ありふれたフロンティアへ   作:友(ユウ)

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第47話 宣戦布告! 復活のルーチェモン!!

 

 

 

 

 

 

アルゴモンと融合したエヒトをカイゼルグレイモンとマグナガルルモンが倒した後、拓也と輝二は元の姿に戻って皆と合流していた。

 

「さてと………これから如何する?」

 

拓也が皆に尋ねるようにそう口にする。

なし崩し的に魔王城まで来てしまったので、今後の方針を全く決めていなかった。

 

「そうだね…………とりあえず、連れてこられた皆をハイリヒ王国まで帰す事が第一かな?」

 

ハジメが捕まっていた皆を見渡しながら言った。

すると、

 

「南雲さん!」

 

「南雲君!」

 

捕まっていたリリアーナと愛子が駆け寄ってくる。

 

「あっ、リリアーナ王女、先生!」

 

ハジメ達が向き直る。

 

「ありがとうございます、南雲さん!」

 

リリアーナがそうお礼を言う。

 

「あ、いや………主に頑張ったのは拓也達だし………」

 

「もちろんです。神原さん達もありがとうございます」

 

「…………なんかついでみたいだな………」

 

リリアーナの言い方に、何処か納得できない表情をする拓也。

 

「…………もしかしてリリィもハジメ君の事……………」

 

そんなリリアーナの様子を見て、香織が訝しげに見つめる。

 

「……………………っ」

 

そんな彼女達を、納得いかなそうに見つめる光輝。

ハッキリ言って魔王城に来てからは、光輝は全く活躍できていない。

エヒトの神言によってあっさりと動きを止められ、アルゴモンとなったエヒトに対してもあまりに強さのレベルに差がありすぎて何も出来なかった。

尚、ハジメ達は戦いの余波から皆を守るために必死に行動していたことを記しておこう。

因みに戦いの余波は城下町にも及んでおり、魔人族は避難や救助活動でてんやわんやしており、拓也達を気にかける余裕は無かった。

すると、

 

「あ、そういえば…………」

 

恵理が思い出したようにある一角に向かって歩いて行く。

そして、

 

「こいつ如何しようか?」

 

先ほどラーナモンによるレインストリームで押し流されたアルヴが、部屋の隅でぐったりとしながら壁に背を預けていた。

 

「ッ………叔父様っ…………!」

 

ユエが過敏な反応を示した。

 

「………………恵理、お願い………叔父様を開放して……………!」

 

ユエは恵理にそう頼む。

ユエは先ほどのエヒトの様に、ユエの叔父………ディンリードからアルヴの魂を引きはがしてくれと頼んでいるのだ。

 

「いいの? 正直そのあとどうなるかわからないけど?」

 

「それでもいい。このまま叔父様の身体が利用されるぐらいなら、解放された方がずっと…………」

 

ユエは顔を伏せ、泣きそうになるのを堪えるように拳を握りしめながら言葉を絞り出す。

 

「………………わかった」

 

恵理はアルヴに向き直ると、手を翳して先ほどと同じようにアルヴの魂を引っ張り出した。

 

『ぬあっ!? こ、これは…………!?』

 

アルヴの魂は、訳も分からず狼狽している様子だったが、

 

「さっきは中断しちゃったけど、今度は漏れなく昇天させてあげるよ」

 

恵理はまた新たに魔法を発動すると、

 

『な、なんだこれは!? 私が消えて……………………………!?』

 

状況を理解する間もなくアルヴの魂は天へ召されていった。

 

「ほい。一丁上がり、っと!」

 

ドヤッと言いたげに恵理は誇らしげな顔をする。

 

「お見事」

 

輝一が褒めると、恵理は嬉しそうに笑みを零した。

 

「……………叔父様」

 

ユエはディンリードを見つめる。

ディンリードはピクリとも動かない。

 

「叔父様……………!」

 

ユエは顔を伏せたまま涙を流す。

 

「ユエ………」

 

そんなユエを、ハジメはそっと抱きしめる。

やはり、アルヴから解放されたディンリードは死んでしまった。

その場の誰もがそう思った。

せめて冥福を祈ろうとその場にいた者達が黙祷を捧げようと目を瞑る。

しかしその時、

 

「……………うっ………アレーティア……………?」

 

「ッ!?」

 

突如聞こえた声にユエは目を見開く。

その視線の先には、うっすらと目を開けたディンリードの姿。

 

「叔父様っ!?」

 

ユエは思わず駆け寄った。

 

「夢…………なのかこれは………? まさか、この目でもう一度君を見られようとは…………」

 

