ありふれたフロンティアへ   作:友(ユウ)

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第49話 伝説を超えて。進化する物語

 

 

 

傲慢の実の力で更なる進化を遂げたルーチェモンがスサノオモンの前に立ちはだかる。

 

「くっ…………!」

 

見ただけで分かるその底知れぬ威圧感に、スサノオモンはたじろいだ様に声を漏らした。

 

「どうした? さっきまでの威勢の良さは如何した?」

 

煽る様に言葉を発するルーチェモン。

 

「ッ……………!」

 

一言言葉を発する度に、圧し潰されそうな錯覚をスサノオモンは感じている。

 

「どうした? かかってこないのか?」

 

ルーチェモンは右手を前に出すと、掌を上に向けて指を数回折り曲げ、掛かって来いという意思表示をする。

 

「ッ……! 舐めるなっ!」

 

スサノオモンは感じていた威圧感を振り解くように叫びながら飛び出す。

そのまま腕を振り被り、棒立ちのルーチェモンに向かって右の拳を繰り出した。

 

「はぁああああああああっ!!」

 

ズドンッ、という重い音と共にルーチェモンの顔面に拳が叩きこまれる。

しかし、

 

「…………………フッ」

 

ルーチェモンは微動だにせず、薄く笑みを浮かべていた。

 

「何っ……!?」

 

スサノオモンは一瞬驚愕の声を漏らすが、直ぐにもう一度腕を振り被る。

 

「はっ! せやっ!」

 

右、左と拳を撃ち込むが、ルーチェモンは微動だにしない。

 

「でやぁあああああっ!!」

 

スサノオモンは気合の入った声で回し蹴りを放った。

その蹴りはルーチェモンの首側面に打ち込まれたが、それでもルーチェモンは表情すら変えずに立ち尽くしていただけだった。

 

「フッ…………」

 

ルーチェモンは、もうわかったと言いたげに薄く笑うと、接近していたスサノオモンの胸に手を添えると、

 

「ハッ!」

 

軽い動作でスサノオモンを押した。

その瞬間、

 

「なっ……!? うわぁああああああああああああああああっ!?!?」

 

凄まじい勢いでスサノオモンが吹き飛ばされ、地面に激突。

大きなクレーターを生み出した。

 

「「「「「「「「「「スサノオモン!?」」」」」」」」」」

 

仲間達が叫ぶ。

 

「な、何という事じゃ………あのスサノオモンを、まるで赤子の手を捻るかのように………」

 

ボコモンが驚愕の声を漏らす。

 

「くっ………!」

 

何とか立ち上がるスサノオモン。

するとルーチェモンは、自分の身体の感触を確かめるように、手を握ったり開いたりしていた。

 

「傲慢の実の力………これほどとは…………」

 

ルーチェモン自身も予想以上だと言いたげに視線を光輝へ移す。

 

「そこの宿主だった人間には、感謝しなければな」

 

その視線が光輝を捉えた。

その光輝は、先ほど気が付いたところだ。

 

「俺…………?」

 

光輝は呆然と呟く。

 

「そうだ。俺としては、傲慢の花が咲けば上々だと思っていた。傲慢な人間など掃いて捨てるほど居るとはいえ、そのような人間は『強欲』、『憤怒』、『暴食』、『嫉妬』、『怠惰』、『色欲』など、他の大罪を等しく併せ持つため、『傲慢の種』となる養分に余計な不純物が混ざり、芽を出し、蕾を作るだけが精々、花を咲かせることの出来る人間は一握りな上、実を実らせることが出来る者など皆無と言って良かった。だが、君は違った。君は『正義という名の傲慢』を持っていた」

 

「俺の『正義』が………『傲慢』………?」

 

光輝は信じられないといった声を漏らす。

 

「君は自分を『正義』だと信じていた。故に他の大罪を忌み嫌っていた………いや、正確には『傲慢』自体も忌み嫌うものだったのだろうが、自分ではそれに気づけなかった。そのため、不純物の少ない『傲慢』が君の中に満ちており、傲慢の種はその不純物の少ない『傲慢』を養分に実を実らせたのだ」

