今回もほぼ会話ですね。
では、どうぞ!!
「そういえばコマリ。六戦姫って括りは知ってる?」
「六戦姫?」
プリンを食べていたらふとネリアにそう聞かれた。
「ええ。どこかの新聞社が言い出したみたいなの。端的に言うと『最近活躍が目覚ましい六人の美少女たち』のことらしいわ。まぁ本当の意味は『各国の次期国家元首最有力候補者』ね。」
「そんな括りが作られてたんだ…」
でも…六人の美少女か…なんか恥ずかしいな…
「因みにコマリも入ってるわよ?ムルナイトの代表として」
「えっ!?マジで!?」
六人の美少女か…
まぁ確かに私は一億年に一度の美少女だけども面と向かって公表されると恥ずかしい…
「因みに六戦姫はこの会場に全員来てるわ。例えば…
ほら!あそこ!ラペリコの連中がいるわ。六戦姫は『リオーナ・フラット』よ。」
ネリアの視線の先を見るとそこには獣人の一団がいた。
カピバラだ…カピバラの群れがいる。
そしてその中央には猫耳と尻尾を生やした少女。
歳は私よりも上っぽい
快活な笑みを浮かべながらローストビーフを食べている。
彼女が六戦姫のリオーナ・フラットだ。
「なぁ。ネリア…獣人の女の子って何で動物の耳と尻尾が生えただけなんだ?」
「さぁ…生命の神秘ね。」
「いや、一説によると獣人の男性は女性への好感度に関する感性は他種族の人間の男性と全く同じらしいから繁殖などを有利に進める為に獣人種の女性は容姿が端麗なほぼ人型の姿で生まれてくるらしい。」
「わぁ!?ビックリした!!!」
「マスカーニャも久しぶりね!元気だったかしら?」
「ああ。俺は今すごく元気だ。お前たちのおかげで…」
急にヌッと現れて獣人の説明をしたマスカーニャに驚いた。
「ブラッド…あのお方がリオーナ・フラット殿下か?」
「う…うん。そうみたい。」
マスカーニャの奴…リオーナに何か因縁が…
あっ。違うや。 リオーナは私たちよりも歳上っぽい。
「ネリア。リオーナの歳って。」
「私たちよりも上よ?確か…今年で19歳だったわ。」
って事は…
「ああ…なんて美しい人なんだ…リオーナさん…俺のハートは彼女に奪われた!!マジシャンポケモンなのに!!」
「……フレーテはいいの?」
「それとこれとは話が別だ…俺は今リオーナさんに夢中なんだ!!」
「ヘーソーナンダネー」
始まってしまった…マスカーニャの歳上のお姉さん大好きモードが…
「コマリ…マスカーニャって…」
「うん。超がつくほどの歳上好き。」
って言ってる側からマスカーニャがいない!?
ゲッ!?もうリオーナの近くにいる。
「リオーナ・フラットさんですか?」
「ん?そうだけど…君は誰?ポケモン人だよね?」
リオーナにキザな感じを出しながら話しかけるマスカーニャ
「はじめまして。私はムルナイト帝国警視庁総合課所属のマスカーニャと申します。是非貴方とお話を思いまして?あちらに豚の角煮がありましたのでそれを召し上がりながらでも…」
「えっ!!豚の角煮があるの!?食べる食べる!」
リオーナは耳と尻尾をピョコピョコと動かして喜ぶ。
ちょっと可愛いと思ってしまう。
あれ?ナンパにもしかして成功してる?あいつちょっとレベル上がった?
「貴様!!!ムルナイトのポケモン人の分際でリオーナ様に気安く話しかけるな!」
「あっちにいけ!シッシッ!!」
だけどカピバラ達に見事に妨害されている。
「申し訳ありませんが、リオーナ様は向こうで私と食事をしたいと言っております。なので…」
「うるさぁい!!このブロッコリーキャットめ!!!」
「大体天照楽土も無礼だ!!何故バナナがないんだ!!!」
「バナナぐらい我慢してよ!ローストビーフとかはあるんだからさ!」
騒ぎ出し、暴れ始めるカピバラ達…
ブロッコリーキャットと言われたマスカーニャはとうとうナンパを妨害された事とこれまで罵倒され続けた鬱憤もあり…
「だああああああ!!!!うるせぇーな!!!!!この化けネズミども!!!!!串焼きにして食ってやる!!!!!」
カピバラ達と喧嘩を始めた…
土埃が舞い…ボコボコボコと効果音が聞こえてくる…
「もう〜〜!!やめてよ〜〜!!!だから今のラペリコはギャグ時空の国とか言われるんだよ〜〜〜!!!!!」
リオーナが何とか仲裁に入ろうとする。
後でマスカーニャも叱っとかなきゃ…
「何か大変そうだなぁ…リオーナ。」
「結局はコマリ様に毎度返り討ちにされる脳筋国家ですからね。」
「獣人は本能のままに動く野獣みたいなやつが多いからね。でもリオーナはその中でも別よ。理性があるし普通に強いわ。多分ムルナイトの七紅天が2人がかりでも倒せないんじゃないかしら?」
「えっ?めっちゃ強くない?じゃあなんでラペリコは発言権が弱いの?」
「多分ニワトリ一族のせいね。昔はオオカミ一族が国の中枢を担っていたみたいだけどニワトリ一族がクーデターを起こして今のラペリコ王国になったらしいから。」
「オオカミ一族?」
「ええ。オオカミ一族が支配していた頃のラペリコ王国は百獣の国と謳われ…他国からかなり恐れられていたらしいわ。一時はムルナイトに次ぐ覇権国家だって言われてたらしいし。」
一時はそんなすごい国だとは思わなかった。
オオカミ一族…確かベリウスもオオカミの獣人だった筈。
やっぱり関係あるのかな?
