今回ちょっと長くなりすぎました!!
結構やりたい描写とかあったのでそれのせいでして
では、どうぞ!!
朝
「おはようございます。コマリ様」
テラコマリはヴィルヘイズの挨拶と共に目を覚ます。
「ヴィル…おはよう〜……っておまっ!?」
テラコマリはヴィルヘイズを見るとすぐに目が冴えた。
ヴィルヘイズは裸の上からエプロンをつけた所謂裸エプロンの姿をしていたのである。
「なんだよ!?その格好!!よくそんな格好ができるな!?お前には羞恥心って言うものがないのか!?」
「ありません!!!!」
「言い切るなよ!!反応に困るだろ!!」
あいもかわらず変態的な行動をするヴィルヘイズにため息をつくテラコマリ
「そんな事よりコマリ様本日ですが…」
「なーんにも聞こえなーい。私はマネキンでーす。」
テラコマリは耳を塞いで現実逃避をする。が…
「もうちょっとボキャブラリーを増やした方がよろしいかと…本当によろしいのですか??本日はコマリ様の騎獣を見繕う日ですよ。」
すると騎獣と言うワードに反応したテラコマリはすぐに食いついた。
「えっ!!!騎獣ってあの騎獣!!!!」
「はい。今から万が一の護衛のためにマスカーニャ殿にも不本意ですが、来ていただいて厩舎に向かいましょう。」
「わーーい!!早速準備するぞーー!!」
テラコマリは自ら服を脱いで着替えを始めた。
模擬戦場
マスカーニャは軍に配属されてから初めて模擬戦に参加した。
魔核のおかげで強力な魔法を使っても建造物さえ破壊しなければ問題はなかった。
「YO!!模擬戦とは言え全員爆殺YEAH!!」
メラコンシーは容赦なく爆破魔法で他の隊員たちを吹き飛ばす。
「相変わらず容赦ねぇな…」
魔法が使えないマスカーニャは巻き込まれないようにしながら立ち回り、飛びかかってくる相手を警察の頃に習った格闘術でいなしていく。
更に中距離にいる相手は蔦の鞭で攻撃し、遠距離にいる相手には葉を鋭い投げナイフに変えて攻撃する。
「いやぁ!!マスカーニャさん!あんた本当にすげぇな!!」
「今まで周りにいなかったからわからなかったけど…ポケモン人って魔法使えないのに強いんだなぁ!!」
「お…おぉ。そんな事…いやあるかなぁ??ニャハハハ…」
最近少しだけ部隊に馴染めてきた(幹部はいまだに苦手)マスカーニャは褒められて素直に照れてしまう。
今日は彼はすごく気分もいい。
しかし…そんな気まぐれなマスカーニャの機嫌の良さも通信用鉱石から流れてきた声で崩れ去ることになった。
「マスカーニャだ。」
『おはようございます。マスカーニャ殿。本日はコマリ様の騎獣を見繕う日でございます。私1人でも充分ですが、アルマン様の指示で貴方もご同行をお願いします。』
「OK。何時から?」
「今からです。」
「は?」
「今から行くのですぐにガンデスブラッド邸にきてください。」
マスカーニャは一気に不機嫌になり、イライラし始める。
「あのぉ…俺、今模擬戦場なんすけど…ガンデスブラッド邸から結構離れてるんすけど…」
「気合いで何とかしてください。ファイトです。では、お待ちしております。」
ヴィルヘイズはそれだけ言い残すと通信を切る。
マスカーニャはイライラで通信用鉱石を握り潰しそうになる。
「・・・・・・
キシャアアアアアアア!!!!!!」
猫の魔物の如き声を出して猛スピードで模擬戦場を後にした。
「おおおお!!!なんてスピードだ!!」
「流石ネコ科だ!!!!」
騎獣厩舎
テラコマリは現在ヴィルヘイズとものすごい汗をかき、息を荒げて悪魔のような顔つきでヴィルヘイズを睨んでるマスカーニャと共にムルナイト帝国の牧場地帯にある騎獣厩舎に来ていた。
