ポケットモンスター 炎の吸血姫の革命   作:テツノカシラ

38 / 67
どうも!テツノカシラです!!


ヤッベ…今回も長くなりすぎた…お許しを


では、どうぞ!!


月桃姫との過去

 

 

ネルソン・ケイズに殺されそうになった私達を助けてくれたのは…

 

 

ハッサムだった。

 

 

 

 

「ハ…ハッサム!?お前どうして此処に!?」

 

 

 

「いや…何て言うか…夭仙郷に行こうとたまたま通りかかった…だけだ。」

 

 

 

 

「夭仙郷なら…逆方向だぞ?」

 

 

マスカーニャの言う通りだ。

 

 

全く真逆の方向にあるはずなのになんでフォールに来たんだ?

 

 

「えっ!?いや…み…道に迷ったんだよ!!悪りぃか!?」

 

 

何で必死に言い訳作ろうとするんだよ…

 

 

 

「いや…悪くはないけどさ…まぁ…でも。

 

 

 

 

ありがとう!助けてくれて!」

 

 

 

 

「!!!べ…別に礼を言われるような事なんかしてねぇし!あのデカブツが気に食わなかっただけだ!!/////」

 

 

 

お礼を言っただけなのになんで顔真っ赤にして反論するんだよ…

 

 

 

ん?もしかして…照れてるだけ?

 

 

こいつもフレーテと同じツンデレか?

 

 

 

 

 

「ハ…ハッサム!!??」

 

 

 

「!!!!カ…カルラ…」

 

 

 

カルラがハッサムを見て驚いた表情をしている。

 

 

 

「貴方…無事だったの!?夢想楽園に囚われてたんじゃ!?」

 

 

 

「それはお前の勝手な妄想だ!!!!!色々あったんだよ!!深くは追求すんな!!」

 

 

 

しかし、そんなハッサムにカルラは顔を真っ赤にして怒る。

 

 

 

「何ですか!!その態度は!貴方が『奴』に負けて!天照楽土から勝手にいなくなって!!探してたんですからね!」

 

 

 

「ほ…放っておけば良かっただろ!?俺のことなんか!!お前は俺の母親か!?」

 

 

 

「お黙りなさい!!帰ったらお団子の刑にします!!!」

 

 

 

2人は口論を続ける。

 

 

 

そろそろ止めないと収拾がつかなくなりそう…

 

 

 

「な…なぁ2人ともそのへんに…」

 

 

 

 

 

 

「随分とやってくれたな…ゴロツキ如きが…」

 

 

 

すると…吹き飛ばされたネルソンが起き上がり…近づいてきた!!

 

 

 

 

「お前の事は知ってるぞ?天照楽土の赤い死神…ハッサムだな?」

 

 

 

 

「そうか…俺はてめぇの事は知らねぇな。」

 

 

 

「礼儀すらも知らない社会のゴミめ…私はお前のような不良が一番嫌いなのだよ…」

 

 

 

ネルソン…やっぱりこいつ人を見下す酷い奴だ…

 

 

不良って理由だけで相手を社会のゴミなんて簡単に言えるなんて…

 

 

 

 

 

「女に手を出すような奴に礼儀なんかいらねぇんだよ。」

 

 

 

 

「・・・よくわかった。

 

 

 

 

まずはお前から殺してやろう。ハッサム…」

 

 

 

 

ネルソンがバトルアックスを構える。

 

 

 

「カルラ…下がってろ。」

 

 

 

「は…はい!」

 

 

 

ハッサムはカルラを下がらせてネルソンに近づいていく。

 

 

 

 

身長差は明らかだ。

 

 

見たところハッサムはマスカーニャよりやや背が高いぐらいだ。

 

 

 

ネルソンはそれよりも20cmは高い。

 

 

 

どうやって至近距離で戦うんだ…

 

 

 

「殺される覚悟はできたみたいだな?」

 

 

 

「・・・・・てめぇがな。」

 

 

 

 

ネルソンが再びバトルアックスを振り上げる。

 

 

 

「10秒で殺してや…!!!!!」

 

 

だが、次の瞬間!!!!

