでね…

 

 

 

お父さんを亡くしてから母親から暴力を受けて孤児院に来たんだ。

 

 

 

同じポケモン人で似た境遇って事もあってあたし達はすぐに仲良くなった。

 

 

 

 

それから2年後にサクナがやってきた。

 

 

 

当時孤児院には他種族とのハーフはかなり少なくてね

 

 

最初、皆気味悪がってサクナに近づこうとしなかった。

 

 

唯一獣人種とのハーフの子がサクナと仲良くしてたかな?

 

 

 

あたしとラウはそんなあの子をなんだか放っておけなくて…

 

 

 

何回も接していくうちに仲良くなっていったんだ。

 

 

それからは3人で一緒に遊んだり勉強をしたりして…

 

 

楽しかったなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな日が6年続いて…

 

 

 

ラウが警察官の試験に受かって孤児院を卒業して…

 

 

サクナも帝国軍への入隊が決まったある日だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜中にあたしは見ちゃったんだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

サクナが孤児院の倉庫に義父さん…ヘルデウスさんを呼び出して素手で背中を突き刺した所を…

 

 

 

あたしは最初夢かと思ったけど…違った。

 

 

 

あれは全て事実だったんだ…

 

 

 

あたしはすぐに義父さんを助けようとした

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど…

 

 

 

 

サクナは泣いてたの…

 

 

 

 

義父さんの亡骸を優しく撫でながら…

 

 

 

声を押し殺して泣きながら謝ってた。

 

 

 

あたしはそんなサクナを見て…

 

 

 

何もできなかった。

 

 

 

ただ、わかった事は一つ。

 

 

 

 

あの子は絶対に自分からはこんな事はしない。

 

 

 

きっと何かある。

 

 

そう思ってあたしも無理を言って何とか軍に入ってサクナの周辺を警戒した。

 

 

 

 

 

だけど…

 

 

あたしの力じゃ何もわからなかった…

 

 

 

あたしの力じゃサクナを助ける事はできなかったの…

 

 

 

だから、あたしにはサクナの事を見守る事しかできなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスカーニャはニンフィアが話をただ静かに聞いていた…

 

 

 

「そんな事があったのか…」

 

 

ニンフィアは涙を流しながらうなづく。

 

 

 

 

「俺がニンフィアからその事を聞いたのは1年前だ…だから、今回のテロリストの件で対策チームが立ち上げられる事を聞いて…班長に無理言って出張扱いで参加したんだ…」

 

 

 

「ラウドボーン…」

 

 

 

ラウドボーンはマスカーニャに対して頭を下げる。

 

 

 

「すまん。マスカーニャ…騙すような真似をしてしまって…サクナが政府高官を殺害していたのは事実だ。」

 

 

 

「・・・・・」

 

 

 

マスカーニャはただ俯いているだけだった。

 

 

 

「ただ信じて欲しいの。サクナは自分から悪事を働いていない。

 

 

 

 

 

 

多分裏で糸を引いてる奴がいるんだと思う。」

 

 

 

 

「裏で糸を引いている奴?」

 

 

 

 

「たまにサクナ…誰かと連絡をしている時があるの。あたし達や卒業した院の子達でも義父さんでもない誰かと…」

 

 

 

ニンフィアの言葉でマスカーニャはサクナに対する警戒心が少しだけ解ける。

 

 

 

 

「あぁ。多分そいつが逆さ月の本当のスパイだ。」

 

 

 

ラウドボーンもニンフィアと同調する。

 

 

 

 

「本当…なのか?」

 

 

 

「まだ確定的な証拠はないの。だけど信じて欲しい!!サクナは心の優しい子でむやみやたらに人を傷つけるような事は絶対にしない!」

 

 

 

マスカーニャはニンフィアやラウドボーンの言った事が嘘や妄言とは思えなかった。

 

 

 

 