「コマリ…あっちを見なさい。あれは白極連邦と夭仙郷の連中よ。」
「ん?」
次にネリアの視線の先を見るとオリエンタルな衣装が特徴的な神仙種の一団と白髪で色白な蒼玉種の一団が話をしている。
南方のユートピア…夭仙郷と北方の軍事国家…白極連邦だ。
長身の若い男の蒼玉種が多分六戦姫の1人である小柄な神仙種の少女に話しかけている。
「あの蒼玉種の男が白極連邦の書記長イグナート・クローンね。」
「書記長?」
「簡単に言えば国王とか皇帝とか大統領とおなじ国の君主の括りの一つよ。白極連邦は共産主義だからその代表が書記長と呼ばれるの。」
「色々な形の国があるんだな…」
「なかなか面白いわよね?そして、話しかけられているのが六戦姫の1人…『アイラン・リンズ』よ。」
「やっぱり…強いの?」
「噂だと見ただけで心臓を爆発させる能力があるとか」
「ネリア…逃げる準備をしよう。」
「大丈夫よ!あくまで噂だしそれにリンズは生粋の平和主義者よ。」
それを聞いて少し安心した…
驚かせんなよ…
「ちなみに今の君主は世襲らしいから次の夭仙郷の君主の天子はあの子で決定ね。」
「な…なるほど。」
すると…書記長が私に気づいたのかリンズの元を離れてこちらに来ていた。
「これはこれは!ミス・ガンデスブラッド!お初にお目にかかるね!噂通りお美しいな!こんな麗しい方と出会えるなんて俺の運も捨てたものではないな!」
「あ…ありがとう…」
「俺は白極連邦書記長のイグナート・クローンだ!よろしく頼むよ!」
若い男の人に面と向かって綺麗とか美しいって言われるとやっぱり照れる…
しかも書記長…イグナートはかなりの美形だ。
マスカーニャやガブさん…ハッサムにも匹敵する。
現に周りの女性達は書記長を見て顔を赤くしている。
う…ヴィルやサクナの視線が刺さる…
何かネリアの視線も怖いし…
「貴方のお噂は聞いているよ!かのキング・マッドハルトを打ち倒すとは素晴らしいな!うちでもミス・ガンデスブラッドの話題で持ちきりさ!」
「そ…そうか!でも…あれはネリアやガブさん…皆の力があったからこそ成し得た事だ!私1人の力ではない!」
「あははは!謙遜なところも素晴らしい!是非貴方とは仲良くしたい!」
イグナートが私に握手を求める。
「ああ。こちらこそよろしく書記ちょ…」
私がイグナートの握手に応じようとしたが…
突然横からヴィルがペチンとイグナートの手を払った…
私もイグナートも目がテンになる…
「イグナート書記長…汚い手でコマリ様に触らないでください。」
ヴィルがイグナートにそう吐き捨てる…
サクナがうんうんと頷き…(可愛い)
ネリアが「ぷっ」と吹き出す。
「あ〜あ…やっちまったなぁ。」
いつのまにかカピバラ達をボコボコにして帰ってきたマスカーニャが呆れ顔をしている。
その後私の理性は戻ってきた…
「お…お…お前ええええ!!??何やってんだあああああ!?!?」
「コマリ様。このキザ男はかの六国大戦において裏で糸を引いていたと言う黒い噂が絶えません。それにナンパ野郎としても有名です。可愛い女の子を見ると見境なく声をかけるそうで…」
「そういう問題じゃねぇだろおお!!この人は一国の王なんだぞ!?戦争とかになったらどうするんだよ!?すまない!!イグナート書記長!!この馬鹿メイドには後で厳しい罰を与えるから許してやってくれないか!!」
だが、イグナートは私の予想を裏切る反応をした。
「あっはははは!!面白いな!ムルナイト帝国は!なるほどなるほど。」
大笑いをしていたのだ。
「ミス・ガンデスブラッド気にしないでくれ。寧ろこんな美人なメイドちゃんに叩いてもらって光栄だよ。」
「気持ち悪…」
「それは流石に…」
「鳥肌が立ちました…」
ヴィル・ネリア・サクナはゴミを見るような目でイグナートを見つめる。
「それに俺は別に可愛い子ばかりを贔屓してるわけじゃないよ?」
イグナートは隣にいるマスカーニャに近づく。
「な…何か?」
「君みたいな美少年や美青年にも目がないんだ☆」
「ひぃぃぃ…!!??」
顔を青くして猫耳と髪の毛を逆立てるマスカーニャ…
もしかしてイグナートって…
いや想像すると恐ろしいからやめよう…
「それじゃあ俺はこれで失礼するよ。あそこでピアノを弾いている子が我が国が誇る六凍梁プロヘリヤ・ズタズタスキーさ。あの子とも仲良くしてやってくれ。白極連邦の親愛なる彼女だからね。」
イグナートはそう言い残すと今度はラペリコの方へと向かっていった。
彼が言っていた方を見ると蒼玉種の少女がピアノを弾いていた。
「あの人がプロヘリヤ・ズタズタスキーです。フォール防衛戦では一番大打撃を与えましたね…第4部隊のパルシェンさんとヌメルゴンさん…第2部隊のエアームドさんをたったお一人で倒されています。フィアちゃんもあの人にやられてしまいました。」
「めっちゃ強いじゃん…」
「勿論あいつも六戦姫の1人よ。」
おっかねぇ…
だけどピアノの腕はすごい。
めちゃくちゃ綺麗な音色で思わず聞き入ってしまう…
「あ…あの人もフレーテさんやリオーナさんと同じだ…お美しい…」
「確か18歳だったような気がするわ。」
「よし。」
「また面倒くさいことになるからやめなさい!!!」
私はマスカーニャを必死で止めた。
もうこれ以上面倒事はごめんだ。
すると私は会場の端に見覚えがある黒髪の少女を見かけた。
あれは…間違いない。
カルラだ!