 

 

 

ハッサムは左足を思い切り宙に上げ、ネルソンの右こめかみに強烈な蹴りを喰らわせた。

 

 

 

そしてそのままネルソンを地面に叩きつける。

 

 

 

鈍くすごい音が響いた。

 

 

 

ネルソンは白目を剥いて多分…死んだ。

 

 

 

頭に被っていた兜は粉々に粉砕され、こめかみからは血が出ている。

 

 

 

 

相当な威力の蹴り技だ。

 

 

 

これが赤い死神と言われる所以だろう。

 

 

 

「ネ…ネルソン様?」

 

 

「嘘…だろ?一撃で?」

 

 

 

「八英将で最も防御力のあるネルソン閣下が…」

 

 

 

ネルソンの部下達はハッサムに対して戦慄を覚えていた。

 

 

「!!奴を止めろ!!!」

 

 

「赤い死神ハッサムめ!!」

 

 

だが、すぐに正気に戻り…ハッサムに銃口を向け始める。

 

 

 

 

 

 

「お前ら…此処は俺に任せろ。行け!!!!」

 

 

 

ハッサムは両手に昆虫の外骨格を纏った鋼の鋏を生成するとバイクに跨り…ゲラ・アルカの部隊に突っ込んでいく。

 

 

 

銃弾を全て両手の鋏で弾き…兵士達を次々と薙ぎ払っていく。

 

 

 

 

「ハッサム!!!本当にありがとう!!!!」

 

 

 

「事態が終息したらキチンと話を聞きますからね!!ハッサム!」

 

 

 

私・ヴィル・マスカーニャ・カルラの4人は敵の攻撃が届かない位置まで移動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…何とかフォールの街を出たが…

 

 

 

「くそ!!!やっぱりあれを何とかしないとダメみたいだな!!!」

 

 

 

装甲列車だ…

 

 

装甲列車のせいで転移ができない。

 

 

 

今も私達に向けて砲撃をしてくる。

 

 

「あわわわわ!!このままでは吹き飛ばされてしまいますぅ!!!」

 

 

 

「一か八か…俺のトリックフラワーで何とかしてみるか…」

 

 

 

「無理です。あの装甲はいくらマスカーニャ殿のくさタイプの技でも歯が立たないでしょう。じめんタイプの技なら何とかなりそうですが…」

 

 

じめんタイプのポケモン人も技もない…

 

 

 

一体どうすれば…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コマリ!!!!」

 

 

 

 

 

だが、追い打ちをかける様に突然何者かが私の名前を呼び…

 

 

目の前に現れた。

 

 

 

「やっと会えた!!!」

 

 

 

「へっ!?ネリア!?」

 

 

 

「ひぃぃ!?ネリア・カニンガム!?」

 

 

 

ネリアを見てお化けに出会ったような顔をするカルラ

 

 

 

「大丈夫よ!!!あのお邪魔な装甲列車なら簡単に沈黙させられるわ!」

 

 

 

 

ネリアは懐から爆弾を取り出す。

 

 

 

それを何と装甲列車の進行先の線路に投げ込んだ。

 

 

 

爆弾は装甲列車の車輪に巻き込まれて…

 

 

 

 

 

爆発した。

 

 

 

 

すると…何と装甲列車はそのまま轟音を立ててひっくり返ってしまった。

 

完全に破壊された…

 

 

 

 

「す…すごい。何で?」

 

 

 

 

「簡単よ。装甲列車はその名の通り列車よ。本体は障壁魔法や硬い装甲に守られてるから並大抵の攻撃では刃が立たないけど。

 

 

装甲列車を動かすための線路は別。線路を破壊してしまえば簡単に機能停止させられるわ!」

 

 

 

ちなみに線路にまで障壁魔法を展開すると装甲列車が動作不良を起こして動かなくなってしまうらしい。

 

 

「じゃあ線路を攻撃すれば楽勝なんじゃん!!とんでもない欠陥兵器だな!!」

 

 

「そうよ。多分じきに開発中止になるんじゃないかしら?もっといい陸上兵器もあるし…」

 

 

私達はとんだペテン師兵器に惑わされた。

 

 

まぁ…でもあの砲撃はすごい威力だから弱くはないな。

 

 

 

「それよりも!これで転移ができるわね!」

 

 

 

「へっ?何…」

 

 

私は何が?と言おうとしたが、その前にネリアが転移用魔法石を取り出して発動させた。

 

 

 

 

私達は光に包まれて…

 

 

 