「わかった。2人を信じるよ。過去を聞いたらそんな糾弾する気持ちにもなれないしな。」

 

 

 

 

マスカーニャの言葉に2人の表情に明るさが少しだけ出てくる。

 

 

 

「じゃあ2人には話してもらったからな…

 

 

 

俺も話すよ。ブラッドの事を…」

 

 

 

マスカーニャはテラコマリが稀れ子である事…凄まじい力を持つ孤紅の恤と言う烈核解放の事を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方 テラコマリは…

 

 

 

 

「此処はどこだ?」

 

 

サクナに精神魔法をかけられた私はいつのまにか謎の空間にとばされ、宙に浮かぶソファに腰を掛けていた。

 

 

 

周りはたくさんの星が輝いている夜空のような景色が広がっている。

 

 

 

「此処は私の記憶が散りばめられた夜空です…」

 

 

 

私の向かいには同じソファに腰を掛けたサクナがいた。

 

 

 

「謂わば…記憶のプラネタリウムです。」

 

 

私は夜空の浮かぶ星を見渡す。

 

 

 

数えきれないほどの星…これら全てサクナの記憶なんだ…

 

 

 

とても綺麗だ。だけど…

 

 

 

哀しみに満ちたそんな輝きをしているように見えた。

 

 

 

 

「テラコマリさん…みてください。これが始まりの記憶です。」

 

 

 

私とサクナの目の前に風景が広がる。

 

 

 

 

それはまだ幼いサクナと…

 

 

 

 

 

写真で見たサクナのお姉さんだった。

 

 

 

「私のお姉ちゃん。コマリ・メモワールです。本当に優しい人でした…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからサクナは私に全てを話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に穏やかな日々でした。

 

私の家族は皆仲が良くてお父さんとお母さんは私の事を本当に愛してくれました。

 

 

 

特に私はお姉ちゃんととても仲が良くて

 

 

昔から引っ込み思案で学校でよく嫌がらせをされていた私を…お姉ちゃんはよく助けてくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ひぐ…えぐ…』

 

 

 

『サクナ…もう泣かないの。お姉ちゃんがついてる!今度サクナをいじめてきたらぶっ飛ばしてやるからさ!』

 

 

 

『お姉ちゃん…ありがとう。でも、ぶっ飛ばすのはやめて?』

 

 

 

 

いつも私の事を大切に思ってくれている家族が大好きでした…

 

 

 

休みの日なんかは皆で天体観測にも行ったりもしました。

 

 

だから、私は星が好きなんだと思います。

 

 

 

 

こんな日々がずっーと続けばいいのにってそう思っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど…そんな日々は今にすれば一睡の夢だったのかもしれません。

 

 

 

 

「どう言う事?」

 

 

 

 

テラコマリさん。この世には『神殺しの邪悪』が存在する事を知っていますか?

 

 

 

「何それ…」

 

 

神とは魔核の事です。

 

 

 

現代において…魔核こそが神そのもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

魔核を壊すもの…

 

 

 

逆さ月…

 

 

 

「逆さ…月?」

 

 

 

 

彼らは魔核を壊すためならどんな事でもします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!??何…これ…」

 

 

私の目に飛び込んできたのは…

 

 

 

 

 

血塗れになったサクナの住んでいた家の壁や床…

 

 

 

その血溜まりの中で倒れている

 

 

サクナのお父さん…お母さん…

 

 

 

そして…サクナのお姉さん…コマリ・メモワール。

 

 

 

あまりにも凄惨さに私は思わず手で口を塞いでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平和な一家を虐殺することさえ躊躇わずにやるんです。

 

 

 

 

 

「で…でも!!魔核があれば回復するんでしょ!?」

 

 

 

しません。

 

 

 

私の家族は魔核を無効化する神具によって殺されてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

殺したのは…逆さ月幹部の男…

 

 

 

動機は私に絶望を植え付けて組織の駒にする事…

 

 

 

