盃兄弟の長女は怪盗でした【アニポケXY / XY&Z】   作:小花

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ピカチュウとデデンネ!ほっぺすりすり!!

「うわああああ〜〜♡♡♡」

「選ぶ前に、このポケモン図鑑をどうぞ。」

 

研究所ではセレナがポケモンを選んでいる最中で、プラターヌ博士からポケモン図鑑をもらっていた。

 

「ありがとうございます博士… あっついた」

「その図鑑はポケモンに向ければ勝手に検索してくれるんだ。試してごらん」

「はい!」

《フォッコ、キツネポケモン。小枝を食べると元気になり、摂氏200度を超えると熱気を吹き出す。》

「すごーい!!次は?」

《ハリマロン、いがぐりポケモン。普段やわらかい頭のトゲは力を込めると鋭く尖る。岩をも貫くほど固くなる。》

「なるほど!それで〜?」

《ケロマツ、あわがえるポケモン。胸と背中からケロムースと呼ばれる泡を出す。ケロムースは攻撃を受け止めてダメージを減らす。》

 

セレナは博士から図鑑を受け取ると、さっそく1匹ずつ検索をする。ポケモン達も自分を選んでほしいがためにアピールする子や1人のんきに過ごす子などさまざまだ。……ちなみに位置としてはセレナから見て左がフォッコ、真ん中がハリマロン、右がケロマツ。真ん中にいるハリマロンはのちにシトロンの手持ちポケモンとなり旅に出る事は、この時はまだ博士もセレナも知らない。

 

「わあ!これって便利!!」

「気に入ったかい?」

「はい!」

「じゃ、パートナーを選んでくれるかな?」

「うーん、ホンモノを見るとどの子もかわいいなぁ!でも、家を出る時から決めていました!」

 

セレナが歩み寄りパートナーと決めたのは…

 

「フォッコ、よろしくね!セレナよ!」

「フォコ!」

 

ほのおタイプのフォッコだ。彼女はこれからフォッコとともに旅立つ事となった。

 

◆◆◆

 

こちらはハクダンシティへ向かっているサトシ達。木陰で休憩していた。サトシとシトロンは水分補給を行っていて、ユリーカもシトロンの向かいで休憩中。エースとリナは隣同士で座りちょっとしたおやつを食べていたところだった。そしてユリーカがしていたのは…

 

「ピーカ、ピカァ」

「はい、綺麗になったよ!ピカチュウ」

「ありがとな、ユリーカ」

 

サトシのピカチュウのお世話だ。ピカチュウは身体をプルプル震わせお礼を言うと、サトシも続くようにお礼を言う。

 

「お礼なんていらないよ!あたしはポケモンが大好きだからやってるんだもん」

「チャア〜〜♡」

 

ユリーカはポケモンが大好きで、サトシのピカチュウをなでなでしているとピカチュウも懐いた様子を見せ寄り添ってくる。そのまま抱きかかえながらサトシの元へ行き「ねえ、ピカチュウってしっぽをなでなでされると嬉しいの!?」と詰め寄る。

 

「ああ、そうだよ」

「うわああ〜〜♡♡」

「ピカチュ?」

「キャハハ!かわいい〜〜♡♡ もっとなでなでしてあげる!」

「チャア〜〜♡♡」

 

ピカチュウのトレーナーである事から熟知しているサトシもそうだ、と頷くとユリーカはピカチュウを抱っこしながらクルクル回りしっぽを撫でる。

 

「ねえエース、ブースターもなでなでさせて!」

「もちろんいいぜ。ほれ、出てこい」

「スタ!」

「わーい!!じゃあブースター、おいで〜!」

「スタァ!」

 

今度はエースに許可をとってブースターを出してもらい、ユリーカは既に来ているピカチュウの側に来させた。ブースターも元気よくボールから出ると呼び出してきたユリーカはブースターにとっても旅の仲間となった事から笑顔で頷きチョコチョコ歩いてピカチュウの隣へ。

 

「チャア〜〜♡♡」

「スタァ♡♡」

『ピカチュウとブースター、気持ちよさそう!!ブースターも【えへへぇ♡♡】ってニヤニヤしてる… かわいい〜〜♡♡』

「おれはポケモンにメロメロなお前がかわいい」

『ふぇ?』

「んあ?なんでもねェよ。気にすんなかわい子ちゃん」

『はーい』

 

ユリーカはブースターがピカチュウの隣に座った途端さっそく元の手でサトシのピカチュウをなでなでし、空いた片手でエースのブースターをなでなでした。それを見ていたリナは2匹にメロメロで、かなり重度のシスコンであるエースはそんな妹がかわいいとして開き直る。いつもだったらそんな主を見てブースターも呆れ返るのだが、生憎目の前でユリーカにお世話されているため不在だ。

 

「エース、ブースターはなでなでする時どこが嬉しいの!?」

「おれのブースターはしっぽと頭の黄色い毛、赤い毛も嬉しがるけど真ん中の首の黄色い所が1番嬉しがるな。」

「いっぱいあるんだね〜!!じゃあ全部なでなでしちゃおー!」

「スタァァ♡♡」

 

今度はサトシに聞いたようにどこが嬉しいのかと聞き、エースも正直に答えるとブースターのしっぽ→赤い体毛→頭の毛並み→首の黄色い体毛の順で撫でてブースターも「わーい♡♡」と言いながら嬉しそうに笑った。

 

「どれどれ?僕も!」

「チャア〜〜♡♡」

「スタァアア〜〜♡♡」

 

ひとしきり2匹と触れ合うユリーカ、2匹のトレーナーであるサトシとエースも微笑ましげに見守る中、兄のシトロンもピカチュウのしっぽやブースターの首元にある黄色い体毛を触ろうと歩いてきた。

 

