魔法少女の敵に転生してしまった   作:但野ミラクル

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すみません、本当にお待たせしました。
最近忙しく全然書けずにいたこととかなり展開に悩み、遅くなりました。
本編は10話ぐらいで、その後番外編を書いていくつもりです。
朝と夜の9時ごとに投稿していきます。


実験は大事

「やあ、インベーダー君、元気!?」

 俺が部屋で伸び伸びと休んでいると、突然ばん、と音を発ててデカいカバンを持ち、白衣を着た背の低い女性が入ってきた。……確か名草先生って呼ばれていたな。

 名草先生の隣にはなにやら荷物をたくさん持った冷泉さんがいた。

 

 

 

 

「君、本当に面白いね。新田ちゃんからの攻撃をかなりの数防いだなんて本人から聞かなかったら信じられないよ。それに彼女から技をいくつか教えてもらったらしいじゃん。彼女はそうそうそんなことしないからね、本当に面白いよ」

 俺をキラキラした目で見つめる名草先生はにっと笑みを浮かべた。

「今日は君にプレゼントがあるんだ」

「ガアガア?(プレゼント?)」

 名草先生はそう言うとカバンから輪状のものを取り出した。

「じゃーん、首輪! これがあれば一般人、魔法少女からも敵とは見なされないよ、……一応、法律上は」

 ……俺、ペット扱いか。後、やっぱり俺人類から敵と認識されているのね。……きついなあ。

「まあ、君を縛る本当の首輪はこんな形のものではないけどね」

「……」

 冷泉さんは名草先生の視線から目を反らす。

 あの反応からして首輪っていうのは多分契約書のことを言っているんだろう。

「首輪着けるからしゃがんで!」

 俺は言われた通りしゃがみ込んで名草先生でも着けるだろう。

「よし、できた。後ね、冷泉ちゃんが持っている、これ!」

「……絵本とか子供向けの辞典ね」

「インベーダーに認識できるのは多分ここら辺が限界だろうからね。もしこれでわからなかったらもっと分かりやすそうなのを持ってくるよ」

「なんでそこまでこのインベーダーに気をかけているんです?」

「そりゃあ、面白いからさ」

 名草先生は口角を上げ狂喜としか表現できない笑みを浮かべた。

「だってインベーダーには謎が多い。異世界から来た生命体で人類の敵ということは分かってもそれ以外はあまり研究が進んでいない。そんな謎の多いものに安全かつ心向くまま研究ができるのはとんでもない幸運なんだ。それを放っておけるわけないだろう!? どんな手段を使っても知りたいよ!」

 この人、もしかしてマッドサイエンティストかな?

「……名草先生、危害を加えることはしないでくださいね」

「……わかっているよ、しないしない」

「その間が少し心配ですがまあ、いいでしょう。名草先生を信じます」

「ありがとう、冷泉ちゃん。……ところでさ一つ聞きたいことがあるのだけれど」

「……なんですか?」

 笑みを消し真顔になった名草先生は問うた。

「なんでインベーダーに名前をつけないの?」

「っ」

 えっ、名前?

「前の子にはつけてたじゃん、つけないのはトラウマから?」

「……」

 名草先生の言葉に冷泉さんは気まずそうな顔をした。

「まあ、今は答えなくていいよ。逃げることは手段として間違いじゃない。でもそれが目的になってはいけないよ? 逃げるのは手段として使わないと……きっと後悔をする。自分なりの答えは出しておいた方がいいよ。最終的に何をしたいのか。何を一番……失いたくないのかをね」

 そういうと名草先生は部屋を去って行った。

「……」

「……」

 二人きりになった部屋では沈黙が時を支配していた。

 その状態を破壊したのは冷泉さんの方だった。

「いつか絶対名前をつけて呼ぶ。だから覚悟が決まるまで待っていてくれる?」

「ガアガア(わかりました)」

 彼女の覚悟が何を差すのか分からない。でも彼女がそう言うのだから待ちたいと、そう思った。

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