盃兄弟の長女は怪盗でした【アニポケXY / XY&Z】   作:小花

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16点鐘、集合は2年後

――偉大なる航路(グランドライン)・海軍本部マリンフォード。

 

海賊・麦わらのルフィが海峡のジンベエ、冥王レイリーを伴いもう一度海軍本部へと乗り込んできていた。オックス・ベルなる鐘を16回ほど鳴らし、戦争で命を落とした者達へ追悼でもしたのだろうか、ただ目を閉じ黙祷した。

 

その報は… あっという間に世界各地へと流されていく。

 

◆◆◆

 

「生きてたなァ〜〜、見事に。お前聞いた?麦わらがまた騒ぎを」

「……ええ」

「頂上戦争から舌の根も乾かないうちに16点鐘!?なんか、メッセージかこりゃ!?」

「さあね…」

 

復興工事が進められるマリンフォード、とある一室で大佐のスモーカーと大将の青雉が話しており、話題はやはりその事件の事だった。

 

「それよりおれの異動の件は…?」

「……まあセンゴクさんに掛け合いはするが… 本気か?お前。」

「冗談でこんな事は言わないでしょう」

「そりゃあそうだがよ、G5ってのは志願して行くような場所じゃねぇ… 問題だらけだ… あそこは海軍、G(グランド)L(ライン)、第5支部… つまり ‘‘ 新世界 ’’ へ行きてェ訳ね…」

標的(・・)は近い方がいいんで」

 

◆◆◆

 

「あまりに不可解!!頂上戦争により故・ポートガス・D・エースの義弟であり、革命家ドラゴンの息子であり… 延いては我が軍のガープ中将の孫である事が発覚した、海賊・モンキー・D・ルフィ!!消息不明でありましたが生きており…!再びこの海軍本部に現れた!!

 

ともに行動していた者はといえば… かの裏切り者、元王下七武海・海峡のジンベエ!!さらにあの海賊王の船の元副船長、冥王シルバーズ・レイリー!!!マリンフォードは現在町の復興のための作業員や世界各地より集まる野次馬、そして各国の取材陣達、民間人の出入りも多く… かたや海では白ひげの死により、触発された海賊達が次々に事件を起こしています!」

 

同じマリンフォードの議事の間では少佐である軍人の男が司会となり、このたび出回った今回の記事の事について話していた。

 

「動ける海兵は本部を離れるばかりで警備も手薄になっている所… それを知ってか3人は突如、そこへ現れ軍艦を奪い、その艦でマリンフォードを一周したのです!!これは海における ‘‘ 水葬の礼 ’’!!!そのあと、モンキー・D・ルフィは大胆にも1人広場へ踏み込み、広場の西端にある ‘‘ オックス・ベル ’’ を16点鐘…!そしてまだ広場に残る戦争の大きな傷跡に花束を投げ込み堂々たる黙祷…!その姿を大喜びで撮る取材陣、したがって… この記事は、もう世界中に出回っています

 

我々がまんまと取り逃してしまった事まで… 何たる屈辱!!単純に読めば… 兄や白ひげ、この戦争で命を落とした全ての者達への追悼… 黙祷と船の周回はそうでしょうが教示を知らせる鐘ならば、2回と決まっています。それを16回… 16点鐘は我々への挑戦状と受け取れます!」

 

◆◆◆

 

「《生きていた麦わらのルフィ、マリンフォードで新時代への16点鐘》… オックス・ベルってのはなんだ」

「オックス・ベルというのは、大昔に活躍した軍艦・【オックス・ロイズ号】に取り付けられていた神聖な鐘だ。年の終わりと始まりに… 去る年に感謝し、鐘を8回、締めて16回の鐘を鳴らすのが海兵の習わし。それを16点鐘… だが今は時期外れ、つまり… 時代の終わりと始まりの宣言と取れる」

「白ひげの時代が終わり… おれが時代を作るとでも言いてェのかこいつァ…」

「そういう意思が無けりゃわざわざ兄を失った傷を自分で抉るような場所へは舞い踊らねェでしょう」

「ハハハハ…!!癇に障る野郎だぜ。確かに戦争の件でこいつは億超えのルーキー達の中でも確実に頭ひとつ抜き出た。……だがこのまま走らせるほど甘くねェぞ、おれは」

 

