ポケットモンスター 炎の吸血姫の革命   作:テツノカシラ

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どうも! テツノカシラです!


めっちゃ寒い! 自分は介護施設で中管理職をしているのですが、早番もやるので朝めっちゃ寒い!

まぁそれは置いといて


今回はコマリ・ヴィル・マスカーニャの過去を描写しています!

では、どうぞ!


引きこもりと化け猫そしてつみ人の想い

 

 

1週間後

 

 

宮廷では警備が厳重となり大臣達は緊急の会議を開いていた。

 

 

 

 

第七部隊では…

 

 

 

 

「逆さ月を撃滅しましょう!今すぐに!!」

 

 

カオステルが机を叩いてヴィルヘイズに訴える。

 

 

 

「落ち着きましょう。迂闊に手を出しては返り討ちに遭うだけです。お忘れですか?襲撃犯は神具を使っていたのですよ?」

 

 

 

神具とは魔核と同等の力を持つ武器や物質の総称でそれらで致命傷を負ったり体を侵されたりすると魔核による回復を無効化されてしまい、正真正銘の死を迎えてしまう。

 

 

 

ベリウスはこの神具によって負傷させられ、現在は帝都の病院にて治療を受けている。

 

 

 

 

「大体!宮廷は何をやっているのですか!!!」

 

 

「宮廷は朝から晩まで会議を重ねています。」

 

 

 

「何故ですか!!!」

 

 

 

 

 

 

「宮廷内に工作員が潜んでいる可能性があるからです。」

 

 

 

「工作員?」

 

 

ヴィルヘイズの言葉にカオステルは少しだけ冷静さを取り戻す。

 

 

 

「パーティ会場に転移門が構築されていたそうです。転移門は事前に扉を二つ作っておかなければなりません。つまり…何者かが先にパーティ会場に忍び込んで設置した可能性があるのです。」

 

 

 

ヴィルヘイズが説明し終えると同時に部屋の扉が開く。

 

 

 

「すまん。遅くなった。」

 

 

 

入ってきたのはマスカーニャだった。

 

 

「いえ。大丈夫ですよ。ベリウス中尉の容態は?」

 

 

 

「一命は取り留めた。もうすぐ意識も回復するだろうって」

 

 

マスカーニャの報告に2人はホッと胸を撫で下ろした。

 

 

 

「それと…襲撃犯…ミリセント・ブルーナイトと行動を共にしていたポケモン人の身元がわかった。」

 

 

マスカーニャは手に持っていた書類を机に置く。

 

 

 

「名前はキョジオーン。いわタイプの男で別名はがんえんポケモンって呼ばれてる。先代のキョジオーンが皇帝陛下と交戦した記録も残ってた。」

 

 

 

「では、元々帝国に対しては敵対心を抱いていて利害が一致した事で逆さ月に入り、ミリセント・ブルーナイトと行動を共にしていたと言う事ですか。」

 

 

 

 

「あぁ…寧ろキョジオーンは六国全てを恨んでいるだろうな。」

 

「六国すべてを?」

 

 

マスカーニャは書類をめくる。

 

 

 

「元々キョジオーン一族は『アルトマーレ』って言う小国に住んでいたらしいんだが、20年前に六国のうちの一つに国を滅ぼされたんだ。それからは世代交代をして六国をテロリストとして転々としながら今に至る…って訳だ。」

 

 

 

「祖国を滅ぼされた復讐…ですか。」

 

 

 

 

 

「後は工作員も見つけなければなりませんね…早速隊員を集めます!」

 

 

カオステルが部屋を出ようとするが…

 

 

 

「コマリ様からの指示です。私が帰るまで絶対に動くなとの事です。」

 

 

「・・・・」

 

 

 

「では、閣下は今どちらに?」

 

 

その言葉にヴィルヘイズは一瞬話すのを躊躇ってしまうが

 

 

 

「て…敵情視察だそうです。場所は側近の私にもわかりません。」

 

 

「待ってください。ヴィルヘイズ中尉」

 

 

 

カオステルが珍しく目を開いて話す。

 

 

もしや勘づかれたかと思い、マスカーニャやヴィルヘイズに緊張が走る。

 

 

 

「聞き捨てなりませんね…

 

 

 

 

側近はこの私…カオステル・コントですよ?」

 

 

しかし、全く違うところに食いついたおかげで2人の緊張は一気になくなる。

 

 

 

 

「はぁ…貴方は…コマリ様の下着の色を知っているのですか?」

 

