ポケットモンスター 炎の吸血姫の革命   作:テツノカシラ

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どうも! テツノカシラです!!


今回ちょっと生々しい描写がかなりあるのでご了承を 



では、どうぞ!!


ガブリアスの戦争

 

 

 

ガブリアスの住んでる家から出てきた綺麗な女の人と小さな可愛らしい女の子…

 

 

 

「あの…どちら様ですか?」

 

 

 

「えっと…あの…」

 

 

するとネリアが前に出る。

 

 

 

「はじめまして。私はネリア・カニンガム。此処に住んでるガブリアスって言うポケモン人に会いにきたの。」

 

 

 

 

「えっ?…ネ…ネリア・カニンガムって八英将の!?」

 

 

 

女の人は驚いた顔をしている。

 

 

 

「ぐ…軍の方がガブさんに何の用ですか?」

 

 

 

「緊急の話なの。ガブリアスに会わせて。」

 

 

 

「今は家にいません。仕事に行ってるので…」

 

 

 

「なら仕事場はどこ?直接向かうわ。」

 

 

 

ネリアが女の人に対してグイグイと迫る。

 

 

 

 

「あ…あの!困ります!やめてください!」

 

 

 

「お願い!教えて!急いでいるの!!」

 

 

女の人は困惑と警戒の表情を強めている。

 

 

 

「ネリア!!」

 

 

 

私は見ていられずネリアを止める。

 

 

 

「無理強いは良くないよ。少し落ち着けって。」

 

 

 

「ご…ごめんなさい。つい。」

 

 

 

ネリアは渋々引き下がる。

 

 

女の人も完全にネリアを警戒している。

 

 

 

「マーマ。マーマ。」

 

 

 

小さな女の子が心配そうに母親に寄り添う。

 

 

 

女の子は私と目が合う。

 

 

私は女の子にニコッと微笑んだ。

 

 

黄色い綺麗な髪をした子だ。

 

 

 

すると…女の子は私の顔をジッと見つめ始める。

 

 

 

「こんにちは。」

 

 

 

私は膝を曲げて女の子に挨拶をした。

 

 

 

「こーにちは。」

 

 

 

まだうまく喋れないのか言葉が辿々しい。

 

 

 

「私はテラコマリって言うの。君の名前は?」

 

 

 

「しろなー。」

 

 

 

「シロナって言うんだ!可愛い名前だね。」

 

 

私は女の子の頭を優しく撫でた。

 

 

 

目を細めてえへへと笑うその表情はとても可愛らしかった。

 

 

 

「シロナが懐いてる…」 

 

 

女の人がそう言う。

 

 

どうやら普段は人見知りな子らしい。

 

 

「てらこまりぃ」

 

 

 

「そうそう!てらこまり!」

 

 

私に寄ってくるシロナはめちゃくちゃ可愛い。

 

 

ヤバい…連れて帰りたい。

 

 

 

「お前…子供好きだったんだ。」

 

 

「まぁ。妹もいるし。小さい子って可愛いじゃん?」

 

 

「へぇ〜」

 

「・・・・」

 

 

 

無表情で私を見つめるヴィルに視線を移すマスカーニャ。

 

 

 

「珍しく『コマリ様ぁ〜。私は血の涙を流しそうです…』とか言わないんだな?」

 

 

 

「流石の私も小さい子に対してはそんな感情は抱きません。」

 

 

 

「意外だった。」

 

 

 

「マスカーニャ殿の中の私はどんな人物に見えているんですか?」

 

 

 

 

「憑きもの。」

 

 

 

 

マスカーニャがその4文字をヴィルに言った途端。

 

 

ヴィルの剛腕が奴の頭を掴んでアイアンクロウを食らわせていた。

 

 

 

おいおい。人前でやめろよ。

 

 

この人ドン引きしてんじゃねーか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?誰か来てるのか?」

 

 

 

そんな事をしていると足音と共に1人の青年が近づいてきた。

 

 

 

身長は178cmぐらいはありそうだ。

 

 

 

鍛えられた身体と目つきは鋭いが、端正な顔立ちをしている。

 

 

 

 

「あっ…ガブさん。おかえりなさい。あの…貴方の知り合いだって人達が訪ねてきて…」

 

 

 

「知り合い?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりね。ガブリアス。」

 

 

ネリアが私達の先頭に出て青年に挨拶した。

 

 

 

 

「ネリア…」

 

 

 

 

この青年がガブリアス…

 

 

前髪だけが黄色く他の髪色は藍色をしている。

 

 

変わった髪色だ…

 

 

 

「ん?君は…」

 

 

ガブリアスは私の方を見つめる。

 

 

 

そういえば…この顔には見覚えがあるような…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか…5年前の交流パーティの…」

 

 

 

 

「ドラゴンの…お兄さん!!」

 

 

 

そうだ!思い出した!