 

「そ、そんな筈無い! 俺の『正義』が『傲慢』だなんてこと………だって俺は、皆の為に………」

 

ルーチェモンの言葉に光輝はそう言い返すが、

 

「君は、自分が『絶対の正義』だと信じているか?」

 

ルーチェモンはそう問い返した。

 

「当然だ!」

 

光輝は迷いなく答えた。

 

「くっ……ははははははははははは!! 流石だ。この問いに迷いなく頷くとは」

 

ルーチェモンは笑い声を上げる。

 

「それこそが傲慢だという事に気付かないとは」

 

「な、何っ!?」

 

ルーチェモンの返しに光輝は狼狽えた。

 

「絶対の正義などこの世には存在しない。正義など立ち位置で常に変化する。それを理解していない君はやはり傲慢者だ」

 

「ど、どういう…………」

 

光輝の姿を見て、ルーチェモンは少し考える仕草を見せると、

 

「ふむ……………俺は、この世界全てを俺が支配する。全ての生き物は俺の為に生き、俺の為に死ぬ。それこそが全ての者の幸せだと思っている。それを聞いて、お前はどう思う?」

 

「ふ、ふざけるな! それのどこが幸せだ!? 『悪』そのものじゃないか!!」

 

光輝はそう叫ぶが、

 

「いいや、これこそが『正義』だ。何故なら、俺自身がそう思っているのだからな」

 

「そんな筈無いだろう! そんなものが『正義』のはずが無い!」

 

「そう。俺の『正義』は君達には理解できない。だからこそ君達は己の『正義』を振りかざして俺に楯突いてくる。戦いとは『正義』と『悪』の争いではない。『正義』と『正義』のぶつかり合いなのだ」

 

「ッ!?!?!?」

 

その言葉に、光輝は青天の霹靂とも言えるような表情をした。

 

「お、俺は……………」

 

そんな光輝から興味を無くしたようにルーチェモンは視線を切ると、

 

「そろそろ休憩は十分かな?」

 

「ッ!?」

 

スサノオモンに目をやり、言葉を投げかける。

 

「気付いていたか………」

 

「俺がおしゃべりしている間に体力の回復に専念していたのだろう? まあ、気付いていたが、あえて放置していたのだよ」

 

「くっ…………」

 

フォールダウンモードの時より、更に輪をかけて余裕で『傲慢』な態度を取り続けるルーチェモン。

だが、それだけの力を今のルーチェモンは持っていた。

 

「さて、体力が回復した所でお前にチャンスをやろう」

 

「チャンスだと?」

 

ルーチェモンの言葉にスサノオモンは怪訝な声を漏らす。

 

「そうだ。このまま戦っても俺の勝ちは明らか。だが、このまま一方的にお前を倒してしまってもつまらない。よって、お前の最高の一撃を放つがいい。俺はそれをあえて受けてやろう」

 

「ッ………!」

 

ルーチェモンの提案にスサノオモンは息をのむ。

 

『ルーチェモンの奴………舐めやがって………』

 

『だがこれはチャンスだ。奴の言う通りこのまま戦っても勝ち目は薄い』

 

スサノオモンの中で拓也と輝二が相談する。

すると、

 

「その提案に乗ってやる!」

 

スサノオモンはそう叫んだ。

 

「フッ…………」

 

ルーチェモンは笑みを零すと、空中で距離を取ると、無防備に腕を組む。

スサノオモンはルーチェモンと同じ高さまで飛び上がると、フェイスガードが下がって目を覆い、両手を前に翳す。

すると、そこにスサノオモンの身体を形成していないカイゼルグレイモンとマグナガルルモンのパーツを組み合わせた巨大な武器、ゼロアームズ:オロチが現れた。

スサノオモンはそれを両手でつかむと、オロチの先にエネルギーが集中する。

そしてそれを横に振り被ると、

 