 

ヴィルヘイズの言葉にカオステルはハッ!?と驚愕したかのように固まる。

 

 

 

「知らないでしょう。よって側近は私です。」

 

 

 

「(くだらね〜)」

 

 

悔しそうにするカオステルと勝ち誇った顔をしているヴィルヘイズ

 

 

マスカーニャは2人のやりとりを見て呆れてしまう。

 

 

 

 

「とにかくコマリ様からの指示があるまでは絶対に動いてはいけません」

 

 

 

「わ…わかりました。隊員達にもそのように伝えておきます。」

 

 

カオステルは部屋を出ていく。

 

 

カオステルが部屋を出た後マスカーニャはヴィルヘイズに近づく。

 

 

 

「いいのか?あんな誤魔化し方で?」

 

 

 

「はい…ああ言うのが一番効果的です。」

 

 

「そうか…ブラッドの具合はどうだ?」

 

 

「・・・未だにお部屋からは出てこられません…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜 テラコマリの部屋

 

 

電気もついていない暗い部屋でテラコマリは何もする事なくただベッドに横になっていた。

 

 

「(どうして…またあいつが…ミリセントが…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう…3年前…私…テラコマリ・ガンデスブラッドはミリセント・ブルーナイトから酷いいじめを受けていた。

 

 

きっかけは何かは覚えていない…ただ、何かをしてしまい、ミリセントの反感を買ってしまったのだ。

 

 

いじめの内容は陰惨でとても苦しかった…

 

殴られたり蹴られたり…教科書をビリビリに破かれたり…水をかけられたり…裸にさせられて写真を撮られた事もあった…

 

 

そして…あの日…ミリセントはお母さんの形見であるペンダントを奪おうとした…

 

 

抵抗した事は覚えている…だけどその後のことは覚えていない。

 

気がついたら私は家のベッドの上にいた。

 

ただ、『体が異常に熱かった事』だけは覚えている。

 

 

お父さんに聞いても教えてくれずはぐらかされるだけだった。

 

 

それから私は学校を中退してひきこもるようになってしまった…

 

 

 

 

私の本質は七紅天なんかじゃない…どこに出しても恥ずかしいただの引きこもり娘なんだ…

 

 

だから…

 

 

だからもう私は外に出ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋の扉を叩く音が聞こえた。

 

 

 

「失礼いたします。コマリ様、具合はいかがですか?」

 

 

「邪魔するぞ。ブラッド。」

 

 

 

「ヴィル…マスカーニャまで何で?」

 

 

 

マスカーニャは手に持っていた袋から大きなサンドイッチを取り出す。

 

 

 

「たまには飯でも一緒にどうかと思ってな。ガンデスブラッド卿にも許可は取ってある。」

 

 

 

「コマリ様の夕餉のメニューはオムライスですよ。お好きでしょう?」

 

 

ヴィルが持ってきた台の上には何とも美味しそうなオムライスが盛り付けされており、私のお腹がグゥーと鳴る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何だか不思議な感じだった。ヴィルがいつも私の部屋にいるのは日常になったけど…

 

 

マスカーニャがいるのは何だか新鮮だった。

 

彼は壁にもたれかかりながらサンドイッチを食べている。

 

 

 

「それは何のサンドイッチを食べてるの?」

 

 

 

「ハイパーアボカドサンド。これが一番美味い。食ってみるか?」

 

 

 

「いや…いいよ。」

 

 

確かによく見たらアボカドやスモークきりみ、ソルトなんかが挟まれている。

 

美味しいのだろうか…

 

 

「ご自分で作られたのですか?」

 

 

 

「あぁ。一人暮らしだから自炊しないと食費かかるし。」

 

 

「自立してるね…」

 

 

 

改めて私はマスカーニャはあらゆる面で正反対の位置にいると思った。

 

自分の事は自分でできる…戦闘能力が高い…礼儀作法もほぼ完璧…

 

信頼も厚い…料理もできる…いや私もクッキーとかは焼けるけど…

 

 

本当に私とは対極的だ…皇帝は何でマスカーニャと私を組ませたんだろうか…

 

 

 

それにヴィルも…

 

 

 

「ヴィルはどうして私の事をこんなに心配してくれるの?」

 

 

紅茶を淹れているヴィルに私は聞いてみる。

 

 

 

「当然の事です。私はコマリ様の事を宇宙で一番愛していますから。マスカーニャ殿なんかよりずっーとコマリ様を想っております。」

 