フォールから完全に姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲラ・アルカ領内の森林地帯。

 

私達はきれいな水が流れる森の中に転移した。

 

 

「うわっ!?此処どこだ!?ヴィル!マスカーニャ!カルラ!」

 

 

私は一緒に転移した3人を探す。

 

 

「コマリ様。私は此処にいますのでご安心ください。因みにアマツ殿はそこでたんこぶを作ってのびています。」

 

 

「あっ。本当だ。」

 

 

ヴィルは私のすぐ後ろにいた。

 

 

カルラは少し離れた位置で頭にたんこぶを作って「きゅう〜…」と言ってのびていた。

 

 

だけどマスカーニャの姿が見当たらない!!!

 

 

 

「転移できたみたいね。コマリ!」

 

 

すると目の前の岩にネリアとそのメイドガートルードもいた。

 

 

 

「おい!ネリア!どうなってるんだよ!?マスカーニャはどこに行ったんだよ!?」

 

 

「彼ならあなた達が踏んでるわよ。」

 

 

 

「へっ?」

 

 

 

足元を見るとマスカーニャがいた。

 

 

私達に顔や身体を踏んづけられてる形で…

 

 

 

「い…いひゃい…はやふおりへふれ…」

 

 

 

「わぁ!?ごめんね!マスカーニャ!」

 

 

「ち…余計な真似を…このまま踏み潰してしまおうと思ったのに…」

 

 

私達はすぐに降りた。

 

 

ヴィルが何かすっごい腹黒い事を言った気がするが…気のせいか。

 

 

 

 

「正に今日は踏んだり蹴ったりだ。ついてないなぁ。」

 

 

 

「いいじゃない。コマリみたいな可愛い女の子に踏まれて幸せだったでしょ?」

 

 

 

「んなわけあるか。普通に痛いから嫌だわ。」

 

 

 

頬を摩りながらネリアにツッコミを入れるマスカーニャ。

 

 

 

「ネリア!此処はどこだ?」

 

 

 

「此処は多分アルカ領内西区の森の中ね。本当なら夢想楽園の近くに転移するはずだったんだけど。マッドハルトの馬鹿が転移門を破壊したせいで此処に飛ばされたみたい。」

 

 

そう言いながらネリアは近づいてくる。

 

 

って言うかネリアは敵じゃん!?

 

 

私とヴィルは思わず構えてマスカーニャはあっ。そういえばこいつ敵じゃんと気づいて木の枝を剣に変える。

 

 

 

「そんなに警戒しないで?コマリ。話を聞いて欲しいの。」

 

 

「話?」

 

 

ネリアは頷く。

 

 

「貴方…本当によく似てるわ。

 

 

 

私の先生に…」

 

 

 

「先生?…どちら様だよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方のお母様…ユーリン・ガンデスブラッドさんよ。」

 

 

 

「えっ…」

 

 

 

衝撃だった…

 

 

ネリアの先生が私の母…ユーリンだったなんて。

 

 

 

「ユーリン・ガンデスブラッド…次期皇帝候補の1人だったって言う七紅天大将軍か。確か数多の強力なポケモン人達も倒した逸話もあるな。だが、その一方でどんな種族にも優しい慈悲深い人物だったらしいな。ファミリーネームが同じだから予想はしてたが、やっぱブラッドの母親だったのか…」

 

 

 

マスカーニャの言う通りだ。

 

 

お母さんは美しくて強くて何よりとても優しかった。

 

 

「先生には色々な事を教わったわ。人への思いやりも大切なものの守り方も…」

 

 

ネリアが胸元からペンダントを取り出した。

 

 

 

その蓋を開けると

 

 

その中には幼いネリアとお母さんが写ってる写真が入っていた。

 

 

 

「お母さん…」

 

 

 

「コマリは覚えてないって言ってたけど…私は覚えているわ。

 

 

5年前のムルナイト帝国とアルカ王国の交流パーティの時…

 

 

 

貴方に会って私は変わる事ができたのよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5年前…

 

 

そう。あれはムルナイト宮殿で行われた交流パーティだった。

 

 

父は諸用で参加できなかったけど

 

私は護衛と当時まだ将軍だったマッドハルト…マッドハルトの部下だったとあるドラゴンタイプのポケモン人とパーティに参加した。

 

 

「マッドハルト…先生は何処にいるのかしらね。」

 