騎獣とは将軍が持つ長距離移動用の動物の事である。
厩舎から眼鏡をかけた壮年の男性が出てくる。
「これは!これは!テ…ガンデスブラッド様!ようこそ騎獣の厩舎へ!私は管理人を務めさせていただいているトモーリモと申します。そちらのお二人はヴィルヘイズ様と……マスカーニャ様でよろしかったですか?マスカーニャ様…大丈夫ですか?」
「気にしないでください。彼も騎獣に興奮しているだけなので」
「オマエェェェ…イツカマツダイマデタタラレルゾォォ……」
呪いの言葉を並べるマスカーニャに対しヴィルヘイズは全くの無表情だった。
「あははは…で…では中にご案内いたします!」
テラコマリ達は案内に従い、厩舎へと入っていく。
「おぉぉぉ!!!いるいる!騎獣だ!!前から騎獣には憧れたんだぁ!!」
「ゆっくりじっくり選んでください。奥の左側からぜひご覧ください!」
「わーーーい!!!」
「(奥の左側がおすすめって事か?)」
テラコマリはトモーリモに言われた通り奥の左側へ進む。
様々な騎獣をキラキラした目で見ながら歩いていく。
「あいつって…意外と動物好き??」
「はい。小さい頃から動物園に行くのもお好きだったので。」
「何で小さい頃のブラッドを知ってんねん。」
「コマリ様の小さい頃の写真は200枚ほど持ってます。愛している人の幼少期を知っているのは当然でしょう。」
「あっそ…(こいつもカオステルと同類だな…)」
マスカーニャは改めてヴィルヘイズの変態っぷりに引いた。
「そういえばマスカーニャ殿は今日はコマリ様と会話どころかあまり目も合わせようとしていませんね。なぜですか?」
「そ…それは…き…気分だよ。」
マスカーニャは昨日のゲンガーから聞いたテラコマリに関する事を思い出し、彼女にどう接していいかわからなくなっていた。
「・・・何かあったのですか?」
「いや…別に。」
マスカーニャはヴィルヘイズにも背を向ける。
一方テラコマリは色々な騎獣に目移りしていた。
「(色んな騎獣がいるなぁ。迷っちゃう、どれにしようかなー?)」
するとテラコマリの他に来ていた同い年ぐらいの貴族の娘と付き人がすれ違う。
「あーあ…あの龍すっごく良かったのに〜。」
「仕方ありませんわ。お嬢様にはもっとお似合いの騎獣を見繕います。」
「そんなにいい龍がいるんだ…」
左側の奥まで進んだテラコマリはその龍と対面した。
赤い瞳と紅い鬣…頑強そうな鱗に覆われた馬の姿をした龍だった。
「(すごい…これは綺麗な龍だ…) おいで…」
テラコマリは龍に手を伸ばす。
「あっ!いけません!ガンデスブラッド様!そいつは!」
トモーリモが声を上げるが、すでに遅く…
「おぉ!!よーしよし!」
龍はコマリに撫でられて気持ちよさそうにしてじゃれている。
「すみません。あの龍は一体?」
「あれは夭仙郷産の紅龍で数ある騎獣の中でも最高級品なのですが…その…小児性愛…それも幼女趣味でして…幼女にしか心を開かないんですよ…後、美人にも目がないですね…因みに私以外の男には全くの無関心です。」
「なるほど。納得です。」
「(なぜブラッドの周りは変なのばっかり発生するんだ…あれ?でも、あの龍なんでさっきの娘には無関心だったんだ??幼女好きの筈だろ?それにあんなに止めたなら何でこのおっさん左側の奥から進めたんだよ…)」
マスカーニャはトモーリモの不可解な行動に疑問を抱く。
「よし!決めた!こいつをパートナーにするぞ!!」
あの後トモーリモは仕方ないと言っていたが、不可解なほどアッサリと紅龍をテラコマリのパートナーにするための準備を行なった。
「やっぱり私には動物に好かれるオーラが漂っているのかなぁ?エヘヘへ。」
