今回でサクナ編は最後です!
では、どうぞ!
七紅天闘争終結から1週間後…
帝都にある大病院。
テラコマリ・マスカーニャ・ヴィルヘイズ・ニンフィア・ラウドボーンは同じ病室に入院していた。
全員もう間もなく退院らしい。
ヴィルヘイズに関してはもうとっくに全快しているそうだが、テラコマリの看病のためいるとの事…
「おい!!!!ラウドボーン!!!俺のバナナ勝手に食うなよ!?」
「ふん!!さっさと食わない貴様が悪いのだ!!!今度は桃を食ってやる!!!」
「あああああ!!!やめろぉぉぉ!!!!その桃めっちゃ美味いのにぃぃぃ!!!」
「2人ともうるさい!!」
私達が入院している病室内はあり得ないぐらいうるさい…
マスカーニャとラウドボーンは小競り合いしてるし…
ニンフィアが仲裁して暫く大人しくしてまた暫くしたら小競り合いを繰り返す。
どうやらラウドボーンがマスカーニャのお見舞いのフルーツを勝手に食べるのが原因らしい…
子供の喧嘩か。
「マスカーニャもラウドボーンもうるさいなぁ…病室なんだから静かにしろよ…」
「コマリ様、あーん♡」
一方ヴィルは剥いたりんごを私の口に近づけてくる。
「いいよ。ヴィル…自分で食べるから…」
「ダメです〜。メイドの私は主人の看病をする義務がありますから〜」
「お前だって怪我したじゃん。怪我人に看病される訳にはいかないから。」
「じゃあ私にあーんしてくださぁい。口移しでもいいです〜♡」
「自分で食え!!!私も自分で食う!!!」
私はこの変態メイドを押し除けてリンゴを奪って自分の口へ運ぶ。
ムルナイト産のりんごは甘くてとても美味しい…
ムルナイトの農村地帯は土地がよくリンゴなどの木に実る果物が育ちやすいそうだ。
まぁ六国の台所と呼ばれているラペリコには敵わないけど…
帝国軍 女子寮付近
皆より早く退院したサクナはリュックを背負って何処かへと向かっている…
行き先は帝都にある大病院。
テラコマリ・マスカーニャ・ニンフィア・ラウドボーンが現在入院しているのだ。
「みんな…元気かな?早くお見舞いに行ってあげよう!」
その足取りは以前に比べると軽快で非常に明るいものになっていた。
「おや?サクナ!」
「?ヘルデウスさん!それに…」
サクナが声をした方を振り返るとヘルデウスが笑顔で手を振っていた。
その隣には黒髪の美しい吸血種の女性がいる。
「サっちゃん。元気にしてる?」
「!!! お母…フウロさん…」
この女性こそがヘルデウスの妻であるフウロ・ヘヴン。
サクナが孤児院にいる頃は本当の母親のように思っていた人物である。
「フウロさん…その…私…」
サクナは一度は手にかけてしまったフウロに何と言えばいいのかわからなかったが…
フウロは優しくサクナの頭を撫でる。
「いいの。何も言わなくていい。サッちゃんがいい子なのはよくわかるから…例え血の繋がりがなくても…私はサッちゃんのもう1人のお母さんなんだから…辛くなったらいつでも帰ってきていいのよ?」
「それには私も全く同意です。サクナ…私も貴方のもう1人の父親です。いつでも支えますからね…」
2人の暖かい言葉にサクナの目から涙が出る。
しかし、サクナは涙をゴシゴシと拭くと笑顔を見せる。
「うん!ありがとう!」
「ほっほっほ!そうそう!サクナは笑顔が一番似合っていますよ!」
「止めちゃってごめんね?ラッ君とフィーちゃんの所に行くんでしょう?気をつけていってらっしゃい。」
「うん!行ってきます!」
2人は帝都へと向かっていくサクナの背中を見えなくなるまで見送り続けた。
1時間後…
「ほぉら!桃の代わりにお前にセロリを贈呈してやろう!!」
「ふぁああああああああ!!!???やめろぉぉぉ!!??その産業廃棄物を俺に近づけるなぁぁぁぁ!!??」
ラウドボーンが大きなセロリをマスカーニャに近づける。
セロリを見たマスカーニャは大音量の悲鳴をあげてベッドから一気に天井の端に飛び移る…
忍者かよ…ってかマスカーニャってセロリ嫌いだったんだ…
あんなに嫌がるってセロリにそんなトラウマがあるのかな?