私には利用価値があったみたいなんです…

 

 

 

「利用価値?…」

 

 

 

烈核解放…『アステリズムの廻天』

 

 

 

殺害した相手の記憶を見たり…改竄したり…洗脳することもできる異能です。

 

 

 

 

 

私の家族を殺したそいつは黒いオーラを出しながら悪魔のような声でこう言いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オマエガサカサヅキノセンペイニナルノデアレバカゾクヲトリモドスホウホウヲオシエテヤッテモイイ…ダァイスキナオネエチャンニモアイタイダロウ?クックックック…キル…キル…』

 

 

 

 

 

 

 

こうして私は強制的にテロリストにされ、今日まで影で人を殺すための訓練を受けてきました。

 

 

 

 

私に与えられた任務を単純…

 

 

 

帝国軍に潜り込み…魔核の在りかを知っている可能性が高い人物を暗殺し,記憶を操作して情報を引き出すこと…

 

 

 

 

 

 

「やっぱりお父さんを殺したのは…」

 

 

 

 

 

 

ごめんなさい…

 

 

 

任務に失敗したら私の家族を1人ずつ殺すって言われたんです…

 

 

 

それだけじゃありません。

 

 

 

 

家族を殺され…絶望に打ちのめされたままヘルデウスさんの孤児院に入って…

 

 

初めてできた大切なお友達…

 

 

 

 

 

 

 

ラウ君や…フィアちゃんの事も殺すって言われたんです…

 

 

 

 

 

「ラウドボーンとニンフィア…」

 

 

 

 

 

 

2人の存在は本当に私の救いでした…

 

 

生きる気力すらも失いかけていた私にまた希望をくれたんです…

 

 

3人で一緒に過ごした日々は私が家族と共に過ごした日々と同じくらい暖かくて幸せな日々でした…

 

 

 

この2人になら私の事を話しても…とも思いました。

 

 

 

 

 

 

 

だけど…逆さ月はそんな事を許すはずなく

 

 

 

妙な真似をしたら2人も容赦なく手にかけると脅されて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからテラコマリさん…家族達を守るために…私は貴方を殺します。

 

 

 

「!!?? サクナ…」

 

 

 

 

 

さぁ…戦いましょう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は現実世界に引き戻された。

 

 

 

 

 

目を開けるとサクナが私から距離をとって構えている。

 

 

 

「本当は戦いたくなんかありません…テラコマリさんは私に優しくしてくれたし…助けてくれました。」

 

 

 

「だったら戦うのなんてやめようよ!!私もサクナと殺し合いたくない!!」

 

 

 

サクナは首を横に振る。

 

 

 

「でも…だめなんです。また、家族が殺されてしまうから…」

 

 

 

 

「サクナ…さっきから家族を殺されるって言っているが、君の家族はもう…」

 

 

 

 

しかし、サクナは私の方へ向けて指を指す。

 

 

 

「いますよ。家族なら此処に…

 

 

 

 

 

 

 

テラコマリさんは私のお姉ちゃんになるんです…」

 

 

 

 

お姉ちゃん?…サクナが何を言っているのか私にはわからなかった。

 

 

 

「そうやって家族を増やしてきました。綺麗な星座の形をしている人を見つけてその人の記憶を組み替えて…家族にする。」

 

 

 

サクナが一歩一歩私に近づく。

 

 

 

「例えば私のお父さん…ヘルデウス・ヘヴンは本当のお父さんとは似ていませんが,綺麗な大鷲座の星座を持っていました。だから、あの人にはお父さんになってもらいました。ヘルデウスさんの奥さんも優しい乙女座の星座を持っていたので私のお母さんになってもらいました…」

 

 

 

 

「えっ…」

 

 

 

 

「そうやって家族を増やしてきました。ただ、中々お姉ちゃんが見つからなくて…私の上司だったベリーチェイス閣下がお姉ちゃんに近い星座を持っていましたが…

 

