テツノカシラです!
今回は衝撃的な事実が判明します!
では、どうぞ!!
夢想楽園の地下に入った私達…
其処は楽園と言う言葉とは程遠い。
冷たい監獄のような独房がいくつもある。
それに…
「何か寒くないか?」
「確かに外と比べると明らかに寒いわね…」
それに季節は夏のはずなのに地下は寒かった。
まるで冷蔵庫の中にいるみたいだ…
「くさタイプの俺にとっては…ちょっと嫌な場所だな…」
マスカーニャがブルブル震えながら歩く。
猫みたいで悔しいが,ちょっと可愛かった。
「おおお俺も…さささささ寒いのは…あああああんまり得意じゃあないんだよなぁ」
一方のガブさんはありえないほどガクガク震えながら歩いている…
鼻水も垂らしている…
「ガブさん!?大丈夫!?」
「ガブさんはドラゴン・じめんタイプ…こおり技は4倍だものね。」
「白極連邦にいた頃はどうやって暮らしてたんだよ…」
「ほぼほぼ外から出てなかった…」
私と同じだ〜。
ガブさんとはひきこもり仲間になれるかもしれない。
だが、気持ちはわからないでもない。
私も寒いし怖い…
思わずヴィルの腕を掴んで身を寄せてしまう。
すると…ヴィルが独房のうちの一つを覗き込む。
誰も中にはいないが…
嫌な物が散らばっているのがわかる…
「拘束具に…血のついた神具…」
「おい。こっちの独房ってもしかして…」
「多分毒ガスを散布できる部屋だろう…俺が軍にいた頃に開発構想があると言う話を聞いた事がある。」
マスカーニャとガブさんが指差す部屋を覗く。
何もない部屋だが…
嫌な匂いが鼻をつく…
血とは別の…
「コマリ様。あまり近づいてはいけません。微量な毒ガスの成分がまだ残っているかもしれませんから。」
「ひぃ!!わ…わかった。」
即座に離れた。
「やはり此処では違法な神具を用いた人体実験や兵器の開発がされていたようですね。」
これが夢想楽園の真の姿なのか…
奥に行けばもっとヤバいのがあるんじゃ…
「とにかく皆を助けましょう。多分もっと奥の階層にいるはずよ。独房を開けるための鍵も探さなきゃ」
そうしようと言おうとした時だった…
「ネリア様。鍵なら此処にありますよ?」
ネリアのメイド…ガートルードが笑顔を浮かべて鍵の束を持っていた。
「どうしたの!?それ。」
「入り口に落ちてました。」
そんな物…入り口に落ちてたか?
私は見た覚えがない。
かなり狭い入り口だったからあんな鍵の束が落ちてたら気づく筈だが…
すると…マスカーニャの表情が険しい。
「ん?どうした?マスカーニャ?」
「なぁ。ブラッド…列車までの道のりまでは敵が襲ってこなくて…列車に乗ってから都合よく2回もSHARKやレインズワースが襲ってきたよな。」
「う…うん。」
「目の前の目的に集中しすぎて全く気づかなかったんだ…だけど…
俺たちの中に敵のスパイがいるって考えると辻褄が合うんだ。そいつが常に俺たちの行動や位置を敵に教えていたとしたら?」
「それって…」
「列車は狭いし逃げ場もないから相手を捕縛しやすい。だから敢えて列車に乗ってから襲ったんだ。だけどそれが失敗して急遽南地区に襲撃した。」
私は思わずハッとしてしまった…
まさか…本当にスパイが!?
「良かった。これでみんなを助けられるわ!」
ネリアがガートルードに近づく。
だが…
「助ける必要があると思いますか?」
何だかガートルードの様子がおかしい…
「何を言ってるのよ?当たり前でしょう。」
「彼らは大統領に逆らった愚か者達です…そしてこの鍵はネリア様を投獄する為の鍵ですよ?」
ガートルードが鍵を手放した…
鍵は地面に落ちる…
次の瞬間だった!!!
ガートルードが腰からナイフを抜く。
「ネリア!!!!!!」
ガートルードがそのナイフをネリアを庇ったガブさんに突き刺したのだ…
「ガブさん!!!!」
ナイフはガブさんの右肩に深々と突き刺さり…真っ赤な血がドクドクと溢れ出す。
ドラゴンの鱗に変えていれば防げたかもしれないが、その暇を与えない程ガートルードの太刀筋は早かった。
「ぐっ!!??」
「何してんのよ!ガートルード!!!!」
ガートルードはナイフの血を払う。
「!!!!!」
マスカーニャがガートルードの背後に回り込み…攻撃をしようとするが…
銃声が響いた。
ガートルードの右手には自動式拳銃が握られていた…
そして…薬莢が落ちる音…
マスカーニャの左大腿から滲み出る血…
「あ…が!?」
ガートルードがマスカーニャの左足に向けて発砲したのだ…
その場で膝をつくマスカーニャ…
「マスカーニャ!!!!」
「ガートルード!!どう言う事よ!!何で!!」
「私はガートルード…第八部隊隊長…
ガートルード・レインズワース…」
「!?レインズ…ワース!?」
ガートルードは再びナイフを構えると
今度は私達の方へ向かってきた!