天羽々斬(あまのはばきり)!!」

 

その先から長大な光の剣が形成される。

これは、かつての冒険でルーチェモン:フォールダウンモードをダークエリア事切り裂き、サタンモードすら一刀両断にしたスサノオモンの必殺技だ。

おそらく、剣のリーチ内であれば、惑星すらも切り裂くだろうその技。

 

「はぁああああああああああああああああああっ!!!」

 

スサノオモンは気合の籠った声で、オロチをルーチェモンに向けて薙ぎ払った。

 

「お願いっ!!」

 

「切り裂けっ!!」

 

「いけぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

仲間達が勝利を願って叫ぶ。

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!?」

 

スサノオモンが驚愕の声を漏らした。

スサノオモンの一閃は、振り抜くことなく止まっていた。

光の剣は腕を組んでいたルーチェモンの脇腹に、僅かに食い込んだところで止められていた。

 

「ばっ、馬鹿な!?」

 

スサノオモンは、信じられないと言わんばかりの声を上げる。

すると、

 

「まぐれとは言え流石は一度は俺を倒した一撃…………今の俺に傷をつけるとは、誇って良いぞ?」

 

お見事と言いたげな態度でルーチェモンはそう言った。

 

「だが、これではっきりしたな?」

 

ルーチェモンは腕組を止めると手刀で光の剣を軽く叩くような仕草をすると、光の剣が粉々に砕かれた。

 

「ッ!?」

 

スサノオモンが目を見開いた瞬間、ルーチェモンは手を前に翳し、10個の超熱光球を生み出すと、十字に並べた。

その光球一つ一つに惑星破壊レベルのエネルギーが内包されている。

そして、

 

「セブンス・ディバイン・クルス!!」

 

それを一斉にスサノオモンに向けて放った。

 

「ッ!?」

 

それらは避ける間もなくスサノオモンに着弾し、轟音と共に大爆発を起こした。

数秒すると、爆煙の中からスサノオモンが落下し、地面に激突。

デジコードに包まれて拓也と輝二に戻ってしまった。

それの示すところは………

 

「スサノオモンが………負けた…………?」

 

ボコモンがその事実を絞り出すように呟く。

 

「そんな~~~~!?」

 

ネーモンも情けない声を上げた。

 

「フフフ………これで俺の復讐も完了だ」

 

ルーチェモンは止めとばかりに倒れる拓也と輝二に手を翳し、戯れの光弾を放った。

ルーチェモンにとっては撫でる程度の、人間にとっては塵も残らない威力の光弾。

それらが拓也と輝二に襲い掛かり、

 

「拓也ッ!」

 

「輝二!」

 

同時に2つの影が飛び出して2人を救った。

しかし、着弾した時の爆発は凄まじく、

 

「「きゃぁあああああっ!?」」

 

拓也と輝二ごとその2つの影、優花と雫は吹き飛ばされる。

 

「ん? アリがまだうろついていたか………」

 

スサノオモン以外には興味がなかったと言いたげなルーチェモンはやれやれと首を振る。

 

「あまりこの俺の手を煩わせるな………!」

 

少しイラついた口調で再び手を翳し、光弾を放とうとする。

 

「セフィロートクリスタル!!」

 

『させぬぞ!!』

 

10の光弾と灼熱の炎がルーチェモンに殺到する。

それはノイントと、竜化したティオのブレスだ。

しかし、爆煙が晴れていくと無傷のルーチェモンが姿を見せる。

 

「アリだけではなく羽虫も残っていたか」

 

翼を生やしたノイントと黒竜のティオをそう評するルーチェモン。

ノイントとティオは臆せずにルーチェモンを睨みつける。

その時、銃声や爆発音と共にルーチェモンに赤い閃光やミサイル、雷の龍などが殺到する。

ハジメ、シア、ユエが武装や魔法を放ったのだ。

だが、それらの攻撃でもルーチェモンは当然無傷だ。

 