「いや、ただ単にそいつが幼女好きだったからだろー」
「ムゥーー!!!! ガブ!!!!」
「!!?? イテェェェ!!!???」
テラコマリはマスカーニャの手に思いっきり噛みついた。
吸血鬼特有の牙が皮膚に食い込む。
「こいつ噛みやがった!!??いってぇ!!」
「コマリ様が汚ったない貴方の手を噛んであげたのです。感謝なさい。(羨ましすぎる!!!この卑しい化け猫め!!!)」
「あのさ…何で噛まれたの俺なのに罵られないといけないのよ…後そんな恨めしそうな目で俺を見るな。」
歯形がついた手を摩るマスカーニャ。いつも通りテラコマリに対して意地の悪いことを言うが、それ以降は何も話せなかった…
そんなマスカーニャを他所にテラコマリは騎獣となった紅龍に跨る。
「さぁ!!行くぞ!!ブーケファロス!!一緒に風になろうじゃないか!!!」
テラコマリの掛け声と共にブーケファロスと名付けられた紅龍はすごいスピードで大地を蹴り、そのまま空へと消えていった。
「ほぉぉ…行ってしまわれましたね。」
「・・行ってしまったな…」
「方角的に模擬戦場に向かっていますね。では、マスカーニャ殿。私は先に向かいますので」
ヴィルヘイズはポケットから転移魔法用の鉱石を取り出すとすぐに転移してしまった。
「へいへい………えっ?模擬戦場?」
騎獣厩舎から模擬戦場はガンデスブラッド邸から模擬戦場よりも遥かに距離がある…
マスカーニャは転移魔法は使えないし鉱石も持っていない…
つまり…
「チクショォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!」
また、地獄のマラソンが始まった。
模擬戦場では変わらず第七部隊の隊員達が激しい訓練をしていた。
爆発が連続する中ヨハンは好物の骨付き肉を食べながらイラついていた。
「(くっそぉ…テラコマリの野郎…僕に大恥をかかせやがって…あの猫野郎も絶対にゆるさねぇ!!復讐してやる!!!)」
怒りを抑えきれず骨も噛み砕く。
すると空から何かが来るのが見えた。
「うわぁぁぁ!!!!!どいて!どいて!どいてぇぇ!!!」
「はっ!?」
それは高速で移動する騎獣に跨るテラコマリだった。
「ヤベッ!!??ぐぇあ!!??』
ヨハンはかわそうと身体を動かすが、食後のためかわしきれずそのまま吹き飛ばされてしまった。
「止まってぇぇぇぇぇぇ!!!!お願いだからぁぁぁ!!!」
ブーケファロスはテラコマリの指示に従い、蹄を地面に食い込ませ、停止するが…
勢いを抑えきれずテラコマリはそのままブーケファロスから投げ出されてしまう。
「きゃあああああああああ!!!!!」
テラコマリは地面にそのまま激突しそうになるが、すんでのところで誰かにキャッチされて事なきを得た。
「あ…あれ?落ちてない…」
「まぁ。コマリ様ったら、ダイナミックな飛び降りはおよしくださいと日頃から申しておりますのに…」
テラコマリを受け止めたのはヴィルヘイズだった。
「ヴィルゥゥ…れ…れいはいわんぞ。」
「舌が回っていませんよ?」
「う…うるさい。はやくわたしをおろせ!」
「そう言わずにもう少し。」
「おい。」
騒ぎを聞きつけた隊員達か集まり始める。皆、あのスピードで騎獣を操るなんて度胸ハンパねぇや流石閣下だ!等あいもかわらずテラコマリを崇拝している。
テラコマリは顔色を悪くしながらヴィルヘイズに地面へと降ろしてもらう。
「これはこれは!閣下ではありませんか!ご機嫌麗しゅうございます。」
カオステルがテラコマリに声をかける。
「おぉ。カオステルか!ち…調子はどうだね?」
テラコマリは少しでも覇気を見せるために胸を張る。
