最近風邪をひきまして喉が痛いであります。
皆さんもお気をつけて…
では、どうぞ!
城塞都市フォールにて…
街では黒煙が上がり…
多くの敵・味方両方が倒れていた。
フレーテはそんな中プロヘリヤの狙撃をレイピアで弾きながら彼女と交戦していた。
プロヘリヤの部下達は全滅させた。
フレーテ側も一般の部下達は全滅したが、サザンドラ達は別行動をしている為無事だ。
両者共にかなり疲弊しているが、攻撃の手はお互い緩めない。
「(此処で何とか食い止めなければ!!!)」
フレーテはレイピアの先端に魔力を集中させ…プロヘリヤに向けて暗黒魔法を放った。
「おわぁっと!?」
暗黒魔法はプロヘリヤに命中するが…
プロヘリヤは狙撃銃を回転させて障壁魔法を展開させていた為直撃は免れた。
プロヘリヤは暫くフレーテを見つめていたが、ニヤリと笑うと自身の背後に転移魔法の陣を展開させる。
「はっはっはっは!!フレーテ・マスカレール!戦場でまた相容えようではないか!!」
それだけ言い残すとプロヘリヤは転移した。
フレーテは急に力が抜けたように地面に膝をつく。
「カレン様…どうにか守り抜きましたわ…」
街中
サザンドラ・ギルガルド・マリルリ・サクナ・デルピュネーの5人は敵を殲滅し終えていた。
「敵は粗方片づけやした。デルピュネー閣下。」
「敵が導入した兵器も全て無力化してあります。」
「つ〜か〜れ〜た〜。」
「そうか。ご苦労だった。お前達は暫く休め。またいつ敵が来るかわからんからな。」
デルピュネーはサザンドラ達に休むように命令する。
「とりあえず食事と水を…」
サザンドラがフォールの城に戻ろうとした時…
「グゥ…グオォォォォ!!!!」
一体のトラ型の獣人がまだ生きており、油断していたサザンドラに飛びかかる。
「サザン!!!!!」
「!?ヤッベ!?」
サザンドラは技を繰り出そうとするが、間に合わない!!!
だが、
「そりゃあぁぁ!!!!!!」
「グアァァァ!!??」
何者かが獣人に飛び蹴りを喰らわせて吹き飛ばした。
「へっ?何だ?」
赤い髪に女性と見間違う顔立ちに不良のような特攻服…
そして…バイク。
その正体はハッサムだった。
「間一髪だったな。悪竜。」
「お…お前!?赤い死神ハッサム!?」
ハッサムは足をスナップさせる。
「何でお前が此処にいんだよ!?」
「まぁ色々あってな。」
「あ…あの。傷はもう大丈夫なんですか?」
サクナが遠慮がちに聞く。
「あぁ。テラコマリのおかげで完治した。」
「そう…ですか。良かったです。」
この時サクナは小声でコマリさんに心配してもらえて羨ましい…と言っていたが、誰も聞こえていなかった。
「ハッサム。感謝する。其方がいなければ我々はもっと激しく消耗していた。」
「気にすんな。あいつに借りを返しただけだ。」
ハッサムはぶっきらぼうに答える。
「さて…サクナ・メモワール。」
「はい!」
「我々は夢想楽園を目指しながらテラコマリを捜索しなければならない。」
「そうですね!コマリさんが心配です!早く出発しましょう!デルピュネーさん!」
「待て!お前はテラコマリの居場所がわかるのか?」
サクナはニコッ笑う。
「はい!コマリさんには…
発信機を付けてありますから!」
懐からレーダー型の魔道具を取り出し,満面の笑みを浮かべるサクナ。
そこにはテラコマリの居場所が表示されていた。
「ず…随分と用意がいいな。」
「た…多分あのメイドの姉ちゃんの未来視能力っすよ…」
最初なんて言えばいいのかわからないデルピュネーだったが、サザンドラの一言でなるほどと納得しようとした
が…
「えへへ。普段から付けていますよ?いつでもコマリさんを助けられるように。」
「そ…そうか…サザン。そうらしいが?」
「ま…まぁそう言う愛情表現も…あるっすよ?特にサクナちゃんは引っ込み思案っすから…」
正直戦慄している2人…
「最初コマリさんはお姉ちゃんだと思っていたんですが、最近は何だか逆になっている気がするんです…私がコマリさんをしっかりと守ってあげなきゃ。コマリさんには私がいないとダメですからね!」
「「ひぃ…!?」」
曇りのない美少女の笑顔を見せるサクナ。
だが…デルピュネー達は背筋がゾクッとする感覚に襲われ…恐怖で体が震える。
多分テラコマリ関連で何かやらかしたら確実に殺される…
「・・・サザン超怖い。攻撃チーム変わってくれないか?防御チームになりたい。」
「ぜっっったいに嫌っす。怖いっす。凍死したくないっす。」
デルピュネーはサザンドラに懇願するが,彼は必死に断る。
「ムルナイトって…メンヘラストーカー育成機関があるんだな…おっかねぇな。」
ハッサムもサクナに対し素直にドン引きしていた。
ゲラ・アルカ共和国 西地区
すでに日が暮れ始めた頃…私達は何とか街中に入り込む事ができ…人気が少ない場所まで来ていた。
「アルカってすごいな!こんなにたくさん車が走ってるなんて!」