「コマリ様!!!下がって!!!」
ヴィルもナイフで応戦する。
だが…
ガートルードは靴の底に仕込ませていたナイフを展開し,それでヴィルを切りつけた。
「ぐっ!!??」
「ヴィル!!!」
ヴィルの腹から血が出る。
「ケーケッケッケッケ!!!!!!残念だったな!ネリア!!!」
不快な笑い声と共に現れたのはレインズワースとドラパルトだった…
「レインズワース…どう言う事よ!!」
「こいつはな…俺の妹なんだ。ずっとお前のことを見張っていた…
お前達の動きを逐一俺に報告してたのもこいつだ。」
ガートルードが…スパイだったって事…
「嘘よ…嘘よ!!!貴方は私の味方のはずよ!!!!ねぇ!!ガートルード!!!!」
ネリアがガートルードに必死に叫ぶ…
「はい。私はネリア様の味方です。」
「違うだろう?ガートルード…」
レインズワースがガートルードの肩に手を乗せる。
すると…ガートルードはハッとしたような表情をする。
「!!!間違えました。私はネリア様の味方ですが…
今は敵です。」
「ガートルード…何で…」
ガートルードは続ける。
「ずっとお側で見て思いました…周囲の人々から陰口を叩かれ…どれだけ努力しても報われずやるせなさに身を振るわせるだけの毎日…こんな日々が続けば…ネリア様は壊れてしまいます。だから、ネリア様は無理な野望は捨てて平穏無事に暮らすべきなのです。」
「マッドハルト大統領は世界平和を目指しておられる。お前の野望と何も違いはない…」
レインズワースが不敵な笑みを浮かべる。
「違う!!私はもっと別の方法で!!…そうよ。人が人のために行動すれば世界は平和になるって先生も言ってたのよ…」
レインズワースがネリアに近づき…
彼女の顎に手を添える…
「難しく考えることはない…全ての苦痛から解放されるんだ…無体な夢など捨て去って…俺の物になってしまえ…」
ネリアにそう囁くレインズワース…
「(品性のかけらもない下品な口説き方だ…俺が女だったら吐き気を催すな…)」
腰に装備したリボルバー式拳銃をいじりながらレインズワースに軽蔑の視線で見つめるドラパルト…
「さぁ…ネリア…早く俺の物に…」
ネリアは段々と呼吸が早くなり…追い詰められていく…
だが、
「がっ!!??」
ガブリアスがレインズワースの首をその剛腕で締めていたのだ。
「お前ごときが…お前達ごときがネリアを語るな。」
筋肉の筋が軍服の下からでもわかるほどの凄まじい力でレインズワースを締める。
「あの子は…俺が軍を去った後も必死に1人で戦ってきた…必死に頑張ってきた。それを否定するな!!!」
「が…!?あ…が…!?ご…が…」
窒息寸前になるレインズワース。
顔は真っ赤になり…口からは唾液が流れ出る。
だが、それと同時にガブリアスの肩からの出血も酷くなる。
ガートルードに深く刺されたせいだ。
「お兄様!!!」
ガートルードが拳銃を再び取り出し.ガブリアスに向けて発砲する。
ガブリアスはすんでのところで右腕をヒレに変えて銃弾を防ぐ。
だが、そのせいでレインズワースを離してしまった。
「今度は防がれましたか…」
レインズワースは咳き込みながらガブリアスを睨みつける。
「お前らごときがネリアを語るなって言ったか?