 

 

私がプリンを半分あげたお兄さんだ!

 

 

 

「そうか。君だったのか。久しぶりだね…

 

 

 

コマリちゃん。」

 

 

 

 

「確かに5年ぶりだね。」

 

 

 

 

 

その後ガブリアスは奥さんに私達は知り合いである事を説明して家に上がらせてもらう事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンプルだが、とてもいい家だ。

 

 

ガブリアスは奥さん?と共にお茶を淹れてくれている。

 

 

 

「それにしても!何でガブの事を覚えてて私の事は覚えてないのよ。コマリは失礼しちゃうわ。」

 

 

 

「ご…ごめん。ガブリアスに限らず昔からポケモン人の事は覚えてる事が何故か多いんだ。」

 

 

本当になぜかだ。

 

 

ネリアが頬を膨らませて私をポカポカと叩く。

 

 

 

「それにしても…竜王と言われてるぐらいですから…もっと凶暴で好戦的な性格だと思ったのですが…案外穏やかな方なんですね。」

 

 

 

「ええ。彼は昔からあんな感じ。戦いになると変わるんだけどね。普段は温厚で穏やかな人よ。」

 

 

 

 

「安心しましたぁ。」

 

 

 

カルラがふにゃ〜と椅子にもたれかかる。

 

 

 

「おだやか〜」

 

 

 

「そうよね〜。シロナ〜。貴方のパパは穏やかよね〜。」

 

 

シロナはネリアの膝の上に乗っかっている。

 

ネリアも小さい子は大好きみたいで可愛い可愛い言いながらシロナを愛でている。

 

 

隣に座っているカルラやガートルードも笑いながらシロナと戯れている。

 

 

 

 

「皆さん。お茶が入りました。」

 

 

ガブリアスと奥さん?が人数分のお茶を運んできた。

 

 

 

 

「私もお手伝いいたします。」

 

 

 

「ありがとう。大丈夫よ。座ってて。」

 

 

 

ヴィルが手伝おうとしたが、奥さんが制止する。

 

 

 

 

 

2人が淹れたお茶はかなり美味しい。

 

 

いい茶葉を使ってる〜。

 

 

 

 

 

 

 

 

落ち着いたところで2人も席に座る。

 

 

 

「申し遅れました。私は『フライゴン』と申します。ドラゴン・じめんタイプのポケモン人です。」

 

 

 

「ドラゴン・じめんって事はガブリアスと同じじゃない!貴方も強いのかしら?」

 

 

 

だが、フライゴンは苦笑いをしながら首を横に振る。

 

 

 

 

「いえ。戦闘能力は全くありません。私は弱いドラゴンタイプなので。」

 

 

 

 

「そう…ごめんなさい。変な事を聞いて。」

 

 

 

 

「いえ。ネリア将軍は…ガブさんとはどう言ったお知り合いなんですか?」

 

 

 

 

「彼が元々軍人だった事は知ってるでしょう?その頃からの付き合いよ。」

 

 

 

ネリアがお茶を一口飲む。

 

 

「それにしてもガブリアス。貴方いつのまに所帯なんて持ってたの?初めて知ったわ。綺麗な奥さん貰ったわね。」

 

 

 

だが、ガブリアスの顔はどこか曇っている。

 

 

 

「いや…実は夫婦じゃないんだ。」

 

 

 

「えっ?どう言う事だ?」

 

 

 

「ドラクマ殲滅戦から帰ってきた後に…勝手に居付いてきたんだ。その後も何やかんやあって一緒に暮らしてる。」

 

 

 

ネリアは自分の膝の上にいるシロナに目を移す。

 

 

 

 

「じゃあ…この子は?」

 

 

 

 

「彼女の連れ子…と言っても。この2人にも血の繋がりはないんだ。」

 

 

 

ガブリアスは淡々と答える。

 

 

 

なんて言ったらいいかわからない。てっきり私達は2人は夫婦でシロナはその子供だと思っていた。

 