 

 

 

 

テラコマリさんの方がもっと綺麗で優しい星座を持っていました…」

 

 

 

 

 

サクナと私の距離はどんどん縮まっていき…

 

 

 

 

ついに手が届く位置まで来てしまっていた。

 

 

 

 

「テラコマリさん以上に綺麗な星座を持った人はいません。私はテラコマリさんにお姉ちゃんになってずっーと私と一緒にいて欲しいんです。」

 

 

 

サクナが私の額に指を近づけてくる。

 

 

 

記憶を操作して殺すつもりだ…

 

 

 

「じっとしていてください…痛くないようにしますから…」

 

 

 

涙を流しながらサクナは言う。

 

 

 

 

 

すると…離れた位置から3人の人影が走ってくるのが見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブラッド!!!!!!」

 

 

 

「マスカーニャ!!!」

 

 

 

1人はマスカーニャだった。

 

 

残りの2人はニンフィアとラウドボーン…

 

 

皆,無事だったんだ!

 

 

 

 

 

「サクナ!!やめて!!殺し合うなんて間違ってる!!」

 

 

 

 

「俺たちが力になる!!だから…テラコマリを殺すなんて…」

 

 

 

 

 

 

「2人は此処から離れて!!!!命令を聞かないと2人まで殺されちゃう!」

 

 

 

 

サクナが2人に向けて叫ぶ

 

 

マスカーニャが懐から木の棒を取り出して剣に変える。

 

 

 

 

 

「メモワール…お前の事情についてはニンフィア達から聞いた…望んでこんな事をしたわけではない事もわかる…だが、ブラッドを殺すつもりでいるなら…その前に俺がお前を殺す。」

 

 

 

「マスカーニャ!!!!」

 

 

 

 

ニンフィアが必死にマスカーニャを止めようとする。

 

 

 

 

「邪魔をするなら逆に私が貴方を殺すから…テラコマリさんの相棒かなんか知らないけど…

 

 

 

私のお姉ちゃんを盗らないで!!!!」

 

 

 

 

サクナも怯む様子はなく叫び返す。

 

 

 

だめだ。

 

 

 

皆、駄目だよ…

 

 

 

 

サクナは何も悪くない。

 

 

 

皆だって間違ってない。

 

 

 

戦い合うなんて間違ってるよ!!!

 

 

悪いのはサクナの背後にいるテロリストなのに!!

 

 

 

でも、このままじゃ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サクナ!!!!」

 

 

 

私はサクナの手を握って自分の額に押し付けた。

 

 

 

「ブラッド!?何やってんだ!!!」

 

 

 

「テラコマリ?」

 

 

 

 

 

 

突然の事で皆驚いている。

 

 

 

「なってやる…」

 

 

 

「テラコマリさん?」

 

 

 

 

 

「サクナのお姉ちゃんになってやる!!」

 

 

 

「本当…ですか?」

 

 

 

 

「ブラッド…お前何言ってんだ?…それだとお前は殺されて…」

 

 

 

 

 

 

 

「だけど殺し合うのはなしだ!!私とも!マスカーニャとも!他の2人とも!」

 

 

 

私は涙に濡れたサクナの目をまっすぐに見て話す。

 

 

 

 

「いいか!!サクナ!お前のお姉ちゃんは世界でただ1人しかいないんだ!それなのに他人の記憶を改変してお姉ちゃんにするなんて…

 

 

 

 

 

 

本当のお姉ちゃん!コマリ・メモワールさんに失礼だ!」

 

 

 

 

「!!!!」

 

 

 

サクナの表情が変わる。

 

 

 

「お前のお父さんとお母さんだって…こんな事して幸せになる娘を見て喜ぶはずがないだろう?」

 

 

 

 

 

 

「わかっています…こんな事間違ってるって…」

 

 

 

サクナは震えた声で続ける。

 

 

 