「…………これほどの力の差を見せつけられても、まだこの俺に歯向かおうとするとはな…………」

 

そう言うルーチェモンの言葉には、若干の苛立たしさが感じられた。

 

「もちろんハジメ達だけじゃねえぞ!」

 

そう叫んだのは幸利。

他にも、輝一や龍太郎、鈴、恵理、浩介もルーチェモンに立ち向かうように身構えた。

 

「わ、ワシらだって~!」

 

「こ、怖くなんかないぞ~!」

 

ボコモンやネーモンも身体を張る様に拓也達の前に立った。

 

「み、皆…………」

 

ボロボロの拓也と輝二が、優花と雫に肩を貸してもらいながら立ち上がった。

 

「…………ははっ…………あれだけボロボロにやられたのに、なんでだろうな………?」

 

「拓也………?」

 

突如として笑いを零した拓也に、優花が怪訝な声を漏らす。

 

「全然怖くねえ………!」

 

顔を上げた拓也の目には、力が籠っていた。

 

「ああ………! 俺達にはこんなにも仲間が居る。仲間が居るならどんな困難にも立ち向かえるさ!」

 

輝二も同じように絶望していなかった。

 

「貴様らっ………!」

 

忌々しそうに睨みつけるルーチェモン。

 

「いいだろう! 全員纏めてあの世に送ってやる!」

 

ルーチェモンが手を上に掲げると、そこに黒い炎が燃え上がって凝縮される。

ルーチェモンの必殺技の1つ、パーガトリアルフレイム。

本来はサタンモードの時の必殺技だが、進化したルーチェモンも使用可能だった。

デジモンに進化していない拓也達では、文字通り灰も残らないだろう。

しかし、誰一人として希望は捨てていなかった。

誰もが解決策を模索し、思考を止めてはいない。

そしてその時、拓也が叫んだ。

 

「全員で進化するんだ!」

 

その言葉に、

 

「全員で………?」

 

「進化………?」

 

意味を理解できなかった大半の者達が声を漏らす。

すると、

 

「そうか! あの時俺達は5人でスサノオモンに進化した! それを俺たち全員でやれば……!」

 

言葉の意味に気付いた輝二が叫ぶ。

 

「なら僕達で時間を稼ぐからその隙に………!」

 

ハジメがそう言ったが、

 

「何言ってんだ? お前らもだぜ、ハジメ!」

 

拓也はそう言った。

 

「えっ……でも、スピリットに選ばれてる幸利達はともかく、僕達は………」

 

「そんなの関係ねえよ! 俺達は『仲間』だ! だったら力を合わせられるはずだ!」

 

「拓也…………」

 

そう言うと、まるで示し合わせたかのように手をつなぎ始め、拓也、優花、雫、輝二、輝一、恵理、鈴、龍太郎、幸利、浩介、ハジメ、香織、ユエ、シア、ボコモン、ネーモン、ティオ、ノイント、そして拓也の順で一つの輪を作った。

すると、拓也と輝二のデジヴァイスが輝いて10種20個のスピリットがその輪を覆うように周囲を回り始める。

そして、

 

「行くぞ皆!」

 

「「「「「「「「「「おう(ええ)(うん)!!!」」」」」」」」」」

 

拓也の掛け声に皆が応える。

すると、スピリットがデジコードとなり全員を覆うと、まるで彼らの闘志に応えるように青い色が赤く染まった。

 

「「「「「「「「「「エンシェントスピリット………! ゼヴォリューション!!!」」」」」」」」」」

 

全員が叫んだ瞬間、

 

「無駄なことを! 消えろ!!」

 

ルーチェモンが黒炎の塊を放った。

黒炎が拓也達を包んだデジコードを飲み込む。

 

「ああっ!?」

 

「ハジメさんっ!」

 

愛子やリリアーナが悲鳴のような声を上げる。

 

「フフフ…………今度こそ完全に終わりだ」

 