 

「ふむ。何処におられるのでしょうな?ご挨拶をしたかったのですが…」

 

 

「それにしても当たり前だけど吸血鬼だらけね。居心地があまり良くないわ。」

 

 

 

「はっはっは!ネリア殿下!あまり大声で言わないでください!私の首が飛んでしまいますから!」

 

 

「マッドハルトは強いから大丈夫よ!返り討ちにできるわ!」

 

 

「おぉ!!これは一本取られましたな!」

 

 

 

当時の私は先生の教えを受けたばかりでまだマッドハルトに対する憧れと翦劉種こそが全ての種族の頂点に立ち,支配すると言う多くの翦劉達が抱いている思想に囚われていた…

 

 

 

「おや。ネリア!来てくれたんだね!」

 

 

「あっ!先生!」

 

 

でも、私は先生の事は好きだった…優しくて綺麗で色々な事を教えてくれるし…何よりも

 

 

物心つく前に亡くなった私の母の幻影を重ねていたから…

 

 

先生は時には私に本当のお母さんのような温もりと優しさで包んでくれた。

 

 

「勿論来たわよ!先生!」

 

 

「ようこそ!ムルナイトへ!そちらの方々は?」

 

 

 

「はじめまして!ユーリン・ガンデスブラッド閣下。私はアルカ王国ニ英将のゲラ・マッドハルトと申します。いつもネリア殿下がお世話になっております。」

 

 

マッドハルトは紳士の振る舞いで先生に挨拶をする。

 

 

「はじめましてマッドハルト将軍。そちらの彼は?」

 

 

先生は次にポケモン人の方を向く。

 

 

 

「彼は私の部下のポケモン人です。」

 

 

 

「はじめまして。ガンデスブラッド閣下。」

 

 

 

「はじめまして。よろしくね。見たところ…君はドラゴンタイプみたいだね?もう一方のタイプは…じめんタイプかな?」

 

 

「えっ?俺が何タイプかわかるんですか?」

 

 

「ほぉ。なぜお分かりに?」

 

 

先生に彼が何タイプかは全く伝えていない…

 

 

 

だけど先生は昔からポケモン人のタイプを当てるのが上手かった。

 

 

的中率は100%だ。

 

 

「隠してる様に見えるけどその威圧感はドラゴンタイプ特有の物だ。だけどその中に大らかなじめんタイプのオーラもある。だからわかったんだ。」

 

 

 

「これは素晴らしいですな!!!お見事です!」

 

 

「すごいな…」

 

マッドハルトは先生に拍手をする。

 

 

部下のポケモン人も驚いた表情をしている。

 

 

 

 

「おっ!ユーリン!此処にいたか!」

 

 

するとまた1人吸血鬼が来た。

 

 

外見は先生と同じく若々しいが、タメ口を聞いている限り歳は同じだろう。

 

 

「この子が例の教え子ちゃんか!はじめまして!私はカレン・エルヴェシアスだ!!ユーリンと同じで七紅天を務めている!」

 

 

カレンと名乗った吸血鬼はかなりグイグイ来るタイプらしい。

 

 

「よ…よろしく。ネリアよ。」

 

 

 

「ネリアか!!可愛い名前だな!良かったら朕の娘にならないか?」

 

 

「へっ!?」

 

 

 

「こら。レンちゃん。ネリアが困ってるでしょう?やめてあげて。」

 

 

 

カレンを宥める先生。

 

 

 

「おぉ!!それはすまんかった!お詫びにプリンを取ってきてあげよう!さぁてプリンは…ってあんなにあったのに全部なくなってる!?おい!!ペトローズ!!お前全部食べただろう!」

 

 

 

「はっ?そんなわけないじゃん。言いがかりはやめてよ。カレン」

 

 

 

「って!!口の周りにプリンがこびりついてるじゃないか!?責任持ってお前が厨房まで行ってプリンを取ってこい!」

 

 

「嫌だ。」

 

 

 

「待てぇぇ!!ペトローズ!!!!」

 

 

 

カレンはそのままペトローズと言う人を追いかけていってしまった…

 

 

「はっはっは!賑やかで良いですな!では、私は少し政府高官の方と話をしてきますかな。ユーリン殿。また後ほど。ネリア殿下もあまりはしゃいで料理をひっくり返さないように気をつけてくだされ!