「……………………」

 

「いや、こんな事を言う資格は私には無い事は分かっている…………私のした事を考えれば、恨むなどという言葉では足りないぐらいだ…………」

 

ハジメは恵理に目配せすると、

 

「この人の中にアルヴの魂は残ってないよ。正真正銘、本人さ」

 

恵理はそう言う。

すると、ディンリードの視線がユエの傍らにいるハジメを捉える。

 

「君が………アレーティアを救い出してくれた者かね………?」

 

「はい…………」

 

ディンリードの言葉にハジメが頷く。

 

「名を聞いてもいいかな………?」

 

「ハジメ………南雲 ハジメです」

 

「そうか………ハジメ殿………まずは礼を言いたい。……ありがとう。その子を救ってくれて、寄り添ってくれて、ありがとう。私の生涯で最大の感謝を捧げる」

 

ディンリードは壁に背を預けたまま、ゆっくりと頭を下げた。

 

「……………やっぱりあなたがユエを奈落に封印したのは、エヒトの目からユエを隠すためなんですね?」

 

「ユエ…………それが今のアレーティアの名かね……?」

 

「………………」

 

ユエは泣きそうな表情でコクリと頷く。

 

「君に真実を話すべきか否か、あの日の直前まで迷っていた。だが、奴等を確実に欺く為にも話すべきではないと判断した。私を憎めば、それが生きる活力にもなるのではとも思ったのだ」

 

「………………ッ!」

 

「それでも、君を傷つけたことに変わりはない。今更、許してくれなどとは言わない。ただ、どうかこれだけは信じて欲しい。知っておいて欲しい」

 

ディンリードは慈愛に満ちた、優し気な表情を浮かべ、

 

「愛している。アレーティア。君を心から愛している。ただの一度とて、煩わしく思ったことなどない。――娘のように思っていたんだ」

 

「……おじ、さま。ディン叔父様っ。私はっ、私も……」

 

ユエは遂に我慢できなくなったのか、ポロポロと涙を零し始め、ディンリードの前に跪いてその手を持ち上げて握りしめる。

 

「守ってやれなくて済まなかった。未来の誰かに託すことしか出来なくて済まなかった。情けない父親役で済まなかった」

 

「……そんなことっ」

 

「傍にいて、いつか君が自分の幸せを掴む姿を見たかった。君の隣に立つ男を一発殴ってやるのが密かな夢だった。そして、その後、酒でも飲み交わして頼むんだ。〝どうか娘をお願いします〟と。アレーティアが選んだ相手だ。きっと、真剣な顔をして確約してくれるに違いない」

 

ディンリードはハジメに一度視線を移す。

 

「どうやらそれは叶わない様だ。もっと色々、話したいことも、伝えたいこともあるのだが……どうやら時間の様だ…………」

 

ディンリードの言葉で気付いた。

ディンリードの身体が足から塵の様に崩れていっているのを。

 

「……やっ、嫌ですっ。叔父さ、お父様!」

 

ユエはディンリードに縋り付く。

 

「香織! 回復魔法を!」

 

「うん!」

 

香織は咄嗟に回復魔法をかける。

しかし、ディンリードの身体は回復しない。

 

「そんな………!? それなら再生魔法で!」

 

香織は続けて再生魔法を行使する。

しかし、ディンリードの身体の崩壊は止まらなかった。

 

「ありがとう……優しいお嬢さん。自分の身体の事は自分がよく分かっている…………この体は既に、遥か昔に限界を迎えている。お嬢さんの魔力がいくら凄くとも、これを直すのは不可能だろう………」

 

ディンリードは悟ったようにそう言った。

再生魔法は時間に干渉する魔法。

巻き戻す時間が長ければ長いほど魔力を多く消費する。

ディンリードの寿命は300年近く前に終わりを迎えている。

身体はアルヴによって保持された状態だったため、アルヴが消えたことで体の崩壊が始まってしまったのだ。

 

「もう、私は君の傍にいられないが、たとえこの命が尽きようとも祈り続けよう。アレーティア。最愛の娘よ。君の頭上に、無限の幸福が降り注がんことを。陽の光よりも温かく、月の光よりも優しい、そんな道を歩めますように」

 

「……お父様っ」

 

ユエの涙は止まらない。

ディンリードの身体の崩壊も上半身に差し掛かっていた。

その時、

 

「諦めるな!!」

 

拓也が叫んだ。

 

「ユエ! お前はこのままこの人が消えてもいいのか!?」

 

「そんなわけない………!」

 

「だったら諦めるな! 最後の最後まで諦めるな!!」

 