 

 

「どこで張り合ってんだよ…」

 

 

相変わらずマスカーニャと変なところで張り合うヴィル

 

 

「もしかして…ヴィルって生き別れの妹だったりする?」

 

 

 

「いいえ。姉妹でも何でもありませんけど?」

 

 

「じゃあ…何で?」

 

 

 

ヴィルはメイド服のスカートから手紙を取り出す。

 

 

 

 

「此処に…私の気持ちが書いてあります。お暇な時に読んでください。」

 

 

 

「わかった…気が向いたらな?」

 

 

 

「ちゃんと読めよ?」

 

 

「わかってるって…」

 

 

 

私は手紙をテーブルの端に置く。

 

 

 

 

「コマリ様…貴方を心配している人は大勢います。私だけではありません。マスカーニャ殿も態度に出していないだけで本当はすごく心配されていますよ?」

 

 

 

「////余計な事言うなよ…///」

 

 

マスカーニャが珍しく顔を赤くして照れてしまっている。

 

 

 

 

 

「将軍としての実力だとか頭脳だとかそう言うものを一切合切抜きにして心配してくれる人はコマリ様が思っているよりも…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然ヴィルの言葉が途中で遮られ…刃物で肉を刺す音が聞こえた。

 

 

私はヴィルの方を見ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィルのお腹をナイフが貫き…血を滴らせていた…

 

 

 

 

「こんばんは…テラコマリ…」

 

 

そして…ヴィルの背後からミリセントが顔をのぞかせた。

 

 

 

「コマリ…様…」

 

 

「!!!???」

 

 

 

「ヴィルヘイズ!!!!(何故だ!?奴が屋敷に入り込んでいるのに全然気が付かなかった!!)」

 

 

 

マスカーニャは蔦の鞭を取り出してミリセントを攻撃しようとする。

 

 

 

「マスカーニャ〜。嫉妬しちゃうわ〜。こんな奴らよりも私の方がずっーといい女よ?」

 

 

 

 

「お前…ヴィルヘイズから離れろ…」

 

 

 

「ヴィル!!!!」

 

 

 

私はヴィルに近寄ろうとベッドから立ち上がる。

 

 

だが…ミリセントは小さな魔法弾を私の足元に放つ。

 

 

 

「近づかないでちょうだい。近づいたらあんたもこのメイドも殺す。マスカーニャも近づかないでね?」

 

 

 

ミリセントはナイフをヴィルから抜く。

 

 

ヴィルは吐血してしまい、そのまま倒れてしまった。

 

その血はオムライスや紅茶に飛び散る。

 

 

 

「安心しなさい。これは神具じゃないから…」

 

 

 

「どうして…ここに…」

 

 

 

「行ったでしょう?また会いに来るって…」

 

 

 

ミリセントは不気味に笑う。

 

 

 

「さぁ、何もせずに私の話を聞きなさい…」

 

 

私はその場で動きを止める。

 

 

マスカーニャも武装を一度解除する。

 

 

 

「そうそう。いい子ね…じゃあ本題に入るわ。私が此処にきた目的は殺すためじゃないわ…

 

 

 

 

 

 

 

もっと悲劇的な殺しを演出する為の準備なの…」

 

 

 

 

「準…備?」

 

 

ミリセントは続ける。

 

 

 

「此処だと邪魔なものが多すぎるもの…だからね…これから私が指示する場所に来なさい…」

 

 

 

私は足が震えてしまう。ミリセントにもそれを見られてしまう。

 

 

 

「でも…その状態じゃ自発的に来るのは無理そうね… まぁ予想はついてたけど…

 

 

 

お前は昔からそうね…グズで泣き虫で優柔不断で…

 

 

 

 

その癖無駄な正義感だけは一人前だった…だから…」

 

 

 

 

ミリセントはヴィルの腕を掴む。

 

 

 

 

 

 

「こいつは連れて行く。返してほしければラネリエント下層街のニビ廃城に来なさい。誰にもこの事は言わずに1人で…」

 

 

 

 

ミリセントはマスカーニャに目を移す。

 

 

 

 

「貴方も来てもいいわよ?マスカーニャ…だけど軍や警察にはこの事は言わないでちょうだい?もしも言ってしまったら…このメイドの命はないと思って?」

 

 

「ぐっ…」

 

 

マスカーニャは怒りでまたあの時のように爪と牙がどんどん伸びて行く…

 

 

 

「それじゃあ約束よ?」

 

 