戦争から逃げて…マッドハルト大統領から逃げて…ネリアを見捨てたお前に言われたくねぇんだよ!!!!!死に損ないの愚者竜がああああ!!!」
レインズワースはガブリアスを罵倒する。
「だが…俺は優しいからな…ガブリアス…お前もネリアと同じ…俺の物にしてやる。
一生戦場を彷徨うだけの殺戮兵器としてな!!!!ドラクマの時みたいに国を滅ぼしてたくさん殺せ!!!!」
「!!??」
その言葉を聞いてガブリアスの体が揺らぐ…
彼の心の傷を抉り出すような言葉を浴びせるレインズワース…
「ち…違う。俺は殺戮兵器なんかじゃ…」
「違わねぇよ!!お前は殺すことに秀でたポケモン人だ…戦争からお前は逃げたつもりだけどな…
戦争はお前を一生逃さない。一生だ!!!!」
「!!??」
ガブリアスは力無くその場に崩れ去る。
「俺は…俺はただ…」
「まだ言うか…ならばとっておきの事を教えてやろう…これは大統領や前国王のみしか知らなかった事だが…この前偶然知ったのだ…」
レインズワースは再びネリアに視線を移す。
「ネリア…お前の母親を殺したのは誰だと思う?」
「え…」
そして…ガブリアスに目を向けるレインズワース…
そしてニヤリと笑う。
「先代のガブリアス…つまり…
こいつの父親がネリアの母親を戦場で殺したんだ!!!!」
「なっ!?」
「え…嘘よ…嘘よそんなの!!!だってお母さんは戦場で白極連邦の将軍が違法に持ち込んだ神具で殺されたって…」
「それは前国王がでっち上げた嘘だ!お前やガブリアスを傷つけない為の配慮だったらしいがな。真実はな。何らかの理由で何度も戦争を仕掛けていたお前の母親を疎ましく思った白極連邦の政府が確実に殺すためにガブリアスの父親を引き入れて魔核の治癒を無効化する竜エネルギーで殺したんだよ!!!!」
それを聞いたネリアとガブリアスは地の底まで打ちのめされたような感覚に襲われる…
「俺の…俺の親父が…ネリアの母親を…」
「そんな…そんなのって…」
ガブリアスとネリアは打ちのめされ…絶望する。
「全く…悪趣味が過ぎるな…」
小声でレインズワースに悪態をつくドラパルト
「なぁ。ネリア…ガブリアスいい加減認めて楽になれ。それがお前達の運命なんだ…あきらめて俺に身を委ねろ…そうすれば…」
「ふざけるな!!!!お前なんかがネリアとガブさんを語るな!!!」
私は思わず叫んだ。
叫ばずにはいられなかった。
「あ?」
「ネリアの夢は終わってなんかいない!!!!ガブさんだって!平和に暮らす権利はある!!!お前らみたいな奴に2人の運命を勝手に決められて台無しにされてたまるかってんだ!!!馬鹿野郎!!!!」
私はレインズワースに対して遠慮なく言いたいことを全て言った。
「フフ。中々いいことを言うじゃないか…」
ドラパルトが小声で笑う。
レインズワースは怒りながら立ち上がる。
「貴様ぁ…面白いことを言ってくれるなぁ…
誰が馬鹿だってぇ!!??あぁ!?」
レインズワースは激昂し、叫ぶ。
「お前が馬鹿だって言ってるんだよ!!!!お母さんも言っていた!!他人を道具としか見れない連中に未来はないってな!!」
「笑わせるな!!強いものこそが弱いものを道具にして何が悪い!!!」
私はレインズワースに対する怒りがさらに増大する。
「人の痛みがわからないやつに…人の傷を抉るようなお前なんかに…国を背負う資格なんかない!!!!
ネリアこそが大統領に相応しい!!!!」
夢想楽園に私の声が響き渡る。
「コマリちゃん…」
「コマリ…」
「ごめん。2人とも…2人のお母さんとお父さんの事で打ちのめされる気持ちは痛いほどわかるよ…
だけどあんな奴の手の上なんかで踊らされちゃダメだ。それこそ2人のお母さんもお父さんも多分望んでないよ。」
ドラパルトはレインズワースに目を向ける。
「だそうですよ?レインズワース様…どうされるのですか?」
レインズワースは憎悪の感情を剥き出しにした目で私を睨む。
「お前…死にたいらしいな…」
レインズワースは壁へと向かっていく。
其処には所々に氷がついた巨大な扉があった。
レインズワースはその扉のレバーに手をかける。
「ならば望み通り死ね。氷の死刑台でな!!!!」
そして…レバーを下に引いた。
巨大な扉がゆっくりと開き…
「さぁ…出てこい!!
セグレイブ!!!」
凍てつく冷気と共に巨大な背鰭と尻尾を持ち…
鋭い牙と顎を持った大柄なドラゴンタイプのポケモン人が姿を現した。
「グルルル…」
「さぁ腹が減ったろう?食事の時間だ…満腹になるまで食い尽くせ!!!」
レインズワースが鋼鉄製の鞭を地面に叩きつける。
「グオォォォォ!!!!!!」
それに伴いセグレイブと呼ばれたポケモン人が襲いかかってきた!!
続く
いかがでしたか?
第3章は多分後3〜4話で終わりにできればなーと考えております!
では、また!!