盃兄弟の長女は怪盗でした【アニポケXY / XY&Z】 作:小花
Heroine Side
お兄ちゃんが目を覚まして、命が戻ってから5日後。お兄ちゃんの体調は少しずつではあるが回復していて、あの日私も目にしたお腹の大きな傷を主軸として今も治療を続けている。
「お前がげっこうがか!やっぱり忍者みてェだな」
「コウガ」
「コンニチハ、オレハポートガス・D・エースデス!ニンフィアチャン、ゲッコウガサン、久シブリダネ!」
「フィア!フィーア!」
「……」
様子を見るに今日はケガの調子が良いのか体を起こしていて、彼の隣に寄り添ってくれているニンフィアやゲッコウガの中からゲッコウガを一瞥、その後私が治療のお供にと用意したくまのぬいぐるみを持ちなぜか裏声で話している。ニンフィアはウケたのかニコニコと笑っていて、ゲッコウガは無言のまま腕組みしているがさりげなく糸目姿に。
「おめェはこういうぬいぐるみなんかと寝てたのかァ… このかわい子ちゃんめっ」
『やめてよお兄ちゃん、からかわないで(笑)』
お兄ちゃんは大好きだったあのおひさまのような笑顔をこしらえ、空いた片手でベッドの隙間から私をこちょこちょしてくる。昔を思い出したかのようで嬉しかった。
「これでおれもとうとう裏世界の人間か… 色々教えてくれよ、センパイ♪」
『うん、もちろんだよ』
お兄ちゃんはニヤッと笑いながら今後色々教えてほしいと言ってくる。……遡ること彼か目を覚ました翌日… 「自分を仲間にしてほしい」と真剣な顔と目つきで願い出てきた。そのあと付け加えるように「白ひげ海賊団はいいの?」と聞いたらケガが治ってきたら変装して会いに行く、との事だ。
……私のバディになるからには、お兄ちゃんにも色々覚えてもらわないと。勉強が嫌いだと前にテレパシーで言っていたけれどそんな事は知ったこっちゃない。お腹の傷が安定してきたら猛勉強させて頭脳面の力をつけたり、もともと私より優れていた体術も強化したり。なんて考えていた時だった。
「フィア!フィーア!」
「……え…」
ニンフィアがいつものように鳴き声を出した瞬間お兄ちゃんが突然固まる。なんだろう…
『お兄ちゃんどうしたの?ニンフィアが何かした?』
「いや… 違う、にんふぃあが喋ってる言葉が… おれの脳と耳に勝手に入ってくるんだ…」
『……ぁ…!!!』
これは… もうひとつしかない。魔法だ。お兄ちゃんはかつてメラメラの実の能力者、その事があって魔力が下がってしまっていたが… 一度命を落としてしまった事から悪魔の実の力も手放したのだと容易に分かり、これも彼の体内にずっと眠り続けていた魔法の力がどんどん上がって覚醒してるんだ…!!!
その力で、私のニンフィアが話している言葉を聞き取ったのだろう。
『お兄ちゃん、私のニンフィアはなんて言った?』
「え… と、【リナ、おなかすいた!】って、メシを… ねだってた…」
『ご飯か… わかった、ちょっとまって』
「フィア!」
そのあとすぐにゲッコウガの分とともにご飯を用意、お兄ちゃんの様子を再び観察する。
「あっ、僕がいますね!」
「ケッ。だりーな…」
「わあ、これおいしそー!!食べていい!?」
「あ… あれ… 何がどうなってんだ…」
すると今度は勝手にポン!ポン!ポン!とお兄ちゃんの体が分裂。分身は歩いていくなり気だるそうにしたりソファに座ったり、冷蔵庫のものを漁ったり。ホンモノのお兄ちゃんはわけが分からないと言った感じでただ呆然としていた。
お兄ちゃんは能力者だった時、使えるもの以外は全て封印されていたと聞いている。今この状態は突然魔力が覚醒しているのに体内がびっくりして暴走状態および混乱状態を起こしているのだろう。
◆◆◆
Ace Side
「あ〜〜… 何なんだよマジで…」
ガシガシと頭をかいたところから始まり今の状況を整理する。事の発端は妹の最初のぽけもんだと聞いている、ピンクの体をしたにんふぃあの言葉がおれの耳と脳にスルリと入ってきた所だった。そのあとすぐにおれの体が3個に分裂、その分身はチョコマカと動き回り先ほどようやく本体であるおれの体へスッポリ収まった。
そこへちょうどいいところに妹が来て、今おれの身に起こっているこの現象は【悪魔の実を食べた事によって魔力が下がり封印されていたが、これまでずっと眠っていた魔法の力が覚醒している】と教えられる。
『お兄ちゃんも修行しないとね。魔力をコントロールしないと』
「……あ、ああ…」
よく分からねェが妹に合わせて魔力をコントロールすることになり、その日の話は終わる。
◆◆◆
『まさかお兄ちゃんの魔力がすぐに解き放たれて暴走するなんてなぁ… どうやってコントロールしよう…』
彼女は兄の魔力のコントロール方法について考え、頭を抱えながら1日を終えた。
相変わらず展開早くてごめんなさいε≡ ヽ__〇ノ