 

 

まさかの赤の他人3人で暮らしてたなんて…

 

 

 

「ぱーぱ」

 

 

シロナがガブリアスに手を伸ばす。

 

 

 

「シロナ…俺はな。お前の父ちゃんじゃないぞ?」

 

 

優しくシロナに言うガブリアス。

 

 

だが、その言葉には突き放したような冷たい感じもする。

 

 

私は一言物申そうとしたが、事情が事情なので我慢した。

 

 

 

 

「ネリア…それよりもこの国は今、ムルナイトや天照楽土と戦争中なんだろ?お前は戦わなくていいのか?」

 

 

 

 

「その事で今日はここに来たの。」

 

 

 

ネリアがティーカップを静かに置く。

 

 

 

 

「ガブリアス…お願い。

 

 

 

 

 

私と一緒にマッドハルトと戦ってほしい。」

 

 

 

 

ネリアが頼み込んだ途端ガブリアスやフライゴンの表情が一変した。

 

 

 

「それはあれか?…俺に戦争に参加しろって言いたいのか?」

 

 

 

それに伴って彼から威圧感が溢れ出す。

 

 

それを感じ取った私達は冷や汗が流れ始める…

 

 

ヴィルやマスカーニャも同様だ…

 

 

 

「ええ。そうよ。貴方の力が必要なの。協力してほしい。」

 

 

 

だが、ネリアは怯まずにガブリアスに頼み込む。

 

 

 

「ダメよ…ダメよ。そんなの…」

 

 

 

するとフライゴンが口を開く。

 

 

 

 

「ガブさんは戦争のせいで傷ついて…打ちのめされて…軍を退役したのよ。やっとその傷も癒えはじめたのに…また戦争に行くなんて…

 

 

 

ダメよそんなの。」

 

 

 

 

「それは充分わかってるわ。ガブリアスがあのドラクマ戦が原因で…心に深い傷を負って軍をやめたことも…それを承知で頼んでいるの。

 

 

 

 

 

 

お願い。私に力を貸して。マッドハルトを倒すためには貴方の力が必要なの。」

 

 

 

 

ネリアは頭を下げる。

 

 

 

 

だが、

 

 

 

「悪いが、断る。」

 

 

 

ガブリアスは冷淡に返事をする。

 

 

 

 

「俺はもう戦争はしない。あの地獄を見てから…2度と戦場には行かないって決めたんだ。」

 

 

 

ガブリアスはリビングに飾ってある写真立てを眺める。

 

 

 

 

そこに写っていたのは…

 

 

 

 

多分少年時代のガブリアスと…

 

 

 

将軍服を着た30代くらいの男…多分キング・マッドハルトとか言う奴だ。

 

 

 

「ゲラは俺の恩人であり…俺を地獄のどん底に叩き落とした怨敵でもある。あのままアイツの元にいると何だか…自分が何ために生きて何をしたいのかわからなくなるんだ…だから離れたんだ。」

 

 

 

 

頭を抱えながらガブリアスは話す。

 

 

 

 

「・・・なぁ。ガブ…さん。私にも聞かせてくれないか?そのドラクマ戦で何があったのか…ガブさんとマッドハルトの関係を…」

 

 

 

 

私は意を決してガブリアスに聞いてみた。

 

 

 

 

ガブリアスは数秒間沈黙していたが…

 

 

 

 

「わかった…話そう…」

 

 

 

やがてポツリポツリと話しはじめた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は幼い頃…白極連邦に住んでいたんだ…

 

 

だけど…ひどい貧困に悩まされていてな…

 

 

それはそうだ…親父と母さんは他所の国から密国してきたから中々表立って働く事ができなかった…

 

 

勿論魔核にも登録してない。

  

 

低賃金のキツイ仕事ばかりやってた…

 

 

毎日毎日食べる物にも困って…俺は日に日にガリガリに痩せ細っていった…

 

 

 

 

俺が8歳ぐらいの頃…ついに母親が無理が祟って体を壊してそのまま…

 

 

 

 

 

 

その時親父は出稼ぎに行って帰ってなかった…

 

 

 

食い物もなく俺ももう死ぬって思った時に現れたのが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲラ・マッドハルトだった…

 

 

 

彼奴はどうやら俺の母親の知り合いみたいだったんだ…

 

 

 

死んだ母親の傍で体育座りしてる俺をみたゲラは…

 