ミリセントはヴィルを肩に担いで魔法で部屋の窓を壊すとそのまま姿を消してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

破壊された窓から春の風が入ってくる…

 

 

私は布団に包まる事しか出来なかった…

 

 

 

 

「くそ…(敵は1人じゃない…恐らくニビ廃城にはキョジオーンもいる…タイプ相性上草技を使えばキョジオーンは俺だけで何とかなる…だが…ミリセントには勝てるかわからない。同僚に連絡したいが…そうするとヴィルヘイズが…何とかならねぇのか…)」

 

 

 

マスカーニャは私の方を見る。

 

 

「(ブラッドを戦闘で頼りにはできない…でも…だからと言って)」

 

 

 

 

暫くしてマスカーニャはよし…と言って立ち上がった。

 

 

 

 

「ブラッド…

 

 

 

 

 

 

ヴィルヘイズを助けに行くぞ。」

 

 

 

マスカーニャは私に近づいてそう言ってきた。

 

 

私は…

 

 

 

 

「私は行かない…」

 

 

 

拒否した…

 

 

 

「・・・怖い気持ちはわかる…だが、行かないとヴィルヘイズが殺されるんだぞ?」

 

 

 

「無理だよ…ミリセントは強い…それにあのキョジオーンってポケモン人もいるならなおさら勝てないよ…」

 

 

 

「俺がサポートする。だから…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嫌だ!!!!!私は行かない!!!行くなら1人で行ってよ!!!!」

 

 

 

マスカーニャは目に怒りの感情を灯し始めた。

 

 

 

 

「じゃあ!!!ヴィルヘイズが殺されてもいいのか!!!」

 

 

 

「あいつがどうなろうが私には関係ない!!!」

 

 

 

「あいつはお前のメイドだぞ!?部下なんだぞ!?」

 

 

 

「知らない知らない!!!私には関係ないよ!!!」

 

 

 

「お前!!!!!本気で言ってんのか!!!!」

 

 

 

 

マスカーニャは布団を無理やり剥ぐと私の胸ぐらを掴んで殴る姿勢に入る。

 

 

あまりにもすごい剣幕で私は思わず目から涙が出てしまう。

 

 

 

「殴りなよ…殴りたかったら…」

 

 

「・・・・・くっ…」

 

 

 

マスカーニャは胸ぐらを掴んでいた手を離す。

 

 

「お前を殴ったって…解決する訳じゃない…」

 

 

 

 

「・・・マスカーニャは強いから…私みたいに弱い奴の気持ちなんて…わからないんだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「強くたって…他の大事なものが欠けてたら意味がない…」

 

 

マスカーニャは私のベッドに腰をかける…

 

 

「ブラッド…俺はな…お前と一緒に過ごして…自分に足りないものがわかってきた気がするんだ…それをお前が教えてくれたんだ…」

 

 

「マスカーニャに足りないものって何?マスカーニャは強いし…自立してるし…それに…カッコいいし…足りないものなんて…」

 

 

 

 

 

 

 

「俺に足りないのは優しさだよ…」

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

マスカーニャは語り始めた… 自分の過去を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は赤ん坊の頃…実の両親に捨てられたんだ…

 

 

帝都の下層街でゴミ箱に入れられた状態でな…

 

 

捨てられて…餓死寸前だった俺を拾ったのは…孤児院の職員だった…

 

 

 

 

それから俺は幼少期を孤児院で過ごした…

 

だけど…両親や周りからも愛を受けられなかった俺は

 

 

他人を絶対に信用せず自分だけを信じて育ってしまったんだ…

 

 

 

ある日俺は横暴を働いていた歳上の奴を喧嘩で半殺しにしてしまった…

 

 

 

 

 

 

 

俺が孤児院を出て行ったのは9歳の頃だった…

 

 

その後俺は街で盗みを働きながら暮らしていた。

 

 

だが、ある日俺は帝国軍の奴の財布を盗んでしまい、当然返り討ちにされて瀕死の重傷を負わされたんだ…

 

 

このまま魔核の効果範囲外に連れ込まれて嬲り殺される所を…

 

 

 

 

 

ある1人のポケモン人が助けてくれた…

 

 

そのポケモン人は強力なくさ技で帝国軍の奴らを瞬く間に皆殺しにしてしまったんだ…

 

 

 

 

俺はそれからそいつと暮らすようになった。

 

 

 

 

俺はそいつから色々な事を教えられた…

 

 