「でも…辛かったから…ずっと寂しくて苦しかったから…」

 

 

 

 

 

サクナの両目から止めどもなく涙が溢れ出してくる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はサクナの頬に手を添える。

 

 

 

 

「今まで辛かっただろう?苦しかっただろう?もう1人で抱え込まなくていいんだよ?サクナ…」

 

 

 

「テラ…コマリさん?」

 

 

 

私はサクナの両目に溜まった涙を指で拭う。

 

 

 

 

「もう泣かないで?サクナは笑っていた方がいい。その方が美少女の顔には似合ってるよ?」

 

 

 

サクナの顔が少しだけ赤くなった。

 

 

私は今度はサクナを優しく抱きしめる。

 

 

 

 

「テラコマリさん…暖かい。まるで優しい炎に包まれているみたい…」

 

 

 

「昔から体温だけは高かったからね。」

 

 

 

 

「コマリお姉ちゃんもこうやって優しく私を抱きしめてくれました。」

 

 

 

 

「そっか…優しいお姉ちゃんだったんだな。」

 

 

 

「テラコマリさんも優しいです…貴方みたいにここまで心が綺麗で優しい人は今まで見たことがありません。」

 

 

 

 

「私は優しくないよ。ただ、臆病で弱いだけ。」

 

 

 

私はサクナへの抱擁を一度やめてサクナを見つめる。

 

 

 

表情に明るさが出てきた。

 

 

やっぱりサクナには笑顔が一番似合うな。

 

 

すごく綺麗な美少女だ。

 

 

 

「テラコマリさん…その…お姉ちゃんって呼んでもいいですか?」

 

 

 

「うん!いいよ。存分に甘えたまえ!」

 

 

 

サクナは私に飛びついてきた。

 

 

私たちはそのまま地面に寝転ぶ形になる。

 

 

 

 

「お姉ちゃん!大好き!」

 

 

 

「サクナ…よしよし。」

 

 

 

私はサクナの頭を優しく撫でる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

様子を見ていた3人は安心したように胸を撫で下ろしていた。

 

 

 

「サクナ…良かったね…やっと1人で抱え込む必要がなくなって…」

 

 

 

「良かったよ…本当に…」

 

 

 

ニンフィアとラウドボーンもボロボロと大粒の涙を流していた。

 

 

 

それを見たマスカーニャも武装を全て解除した。

 

 

 

「全く…俺の相棒はどんだけ人の心を開かせるのが上手いんだよ。」

 

 

「マスカーニャ…テラコマリって本当に稀れ子なの?ブラストバーンで周りを吹っ飛ばすようには見えないんだけど?」

 

 

 

「あれはもうサクナのヒーローだよ。」

 

 

 

マスカーニャから稀れ子の話を聞いていた2人はマスカーニャにそう言う。

 

 

 

「アイツはヘタレでお人よしなただの俺の相棒だよ。」

 

 

 

 

マスカーニャの言葉に2人はなんだそれって言って笑う。

 

 

 

 

とりあえず一時和んだ雰囲気になる一同…

 

それと同時に一同はこんな優しい子を無理矢理テロリストにして人生を狂わせたテロリストに対して怒りが湧いてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、逆さ月のテロリストは暖かい空気を一瞬で冷たくするもの…

 

 

 

 

 

 

「何をしている?サクナ・メモワール。」

 

 

 

 

聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

灰色のマントと大剣を背中に背負った男…

 

 

 

 

七紅天第五部隊隊長…オディロン・メタルだった。

 

 

 

 

「オディロン?なんで此処に…」

 

 

 

「連絡した筈だぞ?ガンデスブラッドを殺せと…」

 

 

 

オディロンはゆっくりとサクナと私に近づいてくる。

 

 

 

すると…マスカーニャは何かを感じ取ったのかオディロンの前に立った。

 

 

 

 

「メタル殿。何か我々にご用でも?」

 

 

 

 