「ドラクマから大量の化石燃料を略奪したからね。もう馬車は全て撤廃されたわ。主な移動手段は全て車よ。」
翦劉種は魔法があまり得意な種族ではない。故に転移門もあまり構築できず代わりの移動手段として車が普及されている。
因みにムルナイトでは皇帝の意向もあってか車はあまり普及していない。
今でも転移以外の移動は馬車が多い。
何でも車が走る際に発生するガスが吸血種にとってあまりいい物ではないと言う説もあるらしい。
まぁ吸血種は六種族の中で最も魔法を扱うのが得意だからそこまで不便を感じた事はない。
「それで?この後はどうするんだ?その…竜王ガブリアスのところに行くんだろ?」
正直かなり緊張している…
相手はかつてたった1人で小国を滅ぼしたと言う怪物だ…
どんなやつか想像できない。
「南地区に行く為には列車に乗る必要があるからまずは駅まで行くわ。もうすぐ迎えもくるはずだから…」
「迎え?」
ネリアの仲間かな?
すると…私達に接近してくる車が一台見えた。
あれ? 助手席に誰か座ってるだけ?
運転席誰もいないのに勝手に動いてる!?
「来たわ。あれよ。」
「ネネネ…ネリア!?あの車勝手に動いてるよ!?まままま…まさかゆ…ゆ…」
「ネリア様ーーーー!!!!お待たせロトーーー!!!」
車が喋ったのだ…
「わあああああああ!!??車が喋った!!??やっぱり幽霊車だああああ!?」
私は思わずヴィルにしがみついてしまう。
ヴィルはよしよし。大丈夫ですよと言いながらセクハラを交えてくるが,今は気にしていられなかった。
「大丈夫よ。彼らは私の僕達だから!」
「し…僕?」
車が私達の目の前で止まる。
「はじめまして!!僕はロトム!!ネリア様の配下のポケモン人ロト!」
「へっ!?この車ポケモン人なの!?」
「そうよ。この子は固有能力で機械経路に潜り込んで操る事ができるのよ。」
「中々強力な固有能力だな。」
確かに…これ装甲列車とかの兵器に潜り込めたら結構強くないか?
「まぁ…限度があるからそこまで強力でもないロトよ?」
「そうなのか…それで助手席に乗ってるその人は?」
かなり色黒の翦劉種の青年だった。
「俺はザクロ。ザクロ・ニャンコポンだ。ロトムと同じネリア様の部隊の隊員だ。」
「ずいぶん…色黒が強いんだな?」
「文句あるか?」
「い…いや。ないけど…」
何だか怒らせてしまったようだった…
どうやら肌の色の話はあまり迂闊にしない方がいいようだ。
「ニャンコポン。コマリはあんたの事を蔑んだりする子じゃないわ。喧嘩腰はやめなさい。」
「すみません…ネリア様。」
ネリアに頭を下げるニャンコポン。
「とりあえず全員乗って!ちょっと狭いかもしれないけど少しの辛抱だから!」
「わ…わかった!」
「私は絶対にコマリ様の隣がいいです。マスカーニャ殿は運転席に乗ってください。」
「言われなくてもそのつもりだわ。そうでなきゃトランクの中に詰め込まれそうだからな。」
ネリア・私・ヴィル・ガートルード・カルラは後部座席に
マスカーニャは無人の運転席に座り…
ロトムが潜り込んだ車は駅へと向かう。
ゲラ・アルカの街の道路を走る車…
乗ったのは小さい頃フレジールと言う核領域の観光地が最後だったのでかなり久々だ。
乗り心地は正直馬車の数倍いい。
馬車と違ってスピードもあるし何より小刻みな揺れが気持ちいい眠気を誘う…
これいいなぁ。ムルナイトにも導入されないかなぁ。
「コマリ様。陛下は絶対に却下されますよ?」
「何にも言ってないじゃん。」
またこの変態メイドは謎の読心スキルを発動する。
「ムルナイト帝国では車は走ってないロト?」
「はい。ムルナイトでは転移魔法か馬車が主な移動手段ですね。車は貴族が個人で購入して自家用で使用するのが主です。」
「馬車よりも便利なんだがなぁ。変わった国だな。」
翦劉種から見たらそうかもしれない。
種族によって価値観や考え方が違う。難しいが、ちょっと私は面白いと思う。
「そういえば…こんな事を聞くのはやぶさかかもしれないが、2人はなんでカニンガムのこの計画に賛同したんだ?幾ら上司とはいえ国家反逆の片棒を担がされてるんだぞ?」
マスカーニャがロトムやニャンコポンに聞く。
「僕は元々アルカの兵器開発部署にいたんだロト。そこで毎日新型兵器の実験をやらされていたロト…」
新型兵器の実験…
「僕の固有能力はゲラ・アルカにとって重宝する物ロト…毎日毎日…休む暇も与えられず…人殺しのための道具ばかりの実験をさせられて…逆らえば酷い仕打ちを受けたロト…」
「そんな…」
「やはり外道ですね。ゲラ・アルカは」
ロトムは続ける
「僕は本当は人を幸せにする機械の開発をしたいんだロト。冷蔵庫とか洗濯機とか色々な電化製品の…だけどそれを言ったら…兵器開発の主任の怒りを買って…神具で殺されそうになって…
そこをネリア様に助けてもらったんだロト!」
「ネリアに?」
ネリア…やっぱりこいつはいい奴じゃないか!
