盃兄弟の長女は怪盗でした【アニポケXY / XY&Z】   作:小花

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悲しき一報と歴史的な戦争

それからさらに月日は流れ、リナとゲッコウガのキズナ現象がまだまだ使いこなせておらず何度も何度も失神し続けている頃… 任務やポケモンGETのためにとアジトをずっと留守にしていた彼女の元に嬉しい一報、弟の出航の報ともう一本の新聞が届いていた。

 

『ルフィもついに出航したか…!海賊狩りのゾロや黒足のサンジ… 名前が轟く強い仲間も結構いるらしいし、大丈夫だね』

 

お兄ちゃんとは会えたかな、なんて話しそのもう一本の新聞を開く。そこに書かれていたのは…

 

『…………え』

『うそ… でしょ… お兄ちゃんが、処刑…???』

 

【白ひげ海賊団2番隊隊長 ポートガス・D・エース 海軍本部マリンフォードにて公開処刑(・・・・)】だった。

 

◆◆◆

 

Heroine Side

 

信じられなかった、信じたくなかった。

 

そこから先の私の行動は早く、簡単に言えば魔法を使って戦地に飛び込みニンフィアやゲッコウガを後ろに従え処刑台に立たされたお兄ちゃんを救うべく3人でともに動いた。ではなぜ入ってきたばかりの2人の新しい子を使わなかったのか?これまた簡単な話、それはこういう命を懸けるほどの大きな戦場と言える場で戦わせるのはキツいと判断した上での事だ。

 

走って、走って、戦って、戦って。ただひたすらにこれを繰り返し、何度も何度もめげそうになり、傷つき、まるで無限ループのように発生するそれらを乗り越えて… ニンフィアはもちろん私とシンクロして姿を変えたゲッコウガとともにようやくお兄ちゃんのいる処刑台へ。

 

その時にはあとから来たルフィと、バロックワークスの男がお兄ちゃんを助けて、私は海軍の魔の手から魔法を使い結界を張り全員を守る。

 

紆余曲折ありお兄ちゃんを解放すると今度は処刑台をあとにし、逃げて、逃げて、またひたすらにお兄ちゃんとルフィ、私とニンフィアとゲッコウガ。この5人で走って逃げた。だけど海軍の魔の手は止まる事を知らず、青雉や赤犬といった大将が次々に邪魔をする。

 

……だが、この赤犬にやられるとは誰が思っただろう。

それも私にとって大好きだったお兄ちゃんが。【火拳のエース】と謳われた、強くて優しくてかっこよくて笑顔の似合うエース兄が。

 

「愛してくれて… ありがとう!!!」

 

お兄ちゃんは私とルフィに支えられながらその言葉を遺して幸せそうな、まるで眠るような笑顔をこしらえながら息を引き取ってしまう。当然私も絶望した… が、ルフィの方がもっと絶望していた。昔亡くなったサボ兄に引き続きお兄ちゃん… エース兄までも亡くした。しかも自分の目の前で、当然だ。

 

ルフィはやはり精神が崩れ、命の危機を恐れた彼とともに来たであろう脱獄囚達の中から海峡のジンベエが走って連れていった。それなら私の仕事はただひとつ、本来の目的だったお兄ちゃんを救う事。誰に何を言われようが邪魔はさせない。たとえガープさんに対峙されようと、海軍大将に来られようと…!!

 

『お兄ちゃん…!!!今助けるよ。痛かったよね… 遅くなってごめんね…』

「リナ!!!何をしておる、エースはもう死んだんじゃ、手を離さんか!!!!」

『嫌だッ!!!!お兄ちゃんは死なせない、私が助けるの!!!』

 

私は優しい笑みをこしらえてピクリとも動かないお兄ちゃんを守るようにしながら抱きしめ、ガープさんに牙を剥く。そこからは早く、進化させたばかりのボーマンダを出しお兄ちゃんをその背に乗せる。ゲッコウガにも同乗してもらいお兄ちゃんが空へ、海へと落ちないように、体ごと抑えてもらった。

 

「おい!!!!待たんかリナ!!!!!!」

 

そのままガープさんの制止も聞かず、海軍大将の攻撃も何とか逃げ切りアジトへ帰った。

 

◆◆◆

 

アジトへ帰るとさっそくお兄ちゃんの治療に入る。出せるだけの治癒魔法は全て出し、お兄ちゃんは海軍にやられて命を落としてしまっているからと蘇生魔法もかけた。

 

「フィア…」

「……コウガッ」

 

魔法をかけている最中、私と1番付き合いの長いニンフィアとゲッコウガが無理するなとばかりに心配そうな顔で鳴いてくる。

 

『大丈夫よ、2人とも。それにあの一報を見た時から助けるって決めてたの』

「「……ッ…」」

 

2人に笑顔を見せ、さらに魔法をかけ続けること6時間半ほど。お兄ちゃんの右手の中指がピクリと動いた。

 

ピクッ…

 

「「「『!!!』」」」

『お兄ちゃん…!』

「…………う…っ、」

 

その後まもなく目を覚まし、まだ痛そうにしながらもゆっくりと私を見てきた。

 

「……リ… ナ…?」

『お兄ちゃん!!!!!!』

 

お兄ちゃんはうっすらと目を開きながら弱々しい声で私の名前を呼んできて、私も彼の体に負担がかからないくらいの力加減で抱きつく。

 

「ハァ… ハァ… おまえが… たすけて、くれたのか?」

『うん… お兄ちゃんに、生きててほしかったから…』

「そう… か、ハァ… ぁ… あり… がと…」

 

そう言うと、お兄ちゃんは疲れきったように再び目を閉じてしまう。あの時のような優しい笑みをこしらえて。

 

『え… おにいちゃん…???』

『やだ…やだ、死なないで… お兄ちゃん!!!!!』

「……すぅ〜〜〜… すぅ〜〜〜…」

 

突然の事に魔法は意味をなさなかったのか?と思い絶望しながらお兄ちゃんを見るが、あとから呼吸音と寝息が聞こえてきて… 寝ているだけだと気づく。

 

『ハァ〜〜〜〜〜… よかった… 生きてる…』

 

疲れて、傷が痛くて寝ているだけだと、生きていると分かった瞬間へなへなと脱力した。とりあえず詳しい治療や説明などは明日にして、今はお兄ちゃんを寝せる事にして… 私も眠りについた。

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