本当にやかましい…
ニンフィアはもう諦めて耳にイヤホン型の鉱石を付けて音楽を聴きながら音楽雑誌?を読み始めてるし…
ヴィルは拗ねてりんごの皮剥きを黙々とするだけ…
すると…病室の扉がノックする音が聞こえた…
「お前らいい加減に静かにしろよ!!!はーい!どうぞー!」
私が返答すると戸が開き…
「し…失礼します。」
サクナが入ってきた。
その瞬間ラウドボーンはセロリをしまい、ベッドに大人しくし始める。
「サクナ!怪我はもう大丈夫なのか?」
「は…はい!大丈夫です!あ…あのマスカーニャさんは何をしてるんですか?」
サクナが天井の端に張り付いているマスカーニャを指差す。
そりゃ…そう反応するよな…
「ラ…ラウドボーンが俺に無理矢理セロリを…」
真実を言おうとしたマスカーニャだったが…ラウドボーンがサクナに見えない位置からセロリをちらつかせる…
「いえ。入院中に体が鈍ってしまうといけなかったのでちょっとパルクールを…」
マスカーニャはスタッと床に降りてベッドに戻っていく。
「全く!マスカーニャ君は本当にヤンチャだな!!」
「そ…そうだね!?やりすぎちゃったかなぁ!?あははは!」
マスカーニャ絶対キレながら笑ってる…
サクナが帰った後絶対に大喧嘩が始まるな…
「テラコマリさんのおかげで大怪我をせずに済みました!でも…ごめんなさい。貴方には本当にご迷惑をおかけしました…もうテラコマリさんをお姉ちゃんにするとか言いません。これ…お見舞い品です。」
サクナはリュックから何か綺麗にラッピングされたお菓子を取り出した。
「ホワイトチョコのクッキーです。一応手作りです…良かったら食べてください。」
綺麗にホワイトチョコがコーティングされたクッキーだ!
美味しそう!サクナってお菓子作りできたんだ!
料理とかも上手そうだしな〜。
サクナは皆も本当にごめんねと言いながら手作りのホワイトチョコクッキーを配っていく。
「ありがとう!サクナ! 私は全然気にしてないから大丈夫だよ!」
私は笑顔でサクナにそう答えるとサクナは涙でウルッとさせるが、すぐに笑みを浮かべる。
「ありがとうございます!皆、本当に優しくて…皇帝陛下も私に許しをくださいました。第6部隊の皆さんも私を責める事なくこれからも隊長よろしくって言ってくださいました。」
今回の件ではサクナを擁護する声がかなり多く寧ろ非難する声は全くなかった。
それは当然だ。サクナは何も悪くない。
悪いのはオディロンと…私は知らないが、奴には邪悪なポケモン人が取り憑いていたらしい。兎に角そいつらが元凶なのだ。
確かにオディロンからは変な気配を薄々感じていたが…まさかそんな奴が取り憑いているとは思わなかった。
サクナを責める奴なんかどこにも居ない。
「ですが…それでは私の気が済まなくて…テラコマリさん。私に…罰を与えてくれませんか?」
サクナが突然罰を与えてくれって言ってきた…
う〜ん…そうだなぁ。
そうだ!
「わかった!じゃあサクナ!
暫く私の物になってくれ!」
すると…マスカーニャとラウドボーンは飲んでいた水をブゥゥゥゥ!!!!っと吹き出し…
ニンフィアは固まって動かない…
ヴィルが果物ナイフを地面に落として死んだ魚のような目で私を見つめる…
サクナは顔を真っ赤にしてはわわわ…と言っている。
「ど…どうしたの?私は何かおかしい事言った?」
「コマリ様…それはどう言う意味ですか?」
あ…これ面倒臭くなる…
「/////わ…わかりました!恥ずかしいですが…私はテラコマリさんの…物になります!よ…よろしくお願い…します!」
サクナが胸に手を添えてモジモジしている。
「ブラッド…たらしは良くないよ…」
「テラコマリィ…貴様にはそのメイドがいるんだろう?サクナを愛人にしようだなんていい度胸しているなぁ…」
マスカーニャは冷たい目で私を見つめ…ラウドボーンが怒り心頭な顔で私を睨みつける。
「ち…違う!!語弊がある!?事件を解決したから私はこれから1週間の長期休暇に入るんだ!も…勿論引きこもる予定なんだけど!」
「なんだけど?」
「時々誰かと遊びたくなる時があるから…私が呼んだら来てくれ!それと小説執筆の相談にも乗ってもらうぞ!これはかなり面倒臭いと思うから充分罰になると思うぞ!物になってくれって遊び相手として付き合ってくれって意味だ!」
すると…サクナは私のベッドまで近付いてくる。
「はい!テラコマリさんに呼ばれたらすぐに駆けつけます!」
私に頭を下げるサクナ…
「サクナ…その呼び方はやめてよ。私と君は…友達なんだからさ!」
「では…なんと呼べば…」
私はサクナに手を差し伸べる。
「コマリって呼んでよ。改めてよろしくね!サクナ!」
サクナも笑顔で手を出して握手する。
「はい!!よろしくお願いします!!コマリさん!」
こうして私とサクナは本当の意味で友達になった!