「おかげさまで!本日もコマリ隊の隊員は訓練に明け暮れております。是非閣下にもご参加していただきたいものです。」
「はははは。何を言う!私が参加したら全員吹き飛ばされてしまうぞ!」
テラコマリは高笑いを作って将軍らしく振る舞おうとする。
すると…そこへ今にも死にそうな顔をしているマスカーニャが現れた。
「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…やっと…やっと着いたぞぉ…」
「マスカーニャ殿!しばし姿をお見かけしないと思ったら!騎獣の厩舎からここまで往復のマラソンをされていたのですね!」
マスカーニャさん流石だぜ!男の中の男!と隊員達はマスカーニャも褒めちぎる。
「悪りぃ…ちょっとそこのベンチで寝かせてくれぇ…これ以上は死ぬ…」
マスカーニャはベンチに横になり、グロッキー状態になってしまった。
「はっはっはっ!全く軟弱な奴だ!(マスカーニャマジでごめんね!)…そういえばヨハンの姿が見えないが…」
「あの愚か者は閣下に戦いを挑む前に吹き飛ばされました。」
ベリウスが顔を向ける方を見ると地面に上半身が埋まってしまったヨハンの姿があった。
「えっ!?これって大丈夫なの?」
「コマリ様…心配する必要は全くありません。この愚か者はコマリ様が操る騎獣に轢き殺されただけです。」
閣下万歳!粛清万歳!裏切り者には天罰を!と隊員達はヨハンに慈悲の言葉もなくテラコマリを讃える。
すると…ヨハンは目が覚めたのか地面から上半身を抜く。
「クソッタレがよぉ…よくもやりやがったなぁ…てめぇ…」
鬼の形相でテラコマリを睨みつける。
そして…隊員服から手袋を取り出すとテラコマリの顔にぶつける。
「きゃん!!」
「テラコマリ・ガンデスブラッド!!!僕はお前に決闘を申し込む!!!」
ヨハンはテラコマリを指差す。
マスカーニャは話を全く聞いておらず、ただグロッキー状態になっているだけ…
ヴィルヘイズは舌打ちをする。
「2日後!!!ムルナイト闘技場で待ってるからな!!覚悟しろ!!!」
テラコマリは一気に頭の中が真っ白になる。
「マジで…?」
2日後 ムルナイト闘技場
ついにその日はやってきた
隊員達は観戦している中テラコマリはただそこに立ち尽くしている。
「(とうとうこの日が来ちゃったよぉ…ど…どうしよう。)」
テラコマリの心の中は焦りと緊張と恐怖でいっぱいでありどうすればいいのかわからない。
『コマリ様。聞こえますか?』
すると右耳につけたイヤホン型通信用鉱石からヴィルヘイズの声が聞こえてくる。
「聞こえてる…どうしよう…帰りたいよぉ。」
『ご安心ください。私が絶対にコマリ様が死なないようにサポートいたします。それに闘技場にはいざというときのためにマスカーニャ殿も控えていますから』
「あいつは今どこにいるんだ?」
『お前から見て左側』
左耳につけた通信用鉱石が光ってマスカーニャの声が聞こえてきた。
『どうも。軟弱者です。』
「うぅ…ごめんって…」
マスカーニャはあの時僅かに意識があった為テラコマリに言われた事を覚えていた。
『まぁ…サポートすっから。よろしく。』
「・・・・なぁ、マスカーニャ…一昨日辺りから何か私の事を避けてないか?気のせい?噛んだから?」
『気分だから気にすんな。それよりほら、始まるぞ』
ヨハン側の扉が開く。
そこからヨハンが出てきたのだが…
「テ…テラコマリィ…きょ…今日こそ…はぁ…お前を…」
様子がおかしかった。顔色が真っ青でフラフラしてそのまま倒れ込んでしまう。
「お…おい!どうしたんだ!?」
『彼の食事に毒を盛りました。』
「お前の仕業かよ!?」
『ご安心ください。2日後から自然回復する毒なので。』