『ブースターも【気持ちぃ〜〜♡♡】って言ってるよ』

「こいつ首を撫でられると絶対こう言うんだ。」

「ねえサトシ、ヤヤコマも出して!あたしお世話する!」

「OK、ヤヤコマ、出てこい!」

「ヤッコヤッコ!」

「ヤヤコマ、お羽を綺麗にしましょ!」

「ヤッコ!」

 

ブースターはツボである首元を撫でられると心底気持ちよさそうにしていて出てきた時よりも格段にニヤニヤヘラヘラと笑っている。たまたまなのかは不明だが、シトロンが撫でた加減もよかったのだろう。そしてピカチュウやブースターを撫でると今度はヤヤコマを出せ、とねだりサトシも希望通り出してあげ… ヤヤコマの羽を綺麗に拭き始める。

 

「うまいじゃん!!ヤヤコマも気持ちよさそうにしてる」

「へへっ!」

「ユリーカ、ポケモンのお世話ができてよかったな」

「うん!!」

 

サトシも褒めてあげるとシトロンもよかったね、と言い嬉しそうに頷く。そこへ1体のポケモン。そのポケモンはアンテナポケモンのデデンネで、先日ユリーカと出会いきのみを巡って一悶着起こした個体のポケモンだ。

 

「はい!」

「ピーカ」

「スタ!」

「ヤッコ、ヤッコ」

 

今度はピカチュウとブースターとヤヤコマにポケモンフーズを1つずつ与える。3匹は嬉しそうにしながら食べている。

 

「どう?ポケモンフーズ美味しい?」

「ピカピカ!」

「ネッネッネッネッ、デネッ!」

 

そこへデデンネが思いっきり走ってきて… もう1つ残っていたポケモンフーズを奪った。

 

「「あっ!?」」

「ネッネッネッネッ、ネッネッネッネッ… ネネネネネネネッ、デネェ…♡♡」

「あれは… この前のデデンネ!?」

「キープできなかった子!?」

「うまそうに食うんだな… 【ポケモンフーズおいちいでしゅ!】って言ってらァ」

 

デデンネはポケモンフーズを奪うとそのまま木の枝に移動しそれをあっという間に食べつくす。デデンネにとって先日のきのみは今目の前にいるサトシのヤヤコマに奪われてしまったため久しぶりの食事となった。

 

「ずっと俺達のあとをついてきたのかな…」

「ピーカチュ?」

「お兄ちゃん、キープキープ!!」

「よーし…!」

 

サトシはずっと自分らのあとをついてきたのか?と言うがまさにその通り。ヤヤコマをGETした時もこうしてお世話していた時も… デデンネはずっと見ていた。

 

「ネッネッネッネッ、デネェ」

「まって!!」

「ヤヤコマ、デデンネを追うんだ!」

「ヤッコォ!」

「まって、デデンネ!!」

 

だがシトロンがキープしようとするとあっという間に逃げてしまう。見かねたサトシがGETしたばかりのヤヤコマに指示を出し、デデンネを追わせた。サトシ達もその直後に走って追いかける。

 

「ヤッコ!ヤッコ?ヤッコ?」

「見失ったのか?」

「ヤッコヤッコ!」

 

ヤヤコマは木の上で止まるとデデンネを見つけるべくキョロキョロしながら探し出し、サトシ達もすぐに追いついてくる。……だがヤヤコマはデデンネを見失ってしまったようだ。

 

「デデンネ〜〜!どこ〜〜!?出ておいで〜〜!!!」

「……わっ!?」

「ユリーカ!?」

「!?」

「デーネェ」

 

ポケモンに追わせる形から形勢逆転、ユリーカは1人で探そうとするが穴に足をひっかけ躓いてしまう。すると… ユリーカ視点のため逆さまだが確かにそこにいたのはデデンネだった。

 

「いた!まって!!」

 

ユリーカはデデンネを見つけると、デデンネもひょこひょこ動いて逃げてしまう。まるでモグラ叩きゲームのように。

 

「ホルビー、デデンネを穴から追い出してください!」

「ホッビ!」

「ピカチュウも頼む!」

「ピカ!!」

「ブースター、お前は2人より体でけェから穴に顔を出して探せ!」

「スタ!」

「あっちあっち!!」

「……ホッビ?」

 

それを見たシトロンがホルビーを出し、サトシやエースもピカチュウとブースターに頼む。3匹はいくつも掘られた穴をくぐってデデンネを追う。だが、その先にもう1つ穴があった。

 

サトシ・シトロンとユリーカ、エースとリナ、ホルビー・ピカチュウ・ブースターは全員で屈みながらこの中の穴からデデンネの逃走先を探す。だがいくら探しても見つからず、シトロンはデデンネかと思いきやサトシのピカチュウで10まんボルトを浴びてしまい失神したり、大苦戦していた。

 

「ったく、すばしっこいヤツだぜ…!」

「んも〜〜〜〜!!!絶対キープしてやる!!」

 

今度はピカチュウが穴の中へ入りデデンネを追う。穴はそこそこ大きな物で、そこでようやくデデンネを発見した。

 

◆◆◆

 

「ピカピカ!!」

「デーネネ」

「ピーカ!!」

「デネッ」

「「ピーカァァァアアア!!!!/ デーネェェェエエエ!!!!」」

 

ピカチュウはやっと見つけた!!と言わんばかりに吠えるように鳴くもデデンネはやれやれ… という雰囲気。そこから取っ組み合いのようになり、2匹とも転がり落ちて穴から飛び出し別の場所… 原っぱへと出てしまった。

 

「「ピーカチュ… / デーネ…」」

「ピカピカ…」

「デーネデネ!!!」

 

別の場所へ出たという事は、サトシ達とはぐれてしまったという事。ピカチュウはもちろんなぜかデデンネもキョロキョロしている。その上には岩場があり、登ろうとするピカチュウに対しデデンネは怖がり泣きながら逃げた。