「でもっ………香織の回復魔法や再生魔法でも治らないのに………!」

 

ユエは、自分の再生能力の都合上、他人を直す回復魔法や再生魔法の適性はあまり高くなかった。

 

「まだ出来ることがあるだろ! さっき覚えた魔法が!!」

 

拓也のその言葉に、ユエはハッとなった。

 

「概念魔法………!」

 

「極限の意思!? そんなもん今ここでひねり出せ! お前は自分の父親と慕う人を救いたいという思いは、そんな軽いものなのか!?」

 

「ッ!!」

 

拓也の言葉に、ユエの瞳に力が戻った。

そしてディンリードに向き直ると、

 

「お父様………! 私はこれでお別れなんて認めません………!」

 

「アレーティア…………」

 

「私はこれからもお父様と一緒に生きていきたいんです…………この失われてしまった300年を…………取り戻したいんです………!!」

 

ユエの言葉に力が籠る。

 

「だから絶対に……! お父様は助けて見せます!!」

 

その瞬間、ユエを中心に光が弾けた。

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

余りの光にその場にいた全員が目を庇う。

そして、その光が収まると、

 

「………………………お父様……………」

 

ユエがポツリと呟く。

ユエの目の前には………

 

「アレーティア………………」

 

失われた肉体が元に戻り、五体満足となったディンリードの姿があった。

 

「………………ッ! お父様っ…………!!」

 

ユエは堪らずディンリードに縋りついた。

 

「………………」

 

ディンリードは優しそうな笑みを浮かべてその頭を撫でる。

愛子やリリアーナはその様子を見て貰い泣きしていた。

 

 

少ししてユエ達が落ち着くと、

 

「ハジメ殿だったな? 私はディンリード・ガルディア・ウェスペリティリオ・アヴァタール。アレーティアを助けてくれたこと、改めて礼を言いたい。ありがとう」

 

「いえ、礼には及びません。()()は僕の『大切』な人です。助けるのに理由は要りません」

 

「ほう?」

 

にこやかに握手を交わすハジメとディンリードだったが、2人の間に火花が散った気がした。

 

「君とはいずれ、酒を飲み交わしたいものだ」

 

「時間が出来た時には喜んで」

 

そう言って手を放す。

因みにハジメは未成年だが酒を飲めるのかと突っ込んではいけない。

帝国で一気飲みしたことはあるが…………

そして、改めて王国へ空間ゲートをつなげようとした時だった。

 

―――パチパチパチ

 

突如として拍手の音が鳴り響いた。

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

拓也やハジメ達が一瞬で警戒行動に移る。

辺りを見渡すが、味方以外の姿は無い。

すると、

 

「おめでとう…………感動のハッピーエンドだね」

 

そんな声が響いた。

その声の出どころ、上空に顔を向けると、そこには6対12枚の天使の羽を広げた金髪の少年の姿。

 

「あ、あれは…………!」

 

「まさかっ………!?」

 

「そんなっ………!」

 

拓也や輝二、輝一が驚愕の声を上げる。

 

「あっ、君は!」

 

続けて光輝も声を上げた。

だが、その声はどちらかと言えば、好意的に捉える声色だ。

光輝はそのまま前に駆け出すと、

 

「皆、心配しなくていい。彼は大丈夫だ」

 

混乱する皆を落ち着けるようにそう言う。

光輝は振り返ると、ゆっくりと地面に降り立った少年に駆け寄ろうとする。

 

「光輝! 離れろ!!」

 

輝二が叫ぶ。

しかし、光輝は聞く耳を持たず少年に警戒無く近寄る。

 

「久しぶりだね。元気だったかい?」

 

光輝はまるで気が合う友人に接するように声をかける。

 

「フフフ……………久しぶりだね」

 

その羽の生えた少年は薄く笑うと顔を上げる。

しかし、その視線は光輝を見ては居なかった。

その視線を向けた相手は、拓也、輝二、輝一の3人。

 

「十闘士のスピリットを受け継いだ子供達………!」

 

「何故お前がここに居る!?」

 

拓也が叫ぶように問いかけた。

 

「ルーチェモン!!」

 

最後にその名を叫ぶ拓也。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【Digimon Analyzer】

 

 

 

ルーチェモン:成長期 天使型 ワクチン種

 

必殺技:グランドクロス

 

 

備考: 生まれながらにして12枚の翼と4つのホーリーリングを持つ天使型デジモンで、かつて混沌としていたデジタルワールドに平和と秩序をもたらしたとされる偉大なる存在。成長期ではあるが、その力は並の究極体を上回る力を持つ。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