 

 

 

すぐにアルカに連れ帰った…

 

 

俺も飢えと乾きで限界だったからまだ帰ってない親父の事なんて忘れてすぐについて行ってしまった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の親父…先代のガブリアスもポケモン人では珍しく翦劉種だった母親との間に俺を授かった後も12年は生きたが…俺がゲラに引き取られてから暫くして軍の傭兵になったけど…戦場で死んだって話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからは俺はゲラに充分な食事を与えられ…

 

 

 

奴の元で色々なことを教わった。

 

 

 

生きる術…知恵…戦い方…

 

 

そして…殺し方…

 

 

 

ゲラは全てを俺に叩き込んだ。

 

 

 

元々ガブリアスって種族は高い戦闘能力を持つ事で有名だったらしいんだが…

 

 

 

 

 

ゲラの訓練もあり…

 

 

 

俺は凄まじい戦士に変貌したと周りから畏怖されるようになった。

 

 

 

 

11歳の時…初陣のエンタメ戦争でも俺は他の八英将を差し置いて600人の敵兵を無傷で仕留めた…

 

 

 

ゲラは歓喜していたさ…

 

 

 

 

今ここに…最強のポケモン人戦士が誕生したってな…

 

 

 

 

当時の俺もゲラの元で戦い…生きることが俺の命を救ってくれた彼に対する恩返しであり…両親に対する罪滅ぼしだと思っていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど…それから…俺の人生はいっぺんした。

 

 

 

 

 

俺が20歳になった頃だ…

 

 

そう…あのパーティが行われて暫くしてから…

 

 

 

ゲラはクーデターを起こしてアルカ王国をゲラ・アルカ共和国に変えて…

 

 

 

 

小国を次々と侵略するようになった…

 

 

 

そして…3年前…

 

 

 

 

あの戦争が勃発した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3年前

 

 

大統領令六○○号

 

 

 

ドラクマ市国殲滅戦発令 当日

 

 

 

 

 

マッドハルトは執務室にガブリアスを呼び出した。

 

 

 

 

「大統領。お呼びですか?」

 

 

 

 

「来たか。ガブリアス。突然すまないな。」

 

 

 

「いえ。それで用件は?」

 

 

 

 

マッドハルトは一枚の紙を取り出した。

 

 

 

 

 

 

 

「ついさっき…書類を作成した。明日…ゲラ・アルカ共和国はドラクマ市国に対して殲滅戦を行う。」

 

 

 

 

ガブリアスはそれを聞いて表情が変わる。

 

 

 

 

「殲…滅戦?魔核を持たない国を…また?」

 

 

 

 

「そうだ。あの国は放置しておけん。兵器開発技術を着々と伸ばしている。我が国に対する脅威となると判断した。だから殲滅する。」

 

 

 

 

「本気なのか?…ゲラ。」

 

 

 

 

「勿論だとも。今回は降伏も認めん。ドラクマを完全に陥落させるまで攻めの手を緩めるな。あの国の地下深くには莫大な化石燃料も眠っている。それを手に入れないわけにも行かないからな…」

 

 

 

 

思えば…ガブリアスはゲラ・マッドハルトが大統領になってから…

 

 

 

彼を見る目が変わったのかもしれない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日…

 

 

 

 

ゲラ・アルカ共和国とドラクマ市国との戦争が始まった。

 

 

 

 

魔法と刀剣…そして少々の銃を所持しているゲラ・アルカ共和国

 

 

兵力およそ30000に対し…

 

 

 

 

 

 

ドラクマは兵力たったの1500…

 

 

 

戦力差は圧倒的だった…

 

 

 

 

だが、ドラクマにはその戦力差を補えるほどの力があった。

 

 

 

 

 

 

 

それが大量に導入された銃やライフル…野砲や迫撃砲…爆弾…小型ミサイル…機関銃…装甲列車…そして戦車だ。

 

 

 

 

これらの兵器には対魔法対策もされており…

 

 

 

 

 

あまり魔法が得意ではないゲラ・アルカ軍は苦戦を強いられる事になった。

 

 

 

 

更にドラクマ軍は塹壕や地形を利用してどんどんゲラ・アルカ軍を翻弄し…

 

 

 

ゲラ・アルカ軍は時間と共に追い詰められていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銃弾が飛び交い…硝煙の匂いや血の匂いが入り混じった戦場…

 

 

 