 

「ピッカ!ピカチュ!!」

「デネ…」

 

電気で会話しながらようやく引き止め、探しに行く気になったようだ。その2匹の近くには… ロケット団がいて、双眼鏡でじっと見ていた。

 

◆◆◆

 

「ピカチュウ発見♪」

「今ならオマケもついてるぞ?」

「あれは何ニャ?」

 

ニャースが聞くとコジロウはまたもハイテクな機械を出してデデンネを調べる。そしてケロマツ… 先日コジロウがGETしたマーイーカ… フォッコ… ときてデデンネのページに。

 

「デデンネだ、タイプはでんきだな」

「初めて見るニャ…」

「なんかビリビリやり取りしてるわね」

 

ロケット団もデデンネは見た事がなく、ムサシが2匹の電気を通しての会話に気づく。これはでんきタイプ同士だから行えるのである。

 

「同じでんきタイプ同士だからあーやってコミュニケーション取ってるんじゃないか?」

「ニャース、訳してよ」

「そりゃ無理ニャ… ニャーはでんきタイプじゃないニャ」

 

双眼鏡はデデンネだけを拡大して見続け、コジロウが当ててみせるとムサシがポケモンの言葉が分かるニャースに訳せと頼む。……が、ニャースでも訳せないようだ。あそこででんき1つだけという手段で魔法の力を使い2匹ともの言葉を訳せたエースとリナはかなり強者だと言える。

 

「まわりにジャリボーイ達の姿ナシ…」

「こいつはビッグチャンスだ!」

 

早速訪れる、ピンチの予感。いつものごとくロケット団襲来まであと…??

 

◆◆◆

 

「どこにもいない…」

「逃げちゃったのかな?」

「ビルッ」

「あれ… ピカチュウのヤツ、戻ってこないな」

 

サトシ達もまたデデンネを探していて、ここでようやくピカチュウがいなくなった事に気づく。

 

「サトシ、おれが探してこようか?」

「えっ!?で、でも…」

「大丈夫さ。おれァこれ(・・)が使える」

「わっ!?翼が生えた!!!」

「ああ。おれと妹は魔法使いなんだよ。だから空を飛んでピカチュウやデデンネを探せる」

 

するとエースが自分が探してこようか?と言って筋肉質でガッシリとしたガタイのいい背に黒い翼を生やす… サトシ達は彼の秘密を新たに知った瞬間だ。

 

「でもやっぱり不安ですね… ホルビー、もう一度潜ってピカチュウを探してもらえませんか?」

「ッビ。ホッビ」

「……ピカチュウ…」

 

という訳で空路はエースが、陸路はホルビーがピカチュウを捜索する事になった。サトシは2人に頼む中、心配そうにピカチュウの名をつぶやく。

 

◆◆◆

 

戻って原っぱへ落とされてしまったピカチュウとデデンネ。途方に暮れた様子で歩いているがここでデデンネの腹の虫が盛大にラッパを吹いた。空腹なのだろう。

 

「ピカピカ?」

「デェネ…」

「ピーカ… ピカ!!」

「ピィィカ、ヂュウウウウ!!!!」

「デネ…」

「ピカ!ピカピカチュ!」

「デネェ…!!」

 

どうしようかと悩んでいた矢先、2つのきのみ… おそらくオボンのみを発見。ピカチュウは10まんボルトで命中させ、1つ落としてデデンネにプレゼント。デデンネも目をウルウルさせて受け取り笑顔で見守られる中さっそく食べ始めた。……だが、早速行動開始したロケット団がカプセル状の光る網で2匹を捕獲しようとしてきた。そんな悠長に食べている暇はなかったようだ。

 

「ピカ!?ピカピカ!!」

 

咄嗟の事にピカチュウはデデンネを庇って抱きつく状態で網を回避するがオボンのみを落としてしまった。

 

「ピィ… カ…」

「デネッ…」

「ピカチュウ!!」

「ピカチュウ!!と聞かれたら!」

「答えてあげるが世の情け!」

「世界の破壊を防ぐため!」

「世界の平和を守るため!」

「愛と真実の悪を貫く!」

「ラブリーチャーミーな敵役!」

「ムサシ!」

「コジロウ!」

「銀河を駆けるロケット団の2人には!」

「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ!」

「ニャーんてニャ!!」

「ソォ〜〜ナンスッ!!」

 

崖の上にいたロケット団は名乗り向上を名乗ると華麗に着地、ピカチュウとデデンネを見る。

 

「さあピカチュウ、おとなしく我々にGETされちゃいなさい!!」

「オマケのデデンネもな!!」

「ピカピカ、ピカチュウ!」

「ああっ、逃がすか!!」

 

ムサシもコジロウもロケット団に捕まれ、と言うがピカチュウは「逃げよう!」と言いデデンネを引き連れ逃走。ロケット団も慌てて追いかけ、網を投げるもかわされる。

 

「ピィィカ、ヂュウウウウ!!!!」

「お願い、ソーナンス!」

「ソォ〜ナン… スーーーーッ!!!」

「ピカピカ〜〜!!!」

 

ピカチュウは10まんボルトを出すもソーナンスのミラーコートで跳ね返され、デデンネもろとも吹っ飛ばされる。

 

「んもー!すばしっこいわね!!」

「「まてーーーッ!!!」」

「待つニャ!!」

 

ロケット団はサトシと同じ事を言って2匹を追った。

 

◆◆◆

 

「……」

「やっと見つけた… ピカチュウ…!!たかが追いかけるだけなのにまーた苦戦してやがんのか。ったく、これだからサカキ様に期待されねェんだよ」

 

それを… 翼を生やしたエースが見ていた。

 

◆◆◆

 

「ビィッル!!」

「どうでした?ホルビー…」

「ホッビ!ビィル…」

 