その少年を見据える拓也達の目は、完全に『敵』を見るそれだ。

 

「ルーチェモン………? な、何を言ってるんだ………? 拓也達は彼を知っているのか!?」

 

「知っているも何も、そいつは昔デジタルワールドを滅茶苦茶にした黒幕で俺達の『敵』だった奴だぞ!」

 

拓也が更に叫ぶ。

 

「そ、そんなはずはない……! だって、彼は俺に『力』を与えてくれて…………そ、そうだ! きっと他人の空似に違いない!」

 

光輝は現実を受け入れられないのか狼狽えながらそう言うが、

 

「フフフフ…………アハハハハハハハハハハ!!」

 

その少年、ルーチェモンは可笑しそうに大声で笑った。

 

「いやいや、哀れな奴だとは思っていたけどここまでとは…………」

 

「えっ…………?」

 

ルーチェモンの言葉に光輝は理解不能、いや、理解したくないと言いたげな声を漏らす。

 

「答えろ! 何故倒したはずのお前がここに居る。お前は確実に倒し、浄化されたはずだ!」

 

輝二が叫ぶと、

 

「ああ、そうさ。僕は間違いなく君達に倒され、そのデジコードも浄化された」

 

その言葉を肯定するようにそう言いながら目を伏せた。

 

「だが!」

 

その言葉を続けるとともに、ギンッと目を見開く。

 

「僕の持つ憎しみと恨みは、一度の浄化で消えるほど軽くは無かった!」

 

「「「ッ!?」」」

 

「僕の持つ憎悪は生まれ変わっても保持され続けた。そして、それは記憶すらも蘇らせた!力は失われてしまったが、憎しみと恨みを原動力に僕は力を求め続けた。そうして再びこの姿に進化するに至ったのさ。それからデジタルワールドを襲った次元の歪みに巻き込まれ、この世界に来たのだが………フフフ、まさか君達もこの世界に居ると知ったときには喜びで満ち溢れたよ………これで復讐が果たせるとね………!」

 

ルーチェモンは歪んだ笑みを浮かべる。

 

「な、何だ………? 一体何を言ってるんだ………!? だって君は、世界を救うために俺に『力』をくれて…………」

 

光輝は狼狽え続けながら言葉を絞り出す。

 

「ふぅ…………全く君というやつは、哀れを通り越して呆れてくるよ。流石は、僕が選んだ『傲慢者』だ」

 

「えっ………ごう……まん………?」

 

ルーチェモンの言葉にあっけにとられる光輝。

 

「君に植え付けた『傲慢の種』は、宿主の『傲慢』の感情によって成長する。君は『傲慢の種』の宿主にピッタリだったのさ」

 

「『傲慢』だって………? でもあれは、光の種で、俺の正義によって成長すると………」

 

「アハハハハ! 自分ですら気付いていないなんて、これ以上の『傲慢』は無いね。この短時間に種が急成長したのも頷ける」

 

「そ、そんなはずはない! だって、俺は『正義』の為に…………」

 

「ああ、そうさ。君は君の『正義』を貫いた。それこそが『傲慢』であることを気付かずに………」

 

「俺の『正義』が………『傲慢』?」

 

「君は自分を絶対に間違っていないと思っているだろう?」

 

「当然だ! だって俺は間違ったことは何一つやっていない!」

 

「アハハハハハハ!! だから君は傲慢なんだ! 不完全な人間が、間違わないなんてあるはずが無いのだからね!」

 

「な、何っ!?」

 

「君は多少秀でた才能を持ってるみたいだからね、間違っていようとその力とカリスマで自分の意思を押し通してきたんだろう。それが君の勘違いを増長させた」

 

「か、勘違い………!?」

 

「ああそうだ。自分は正義だ。完璧な人間だ。間違っていることなど何もないとね」

 

「……………………」

 

「だからこその『傲慢者』。僕と同じ………ね」

 

「そ、そんなはずはない! 俺が、俺が傲慢だなんて! そんなはずあるものかぁぁぁぁっ!!」

 

光輝は反射的に聖剣を振り上げ、ルーチェモンに斬りかかった。

しかし、その刃はルーチェモンに届くことなく止められる。

死神のようなデジモン、ファントモンの大鎌によって止められていた。

 

「お前はッ!?」

 

「ファントモン!?」

 

輝一が叫ぶ。

すると、ファントモンはルーチェモンに傅くように浮遊する。

 

「ルーチェモンの部下だったのか!」

 

輝二が叫んだ。

 

「いかにも。私はルーチェモンの忠実なる僕だ」

 