『お前…デスゲームとかでは絶対に敵に回したくないタイプだな…』
ヴィルヘイズ曰くヨハンの好物である骨付き肉に毒を仕込んだと言う。
「何動揺してんだよ…閣下殿ぉ…燃やして燃やして燃やし尽くしテェ…ビョウインオクリニシテヤルゼェ…」
「お前こそ病院行った方がいいよ!?決闘は中止だ!!!誰かヨハンを病院に…」
「んだとゴラァ!?なめてんじゃ…オエエエエ!!!!」
『吐いたーーーー!!!!!』
テラコマリの目の前で嘔吐してしまったヨハン
「いやあああああ!!!ヴィルどうすんだよこれ!?小さい子には見せられない恐怖映像さながらだよぉ!!!」
ヨハンは降参する様子はなくゾンビのようにテラコマリに迫ってきている。
『では、コマリ様。魔法をお使いください』
「そんなの使えたら今頃苦労しないよぉ!」
『いえ、使うフリだけでいいんです。私が合図をしたら指をパチンと鳴らしてください。』
「わ…わかったよ!」
ヴィルヘイズに言われて指を構える。
『3.2.1…今です!』
テラコマリは合図と共に指を鳴らした。
それと同時にヨハンが立っていた地面がなくなり…穴ができた。
「ゔぇああああああああああ!!??」
ヨハンはその中に落ちていった。
『落とし穴です。闘技場には計151箇所に落とし穴が仕組まれていますのでコマリ様は決して身動きを取られないよう』
『これ…俺の出番あるかぁ?』
客席からはおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!と言う声が響く。
「あれは上級魔法の王国崩し。素晴らしいですね。」
「しかし…魔力の流れが感じられなかった…」
「つまり閣下は魔力隠蔽の魔法も使えると言う事です。」
「!!なるほど!上級魔法!漆羽衣か!」
カオステルとベリウスは見事に勘違いをしてテラコマリを讃える。
テラコマリはヨハンが落とし穴に落ちた事により勝利を確信する。
「(こ…これで私の勝ちかな?)」
だが、ヨハンは落とし穴から這い上がってきた。
「これが魔法だと…ふざ…けんじゃねぇぞぉ…テラコマリィ…」
ヨハンは毒と落下によるダメージでもはやフラフラで恐らく立っているのすらやっとであろう。
だが、彼は降参する様子はなくまだ臨戦態勢だ。
『あいつ…まだやる気か…』
『では、コマリ様次は…』
ヴィルヘイズとマスカーニャは今度こそヨハンに確実に止めをさせるように準備をするが…
「・・・・・」
テラコマリは手を挙げて2人を止める。
「ヨハン…悪いが、決闘はもう終わりだ。」
「は?何言って…」
テラコマリは転移用鉱石を取り出してヨハンに投げた。
「転移用鉱石?…待てよ…僕はまだ!!」
すると光と共にヨハンは何処かへ転移した。
『コマリ様?』
『ヨハンをどこに?』
「病院に転移させただけだ。これでいい。あいつはもう戦闘不能だった。」
テラコマリは片腕を上げる。
「謀反人!!!!成敗!!!!!」
観客席から再びおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!と声が上がり、コマリ!コマリ!コマリ!コマリ!と繰り返しエールが聞こえてくる。
「コマリ様…」
「・・・ブラッド…」
2人はただ苦笑いをしながら観客席に手を振っているテラコマリを見つめるしかできなかった。
ガンデスブラッド邸 大浴場
テラコマリは今日の決闘で出た疲れを入浴で癒していた。
「ふぅ〜〜。今日は一段と疲れたなぁ。ただ、私1人だけだったらヨハンに殺されてたかもだし…あいつらにもお礼を言っとかないとなぁ…」
「できれば言葉ではなく態度で示してほしいので早速抱きしめてもいいですか?」