「邪魔だ。どけ。小僧」

 

 

 

「今は2人に近づかないでいただきたい。」

 

 

 

警戒した口調でオディロンを威嚇するマスカーニャ…

 

 

だが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「邪魔だと言っているだろうが!!!!!クソガキィィィィィィィィ!!!!!!」

 

 

 

オディロンが凄まじいパンチをマスカーニャの腹に叩き込んだ。

 

 

 

 

「ぐわぁぁぁぁ!!??」

 

 

 

「マスカーニャ!!!!!」

 

 

 

マスカーニャは吹き飛ばされて地面に倒れる。

 

 

 

 

それを見たサクナは怯えたようにすぐに立ち上がる。

 

 

 

「わかっています…だから皆には手を出さないでください…」

 

 

 

 

「手を出すなだと?道具が主人に口答えをするな!!!!!」

 

 

 

今度はサクナを思い切り殴り飛ばした。

 

 

 

 

「サクナ!!!!お前…女の子に暴力を振るうなんて…」

 

 

 

 

 

「ガンデスブラッドは何故無傷なんだ?何故おまえはあの小娘と一緒にヘラヘラした挙句ポケモン人共に我々の情報を喋ろうとしたのだ?」

 

 

 

サクナはうずくまり…ごめんなさいごめんなさいと何度もオディロンに対して謝っている。

 

 

 

 

「すぐに謝るな!!!!鬱陶しい!!』

 

 

 

オディロンはサクナの髪を掴むと何度も顔を殴り、叩く。

 

 

 

酷い…酷すぎる!!!

 

 

 

 

 

 

「てめぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!サクナに何してんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

 

ラウドボーンが激昂しながら炎のスタンドマイクでオディロンに殴りかかった。

 

 

 

 

「勝手に割り込んでくるな!!!!クソガキがぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

オディロンは炎のスタンドマイクをへし折り、

 

 

 

 

「ごはぁぁぁぁ!!!???7

 

 

 

 

ラウドボーンの顔を思い切り殴り地面に叩き落とした。

 

 

 

オディロンはサクナの髪を掴んでいた手を離し…

 

 

 

地面に倒れたラウドボーンを何度も蹴り始める。

 

 

 

「お前が俺をチョロチョロと嗅ぎ回っていた鼠だな!?俺をいちいちイラつかせるな!!!!!」

 

 

 

「や…めて…ラウ君は関係…ない。」

 

 

 

 

私はオディロンに対しやめろと声を出そうとしたが、

 

 

 

 

 

その前にニンフィアがオディロンの顔面を思い切り殴った。

 

 

 

威力があるようでオディロンの体がよろける。

 

 

 

 

「あんた…最低だよ。男が女に暴力振るうなんてさ…その上あたしの友達を傷つけて…

 

 

 

 

 

あんた絶対に許さないから!!!!!!」

 

 

 

ニンフィアの攻撃にオディロンは怒りを露わにする。

 

 

 

「小娘…お前いい度胸をしているな…」

 

 

 

 

「あんた…あたしの暴力親父によく似てるよ。雰囲気とか…

 

 

 

ぶん殴りたくなってくる!!!!!」

 

 

 

ニンフィアが再びオディロンに殴りかかる。

 

 

 

だが、オディロンはニンフィアの攻撃をかわし…

 

 

 

「俺もお前みたいな生意気な小娘は大っ嫌いだ!!!!」

 

 

 

ニンフィアの腹を思い切り蹴った。

 

 

 

「がっ!!!???」

 

 

ニンフィアは地面に倒れてしまう。

 

 

 

 

「この生意気なポケモン人のクソガキ共め…全員我が神具でバラバラにして…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろ!!!!!」

 

 

 

私はオディロンに声を上げた。

 

 

 

 

オディロンが私を睨みつける。

 

 

 

 

「お前が…サクナを地獄のどん底に叩き落とした元凶だったんだな。」

 