同じ頃、サトシ達がいる場所では穴からホルビーが戻ってきた。見かねたシトロンがどうだったか聞くと、ホルビー両手を広げて【ダメだよ…】と言うように首を振った。

 

「どこにもいなかったのね、ピカチュウ…」

「穴を移動している間に、どこかに迷い込んじゃったとか…」

 

シトロンはピカチュウとデデンネが別の場所へ強制移動した事を言い当てる。さすがの頭脳だ。

 

「お兄ちゃん、何かいい方法はないの!?」

「ヤヤコマ、空からも探してくれ!」

「ヤッコ!」

 

ヤヤコマは空から探す… が、そこへ入れ違いでエースが着地、翼をしまって帰ってきた。

 

「よっと。」

「「エースさん!!」」

「あの、エースさん!ピカチュウは!?」

「ピカチュウ?さっき見かけた。デデンネといたよ」

「よかった…!」

「接近してピカチュウ達を迎えに行こうとしたけど追っ手から逃げてたから… 2人とももう移動してっかもな」

「追っ手… まさか…」

 

エースはピカチュウを発見した事を知らせるが、逃げていたから移動している事を伝えた。そこでようやくロケット団の襲来に感づきつつあるサトシ達であった。

 

◆◆◆

 

「まてーーっ!!」

「まて!おい!!」

 

「デネェェエエエ!!!!」

 

ピカチュウとデデンネは小さい体を駆使して岩を飛び移りながら移動していて、ロケット団から逃げていた。ロケット団もしつこく追い回し、ピカチュウ達めがけて網を投げる… そこへ落ちてきたデデンネのしっぽを噛んで救出。助けたのはいいがこれでとうとうろくな移動ができなくなる。

 

ロケット団は目の前、飛び上がって捕まえようとしているが岩場にいるからか下にいるムサシはなかなか捕まらない。

 

「ピカチュ!」

「デーネネ!」

 

そしてしっぽを放して解放、2匹はさらに逃げていった。

 

「まずい… このままじゃ逃げられちゃうわ!」

「よーしこうなったら… MYマーイーカ、カモーーンヌ!!」

「マァイッカ!」

「たいあたりだ!」

「マイッカ〜〜!!」

 

ムサシは当然焦りだし、見かねたコジロウがダジャレじみた事を言いながらマーイーカを出したいあたりを指示。とうとうデデンネに命中した。

 

「ピカチュ!?」

「マーイーカ、サイケこうせん!」

「マーイーカアアア!!!」

「「ピカ!?/ デネ!?」」

 

それは当たった拍子に岩ごと落下、川に流されてしまった。

 

「ピカチュウはどこ!?」

「あそこニャ!」

「あっ!?何とかしないと!!」

「こんな時のために… ゴムのボートを用意しておいたぜ!」

「うは!やるじゃん!!」

「当然。」

「ソォ〜〜ナンスッ!!」

 

ロケット団にとってピカチュウは最大の獲物。逃げられてしまい驚き焦るとコジロウが奥の手としてゴムボートを用意。3人はそれに乗って2匹を再び追った。

 

◆◆◆

 

『デデンネ… ピカチュウ…』

「大丈夫だ、絶対に助けられる… さっきは助けに行けずすまなかった」

『いいよ、お兄ちゃんが謝る事じゃない… 私達ももう一度2人を探そう』

「そうだな。」

 

サトシ達がいる場ではリナも心配そうに見ていて、エースが謝りお互いもう一度探そうと誓いあっていた。

 

◆◆◆

 

「待ってろよピカチュウ、今GETしてやるからな!!」

「これちょっと狭くない?」

「緊急なんだから我慢してくれよ…」

「そんな事よりまずピカチュウニャ!!」

「あっ、ピカチュウじゃない!?」

「ソーナンス…」

「ねえ、止めて止めて!!コジロウ、ねえ止めてよ!!」

 

ロケット団の乗るボートは2人 + ポケモン2匹だとかなりキツキツで、緊急用ながらも窮屈そうにしながら何とかピカチュウを発見。だが先に進んでしまった。

 

「ボートは急に止まれニャい…」

「そういう事…」

「マー!マイッカ!マーイッカ!!」

 

コジロウもニャースも諦めたように先を進む事にしたようだがマーイーカがじたばたしながら慌てる。……前方に大きな岩があった。

 

「「「わああああああ!?」」」

 

それはもちろんかわせず、緊急用ボートは徐々に縮んでいき地平線の彼方へ吹っ飛ばされていった。……だがまた懲りずにサトシ達の元へ来るのは読めるのだが。

 

◆◆◆

 

「ピィ… ピィ… ピカチュウ?」

「……」

 

ピカチュウもデデンネも汗だくになりながら岸に上がる。……が、デデンネがグッタリしている。

 

「ヤコ?ヤッコ!ヤッコォ!!」

「おーーい!!ピカチュウ〜〜!!!デデンネ〜〜!!!どこにいんだ〜〜!?おーーい!!おーーーーい!!!」

「ピカピカ!ピカチュウ〜!!ピーカ〜〜!!!」

 

すると、サトシのヤヤコマと翼を生やしたエースがピカチュウの居場所へ来た。ヤヤコマはクルクル回りながら呼びエースも大きな声でピカチュウとデデンネを呼んで探している。それに気づいたピカチュウは同じサトポケとなったヤヤコマを呼ぶのと同時に「エース〜〜!!!」というイントネーションでエースを呼んだ。

 

◆◆◆

 

「ピカチュウ〜〜!!ピカチュウ〜〜!!!」

 

そしてヤヤコマとエースに見つかったという事はもちろんその居場所はサトシ達にも知らされる。ヤヤコマの案内の元、5人はもう一度ピカチュウの元へ。

 