◆◆◆

 

誰もがこの記事を見て、そして話題にしていた。さて… 麦わら帽を被った彼の仲間であるが世界各地に散らばってしまった8人や、彼の知らぬ間に兄を助けていた姉はどうであろうか。

 

◆◆◆

 

「あぁ〜〜〜っ!!!そうか、わかったぞ!ルフィ!!おれ、わかった!」

 

「了解」

 

「そうか… ルフィ。」

 

「なるほど… まったくもう、人の気も知らないで!!勝手なんだから!」

 

「……わかった!!わかったぞルフィ!!!」

 

「ふーん、ほーお… なるほど」

 

「あー、そういう感じに!!わかりましたよ、ルフィさん!ヨホホホホホ!」

 

「ん〜〜… オシャレ?違うわよね、ルフィさんだもん」

「クエ〜〜…」

 

今も籍を置いている8人の仲間達はほとんどの者が理解していて、アラバスタまで行動を共にし船を降りたとはいえ仲間に値するビビだけは理解できていなかったようだ。

 

◆◆◆

 

『ルフィ… 助かったのね。』

「ルフィ…」

 

そしてここは… 偉大なる航路(グランドライン)のとある島に建つ一軒家。そこに住んでいるのは姉の怪盗サクラことエンジェル・D・リナと、頂上戦争にて命を落としたはずであった兄・火拳のエースことポートガス・D・エース。この家は怪盗であるリナと、彼女のバディとなったエースが二人暮らししているアジトだ。2人は一緒に固まりソファに座りながらアジトの一室で記事を見ていて、姉のリナによって助けられた兄のエースは嬉しそうに笑いながら生きていた弟の姿を見ていた。

 

『これ…』

「ん?」

『ルフィが彫ってるこのタトゥー、何か意味があるかも』

「意味…?」

『そう。』

 

リナもその記事の中から仲間達のように腕にあるタトゥーに注目していて、エースも彼女の言葉を聞きずいっと近寄り腕だけを見始める。

 

「えっと、この3D2Yってやつか?」

『たぶん略されてるからはたから見たら分かりづらいかもしれない。お兄ちゃん、ちょっと読んでみて』

「う〜〜ん… 3D2Y… だろ?3D… 2Y… あ!!3Daysと2Years!!!だな!?」

 

エースはこの時には妹のバディとなった事からさっそくと言わんばかりにリナから勉強を教わっていて、英語も教わっている物のうちひとつにあたる。妹からテストだと言わんばかりにこれを読め、と言われてうーんと唸りながらも読んでみると何か答えが見えてきた。

 

『そう!正解。 』

「よっしゃ!!」

『3Daysの所に×がついてるから… つまり彼らの集合は2年後って事よ』

 

その答えは 3Days と 2years。くっつけて意味にすると3Days → 2years というもので、【約束していた3日後の集合をやめて2年後の集合にする】という意味が込められてあった。見事それを解読したエースは褒めて褒めて!というように見えない犬の耳を生やし見えない犬のしっぽをブンブン振り、漆黒の両目をキラキラさせながら妹を見ている。

 

『よく読めたね。お兄ちゃんいい子』

「へへっ♡」

 

昔のように一緒に住んでいるだけあって彼の意思をすぐに汲み取ったリナは背伸びして兄の頭を撫でてやると、エースも嬉しそうに赤面しながらニカッと笑った。

 

◆◆◆

 

「‘‘ 3D2Y?’’ 本当だ、麦わらの右肩にタトゥー!」

「おれ達はある場所に3日後に集合する約束をしてた… それがこのザマ」

「3Daysで「3D」って事か。でも「3D」は×で、「2Y」… ‘‘ 2Years ’’!」

「2年… 集合は3日後じゃなく2年後…!他の行動は世間の注目を集めるためのフェイクだ… ……これはおれ達だけに向けられたメッセージ。そしてルフィの決断だ。焦っても今のおれ達じゃ新世界は駆け上がれねェ…!立ち止まって力をつけるんだ、そしてまた必ず集結する!」

 

「「2年後に!!シャボンディ諸島で!!!」」

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