「うん!ネリア様のおかげで僕は未来に希望を持てたんだロト!だから…ネリア様には絶対に大統領になってもらいたいんだロト!!」
「なに当たり前な事言ってんのよ。あんたは私が変革するアルカに絶対に必要な民の1人なんだからね!私が大統領になっても一生ついてきてもらうからね!」
「勿論ロト!!!!」
「おぅわぁぁ!?ロトムちゃんと運転に集中しろよ!?」
車体が一瞬大きく揺らいだ。多分ロトムがテンション上がってしまったせいだ。
普通に交通事故になるからやめてくれ…
私は揺れた車体に耐えられず身体が吹っ飛んでしまった。
だけど…顔に何か柔らかいものが当たって衝撃を吸収してくれた?
「ちょっとコマリ〜?何してるのかしら〜?」
「ん?ふぁ!?ご…ごめん!ネリア!」
何とネリアの胸に顔を埋めてしまっていた。
ネリアも結構胸大きいな…柑橘系のいい香りだ…
「コマリって…案外スケベなところがあるのね〜。」
ニヤニヤと笑うネリア
「ち…違う!?誤解だって!!」
まずい!?このままだとまたあらぬ疑いをかけられる!?
「そうです。コマリ様はおっぱい大好きなドスケベ魔人なのです。私も何度も触られました。」
「お前は黙ってろ!!喋るな!」
「ネリア様!!そんな変態魔人の隣にいてはいけません!!席を変えましょう!!!」
「そうですね。席を変えましょう。」
「わわわわ…私はテラコマリさんの隣以外で!!」
激しく怒るガートルード…ネリアから私を遠ざけようとするヴィル…胸を抑えて私にドン引きするカルラ…
何でこうなるんだよぉ〜
「あっ!そうだ!ニャンコポンは!?ニャンコポンはどうしてネリアに賛同したの!?」
「このタイミングで俺に話題を振るなよ…」
ニャンコポンは溜息をつきながらも口を開く。
「俺の父親は元々は南にある小国で軍人をしていたんだ…」
「ドラクマみたいな感じのか?」
「いや、違う。もう少し規模が小さい国だ。だけど10年前に白極連邦との戦争に敗れて滅んだ。それから親父は秘密裏にアルカに亡命して…お袋に出会って結婚して俺を産んだ…」
「そうだったんだ。」
だが、そこからニャンコポンは唇を噛み締め出す…
「だけど…其処から地獄の日々だったよ…親父は他所の国から来た奴だとか色々因縁をつけられて差別されてお袋もそんな親父と夫婦になった売国者だとか色々言われた…
俺もガキの頃は肌の色とか親父の事で色々差別を受けてきたよ…家の窓を割られたり…落書きされる事なんて…日常茶飯事だった。」
「そんな…そんな事だけで…」
私は信じられない。そんな理由だけで差別するなんて…
どうかしている。
「結局親父は耐えきれず自殺した。魔核の登録も受けていなかったからな。俺はお袋のおかげで魔核の登録を受けてたが…そのお袋も去年衰弱で亡くなった。」
「ごめん…私知らずに君の事を軽々しく聞いちゃって…」
私はニャンコポンに謝った。
だが、ニャンコポンはキョトンとした顔をしている。
「何で謝るんだ?別にあんたはただ聞いただけじゃないか。」
「いやだって…辛い話をまたさせてしまったから…
本当にごめん。」
私はニャンコポンに頭を下げる。
だが、ニャンコポンは不快な顔をせずに微笑む。
「テラコマリ…あんたいい奴だな。ネリア様があんたを買う理由がわかるよ。」
「え?」
「俺もロトムと同じで差別されて絶望していた所をネリア様に救ってもらったんだ。それからはマッドハルトのクソではなくネリア様が大統領になれって思いを抱き続けてる。だから今回の計画にも賛同したのさ。」
「ニャンコポン!いちいち余計なこと言わなくていいから!////私が大統領になったらとことん働いてもらうから覚悟しなさい!!」
「はははは。こりゃ今より忙しくなりそうだ。」
ネリア…色んなやつから慕われてるんだな。
すごいや。
よし!私もネリアが大統領になれるように頑張ろう!!!