くさタイプの戦い方…マスカーニャと言う種族のポケモン人の生き方…

 

そして…

 

 

 

どうやっていかに敵を効率的に殺すかを…

 

 

『マスカーニャ…敵は必ず殺せ…躊躇する必要はない…だけど勝ち目のない敵とは戦うな。そう言う場合はすぐに逃げるか他人を犠牲にしてでも助かれ。』

 

 

 

そいつの口癖はいつもそれだった…

 

 

だけど…そいつは俺に生き方を教えてくれても…思いやりや優しさは教えてくれなかった…

 

 

 

だが、皮肉だが、そいつの教えがあったから俺は強くなった。

 

 

 

それと同時に俺は窃盗だけではなく強盗や傷害…殺人など様々な悪事に手を染め始めた。

 

 

 

 

 

いつのまにか俺には化け猫…

 

 

化け猫マスカーニャってあだ名までつけられて帝都で恐れられた存在になった。

 

 

 

 

だけど俺が12歳の時…

 

 

そいつはムルナイト警察のポケモン人との戦闘に負けて捕縛されてしまった…

 

 

 

そいつを捕縛したのは今の俺の上司…当時はまだ警部補だったルカリオさんだった…

 

 

 

 

俺は捕縛されて連行されて行くそいつをただ隠れて見ているだけだった。

 

 

 

 

『あいつは俺に教えてくれたんだ…勝ち目のない敵とは戦うな…他人を犠牲にしてでも逃げろって…』

 

 

当時の俺はそいつに言われた教えを守ったって言い聞かせていた…

 

 

 

けれどその後すぐに俺もルカリオさんに捕まった…

 

 

必死に抵抗したが、逃げられなかった。

 

もう殺されると思って諦めていた…

 

 

 

 

 

 

だけど…

 

 

 

 

 

 

『可哀想に…愛を知らずに育ってしまったんだな…』

 

 

 

ルカリオさんは俺に対してその一言だけ言って静かに捕縛した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺は警察の保護下に置かれるようになった…

 

 

少ししてからだ…

 

 

俺を養子として引き取りたいと言う奴が現れた…

 

 

 

正直当時はルカリオさんに対してだけ少し心を許していただけだった…

 

 

 

その人は黄色い髪をして…頬に特徴的な赤い丸がついた子供みたいな見た目をしていたが、一目見て歴戦の覇者だってわかった…

 

 

 

 

 

その人は俺に言った…

 

 

 

『君は誰のことも信用していない…だけどね。君のことを心配してくれる人は必ずいるよ?絶対に。君は俺のことも信じてないし嫌いかもしれない。でも、俺は君を信じたいし大好きになりたい。だから…俺のところへおいで?マスカーニャ』

 

 

 

何故か…何故かその言葉が温かった…

 

 

とても心地よかった…

 

 

それから俺はその人に育て直されながら…

 

 

 

警察官になろうって決めたんだ…

 

 

でも、警察になってもまだ心の中では誰かを完全に信用していなかったのかもしれないな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今だからわかる…何で俺がお前と組まされたのかって…」

 

 

 

知らなかった…マスカーニャがそんな重い物を背負っていたなんて…

 

 

「カッとなって悪かった…お前の過去のこともヴィルヘイズやアルマンさんから聞いてるよ。もう無理強いはしない…」

 

 

マスカーニャは私に背を向けて壊れた窓の方へ向かう。

 

 

 

「俺は行く…ヴィルヘイズは仲間だ。助けに行かないといけない。」

 

 

 

「マスカーニャ…私は…」

 

 

 

歩きたい…一歩を踏み出したい…だけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴィルヘイズの手紙…読んでやれ…

 

 

 

 

 

先に行ってるぞ。コマリ。」

 

 

 

「!!!!!!」

 

 

 

初めてマスカーニャが私の名前を呼んだ…

 

 

マスカーニャはそれだけ言い残すと窓から跳躍して夜の闇に消えていった…

 

 

 

 

 

 

マスカーニャは私のことを心配してくれている…

 

 

 

いや、マスカーニャだけじゃない…

 

 

 

 

ヴィルだって…

 

 

 

 

 

 

 

いや…ヴィルはいつも私の事を助けてくれてたし動いてくれた…

 

 

 

「ヴィル…」

 

 

私は手紙を手に取り…その封を開けた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拝啓 コマリ様

 

 

春先になり暖かくなってきましたね…

 

 

いえ、無駄な前置きは此処までにしましょう。

 

 