 

 

行くぞ。」

 

 

 

「はい。」

 

 

マッドハルトと部下のポケモン人はそのままムルナイト帝国の政府高官の人達の元へ行った。

 

 

 

「騒がしくてごめんね?ネリア。」

 

 

「ううん。大丈夫。」

 

 

 

「そうだ!今日はネリアに会ってもらいたい娘がいるんだ!」

 

 

 

「会ってもらいたい娘?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「前に話した私の3番目の娘だよ。」

 

 

「あぁ…」

 

 

 

先生には前から4人の子供の話を聞かされていた。

 

 

確か長女・長男・次女・三女だったと思う。

 

 

 

「おかあさん。」

 

 

 

「ん?そんな所にいたんだね。コマリ…こっちにおいで?」

 

 

「うん。」

 

 

先生の後ろに隠れるように現れたのは…

 

 

 

先生に瓜二つの見た目をした小さな女の子だった。

 

 

その姿はとても可愛らしくて仕草一つ一つも愛らしい…

 

 

正に美少女と言っても過言ではない。

 

 

 

「ネリア…この子が私の3番目の娘…コマリだよ?さぁコマリも挨拶しなさい。」

 

 

 

 

「は…はじめまして。テラコマリ・ガンデスブラッドです。」

 

 

 

「ネリア・カニンガムよ。よろしく。」

 

 

 

不思議な感じがする子だった。今までに会った事がないタイプかもしれない。

 

 

 

「じゃあ私はちょっと用事があるから…2人はプリンでも食べてお話してね?コマリ…またすぐ戻るからいい子にしてるんだよ?」

 

 

 

「うん。おかあさん。」

 

 

 

私達はそれぞれプリンを手に取って座る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしてもコマリのお母さんってすごいわね!六国に名を轟かせる大将軍よ!」

 

 

 

「すごいの…かな?あんまりよくわかんないや。」

 

 

「すごいのよ!コマリも将来は将軍になるんでしょ?」

 

 

私は一応でもうんと返事をすると勝手に思っていた。

 

 

 

だが、コマリの返事は私の予想を裏切るものだった。

 

 

 

「ううん。私はあんまり戦うのとか好きじゃないから…」

 

 

 

「え…何で?」

 

 

 

「だって幾ら生き返るからって殴られたり…斬られたりしたら痛いもん。それを相手に与えるのも嫌だ。」

 

 

「でも…戦わなくちゃ世界征服はできないわよ?」

 

 

私はコマリの考えがよくわからなかった。

 

 

「確かに時には戦わなくちゃいけないと思う。だけどさ…

 

 

それはあくまでも大好きなものを守るために使えばいいと思う。

 

 

そんなに戦わなくても世界征服はできるよ?」

 

 

ますますわからない。

 

「どうやって?」

 

 

 

 

 

 

 

「皆が仲良くすればいいんだよ。そうすれば世界は平和になる。それは世界征服だよね?」

 

 

「えっ?」

 

 

この子が何を言っているのかわからなかった。

 

 

 

 

だけど…不思議と不快で嫌な気持ちにはならない。この子は本気だ。

 

 

本心で言っている。

 

 

 

「だから私は…君とも仲良くしたい。」

 

 

「そうなの…?」

 

 

 

「うん…でも私嫌われてたり…するの?」

 

 

私は焦った。この子には嫌われたくない。絶対に仲良くなりたいと。

 

 

 

「そんな事ないわ!!私は貴方のこと好きよ!」

 

 

 

「そっか。良かった!」

 

 

コマリが少しだけ顔を赤くして笑う。

 

 

好きと言われて少し照れてるのだろうか。

 

 

その顔はとても愛らしかった。

 

 

 

「コマリ…貴方とは仲良くなれそうだわ!」

 

 

 

「うん!私も!」

 

 

 

私達はお互いに握手をして笑い合った。

 

 

何だか…翦劉種こそが頂点に相応しいなんて考えが馬鹿げているとさえ思い始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネリア殿下!」

 

 

 

「ん?マッドハルト!」

 

 

すると政府高官と話を終えたマッドハルトが笑顔で近づいてきた。

 

少し後ろにはポケモン人もいる。

 

 

 

「良かったですな!お友達ができたようで!」

 

 

 