ガブリアスは弾の嵐を掻い潜りながら戦っている。

 

 

 

彼は現在敵が建設した巨大要塞ミナモへと向かっている。

 

 

そこを落とせばドラクマの戦力は一気に削られ…国そのものを陥落させる事ができる。

 

 

 

 

「死ねぇ!!ガブリアスゥ!!!!」

 

 

 

敵が塹壕に設置された機関銃から弾丸を発射する。

 

 

 

 

ガブリアスはそれを交わし…

 

 

 

 

「『じしん』!!!!!」

 

 

 

じめんタイプの物理技じしんで塹壕にいる兵士達ごと機関銃を破壊する。

 

 

自身や自身が隊長を務めている特殊部隊SHARKは今のところ被害は出ていない。

 

 

 

だが、翦劉種の兵士達の被害が甚大だった…

 

 

 

迫撃砲の砲弾により…前衛はほぼ壊滅した。

 

 

 

後衛も戦車隊には魔法や刀剣は効かずに壊滅…

 

 

 

ゲラ・アルカの予想以上にドラクマの戦力は凄まじいものだった。

 

 

 

 

「(このままじゃ部隊が全滅する!!!何か…何かないのか!!)」

 

 

 

ガブリアスの耳につけた通信用鉱石が光る。

 

 

 

 

『ガブリアス隊長!!』

 

 

 

 

「ロズレイドか!!今何処にいる!?」

 

 

 

『現在!敵の巨大要塞ミナモ付近にて装甲列車と交戦中です!!ですが、装甲が頑強すぎてこちらが所有している武器では歯が立ちません!』

 

 

 

「わかった!俺もすぐに向かう!!!何とか持ち堪えろ!!」

 

 

 

通信を切り…

 

 

 

ガブリアスはミナモへと急いだ。

 

 

 

だが、ここでまた通信用鉱石が鳴る。

 

 

 

 

「(誰だ!?こんな時に!!)こちらガブリアス!!」

 

 

 

 

『ガブリアス。私だ。』

 

 

 

「フロッピー閣下!一体どうされたのですか?」

 

 

ガブリアスに通信してきた男の名はユーズレス・フロッピー

 

 

一応八英将の1人で本作戦の指揮を取っている。

 

 

 

 

『すぐに戻れ。』

 

 

 

 

「しかし!!まだ部下達が要塞の側に!!」

 

 

 

『命令だ。すぐに戻れ!!』

 

 

 

フロッピーの怒号が響く…

 

 

 

 

「・・・わかりました…」

 

 

 

 

ガブリアスは渋々本陣へと引き返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、本陣へと引き返したガブリアスはとんでもない命令を受けた

 

 

 

 

「え…?フロッピー閣下の護衛!?」

 

 

 

「そうだ。お前はこれより前衛を離れて私の護衛に回れ。」

 

 

 

この戦況下でガブリアスはフロッピーが正気とは思えなかった。

 

 

 

元々自己中心的で他人に対する思いやりもなくクズ同然とも言える所業を繰り返してきた奴だとは思っていた。

 

 

八英将になったのも家のコネだと言う。

 

 

マッドハルトがなぜ今回の殲滅戦で彼を指揮官に任命したのかガブリアスはわからなかった。

 

 

 

「しかし!閣下!!戦況はご存知のはずです!!!私が前衛を離れれば他の兵や部下達は敵の陸上兵器に対する有効打を失ってしまいます!!じめん技をタイプ一致で扱える私がいなければ部隊は全滅してしまいます!!!」

 

 

ガブリアスは必死でフロッピーに訴えるが…

 

 

 

 

「黙れぇ!!!!ポケモン人如きが偉大なる翦劉種である私に歯向かうな!!!!お前たち兵の命よりも!!!八英将で価値のある私を生かすべきなのだ!!!!」

 

 

 

ガブリアスは怒りで拳を作り…歯軋りをする。

 

 

今すぐこのクズをぶん殴ってやりたい…

 

 

そんな感情を一気に抱き始める。

 

 

 

これが戦争を前にした人間の本性かと…

 

 

 

 

だが…

 

 

 

 

「閣下!!!!」

 

 

 

 

「なんだ!?やかましいぞ!!!」

 

 

 

「閣下!!!ご退避を!!敵の戦車隊が!!!」

 

 

 

 

兵士の1人が言葉を言い終える前に…

 

 

 