そして…走る事20分…
駅に到着した。
「着いたわ。此処が駅よ。」
「おぉ!!これが駅か!!」
其処はまだ私が見た事もない風景だった!
多くの人が行き交い…
本や写真でしか見た事ない列車が何台もある!!
「すごいなぁ!ムルナイトでは絶対に見れない光景だぁ!ねぇ!ヴィル!写真撮ってよ!列車の写真撮りたい!」
「もうコマリ様ったら。子供みたいにはしゃいで…(可愛い)」
「これは確かにすげぇな…俺も初めて見た。」
これから列車に乗ると思うとワクワクするな!!
「い…いずれは天照楽土にもできるのでしょうか…広くて迷ってしまいそう。」
カルラも駅を呆然と眺める。
「さぁ。みんな車から降りて。駅の中に私の部下があと2人いるから彼らから切符をもらうわ。」
何でも私やカルラはゲラ・アルカで広域指名手配されている上ネリアも国家反逆罪で追われている。だから、切符を直接買うことは不可能だそう。
因みに私達は身分がバレないように変装している。
私は何故かネリアのメイドと言う設定で車内でメイド服に着替えさせられた…
男性陣はその間目隠しの魔法石で視界を遮られていたので見られていない。
「うぅ…でもメイド服で駅を歩くなんて恥ずかしいなぁ…」
「大丈夫よ!すっごく可愛いわ!似合ってる!」
「あうぅ…」
「コマリ様ぁ…私は嫉妬で頭がおかしくなりそうですぅ。」
「いや元から頭のネジ吹っ飛んでんじゃ…」
ヴィルが高速で何かを言いかけたマスカーニャにヘッドロックする。
「何か言いましたぁ?マスカーニャ殿ぉ?」
「な…何でもないです…助けてぇ…」
なんやかんやでこいつら仲良いんだよなぁ。
「それじゃあ皆さん!健闘を祈るロト!!」
「今後も全力でサポートする。テラコマリ。ネリア様をよろしくな。」
「ええ!2人とも本当に感謝するわ!」
「うん!2人ともありがとう!」
ロトムとニャンコポンは警備隊に怪しまれない内にその場を後にした。
私たちも急いで駅の中に入っていく。
駅の中は予想以上に人が多かった。
すれ違う人々がメイド姿の私を二度見してくるのはとても恥ずかしかった。
今は我慢我慢
「あっ!いたわ!」
どうやらネリアが部下の2人を見つけたようだ。
「ネリア閣下。お待ちしておりました。」
「切符は無事に確保できました。」
翦劉種の男女だった。
男の人がワクマ
女の人はナリルと言うらしい。
「これが人数分の切符です。さぁ早く行ってください!」
「皆さんも早く!」
「ありがとう!ワクマ!ナリル!」
どうやらまもなく列車が発車するらしく私たちは2人に一言礼だけ言ってホームへと向かい、何とか列車に乗れた。
列車に乗るのは人生初のため車以上にワクワクしてしまった。
ゲラ・アルカ共和国 南西部 駅近く
数人の武装集団が小さな駅で屯している…
「隊長。レインズワース様より続報です。目標はつい先程西地区の駅から列車に乗り…南地区へと向かっているそうです。」
「そうか…目的はやはり…ガブリアスか。」
「我々はどうしますか?他の班長にも伝えましょうか?」
「いや我々は当初の予定通りこの駅から列車に乗り込み…目標を捕縛する。
それが我々…SHARKに与えられた任務だ。」
隊長と呼ばれた若い男性…と言うよりもテラコマリやネリアとも歳も変わらなそうな少年はホルダーから取り出した自動式拳銃をクルクルとスピンさせやがら部下達に指示する。
「奴らが乗り込んだのは何車両目だ?」
「2車両目だそうです。」
「なるほどな。可もなく不可もない所を選んだか…さすが月桃姫…二手に分かれて列車に乗り込むぞ。」
「了解いたしました…
「『ドラパルト』隊長」
ドラパルトと呼ばれた少年は若きSHARKの隊長を務めるポケモン人の少年である。
続く
いかがでしたか?
次回は列車内での戦いかな?
では、また!!