「上がまたインベーダー君を処刑しようとしてきてるから対策を練りに来たよ」
「……上層部を殺しに行きます」
おいおい、上層部がまた俺を殺しに来たのかよ。勘弁してくれよ。見ろよ、冷泉さんが怖い顔で物騒なことを呟いているぜ?
謎の魔法少女のこともあるのに、また面倒事が起こりそうだ。彼女のことは念話で一応報告したけど、情報が少な過ぎて調査も進んでいないらしい。
最近は他の魔法少女と話をするために発声練習をしているんだが、大分ゆっくりかつ片言でしか音が出ないのでまだ魔法少女と話したことはない。
「落ち着きなよ。どうせあの馬鹿どもは懲りないんだ、怒っても仕方がないよ」
魔法少女を管理する組織の上層部はどうやら俺を処刑したくてたまらないらしい。理由としては以下3つがある。
まず、そもそもとして上層部は魔法少女が活躍することを快く思っていない。魔法少女以外はインベーダーにほぼ対処できないため、仕方ないとはいえ学生が権力を持つことに反対なのだ。
……いや、それなら魔法少女に頼らず国防できるようになれよ。
二つ目、俺が異常であること。めちゃくちゃおとなしいので、インベーダーにも人権をとか宣うヤバい連中に目をつけられたら旗印にされかねないらしい。
三つ目、俺が強すぎた。なんか俺のスペックが想像以上に高いらしい。どうせすぐ死ぬだろうって俺を放置してたらめちゃくちゃ強くなったので焦ってるみたい。魔法少女に権力持たせたくないのに更に強い奴が魔法少女の仲間になるのは看過できないらしい。
……見通し悪くないか?
まあ、そんな感じで上層部に嫌われているのだが、どうやら今回は割と真っ向から殺そうとしてきているようだ。
「魔法少女トーナメント、そこでアイギスを殺そうとしているようだ」
……なんか、少年漫画みたいな展開になってきたな?
魔法少女トーナメント、それは年に一回開かれる見せ物らしい。
致命傷を受けても死なないようなフィールドで魔法少女が戦い最強を決めるというイベントのようだ。訓練所とは違いギリギリの戦いを演出するために死なない程度の怪我はするとのこと。
トーナメントが行われた後、魔法少女の強さをアピールするために編集された映像が公開されるようだ。
そんなイベントを利用して俺を殺そうとしているらしい。おい上層部、手間をかけることをちょっと面倒くさがってないか?見せ物を利用して殺すとか失敗したときのリスクを考えているのか?
一応直接殺す訳ではなく、魔法少女にぼこぼこにさせた後に治療する振りをして殺そうとしている、というのが名草先生たちの結論である。
そんな訳で殺されないためには致命傷を受けないようにする必要がある。という訳で――
「さて、用意はいいな?」
地獄の特訓の始まりである。
当然だが特訓の後はへとへとになったことはいうまでもない。