フロッピーの本陣のテントが戦車の砲弾の直撃を食らった…

 

 

 

 

「ぐっ…」

 

 

 

 

ガブリアスはその前に何とか地面に潜り…難を逃れた。

 

 

 

地上に出た彼の目に飛び込んできたのは…

 

 

 

 

砲弾による爆発を受けて…無残になった同僚達の死体…

 

 

 

 

あるものは原型を保ったまま死んでいるが…あるものは身体がぐちゃぐちゃになり…中身も飛び出ていた…

 

 

 

フロッピーも顔の半分が吹き飛び…眼球が飛び出た状態で死んでいた…

 

 

「あ…あぁ…あぁぁ…」

 

 

 

ガブリアスの心に恐怖の感情が溢れ出す…

 

 

この場を逃げ出したい。すぐにでも!!!

 

 

 

そんな感情に支配され、彼は後退る。

 

 

 

 

 

 

しかし、後退りする彼の足を何者かが掴んだ。

 

 

 

 

「た…たす…け…て…」

 

 

 

フロッピーのそばにいた兵士の1人だ…

 

 

だが、両足は潰れてまるでミンチのようになっている。

 

 

 

喉をやられたのか掠れ声しか出ていない。

 

 

 

痛みと恐怖に取り憑かれたその瞳でガブリアスを見つめて助けを求めてくる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

ガブリアスは叫び声をあげて助けを求める兵士の手を払いのけ…

 

 

 

敵軍に向けて走り出す。

 

 

 

 

 

身体の中にあるありったけの竜エネルギーを放出させながら…

 

 

 

砲弾を次々と発射する戦車隊を…

 

 

 

一撃で壊滅させた…

 

 

 

その後は野砲部隊および迫撃砲部隊に奇襲をかけ…これも壊滅させた。

 

 

 

 

 

 

 

塹壕にいた敵兵士達もじしん攻撃で機関銃ごと殲滅した…

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…ハァ…死にたくない…死にたくない死にたくない…

 

 

死にたくない!!!!!俺は生きる!!!敵を殺してでも俺は絶対に生きるぞ!!!!!」

 

 

 

 

そこにあるのはただ純粋なる生存本能だけ…

 

 

 

 

 

装甲列車が砲撃をしてきた。

 

 

 

 

だが…ガブリアスは砲弾を全て竜エネルギーを込めた鋭い爪で破壊する…

 

 

 

 

「くそぉ!!!!ゲラ・アルカの飼い犬がああああああ!!!!!」

 

 

 

ドラクマ兵が叫び…残った野砲でガブリアスに砲撃する。

 

 

 

ガブリアスはそれを全てかわす。

 

 

 

 

「『スケイルショット』ォォォォォ!!!!」

 

 

 

ガブリアスは鱗を弾丸のように発射するドラゴンタイプの物理技…スケイルショットで野砲をドラクマ兵ごと破壊する。

 

 

 

 

そして…スケイルショットは使用後に耐久力が下がる代わりに素早さが上がるため俊敏性が増したガブリアスは装甲列車に向かっていき…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じしん攻撃で装甲列車と線路をあっという間に無力化してしまった…

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

ドラクマ市国の巨大要塞ミナモと1500もの兵力は一瞬で制圧された…

 

 

 

ガブリアスたった1人によって。

 

 

 

 

翌日…増援のゲラ・アルカ軍の侵攻により…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドラクマ市国は陥落した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陥落したドラクマの街を歩くガブリアス…

 

 

 

「隊長…大丈夫ですか?」

 

 

 

声をかけたのはSHARKの隊員の1人…トゲキッス…

 

 

特殊部隊SHARKは奇跡的に全員生き残った。

 

 

今はドラクマが所有する資源や技術を回収している作業中だった。

 

 

 

それらをゲラ・アルカの領海…核領域の沖合に浮かぶ無人島シンオウ島に運べば今作戦の自分達の任務は完了する。

 

 

 

 

「あぁ…大丈夫だ。少し1人にしてくれないか?」

 

 

 

「はい。わかりました。」

 

 

 

ガブリアスは瓦礫の山を進んでいく…

 

 

 

この瓦礫の山にも何人ものドラクマ兵や市民の死体が埋まっている…

 

 

 

敵も味方も…無慈悲に死んでいく。

 

 

 

これがエンタメ戦争ではない本物の戦争…

 

 

 

平和のための戦争…自国の強化のための戦争…

 