「ええ!コマリ…紹介するわ!マッドハルトよ!うちの将軍なの!」

 

 

 

「ど…どうも。」

 

 

コマリは何だか少しマッドハルトに怯えたような仕草を見せる。

 

 

 

「初めまして!吸血姫の可愛らしいお嬢さん。ネリア殿下と仲良くしてくれてありがとう。」

 

 

 

「う…うん。私もこの子とは仲良くしたかったから。」

 

 

マッドハルトは腰を落としてコマリと目線を合わせる。

 

 

「ネリア殿下とはどんな話をしていたんだい?」

 

 

 

「戦わなくても世界征服できる方法。」

 

 

 

「ほぉ…随分と大人びた話をしてんだねぇ。それでどうやって戦わないで世界征服をするんだい?」

 

 

マッドハルトはぐいぐいとコマリに質問をする。

 

 

「皆が手を取り合って仲良くする!それで世界は平和になると思うんだ!」

 

 

コマリは純粋な瞳でマッドハルトを見つめてそう答える。

 

 

 

「なるほどなるほど!お嬢さんは平和主義なんだね。」

 

 

 

「うん!平和が一番だよ!だからね…早くエンタメ戦争もなくなって欲しいんだ。」

 

 

 

「そうなんだね…お嬢さん。でもね…

 

 

 

 

それはかなり難しい問題だね。」

 

 

マッドハルトの目つきが変わった。

 

 

いや笑ってはいるが…それは友好的なものではない。

 

 

 

「どうして?」

 

 

 

「世界の人達が皆そう言った穏やかな考えを持っていないからさ。悲しいことにね。例えば大昔…お嬢さんの祖先の吸血種とおじさん達の祖先の翦劉種はとても仲が悪くてね。毎日毎日争い合っていたんだ。今でもその軋轢は続いている。他にも世界には様々な問題があるんだ。だからね…皆が仲良くするのはほぼ不可能に近いんだよ?」

 

 

 

穏やかに言っているが、明らかにマッドハルトは怒りも少しこもっている…

 

彼は昔から吸血種に対していい感情を抱いていない…

 

それはコマリのような子供でも例外ではない…

 

 

コマリはもう恐らく何も言えない…

 

 

 

 

と思っていたが…

 

 

 

「それは過去の話でしょ?今を生きてる私達には関係ないよ?」

 

 

予想外の答えが返ってきた。

 

 

 

「え…あ…あはは…確かにお嬢さんの…言う通り…かな?」

 

 

マッドハルトもまさか言い返されるとは思ってなかったようで慌てている。

 

言う言葉が思いつかないのだ。

 

 

珍しくあたふたしている。

 

 

「ゲラ…少し変わってくれるか?」

 

 

すると…マッドハルトの部下のポケモン人がマッドハルトに話しかける。

 

 

「あぁ…」

 

 

マッドハルトは立ち上がり…今度は代わりにポケモン人がしゃがんでコマリの目線と合わせる。

 

 

ポケモン人はかなり若かった。

 

 

恐らく20歳ぐらい。

 

かなり整った顔立ちに前髪だけが黄色く他は全部藍色の髪色をしている。

 

 

「お兄さんはポケモン人なの?」

 

 

 

「そうだよ。よろしくね。君は…どうやったら皆が仲良くなれると思うんだ?」

 

 

 

ポケモン人がコマリに質問する。

 

 

 

 

「簡単だよ。お母さんが言ってたんだ!例えばこのプリン!これが一つしかないとするよ?だけどこれを2人が食べたがってる!お兄さんだったらどうする?」

 

 

コマリが自分のプリンをポケモン人に見せる。

 

 

 

「そうだなぁ。俺だったら相手に取られないようにして1人で食べるかな?」

 

 

 

多分…私もそう答えたかもしれない。

 

他に思いつかない。

 

 

だけど…コマリは…

 

 

 

「お兄さん。それはダメだよ?それだとどんどん敵を作っちゃうから!こういう時はね。」

 

 

コマリは一度プリンを置いて料理が置いてあるテーブルまで行き,ナイフと皿を持ってくる。

 

 

「こうやって…

 

 

 

 

 

半分こにすればいいんだ!」

 

 

 

プリンを綺麗に半分に切った。

 

 

それを持ってきた皿に乗せる。

 

 

 