 

 

 

 

 

「・・・立て。サクナ・メモワール、さっさとガンデスブラッドを殺せ!!!!」

 

 

 

オディロンはサクナを無理矢理起こすと私の方目掛けて蹴り飛ばした。

 

 

 

それを見た私はオディロンに対して怒りが頂点に達した。

 

 

 

 

 

 

「やめろって…言ってるだろう!!!!!!」

 

 

 

私はありったけの力でオディロンを殴ろうとしたが…

 

 

 

 

簡単に止められてしまった。

 

 

 

「悲しいなぁ。ガンデスブラッド…力なきものの抵抗ほど見るに耐えないものはない。キル…キル…」

 

 

 

 

 

「この!!!離せ!!!はなせぇぇぇ!!!!!」

 

 

 

私はオディロンの手に思い切り噛みついた。

 

 

 

 

「ぐわぁぁぁ!!??何をするこの小娘がぁぁぁ!!!!」

 

 

 

オディロンは私の腕を掴んでいる手の力を強めて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボキッと言う音ともに私の腕を折った。

 

 

 

 

私はあまりの激痛に声にならない悲鳴をあげてしまった。

 

 

 

「ふん!!脆い…脆すぎるぞ!!テラコマリ・ガンデスブラッドォォ!!!!」

 

 

 

オディロンはそのまま私を投げ飛ばした。

 

 

 

そして、私は再び意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

「これなら…サクナ・メモワールの異能を使うまでもない。チッ…そうだ。ドドゲザンもオオニューラもやられてしまっていたんだったな…全く使えない道具共め。これを機に奴らも本格的に俺の道具として洗脳してやろうと思ったのになぁ。

 

 

 

俺自らが拷問してやろう…」

 

 

 

オディロンがテラコマリに近づこうとした瞬間

 

 

 

 

 

オディロンの背後からマスカーニャが木の剣で斬りかかった。

 

 

 

オディロンは大剣で斬撃を防ぐ。

 

 

 

「それ以上ブラッドに近づいたらお前をズタズタにしてやる!!!オディロン・メタル!!!」

 

 

 

「もう意識が回復したか…小僧!!!!」

 

 

 

 

マスカーニャだけではない。

 

 

 

ニンフィアやラウドボーンもオディロンを囲むように臨戦態勢に入る。

 

 

 

 

「あたしたちはあんたを絶対に許さない!!!!サクナもテラコマリにも手出しさせない!!!!」

 

 

 

 

「流石にこの数の差で勝てると思うな!!!オディロン!!!」

 

 

 

 

3vs1

 

 

確かにオディロンが幾ら歴戦の覇者でも鍛えられたポケモン人3人を相手にするのはかなり不利である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、オディロンは慌てる様子はなくニヤリと笑う。

 

 

 

 

「クックックッ…滑稽だな…ポケモン人ども…俺がいつ1人だと言った?」

 

 

 

「何?」

 

 

 

 

オディロンは大剣の刃を地面へと向ける。

 

 

 

 

「ちょうどいい。お前達にはこいつの相手をしてもらおうか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「出よ!!!!『バンギラス』!!!!!!」

 

 

 

 

 

オディロンが大剣を思い切り地面に突き刺す。

 

 

 

 

 

 

すると…地面が揺れ始めた。

 

 

 

「な…なんだ!?」

 

 

 

 

 

 

「何か…来るぞ!!!!!」

 

 

 

そして…地面が割れて…

 

 

 

 

地中から凄まじい咆哮を轟かせながら

 

 

 

緑色の体色をした巨大な怪獣のようなポケモン…

 

 

 

 

 

よろいポケモン バンギラスが姿を現した。

 

 

 

 

続く

 




いかがでしたか?



オディロンが隠し持っていた秘密兵器はバンギラスでした。


主に4.5.8世代で大活躍したポケモンですね。


では、また!!!
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