 

 

一体何が正しいのかわからない…

 

 

 

ガブリアスはそんな感情を抱きながらも殺した者達の屍の上に立ち…生きている…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後生き残った仲間たちのおかげで一時は立ち直ったガブリアスだったが…シンオウ島から帰った後…重度のPTSD(心的外傷ストレス障害)を発症し…軍を退役した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達はガブさんの話を聞いて…何も言えずにいた…

 

 

 

私はあまりにも生々しい話を聞いて吐き気を覚えてトイレに駆け込んでしまった…

 

 

ヴィルがめちゃくちゃ心配しながら来てくれたが,ネリアが私が付き添うと言って一緒に来てくれた。

 

 

 

「大丈夫?コマリ…」

 

 

 

「ご…ごめん。ネリア…まさかここまでとは思わなくて…」

 

 

 

「私もよ…まさか彼があそこまで壮絶な戦いをしたとは思わなかったから…」

 

 

吐き気は治った。

 

 

 

私は一呼吸置く…

 

 

私たちがいまやっている戦争なんて比じゃない…

 

 

核領域もない…魔核なんて全くない。

 

 

 

正真正銘本物の戦争…

 

 

それをガブさんは経験したのだ。

 

 

 

それなのに…私達は軽はずみに聞き…

 

 

 

彼を戦いに加えようとした…

 

 

 

「ネリア…ごめん。私は…ガブさんを戦場にまた行かせるのは嫌だ…」

 

 

 

 

「そうね…私も軽はずみに考えてた…彼を戦いに加入させるのはやめましょう。食事を済ませたら出発しましょう。」

 

 

 

「うん。」

 

 

 

私達はトイレから出る…

 

 

 

 

すると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隣の風呂場の隣の脱衣所で…

 

 

 

 

半裸のガブリアスが服を着替えていた…

 

 

 

 

私たちは顔が急激に熱くなる感覚を覚える。

 

 

 

「ちちちちょっとガブリアス!?///何やってんのよ!!////」

 

 

 

「あっ!?ごごごご…ごめん!?ついいつもの癖で!?」

 

 

「はうぅぅぅ/////」

 

 

私は顔を抑える。

 

 

ネリアが真っ赤になりながら叫び、あたふたしながら謝るガブリアス…

 

 

さっきまであんな話をしていた奴とは思えない…

 

 

 

私はチラッと彼の身体を見る。

 

 

すごい筋肉だ。

 

 

細すぎず太すぎない理想的な体型だ…

 

 

 

 

 

 

だが…その背中には大きな傷痕があった…

 

 

 

あれはドラクマの兵器による物なのか?

 

 

何だか…『巨大な爪痕にも見える』…

 

 

 

「この傷痕が気になるか?2人とも…」

 

 

 

どうやらネリアもその傷痕を見ていたようでガブリアスにバレてしまった。

 

 

「え…その傷痕も戦争でついたんでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「違う…これは戦争でついた物じゃない…」

 

 

 

「え…じゃあ…」

 

 

 

ガブリアスは私達の方に向く。

 

 

 

「これはまだ誰にも話していない事だ…

 

 

 

俺が軍を退役した本当の理由…

 

 

それを2人には話そう。」

 

 

 

 

「え…」

 

 

 

「俺の話を聞いて…ここまで感情移入をしてくれた2人なら…

 

 

信頼できると思ってな。」

 

 

 

ガブリアスは再び口を開く。

 

 

 

 

 

「俺のこの傷は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トイレから戻った私達…

 

 

 

ガブリアスは私とネリアに隠していた事を話してくれた…

 

 

 

 

だけど…それを聞いて私はより一層彼を連れていく気は薄れてしまった。

 

 

 

食事を終えたら此処を出よう皆にそれを伝えようとした時である…

 

 

 

「コマリ様。カニンガム殿。緊急事態発生です。」

 

 

 

「緊急事態?何があったんだよ?」

 

 

 

 

ヴィルが慌てた様子で駆け寄ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「SHARKです。SHARKが再び現れました。」

 

 

 

窓の外を見るとSHARKの隊長…

 

 

 

ドラパルトが街を歩いている姿が見えた。

 

 

 

続く

 




いかがでしたか?


ガブリアスの真実については天照楽土編の次の章をオリジナルにする予定なのでその章で深掘りする予定ですね!


次回はSHARK再来と言う事で!


では、また!!
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