開幕
異世界人が去ってから、今日で1ヶ月が経つ。
そして、1ヶ月後というのは、裏世界が、表世界を乗っ取る為に力を行使するという日でもある。
その日の午後、世界全体を淡い光が包んだ。
表世界に、裏世界へと続くワープホールが13、その姿を現す。
禍々しくも神々しく、入口が光っているそれは、然し奥が見えない。
鵞楼峰学園の近くにも1つ、顕在したのを確認して、
この1ヶ月間、表世界はただ何もしなかった訳では無い。いくら格下だからとは言え、油断は禁物。世界を乗っ取ろうとしているだけでなく、自分達の敵──邪王連中の事だ──が裏世界に加担しているのだ。手を抜いて、気が付けば敗北等、許される事では無い。
世界の崩壊は問題無い。世界崩壊如きに耐えられなければ、この世界で生きるに足らない存在。然し、乗っ取られるのは問題だ。
『命より
先ずは、世界の住民を虚無空間へ隔離。安全圏へと移した。
戦力には成りうる存在もいるのだろうが、今回は不要だと見切った結果だ。その空間は、魔王の1組織『
司令塔には、いつもと同じ様に
何かしらの動きがあれば、彼も最前線に立つ。というより、彼の火力は能力や武器がなくても生かせるという点で、非常に優位かつ魔力を消費せずに立ち回れる。司令よりは、戦闘向きの彼のスペックだが、言えば司令塔という名目を盾にし、切り札の1つを隠している状態だ。
支援には3人。怪我を治す為に
みのりについては、ヘヴィーに委ねる事にし、その結果、助手を巻き込みたくは無いが、虚無空間に送りこむつもりはないとの事で、ヘヴィーとヴァリネッタが不在の間、魔界研究所を守護してもらう事になった。この話は、紅葉は勿論、夜鴉も承知済みだ。幸福の守護者であるヘヴィー・プラネットホームと、戒律の守護者であるヴァリネッタ・クロスディールも、今回の戦闘には参加するという事で、家でも研究所でもなく、同じく学園内に待機している。
それに加え、ヘヴィー、ヴァリネッタは確定戦力。そして、万が一際に召集できるよう、
大魔王だけでも事足りると紅葉は考えている。何せ、大魔王最弱の悠衣でも、外殻──宇宙と同じようなものだ──の破壊と再生を3桁は行えるのだから、温いと思うのも仕方が無い。
だが、念には念を、という事で、依頼したのだ。
そして、最後の仕上げ。
紅葉は、『異世界人』を招来する。
1か月前の、赤髪と同じ魔力。
やはり、間違いない。
彼女には、見込みがある。
これ以上、外界に用はないと、外界へ続くゲートを閉じた。
そして、招来された人物へと視線を向ける。
その人物は、此処が何処なのか、把握しきれていないようだ。辺りを見渡し、それでも尚、判断材料が足りないと思ったのだろう彼女の瞳が、紅葉を捉えた。
驚きの声が、静かに紅葉の鼓膜を震わせる。
「…は?…何で、お前がいるん…?」
「元気な様で良かったよ。協力してくれるかい?
…
今年から新シリーズの異世界戦闘記開幕します、宜しくお願いします。主人公は影星1人で通します、めんどくさいので