ファントモンがそう答える。

 

「さて、ではそろそろ君に与えた力を返してもらうよ」

 

ルーチェモンが光輝に手を翳す。

すると、

 

「うあぁっ!?」

 

光輝が苦しそうな声を上げた。

 

「光輝!?」

 

雫が叫ぶ。

 

すると、光輝が醜悪なオーラに包まれ、頭からニョキッと何かが芽を出した。

それは瞬く間に成長し、赤い花を咲かせる。

 

「なんだ!? 光輝の頭に花が!?」

 

龍太郎が驚きの声を漏らす。

 

「フフフ………思った通り見事に花を咲かせてくれた」

 

ルーチェモンは嬉しそうな声を漏らす。

しかし、

 

「…………んっ?」

 

直ぐにルーチェモンは怪訝な声を漏らす。

見れば、血の様に赤い色の花を咲かせていたそれは、見る見るうちに萎れ、枯れるように花弁を散らせた。

 

「これはっ………!?」

 

今度はルーチェモンは、驚きの声を漏らす。

 

「今度は何………?」

 

「失敗したのか?」

 

優花と幸利がその様子を見て声を漏らす。

だが、

 

「………………クククク…………アーッハッハッハッハ!!」

 

ルーチェモンは歓喜の笑い声をあげた。

 

「素晴らしい! まさか此処までとは僕にも予想外だった!!」

 

予想外という割には歓喜の笑みを絶やさない。

見れば、散った花弁の中心から、何か球のようなものが膨らんできた。

いや、それは『実』だった。

 

「まさか………まさか『花』を超えて『実』を実らせるとはこの僕にも予想だにしなかった!!」

 

ルーチェモンはその実に手を伸ばすともぎ取る。

その瞬間、光輝は力を失ったように倒れた。

 

「光輝!?」

 

「『実』に蓄えられた力は『花』の数十倍………これで僕はもっと大きくなれる………強くなれる…………!」

 

ルーチェモンはそう言うと、その実を一口齧った。

その瞬間、ルーチェモンは光を放つ。

 

「これはまさかっ………!?」

 

その現象に覚えのあった拓也達は声を漏らす。

 

「ルーチェモンが………進化する………!」

 

その光が収まったときには、少年の姿だったルーチェモンは青年の姿となり、背中の翼は右半分の5枚は白い羽だが、左半分の6枚は悪魔のような黒い翼となっている。

よく見れば、右側の一番上の羽も黒い。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【Digimon Analyzer】

 

 

 

ルーチェモン:フォールダウンモード:完全体 魔王型 ウイルス種

 

必殺技:パラダイスロスト、デッド・オア・アライブ

 

 

備考: 聖と魔を併せ持つ究極の魔王型デジモンで“七大魔王デジモン”最強の存在。その力は他の究極体をも超え、“神”と呼ばれる存在に匹敵すると言われている。全てのものを慈しむ神のような一面も持ちながら、この世界全体を破壊せんとする悪魔の様な相反する存在である。そのためこの世界を一度破壊し、新たなる新世界を創造することを目論んでいた。必殺技は打撃の乱舞で敵を空高く舞い上げたあとに、敵の四肢を固定して地面に叩きつける破壊技『パラダイスロスト』と、聖と魔の光球で立体魔方陣を作り出し敵を封じ込める『デッド・オア・アライブ』。この魔方陣に閉じ込められると完全に消滅するか、大ダメージを負うか1/2で決まってしまう。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「フフフフ……………さあ、復讐を始めようか!」

 

ルーチェモンは、邪悪な笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

 

 

遂に現れたルーチェモン。

拓也達もカイゼルグレイモンとマグナガルルモンで立ち向かうが、ルーチェモンの圧倒的パワーに太刀打ちできない。

しかし、光と闇が一つになるとき、デジタルワールドの究極武神が再び現世に降臨する。

 

 

 

次回、ありふれたフロンティアへ

 

 

 

第48話 決戦の時! 激闘スサノオモン!!

 

 

今、ありふれた伝説が進化する。

 

 

 





はい、第47話です。
まさかのディンリード生存ルート。
前作では死んだので今作では生かしてみました。
生き残ったことに特に意味はない。
で、さっそく出てきたルーチェモン。
哀れ光輝はルーチェモン進化アイテムの苗床にされたのでした。
で、次回予告で言いたいことはわかります。
カイゼルグレイモンとマグナガルルモンの出るタイミングが遅かったんですよね。
一回だけしか活躍してないとか…………
ともかく次も頑張ります。

PS:頭痛いので今週の返信はお休みします。
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