天井を見上げていたテラコマリの視界に突然ヴィルヘイズが現れた。
「うわぁぁぁぁぁ!!??」
「さぁコマリ様〜。私と湯浴みをするお覚悟を〜」
「やめろ〜!!そんなところを揉むな〜!!」
ヴィルヘイズはテラコマリに抱きつくとお腹を揉んでくる。
すると…テラコマリはヴィルヘイズの両手の平が赤くなってしまっているのに気がついた。
「って!お前!怪我をしてるじゃないか!!」
しかしヴィルヘイズは手のひらを隠す。
「豆ができただけです。明日には魔核で元通りです。」
テラコマリはヴィルヘイズを真剣な目で見る。
「怪我の経緯を話せ。」
「・・・話したくありません…」
「じゃあ命令だ。話したまえ。」
テラコマリの命令でヴィルヘイズは仕方なく話し始める。
「151箇所の落とし穴…あれは全てスコップで掘りました。」
「えっ?あれ手作業だったの!?」
「私は猛毒魔法しか使えませんので…」
「だったらマスカーニャにも手伝ってもらえば…」
「それが嫌だったのです。」
ヴィルヘイズは少し強めの口調で話す。
「マスカーニャ殿はヨハン・ヘルダースがコマリ様に飛びかかった際真っ先に反応してコマリ様をお守りしました。私は何もできませんでした…ですから…少しでもコマリ様のお役に立ちたく…それでこんな見窄らしい傷を…」
だが、テラコマリはヴィルヘイズの手を取る。
「何を言ってるんだ。お前は十分私のために働いてくれている。毎朝起こしてくれたりスケジュールを管理してくれたり美味しいご飯を作ってくれたりそれに今回だってお前がいなければ私はヨハンに殺されていたかもしれない!」
「コマリ様…」
「お前の傷はみすぼらしくなんかない。私のために負った勇敢な傷だ。だから、そんな事は言わないで。もっと誇らしげにしろ。」
ヴィルヘイズはその言葉に頬が赤くなってしまう。
「コマリ様…わかりました。」
「えっ?わかったの??」
「コマリ様が私のことを大好きだと言う事がよくわかりました!!」
「あははは…はぁ」
テラコマリはため息をつく。
「でもさぁ。なんでヴィルは私にそんなに執着するんだ?ちょっときもいぞ?」
「コマリ様が一億年に一度の美少女だからです。」
「それは知ってるけども…他に理由があるだろ?」
するとヴィルヘイズは顔を下に向ける。
「私は…罪を犯したのです…一生かけても償いきれない罪を…」
「罪?(私にセクハラしてくる事か?)」
ヴィルヘイズはテラコマリを見つめる。
「(コマリ様…あなたがあの時と同じままで良かった…優しい心を持ったままで本当に…)」
マスカーニャは自宅でホットミルクを飲みながら考えていた。
「(今回もブラッドはヨハンを殺さなかった…最初は正直気に食わなかった…だけど…あいつの話を聞いて…あいつと一緒に過ごして…
何でだろうか…悪い気が全然しない…)」
マスカーニャはよくわからないままホットミルクを飲み切ると寝室へと入っていった。
帝都 中層街
テラコマリに2度も慈悲をかけられてプライドを傷つけられたヨハンは飲んだくれていた。
恐らく反逆罪でまもなく処分が下されるであろう。
「畜生…テラコマリの野郎…」
すると…
「テラコマリが憎いのね…ムルナイト帝国軍の第七部隊ヨハン・ヘルダース中尉…」
隣の席に座っていた黒いローブを身につけて黒い仮面をつけた少女に話しかけられた。
「あぁ?誰だお前?何で僕のことを?」
「そんな事はいいじゃない?それよりも貴方…テラコマリに復讐したいんでしょう?
私達と手を組まない?」
少女は悪魔の声をヨハンに聞かせた…
続く
いかがでしたか??
次回からいよいよ逆さ月が本格的に動き出します!
では、また!!