「ピカピ!!」

「心配したんだぞ、ピカチュウ!」

「ピカピカ、ピーカ!!」

 

ピカチュウはサトシの元へ駆け寄ると心配した、とお叱りを受けるも「そんなことより、デデンネが!!」と言いたげにデデンネの事を知らせる。

 

「「「「『あっ!?!?』」」」」

「デデンネ!?」

「デデンネ、デデンネ!どうすればいいの…?お兄ちゃん!!」

「ポケモンセンターは!?」

「いや、とりあえず応急処置を!電気を足してあげましょう!!」

「『……』」

 

サトシ達はデデンネの不調に気づくと血相を変え、GETもといキープに協力的だったサトシ・シトロン、キープする気満々だったユリーカは特に心配そうにしておりこの3人を中心に話し合いが進む。

 

『デデンネッ…』

「見つかった途端こんなにグッタリしてたとはな… いったい何が原因で…?」

 

そんな彼らの後ろにいる盃兄妹… リナも悲しそうに、心配そうにデデンネを見つめ、エースも腕組みしつつ険しい顔で心配そうにしている。

 

「電気を足す…?」

「でも、どうやって!」

( (あ…) )

「……」

 

シトロンは電気を足そう、と言うも方法が1つしかない。それは… 彼の作るであろうマシンだ。頭の良い兄妹はもう察しているのか2人とも顔が引きつり、外に出ていたブースターも冷や汗がタラ〜ッ… と出てしまっている。

 

「フッフッフ… お任せください!今こそ、サイエンスが未来を切り開く時!シトロニックギア・オン!!この局面を打開するナイスなマシン出動!名付けて、【電気発生マシン】です!!」

「うおおおおお!!!」

「『……』」

「名前そのまんまじゃん」

 

シトロンはかなり巨大なマシンを作っていて、これで電気を発生させるのだそうだ。今回ばかりはまた爆発するだろう、と踏んだのかサトシ以外は全員反応が薄かった。

 

「こうして下敷きを脇に挟んで、シュッシュッシュッと擦れば…」

「ん?わあああ!!」

 

下敷きを脇に挟む。ただこれだけの方法で早速ユリーカの頭に乗せてみると、髪の毛が集まってくっつき、ユリーカも嬉しそうに目を輝かせた。

 

「摩擦エネルギーが電気エネルギーに変換し、静電気が発生するのです!このマシンはその原理を応用し大きな電気エネルギーを作ってしまう優れ物なんです!!」

「スイッチ・オン!!」

 

ひとしきりの説明を終えるとデデンネを位置につかせ早速レバーを引いてスイッチを入れる。するとメカにセットした下敷きが横に擦られていき電気が生まれた。

 

「ピーカァ…」

「スタ!」

「電気が発生しています」

「やったあ!かがくの ちからって すげーーっ!!」

「こいつァ良いな。これでデデンネも回復するといいが…」

 

メカの効き目は早速現れて、反応の薄かったエースとブースターも興味を示した。

 

「ほんとに大丈夫?」

「ここからですよ…」

 

だが、そこからモニターに緑の光が出て擦り具合が早くなる。そしてデデンネの元へ到達した。

 

「「「「『わああ!!』」」」」

「ピカピカ!!」

「スタァ!!」

 

そしてついに、デデンネは目を覚まし回復。

 

『よかった!!!』

「ネネ?」

「なあ、もういいんじゃないか?」

 

デデンネが回復してもなお動き続けるマシン。サトシがさすがに止めるも止まらない。それは…

 

「ソレガ… デスネ…」

 

シトロンはスッ… と何かを見せる。それは壊れたレバーだ。つまり、スイッチのレバーが取れてしまったのだ。

 

「「『ええーーーーーっ!?!?』」」

「ハァ… こりゃ今回もまたドカンだな」

「スタァ…」

「デデンネ、早く離れて!!」

「シトロン、マシンを止めるんだ!!」

「でもこれはどうやれば…!」

 

エースは両手を広げて呆れかえり、ブースターも「やれやれ…」と鳴いた。そしてモニターは緑の光のほか、赤い光も出始め… 5人全員は回復したばかりのデデンネを伴い離れる。そこからモニターは完全に赤くなりしばし揺れたあとドォォォォォオオオオン!!!!!!と凄まじい音と煙をあげ今回も爆発。衝撃のあまり5人全員の髪がアフロになって倒れてしまった。

 

「スミマセン… 失敗シテシマイマシタ…」

「もう… お兄ちゃんったら…」

 

サトシやシトロンとユリーカ、エースとリナの髪もモコモコになり、エースが被っていたテンガロンハットも自然と取れてしまっている。

 

「デネ!デネデネ!」

「だけどデデンネは元気になったみたいだ」

 

サトシの言葉通りメカは失敗し爆発したが、デデンネは回復した。それだけでもかなりのお手柄だ。

 

「結果良ければ全てよし!!」

「よかった、デデンネが元気になって!」

 

シトロンもこれで元気を取り戻し、ユリーカも元気に駆け回るデデンネを見て嬉しそうだ。

 

「デネデネ!」

「電気をもらったお礼を言ってるんじゃないか?」

『うんうん!【デネのためにありがとうでしゅ!】って言ってる!』

「お礼なんていいんですよ!」

「あっ!お兄ちゃんお兄ちゃん、キープよキープ!!」

「そうでした、当初の目的を忘れるところでした!」

 

デデンネは「ありがとう!」と鳴いてサトシが意思を汲み取り、リナが言葉を翻訳。シトロンも照れくさそうにする中ようやく本来の目的を思い出す。本当はデデンネのキープをするつもりでいたのだ。……だがそう悠長にできないのがサトシ達である。

 

