とりあえず、今回含めて6話を今後投稿していきます。
午前と午後の9時に投稿していきます。
誤字の報告をしていただいた方ありがとうございました。
「アイギス、インベーダーが現れたぞ、出動だ」
インベーダーとなった俺の朝は早い。人権がないせいか、割とこき使われる。朝1時に起こされ、なんやかんやあって眠れるのは夜の11時ぐらいだ。まじで酷い。ブラック企業かな?
「ガアガア(了解です)」
拒否権はないのでおとなしく付き添いの魔法少女と一緒に車があるところまでついていき、現場に急行する。
「頼りにしてるぞ、アイギス」
「ガアガア(任せてください)」
ここに来たばかりで避けられていた前よりは大分冷泉さん以外の魔法少女とも仲良くなった。こうして名前で呼んでくれる人も何人かでき、割と充実した生活を送れるようになってきている。
だからこそ、仕事をミスするわけにはいかない。
……とはいえ、今回出現したインベーダーは以前の狼のような大きなインベーダーではない。人数は少ないとはいえ、魔法少女の援護もあることだし、大丈夫だろう。
「よし、着いたぞ」
そうこう考えている内に現場に到着したようだ。今回インベーダーが現れたのは公園だ。名草先生曰くインベーダーは人の多いところに現れるので、普通は道路とかに現れるらしい。今回は人通りの少ない夜の公園に現れたレアケースであり、偶然通りかかった市民から通報されている。
「結構小さいな。これならアイギス一人で勝てるんじゃ?」
「油断するな、アイギスはあくまでも前衛、私たちは私たちの役割を全うすることに意識を注ぐぞ」
今回のインベーダーはかなり小さい。一メートル前後の二足歩行の猿みたいなやつだ。
「ガアガア?(じゃあ行きま、ん?)」
インベーダーに近づくと、何か踏んだ感触があった。これは……注射器?何でこんなところに?
「キー、キ、ギィー、ギィー!!」
ん?インベーダーの様子がおかしい、血管が浮き出てきた?嫌な予感がする。黒魔強化……がっ!
腹部に強烈な痛みが走る。まずい、彼女たちじゃ接近戦では勝てない。耐えろ、俺!
飛びそうな意識をなんとか保たせる。
俺は冷泉さんに念話を送る。……反応なし、流石に寝ているか、今回は非番だもんな。仕方ない。無茶振りしてるのは上の方だもんな。
だが、今はそれだとヤバい。何度も俺は念話を送る。
「がはっ」
「ぐっ!!」
頼む、頼む!届いてく、来た!
「ガアガア(……反撃開始だ)」
俺はインベーダーに向かい突進し、近づいたところにローキックを叩き込んだ。よし、スピードはなんとか通用するところまでは上がっているようだ。
「ギィー!!」
インベーダーは苛立ったように直線的な動きで俺に向かってきた。……読みやすくて助かるよ。
俺はインベーダーの攻撃を避け横からローキックをかます。
同じ要領でローキックをし続ける。よし、これでなんとか……おい待て、何だ?インベーダーの体が赤く染まっている?まずい、インベーダーの能力か。俺はとっさに後ろに跳んだ。
「ガアッ(ぐっ!)」
くっ、なんとかダメージは逃せたが、痛い。また、強くなりやがった。何だ、こいつ。化け物か?
仕方ない、美玲さんからなるべくしないように言われた戦法でやるしかないか。
俺は片膝を地面に付けインベーダーの方へと向く。インベーダーは俺へと突進し――
「ガアッ!」
「ギィッ!!」
俺はインベーダーの頭を肘で、インベーダーは俺の腹を腕で攻撃した。その上で俺はインベーダーの肩を掴み、首を牙で強く噛んだ。
よし、このまま――
「ギィッーー!!!」
突然インベーダーが吼えた。そして、同時にインベーダーの体が
は?どういうことだ?能力!?体が赤くなるのは能力でははなかったのか?くっ、考えている暇はない。インベーダーの体は今、俺が掴んでいる一体とと俺から数メートル前にいる一体に分かれている。俺が掴んでいるインベーダーはもう死にかけ、いや、もう死んでいる。おそらく、俺の数メートル前にいるインベーダーに生命力を分けたのだろう。とかげのしっぽ切りみたいのものだと考えられる。
ヤバい。冷泉さんに強化してもらってからもう二分が経とうとしている。このままじゃ死ぬ。
「ギィー!!!」
インベーダーもやる気みたいだ。逃げられもしない。傷もヤバい。絶体絶命だな。だが、せめて仲間だけでも守らないと。俺は最後の力を振り絞ろうと、構えを取り――
「ガア?(え?)」
突然、インベーダーが黒い立方体に覆われたことに驚き、つい声を出してしまった。
黒い立方体は徐々に小さくなっていき、最後には見えなくなってしまった。……消えたのか?
何が起こった?俺はキョロキョロと回りを見渡し、怪しい存在を見つけた。
それは魔法少女の姿をしていた。しかし、今まで見たこともない黒いドレスを纏った漆黒の魔法少女である。その魔法少女は髪をなびかせてこちらを見ていた。
何者だ?
俺は警戒するが、その子はあっという間にビルの方へと走り去り、姿を消してしまった。
俺は疲労からどうすることもできず、ただただ座り込むしかなかった。