「こうすればお互いにプリンを食べられるし一緒に食べることで相手とも仲良くなれる!」

 

 

 

「半分にして一緒に…」

 

 

 

ポケモン人は驚いた表情をしている。

 

 

 

コマリはニコっと笑ってポケモン人に半分にしたプリンを差し出す。

 

 

 

 

 

 

 

「だから仲良くしようよ!ドラゴンのお兄さん!私のプリン半分あげる!!」

 

 

曇りのない真っ直ぐな目…

 

 

その中にある善意しかない優しさ…暖かさ…

 

 

 

ポケモン人はそれを感じ取ったのか…

 

 

 

 

 

 

 

いつのまにか涙を流していた。

 

 

 

「お兄さん!大丈夫?やっぱり辛いの?」

 

 

「えっ?」

 

 

コマリは心配そうにポケモン人を見つめる。

 

 

 

「最初に見た時から思ったんだ。お兄さん何だか辛そうな顔してるって…おじさん!あんまりお兄さんに厳しくしないであげて?優しくしてあげて?」

 

 

 

「!?」

 

 

 

マッドハルトも驚いた顔をしている。

 

 

コマリはかなり観察眼も鋭かった。

 

 

彼がマッドハルトに対して複雑な思いを抱いているのもすぐにわかったのだろう…

 

 

 

 

「大丈夫だよ。お嬢さん。」

 

 

 

ポケモン人はコマリの頭に優しく手を乗せて撫でる。

 

 

 

「君はとても優しいんだね…世界中の人が君みたいな優しい子だったらいいのに…」

 

 

 

「お兄さん何だか肌がザラザラしてるね。プリン食べて元気出して!」

 

 

 

ポケモン人はコマリから差し出されたプリンを手に取る。

 

 

 

「ありがとう。素敵な優しいお嬢さん。」

 

 

「うん!あっ!名前言ってなかった!私はテラコマリ・ガンデスブラッド!ドラゴンのお兄さんのお名前は?」

 

 

コマリが聞くとポケモン人は答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガブリアスだ。プリンありがとう。コマリちゃん…」

 

 

 

ガブリアスもコマリに微笑む。

 

 

それを無表情で見つめるマッドハルト…

 

 

 

 

私はそんなコマリの優しさに触れて…

 

 

 

融和思想になったの…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は記憶を何とか整理しているが、なかなか思い出せない…

 

 

ただ、そのポケモン人の事はうろ覚えだが何とか思い出した。

 

 

だが、ネリアの事は思い出せない。

 

 

 

「ごめん…ネリア。そのポケモン人の事は顔とかは覚えてないけど…何とか思い出した…

 

 

だけど…君の事は思い出せないんだ…」

 

 

 

 

 

「そう…残念ね…」

 

 

 

ネリアは悲しそうな顔をする。

 

 

 

「でも…君の事は信じるよ!君は悪い奴には見えないから!」

 

 

 

それを聞いたネリアは表情を明るくする。

 

 

 

「ありがとう…コマリ。」

 

 

「ネリア…その後はどうなったんだ?」

 

 

 

 

「その後暫くして先生とは連絡が取れなくなったわ…

 

 

 

理由はアルカ王国でクーデターが起こって…元々将軍だったマッドハルトが初代大統領になったの…そして…反対派を次々と捕らえて…六国全てを巻き込んだ世界大戦を引き起こそうとしている。私はもう王族の権限を失ったけど…

 

 

 

あと少しなの。マッドハルトを倒してアルカを変革する!」

 

 

ネリアは胸に手を当てる。

 

 

 

「私は…大統領になってみせる!!」

 

 

 

「大統領に!?」

 

 

「ええ。その為には貴方の力が必要なの。コマリ…

 

 

 

私と一緒に戦って。マッドハルトを倒しましょう。」

 

 

ネリアが手を差し伸べる。

 

 

 

「誑かされないでください。コマリ様!罠かもしれません。」

 

 

ヴィルが私を庇うように前に出る。

 

 

それは嬉しい。だけど…

 

 

私はネリアを信じたい。

 

 

 

「ヴィル…ネリアはお母さんの教え子だったのは事実だ。私はネリアを信じたい。」

 

 

 

「コマリ様…」

 

 

 

「今回ばかりは従ってくれないか?マスカーニャも頼む。」

 

 

 