「ちょっと待ちな!!」

「なんだ!?」

「なんだ!?かんだと聞かれたら!」

「以下略ニャ!!」

「おとなしくピカチュウを渡すんだ!!」

「我らサカキ様がお待ちかねなの」

「さっきみたいに運は味方しないぜ!」

 

やはりといえど、ロケット団が追いかけてきたのだ。

 

「そうか!全部お前達の仕業だったんだな!!」

「なんでポケモンばっかに酷い事するのよ!!」

「あーそうですか!!カモーン、マーイーカ!」

「マーイッカ!」

 

サトシは邪魔してきたロケット団を睨むが、コジロウも諦めずにマーイーカを繰り出す。

 

「デネネ!」

「デデンネ… 任せろというのですね!やられっぱなしは悔しいですものね!」

「デネ!」

「よーし、デデンネ、たいあたりです!」

「ネッネッネッネッ…!!!」

「マーイーカ、イカサマだ!」

「マイッカ!」

 

今回はデデンネが行く事になり、シトロンの指示でたいあたりを繰り出すもマーイーカにイカサマを繰り出されて失敗。

 

「ンネ!」

「マーイーカ、サイケこうせん!」

「マーイーカアアア!!!」

「『危ない!!』」

「もう一度たいあたりです!」

「ネェ!!」

「マイッカ…!」

 

だが次のサイケこうせんは走ってかわし、もう一度たいあたり。2発目はキマりマーイーカに当たる。

 

「いいですよ!!次はほっぺすりすりです!」

「デーネデネデネデネデネ!!!」

「マイッカァ!?」

「なんってかわいい技なの!?ますます気に入っちゃった!!!♡♡」

『ああ… かわいい…♡♡♡』

 

ユリーカはデデンネが放ったほっぺすりすりを見てますます気に入ったようだ。エースの隣にいたリナも見とれている。

 

「あの技は痺れさせる効果があります!」

「すごーい!!」

「へえ…」

「やるな、デデンネ!」

「OH〜マーイーカ〜!!」

「デネデネ!」

「ピーカチュウ!」

 

シトロンの言葉通りマーイーカは痺れてしまいフラフラとしか動けなくなった。ピカチュウとデデンネは息を合わせて電気のみで会話しロケット団に飛びかかる。

 

「よーしピカチュウ、10まんボルトだ!」

「デデンネ、でんきショックです!」

「ピィィカ、ヂュウウウウ!!!!」

「デーネ… デネェェエエエ!!!!」

 

2人は仲良くほっぺを擦り合わせるようにしながら10まんボルトとでんきショックを発動。そして…

 

「ヤな感じ〜〜!!!!」

「マ、イッカ〜〜!!!」

 

それはマーイーカに直撃、ロケット団を撃退した。

 

◆◆◆

 

「やったなピカチュウ、デデンネ!」

「デデンネすごーい!!」

「ありがとう!」

『とってもかっこよかった!』

「ネ、ネネネ」

「ピカピーカ?」

「デネネ」

 

ピカチュウとデデンネが戻ってくると、一同はいっせいにデデンネを褒める。そしておもむろにシトロンとユリーカのまわりを歩くとピカチュウと電気を飛ばし合う。

 

「ピカピカッチュウ」

「デデンネが一緒に行きたいって?」

「え、ほんと!?やった〜〜!!!!一緒に行こうよ!ね!?楽しいよ!!そうしようよデデンネ!!」

 

サトシがピカチュウを通じて言葉を訳すとユリーカは大喜び。目を輝かせながらデデンネの元へ。そしてデデンネもまた目を輝かせ、おはなのオーラが飛んでいる。

 

「ね!?お兄ちゃん!!」

「うん!よーし、いきますよ!モンスターボール!!」

 

シトロンはボールを投げ、デデンネを収める。それが揺れている間、サトシと盃兄妹は呆然と見てユリーカは祈っている。

 

「やりました!!」

「『わああ!!』」

「はい、デデンネGET!そして、ユリーカのキープです!!」

「ありがとうお兄ちゃん!!ねえねえ、デデンネ出して!あたしお世話したい!」

「はい、わかりました!」

「デネネ」

「デデンネ〜〜!!!あたしユリーカ!そしてお兄ちゃんのシトロン!」

「ピカピカチュウ!」

「ピカチュウとサトシ!」

「よろしくな!」

「エースとリナ!」

『よろしくね、デデンネ!』

「よろしく。」

「デネデネ!」

 

ポーン!!と音がし無事にGET成功の証となる。ユリーカのキープポケモンとして、一行の元に新たにデデンネが加わった。ユリーカも飛びついて喜び、デデンネは一同と挨拶をかわした。

 

「じゃあ体拭いてあげる!バトルで汚れちゃったもんね!」

「デネェ〜♡♡」

『うわぁかわいい〜〜♡♡』

「デーネ!」

「デデンネもしっぽ撫でられると嬉しいみたい!」

「それは知りませんでした!」

「ピカ!ピカチュ、ピカチュウ!」

「ピカチュウと一緒だね〜!」

「チャア〜〜♡♡」

「なんだか兄弟みたい!!」

「まあ同じでんきタイプですから…」

「ユリーカ、お世話し甲斐があるな!」

「うん!デデンネかわいい♡♡」

「デーネ… デネーーッ」

「あばばばばばばばばば」

「ほっぺすりすりはデデンネの技だよ…?」

「相手を痺れさせる追加効果で…」

「デーネ…」

 

GETして早々にお世話してあとから来たサトシのピカチュウ含む2匹と触れ合うユリーカ、これからデデンネは彼女のポシェットで過ごす事になる。デデンネは疲れたのかそのまま欠伸ひとつして眠ってしまう。

 

「眠っちゃった…」

「デデンネは【眠りネズミ】とも言われているんです。こうしてエネルギーを節約しているんですよ」

「省エネって事か!」

「へえ… じゃあここでおねんねしてて!」

「さ、出発だ!」

「旅を続けましょう!」

「おー!」

「「「『しーっ!』」」」

「あ… へへへ」

「「「アハハ!」」」

「『ハハハ / ふふっ』」

 