私とコマリ様が初めて出会ったのは実は3年前なのです。驚いたでしょう。

 

 

コマリ様は覚えていませんでしたが,私は片時もコマリ様の事を忘れたことはありません。

 

 

 

 

 

 

 

当時私はコマリ様と同じ帝立学院に通っていました。

 

しかし、私は引っ込み思案で出来も悪い木偶の坊な劣等生でした。

 

そんな私が楽しい学園生活を送れるはずがなく…

 

 

 

学園でもカースト上位にいたミリセントにいじめられていたのです。

 

毎日…私はミリセントに殴られ、蹴られ、教科書を破かれたり…裸の写真を無理矢理撮られた事や卑猥な事もされました。

 

 

そんなある日いじめに抵抗する気力もなくなり始めた時…

 

 

 

 

 

 

 

 

『あんた…今日は死になさいよ。どうせ魔核で蘇るんだからさ!アハハハハハ!!!!』

 

 

ミリセントは魔法で私のことを殺そうとしました…

 

 

 

『や…やめて…』

 

 

私は抵抗もできずただ、小さな声でそう呟く事しかできませんでした…

 

 

でも…

 

 

 

 

 

 

 

 

『やめろ!!!!なんて事をしてるんだ!!!!!』

 

 

貴方が…コマリ様が止めてくださったのです。

 

 

コマリ様が止めてくれた事でミリセントはその場から立ち去りました。

 

 

 

ボロボロになった私に…コマリ様は優しく笑ってくれました。

 

 

 

『もう大丈夫!あんな奴らに負けちゃダメだよ!君なら立ち上がれる!』

 

 

『!!!!!』

 

 

貴方がくれたあの言葉は本当に嬉しかった…

 

 

あの言葉で私は救われた気がしたの…

 

 

 

 

ですが…その後の事は最悪なものでした…

 

 

 

 

 

ミリセントのいじめの標的が私からコマリ様に変わってしまったのです…

 

私がされた事をコマリ様がされて…いや私の時よりもさらに過激になっていたようにも見えました…

 

 

しかし…私は此処で罪を犯してしまいました…

 

 

 

 

 

逃げてしまったのです…また自分が標的にされるのではないかと怖くなってしまい、臆病な私は貴方を見捨ててしまいました…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くして…ミリセントは失踪して貴方は心を閉ざして学園から去ってしまいました…

 

 

 

あんなに優しくて太陽のような人が不埒者に人生を狂わされてしまうのはおかしい。間違ってる。

 

 

私は決意しました…贖罪をしようと

 

 

 

 

それから私は地獄のような鍛錬を積んで…体を鍛え、戦闘力を磨き,勉学に励み…あらゆる知識を身につけて学院を卒業しました。

 

 

 

 

 

その後すぐに帝国軍に入隊してめでたくガンデスブラッド家のメイドとして雇用されました。

 

 

 

 

コマリ様は気づいておられませんでしたが,少し前から私はコマリ様のそばに居たのですよ?

 

 

それから暫くして…

 

 

コマリ様が七紅天に就任した際は真っ先に専属メイドに立候補しました。

 

 

これで貴方のそばで貴方を支えることができる…

 

貴方が私を救ってくれたように今度は私が貴方を救う事ができる。

 

 

 

コマリ様…貴方の幸福こそが私の贖罪であり願いなのです。

 

 

今のマスカーニャ殿もそれに近い事を思っている筈です。

 

 

 

今更舞い戻ってきたミリセントなんかを恐れる必要はありません。

 

 

あなたには第七部隊が…マスカーニャ殿が…

 

 

私がついているのです。

 

 

 

 

コマリ様…どうか笑顔だけは忘れずにいて…

 

 

 

私は貴方をずっと支えます。

 

 

 

宇宙で一番愛しています

 

 

ヴィルヘイズ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手紙を読み終えた私は涙が抑えられなかった…

 

 

私は…どうして…どうしてこんな大事な事を忘れてたんだろう。

 

 

ヴィルは私を見守ってくれてたんだ…

 

 

私は最低だ…最低なひきこもり娘だ…

 

 

けど…けど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなところでひきこもってられるか!!!!!

 

 

 

「ヴィル…マスカーニャ…私も行くぞ!!」

 

 

 

私は軍服を着て部屋の扉を力強く開けた。

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?


Xでみたのですが,ひきこまりのDVDの予約数とかがかなりいいみたいですね…


2期絶対にきてほしいなぁ笑笑


では、また!
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