忍者の子確か峰永こはるって子だ
真っ赤な顔で何まくし立てる?
あんな所で何やってるんだ?
話しかけてこようと歩もうとすると…
『諸国の皆様。本日はようこそおいでくださいました。』
突然凛とした声が響き渡る。
辺りがしんと静まり返り、ピアノの音も止まる。
いつのまにかステージの上に和装の女性が立っていた。
拡声魔法で話している。
『私は天照楽土の大神。皆様とこうして饗宴をともにすること一日千秋の思いで待ち望んでおりました。今日は平和友好を祈念するパーティです。ゆっくりまったりお楽しみください。』
女性…天照楽土大神は綺麗な黒髪と上質な着物を着ていた。
ただ…何故か顔を…目の部分をお札のようなもので隠している。
何か理由でもあるのかな?
会場の和魂種達は大神に対して大神様万歳!と拍手喝采を轟かせている。
『さて突然ですが、近年の六国は危機にさらされていると言っても過言ではないでしょう。先日のキング・マッドハルトことギャラドスによって引き起こされた六国大戦は氷山の一角に過ぎません。凶悪な民族による無差別事件…海から襲いくる脅威…テロリストによる国家襲撃…生物兵器によるバイオハザードなど…我々は協力してことに対処しなければなりません。」
何だか難しい話が始まってしまった…
私はパスタを食べながら流し聞きしていると…
「テラコマリ。見つけた。」
こはるが私の隣にいてジッーと見つめてくる。
「えっと…確かこはる…だっけ?」
「うん。天照楽土第五部隊鬼道衆の長・峰永こはる。カルラ様が困ってるの。テラコマリに来て欲しい。」
「え?い…いいけど…」
私はこはるに連れられてカルラの元へ行く。
カルラは壁際に立ってオロオロしている…
だが、私の姿を見た途端に「あ」と言って凛とした態度になる。
「ご機嫌よう。ガンデスブラッドさん。六国大戦以来ですね?」
「あ…ああ。カルラも元気そうで…」
カルラはゴホンと咳払いをする。
「まぁまどろっこしい挨拶は抜きにして…
来週から3週間の間…暇ですか?」
「はい?」
「暇ですか?暇ですよね?暇と言ってください!!」
「ちょっと!?何なんだ!?急に!?」
カルラは私に執拗に暇か聞いてくる。
すると大神の声が聞こえてきた。
『この場を持って宣言します。私は大神を辞任し,その後継を決める天照楽土の伝統儀式…天舞祭を開催することを!!!!!』
天舞祭と言う言葉が出てきた途端に会場はわーーーと盛り上がった。
天舞祭ってなんだ?
「おわぁっと!?」
大神の話を聞いていたカピバラの獣人…
だが、その背中に突然誰かがぶつかった。
「いてぇな!気をつけ…ってあれ?」
だが、そこには誰もいない…
「確かに誰かぶつかってきた気がするんだが…」
しかし、カピバラはその方向に違和感を覚えた…
何だか景色が一部不自然に動いているように見えるのだ。
そして…
「えっ!?」
一瞬だけ何者かの姿が見えた。だが、すぐにまた消えてしまう。
カピバラが目を凝らそうとした瞬間である。
「うわぁ!?」
何者かに粉のようなものを顔に浴びせられる。
「くそ!なん…だ…こ…れ…」
粉を浴びた途端カピバラは強い眠気に襲われてそのまま眠ってしまった。
「『ビボボンゾグギ』…しばらく眠っていてね?」
小声で言うと何者かはその場から姿を消す。
続く
いかがでしたか?
本作の書記長はちょっと…両方いけちゃう疑惑があります笑笑
では、また!!