今度こそ出発だと言わんばかりに草むらを歩きハクダンシティをめざす5人。仲良く笑いながらデデンネを起こさないように出発したのだった。

 

◆◆◆

 

「なァかわい子ちゃんよォ、兄ちゃんの事どう思ってる?」

『え?なに突然。へんなの』

「いーからいーから♪」

「エースさん?」

『あーお兄ちゃんのコレ(・・)いつもだから』

 

ロケット団を撃退してデデンネをキープし終わると、エースがふと「俺の事どう思ってる?」と聞いてきた。これもシスコンゆえの行動、めんどくさいこじらせ感情持ちの兄だから当然と言ったら当然だ。そしてリナも兄からの猛アピールは聞き慣れて、見慣れているのかのらりくらりと冷たくあしらいサトシに聞かれても気にするな、と返す。だがそのエースもお構い無しに… 挙句の果てにはニヤニヤしながらさあどうぞ、という雰囲気満載で何としてでも吐かせようとしている。

 

『……でも… お兄ちゃん達は誰とも結婚してほしくない。エース兄もサボ兄も、私といればいいの!』

「あっ… はぁ…♡♡ おれァこの上なき幸せ…♡♡♡♡」

「エースさん!?!?」

「ウフフ… ぐふふ… 22年生きてきて久しぶりに妹からデレてくれた…♡♡♡♡」

「スタ…」

「リナちゃ〜ん、兄ちゃんは誰とも結婚しませ〜ん…♡♡ このかわいくて天使な妹のデレ、マジでサボにも聞かせてやりたかったわァ…♡♡♡」

 

リナは盃兄弟の兄ズ・エースとサボに対してLIKEだと思われたが… 隠れブラコンだったと分かりエースは嬉しさのあまり有頂天になり足元にいたブースターも「まーた始まった… このシスコンめ…」と言わんばかりに呆れかえるがそのままドテン!と思いっきりずっこけて、目をハート状態にさせ口角をヒクヒク引き攣らせたまま鼻血を流し、指で置き手紙のように【I♡いもうと】と書いて気絶してしまった。

 

「え、エースさん!」

「えへへ… あー嬉しいなぁ… 妹がおれのこと好きって言ってくれた… いつ告ろうかなぁ…♡♡♡」

(全然起きない… こうなったら一か八かだ!)

「ピカチュウ、エースさんに10まんボルト!」

「ピカ!?……ピィィカ、ヂュウウウウ!!!!」

「あばばばはばばはばばばば!!!!!!」

「げふっ… 加減強スギデス、ピカチュウサン…」

「ププッ…」

 

サトシが起こそうと試みるがエースはヘラヘラ笑いながらも起きない。そこでピカチュウを指名、ピカチュウもエースに10まんボルト!と言われびっくりしながらも思いっきり10まんボルトを食らわすとボロボロになりながらも復活。……ブースターはそんな主を見ておもしろがり、前足で口を抑え笑っている。

 

だが彼らは知らない、リナのもう1人の兄もここにいる兄のように手の施しようがないほどの超シスコンで、彼もまたこじらせ感情を抱いている事を。

 

◆◆◆

 

「ああ… 最悪… こんな山の中で日が暮れてきちゃった…」

「フォコ」

「もしかして今日は野宿って事!?」

 

セレナはミアレシティを出て、日没を迎え野宿するか否かで迫られていた。すると左方向を見るとそこには2匹のフシデが。この場に◯◯がいたら、虫嫌いな彼女はピクリとも動けなくなって恐怖から泣いていただろう。

 

「それはキツいわね…」

 

何としても野宿は嫌らしい。でもそれはそうだ。女の子1人で夜を明かすなど不安点しかない。

 

「ポケモンセンターがあればそこに泊まれるはずなんだけど…」

「フォーコ…」

「どこにあるのか分からないし… あ!?あの人に聞いてみよう!!」

 

そう言って走り出すも、あれは人ではない。はちのすポケモンのビークイン、もちろんリナが大の苦手とするむしタイプのうち1体だ。

 

「すみませーん!この辺にポケモンセンターはありませんか?」

「……」

「うわあああ!?」

「ビック!……ックゥ!!」

「フォコ!」

 

ビークインは無言で振り向き、セレナもさすがに気づく。そしてそのまま技を出した。やられる…!!と思っただろう、そこでフォッコが飛びかかる。

 

「フォーーーッ、コォ〜〜!!!」

「ビク!ビック〜〜!!!」

 

フォッコは火の玉を吐いた。……これはおそらくひのこだ。ビークインはびっくりして逃げていった。

 

「はあああ…」

「フォーコ」

「ありがとうフォッコ、助かったわ!」

「フォコ!」

 

ビークインが逃げていくとフォッコがセレナの帽子をくわえて帰ってきて、セレナも礼を言う。

 

「どうかしましたか〜〜!?!?悲鳴が聞こえましたが!!」

 

するとそこで遠くから声が。ジョーイさんだ。セレナの声が届いたのだろう、プクリンとともに走ってきた。

 

「ジョーイさん!ちょっとポケモンにびっくりしてしまって…」

「そうでしたか、おケガはありませんか?」

「はい!……もしかして、この近くにポケモンセンターあります!?」

「ええ!この先もうすぐですよ!」

「よかったぁ… フォッコ、今夜はポケモンセンターにお泊まりよ!それじゃ、どっちが先に着けるか競走!!」

「フォコフォコ!」

 

セレナのトレーナーとしての旅も今、幕を開けた。

 

◆◆◆

 