「俺は元からお前の考えに従うつもりだ。構わないぞ。」

 

 

ヴィルもネリアと私の間から離れる。

 

 

 

「承知しました。コマリ様がそう仰るなら…」

 

 

私はネリアに一歩近づく。

 

 

 

「ネリア!これからよろしく…」

 

 

 

「ありがとう!コマリ!」

 

 

 

 

次の瞬間ネリアは私に抱きついて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頬にキスをした。

 

 

 

ヴィルが悲鳴をあげ…

 

 

ネリアのメイド…ガートルードも悲鳴を上げる。

 

 

 

マスカーニャは口をあんぐりと開けて呆然としている。

 

 

 

 

 

 

「コマリ様!!??」

 

 

私は突然のキスで顔から湯気が出てしまう。

 

 

頬とは言え…ネリアみたいな綺麗な子にキスをされてしまった…

 

 

ヤバい!!恥ずかしすぎる!!!

 

 

一方ヴィルは握り拳を作ってネリアを威嚇している。

 

 

マスカーニャはカルチャーショックでいまだに動けないでいる。

 

 

 

 

「うふ♪これが…

 

 

 

アルカ流の挨拶よ♡」

 

 

 

 

ネリアは妖艶に笑う。

 

 

まるでミリセントみたいだった。

 

 

 

「そ…そうか!文化の違いだな!」

 

 

 

「お…俺もいつか…綺麗な大人のお姉さんに…」

 

 

 

マスカーニャがだいぶキモい事言っているが、無視しよう。

 

 

 

 

「ネ…ネリア様!!そんな挨拶アルカにはありませんよ!!!」

 

 

ガートルードは頬を膨らませてネリアに言う。

 

 

 

「あまりコマリ様に触れないでください!錆が移ります!!」

 

 

「イタタタ!!ヴィル抱きしめる力強すぎ!?」

 

 

 

ヴィルはメイドだが、軍人でもある為力も強い。

 

 

ぶっちゃけヨハンやマスカーニャよりも腕力がある。

 

 

 

「すみません。コマリ様…ところで私もアルカ流の挨拶を試してもよろしいですか〜?♡」

 

 

 

「よろしくねぇよ!?」

 

 

迫り来る変態メイドの顔を手で抑える。

 

 

 

「あははは!やっぱりコマリといると面白いわ!何はともあれゲラ・アルカをぶっ壊してマッドハルトを倒すためのアルカムルナイト同盟成立ね!これを機に皆私の僕にならない?」

 

 

「なるわけねぇだろ!!」

 

 

 

こうして私達は同盟を結んだ。

 

 

 

 

 

「此処はどこ?私は一体何をしていたんでしょうか?」

 

 

因みにカルラはいつのまにか目を覚ましていた。

 

 

 

「さぁて!じゃあまずは南区の方へ行きましょう!」

 

 

 

「ちょっと待てよ。夢想楽園は東側にあるはずだろ?何で南地区なんだ?」

 

 

マスカーニャの言う通りだ。

 

 

何で南地区に?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悔しいけど…マッドハルトは強いわ。その為には彼…

 

 

 

ガブリアスの力が必要なの。彼を戦力に加える。」

 

 

 

私達は西の森を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城塞都市フォール   

 

 

破壊された装甲列車の前にレインズワースは立っていた。

 

 

 

「ネリア…裏切ったか…」

 

 

「レインズワース様、フォールに突入しますか?」

 

 

 

「いや…ひとまず我々は一度夢想楽園に戻ってからテラコマリ・ガンデスブラッドを追う。SHARKに連絡しろ。ネリアと奴はアルカにいるから見つけ次第捕らえろとな。」

 

 

「しかし…SHARKは別動隊として動いているはずでは?」

 

 

 

「一緒に行動してなければ問題ない。それと戦車部隊を急ぎ転移させろ。やっぱり線路がなければ何もできない装甲列車はガラクタにしかならん。」

 

 

 

「り…了解いたしました…」

 

 

 

レインズワース隊はフォールを引き上げる準備をする。

 

 

 

「ネリアよ…運命に翻弄されて絶望しろ…その時

 

 

 

お前は俺のものになる…」

 

 

 

レインズワースは不気味に笑った…

 

 




いかがでしたか?


多分SHARKが登場する予定ですね。


では、また!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。