盃兄弟の長女は怪盗でした【アニポケXY / XY&Z】 作:小花
Ace Side
次の日。マルコ達白ひげ海賊団の仲間と昨夜から飲んだくれていたがこの日は朝早く起きて、改めてオヤジの墓前で参拝をしに向かう。
墓の前に着くと持ってきた酒をグラスへ注ぎ、オヤジの分を置くとそのままゆっくり上にあげながら乾杯する。
「オヤジ… おれ、妹に命を救われたんだ。これからは海賊を辞めて怪盗として、あいつのバディとして名を上げる」
そう言っておれの分の酒を置き、一度目を閉じながら両手を合わせる。
「……よし!帰るか。妹を待たせてるしな」
酒を飲んで座っていた墓前から立ち上がるとまずはおれの墓もどきへ。
「この帽子とネックレスとナイフは全部もらってくぜ。ホンモノのおれは今もこうして生きてンだし、好きにしていいだろ?」
テンガロンハットとネックレス、ナイフを取るとネックレスを首にかけてダガーをベルトに装着、最後にテンガロンハットを首にさげた。これで… 海賊の時のようなおれの姿のできあがり。
◆◆◆
『お兄ちゃん… 遅いなぁ… 翌日までには帰るって言ってたのに、明日の任務には来てもらわないと困るよ…』
この次の日はなんといよいよエースが怪盗となって初めての任務。アジトに残っている妹のリナは未だに帰ってこない兄の心配をしつつターゲットの店に狙いを定めていた。
『……次のターゲットは、この場所ね。』
◆◆◆
「マルコ、イゾウ、ハルタ、そしてみんな… 今日までありがとな。おれ、アジトに帰るよ」
「エース…」
オヤジが眠る墓が建つこの島で妹の待つアジトへ帰る事にしたおれは荷物を持った状態で今まさに仲間と、そして海賊だった自分と別れを告げようとしていて、マルコ達白ひげ海賊団の残党達がそれを見送ろうとしていた。
「体に気をつけろよ。」
「もう捕まらないでよ?悪事の働きすぎとかでさ」
「ハハハ、捕まんねェよ」
これらは上からジョズ、ハルタだ。2人にも心配かけてしまった。もう捕まらないようにしながら怪盗業にも励むのを肝に銘じて生きる事を決意し、2人にそう返答する。
「じゃあな!」
「……エース!」
「ん?どした?マルコ」
「その… また、会えるよな?」
「ああ、また会いに来るさ」
いよいよ旅立とうとしておれの背中に黒い翼を生やすと、マルコに呼び止められて「また会えるよな?」と聞かれる。……会いに来ないワケがねェだろ、おれだけでも生きた状態でこうしてまた会えたんだ。会いに来る… 必ずな。
「ありがとう!!楽しかった!」
「「元気でいろよ〜!!」」
こうして改めて仲間と別れを告げ、妹の待つアジトへと帰った。
◆◆◆
「ただいま。」
『お兄ちゃん!!!』
「おっと… 遅くなってすまねェ。」
アジトへ帰ると妹がその小さな体ごと飛びついてきた。翌日までに帰ると伝えたのに結局朝帰り。心配かけちまったな。
『遅いよ… 心配したんだよ…?』
「すまなかった。明日から任務だって聞いてたのに」
『ほんとだよっ。お兄ちゃんいないから1人で明日の場所決めたんだもん』
妹はウルウルしながら上目遣いで遅いと言ってきて、おれはそのかわいさに内心悶絶しつつも謝罪。彼女が言うにおれの不在によって1人でターゲットとなる場所を決めたらしい。
「そら悪ィ事したな… で、どこにしたんだ?」
『ここ』
「ほお、
場所はどこになったのかと問うと妹は地図を指さしながら教えてきた。明日の場所は
『逃走用の道具とか宝を奪うための道具、場所を攻略するための道具はもう用意してあるから、今日は早く寝よう。』
「ああ、わかった。何から何までありがとな」
『…… ///』
怪盗としてはまだ未熟で何も知らないおれのためにと色々用意してくれた妹に感謝するように彼女の頭を撫でると、妹は照れながらそっぽを向いた。
「おーい、かわい子ちゃんよォ… こっち向いてくれや。拗ねちまったか?♡♡」
『……うるさい。///』
「そういうとこもおれァ好きだぜ?♡」
『……あり、がと… 私も… 優しいお兄ちゃんが好き』
妹はおずおずと抱きしめてきて、彼女の体を快く受け止める。
「両思いだな♡」
『私達カップルじゃないじゃん』
「常に両思いだなってコト♡」
『あっそ…』
嬉しくなったあまり調子に乗り両思いだね、と話すエース、リナからは呆れながらあしらわれるも彼女はまだ赤面していた。2人の恋が成熟する日はいつになるのやら。そして… この翌日はいよいよリナが単独で動いていた頃から二人組となってから初と言える怪盗としての任務だ。翌日に