「サボくん、ほんとにここでいいの?」

「ああ。コアラ、カイト、送ってくれて助かった」

「サボくんがいきなり【カロスリーグに出る】って言うからびっくりしたよ… 私達は見に来られないんだよ?」

 

ここはショウヨウシティ近辺の海辺。盃兄弟の1人である革命軍参謀総長・サボは仲間のうち1人であるカイトの能力を使ってカロス地方へ降り立ってきた。彼はカロスリーグ出場という目的を果たすため、こうしてカロスへ来たのだ。だがコアラやカイトなどの革命軍は見に来る事ができず苦笑いしながらサボに話す。

 

「いや、しばらくは帰るつもりはねェし別にお前らまで見に来なくて大丈夫だ。それに妹がここにいるかもしれねェ… ここからだとまだまだかなり遠いけど覇気で感じ取るんだ」

「ふうん… ま、頑張って。任務はこっちでやっとくから」

「ああ、助かる。」

「ブラッキーもまたね!サボくんと頑張るんだよ?」

「ブラッキ」

 

サボいわく見聞色の覇気で妹の気配を感じ取っているとの事。……だが、その他に死んだはずのエースもいるということは知る由もない。さて、サボのためにと見送りに駆けつけた仲間達と別れを告げてさっそく近くにある町・ショウヨウシティへ。サボの旅も今、幕を開けた。

 

◆◆◆

 

「初めまして、おれはサボといいます。ジョーイ… さん?ですよね、カロスリーグの選手登録をお願いしたいのですが」

「はい!ではここにポケモン図鑑をタッチしてください!」

(カロスのポケモン図鑑をタッチ… こうか。)

《革命軍のサボ、カロスリーグ挑戦の登録完了。現在、バッジの数ゼロ、健闘を祈ります》

「革命軍のサボさん… 登録完了です!では、サボさんにはカロス地方にあるポケモンジムを巡ってジムバッジを8個揃えてきてもらいます。」

「バッジ8個ですか。はい、わかりました」

 

サボもサトシのようにカロスリーグ出場のための登録へ来ていて、バッジケースを受け取っているところだ。

 

「バッジを全て揃えたトレーナーさんだけが… カロスリーグに出場する事ができます!」

「なるほど… 燃えますね。ちなみにここから1番近いポケモンジムはどこだかご存知ですか?」

「ここからだと… このショウヨウシティにあるショウヨウジムが近いです」

「ショウヨウジム… 何タイプを使うジムリーダーなのです?」

「ショウヨウジムリーダー・ザクロさんはいわタイプの使い手です。みずタイプ、かくとうタイプ、くさタイプ、じめんタイプ、はがねタイプの5つに該当するポケモンを用意して対策していくとよいでしょう!」

「ほう… みずタイプやかくとうタイプ、くさタイプにじめんタイプ、そしてはがねタイプか。何から何までありがとうございました」

 

サボは1番近いポケモンジムを聞いた結果ショウヨウジムから始める事になり、早速対策方法を教わるとペコリとお辞儀してポケモンセンターを出た。

 

「この前はミアレシティのポケモンセンターへマサラタウンのサトシ選手やJOKERのエース選手が立て続けに来て、今日はここショウヨウシティのポケモンセンターに革命軍のサボ選手が来た… 有名選手や超イケメンが続々と選手登録に来てるわね。」

 

ジョーイさんは町こそ違えど、立て続けにイケメントレーナーの選手登録に立ち会っていることから感慨深そうにその背中を見届けた。

 

◆◆◆

 

「失礼、おれは革命軍の参謀総長・サボと申します。ザクロさんといいましたか、あなたに初のジム戦を挑みたい!!」

「サボさん… ですか。では、このロッククライミングでバトルコートへ来てもらいましょう。それで試させてもらいますよ。サボさんのジム戦はそれからです。」

「えっ?わ、わかりました。ロッククライミングはお手の物なので、必ずバトルしてくれるのならこなしてみせましょう」

 

ポケモンセンターを出てショウヨウシティジムへと辿り着いたサボ、早速ジム戦を挑むがロッククライミングでバトルコートへ辿り着けと試練を出した。10歳まで山で過ごしそこから革命軍に入っているサボにとってこれはお手の物。あっという間に登りきってみせた。

 

「よし、登りきりましたよ。バトルしてくれるんでしょうね」

「ええ、約束なので。お受けしましょう」

「よしきた…!負けませんよ、ザクロさん。」

 

登りきってバトルコートへ到達するとようやくバトルをしてもらえる事になり、サボははがねタイプを持つルカリオを。ザクロはいわタイプのチゴラスをそれぞれ繰り出した。

 

◆◆◆

 

「やりますね… ここまで強いトレーナーは早々いません」

「さっそく白星か… こいつはありがてェ。良いバトルでした、また機会があればぜひ再戦よろしく頼みます」

 

あれからサボはショウヨウシティのジムリーダー・いわタイプ使いのザクロに勝ち1つ目のバッジとなったウォールバッジをGET、再戦を誓いショウヨウジムを出た。

 

「次はどこへ行こうか… このままシャラシティへ向かうのもいいが、寄り道しつつちょっと戻ってミアレシティのジムにも挑むのもアリか…?」

「いや、一か八か… ここはミアレシティのジムリーダーへ挑みに行くとしよう。2つ目のバッジはそこで手に入れる… さあ行こう、ブラッキー!おれ達の旅の幕開けだ!!」

「ブーラッ!」

 

ジム戦目当てにシャラシティへ向かうのと悩んだ末に次のジム戦はミアレジムにする事を決意、そのままミアレシティ方面をめざして出発。最初のジム戦となるハクダンジムリーダー・ビオラに挑むためハクダンシティをめざすサトシ達とエース達、そして2つ目のジムバッジを手に入れるためミアレシティをめざすサボ。彼らの旅は始まったばかり。そして一同の再会はいつになるのやら…

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