後はニンフィアと…一応ラウドボーンとも友達になり…
私は一気に友達が3人もできた!!!
マスカーニャは笑って見守ってくれたけど…
ヴィルの嫉妬の目が強すぎてその日の夜は中々眠れなかった…
トホホホ…
3日後… 帝都 中央留置所
この中央留置所には国家反逆罪などの重大な犯罪を犯した罪人が投獄され・収監されるムルナイトで最も巨大な監獄…
そこに収監されたオディロン・メタルは隙をついて脱獄し、現在は警察官の目から逃れながら脱出の機会を伺っていた。
「くそ…テラコマリ・ガンデスブラッドのせいで…俺の計画が…絶対に復讐してやる…まずはパオジアンを探さなければ!場合によっては夭仙郷に渡り…また別の災厄の悪魔を…」
すると…オディロンが盗んだ通信用鉱石が光る。
「アマツか!今、中央留置所の脱出経路を確保している!魔導ヘリコプターか何かをすぐに…」
『オディロン…お前は心まで悪魔に売ってしまったみたいだな…おひい様は大変悲しんでいるぞ…』
「うるさい!今はそんな事どうでもいい!俺は逆さ月の幹部だ!罰なら後で受ける!いいから早くヘリの手配を…」
すると…オディロンの耳に聞いたことがある機械音声が届く…
「!?な…何で…あの方の…モンスターボールの音声…が…」
『おひい様直々の最後の言伝だ…
死をもって償え…地獄に落ちろ…との事だ。』
「あ…あ…ああああああああああああ!!??!!??」
その瞬間オディロンは凄まじい灼熱の炎に焼かれた。
後に残ったのは…肉の焼けたような匂いと…
焦げた後… オディロンだった黒焦げの死体だけだった…
ゲラ・アルカ共和国
大統領府
ゲラ・アルカの現大統領…
ゲラ・マッドハルトは2人の人物を大統領府に招いていた。
「はっはっはっは。なるほどなるほどテラコマリ・ガンデスブラッドはそんなにお強いのですな?」
「ああ。孤紅の恤は他の烈核解放とは一線を画しているよ。あれはヤバい。」
マッドハルトにそう返答したのは白衣を着た小柄な翦劉種の女…ロネ・コルネリウス。逆さ月の1人だ…
もう1人はアマツ・カクメイ…
「逆さ月は全力で協力するぜ?」
「はっはっはっは。心強いですな!ですが、今回は少し楽しみながらやりたい…あまり手をお借りすることは致しません…」
マッドハルトが返答すると…
大統領執務室の扉が乱暴に開かれ…
部屋の中に銃を装備した4人組の男が侵入してきた…
「見つけたぞ…マッドハルト!!!!」
「我が祖国ドラクマの無念晴らさせてもらうぞ!!!」
彼らはゲラ・アルカに滅ぼされた小国の生き残りだった…
返り血が大量に付着している…
恐らく大統領府の警備兵を殺害しながら侵入したのだろう。
「やれやれ…ドラクマの残党か。
やはり警備は迂闊に増やす物ではなかったな…余計な血が流れるだけだ…」
マッドハルトは腰につけているサーベルの鞘を握り…
いつの間にか男達の後ろに移動し…
刀身が少し出た状態のサーベルを静かに鞘に収めていた…
「申し訳ありませぬ。アマツ殿。コルネリウス殿。お詫びに今晩の夕食をご馳走いたします。こちらへ移動しましょう。」
「お…おう」
「・・・流石はゲラ・マッドハルト、いや…
キング・マッドハルトか…」
3人が部屋から出た瞬間…
ドラクマ兵達は血飛沫をあげて全員絶命した…
第二部 サクナの涙 完
第三部へと続く…
いかがでしたか?
次回から第3部ですね!
結構ゲラ・アルカの描写をゴリゴリ軍事国家にする予定ですね笑笑
では、また!!