ルーチェモンは燃え盛る黒炎を眺めながら満足げな声を漏らした。

だがその時、黒炎が一瞬膨れ上がったかと思うと、弾けるように四散した。

 

「な、何っ!?」

 

ルーチェモンは初めて驚愕の声を上げる。

そして、そこに現れたのは1つの人型。

 

「き、貴様は……………?」

 

ルーチェモンは動揺しながら問いかける。

そこにいたのは全体的なフォルムはスサノオモンで間違いない。

しかし、細部が今までのスサノオモンとは異なっていた。

今までのスサノオモンは、全体的に丸みを帯びており、何処か和風の鎧や甲冑をイメージさせる外見だった。

しかし、今のスサノオモンは、鋭角的なフォルムで、近代的な装甲をイメージさせる見た目だ。

通常のスサノオモンを巨人だとすれば、今のスサノオモンは巨大ロボットと言ってもいい。

そして、その新たなスサノオモンの名は、

 

「スサノオモン! Xモード!!」

 

名乗りを上げるスサノオモン。

 

「Xモードだと………? 大層な名を付けおって…………いくらパワーアップした所で神をも超える力を手にした俺に敵わぬことを思い知るがいい……!!」

 

ルーチェモンはそう言うと、一気にスサノオモンに接近し、

 

「パラダイスロスト!!」

 

無数の拳の乱撃をスサノオモンに叩きこんだ。

その威力、スピード、手数共に、フォールダウンモードの10倍はあるだろう。

しかし、ルーチェモンは気付いていなかった。

攻撃を受けるスサノオモンは、多少揺らいではいるものの、その場からほとんど下がっていないことに。

ルーチェモンはフィニッシュに続く蹴り上げを放とうとした時、

 

「なっ!?」

 

ルーチェモンは声を漏らした。

何故なら、拳を放っていた両手がそれぞれスサノオモンの手に止められていたからだ。

先ほどの様に出だしを止められたわけではない。

完全に技の最高潮に達する瞬間に止められたのだ。

そんなことができるのは、己の力と同等以上の者のみ。

 

「ば、馬鹿な!? そんな筈は!?」

 

ルーチェモンは掴まれた拳を振り解こうとしたが、スサノオモンにしっかりと掴まれており、抜け出すことは出来ない。

 

「ルーチェモン…………お前の思い通りにはさせない………!」

 

スサノオモンがそう呟くと、

 

「なっ……!? ぐおっ!?」

 

スサノオモンの右ストレートがルーチェモンの頬を捉える。

吹き飛ぶルーチェモン。

更にスサノオモンが瞬時にルーチェモンの後ろに回り込むと、思いきり蹴り上げた。

 

「ぬぁああああああああっ!?」

 

空高く蹴り上げられたルーチェモンだったが、翼を広げて制動を取った。

 

「馬鹿な………こんな筈は………!」

 

ルーチェモンの表情に、もはや先ほどまでの余裕は無かった。

ルーチェモンと同じ高さまでスサノオモンが上昇してくる。

ルーチェモンは忌々しくスサノオモンを睨みつけると、

 

「負けるはずが無い………! 神を超える力を手にしたこの俺が負けるはずが無いのだぁ!!」

 

ルーチェモンが叫ぶと、再び10の超熱光球を生み出した。

ルーチェモン最大の必殺技であるセブンス・ディバイン・クルスを放とうとしていた。

 

「ルーチェモン………他者の心の痛みを理解しない貴様に、俺は負けない!!」

 

スサノオモンがそう叫ぶと、背中の光輪が光を放ち、8匹の雷の龍が生み出された。

そして、

 

八神雷之剣(やくさのいかずちのつるぎ)!!」

 

その雷の龍の口から雷の剣が伸びる。

その剣の一本一本が、天羽々斬を超える力と切れ味を持っている。

その剣がルーチェモンの四肢を貫き、動きを封じた。

 

「ぐぁああああああああああああっ!?!?」

 

叫び声をあげるルーチェモン。

 

「終わりだ、ルーチェモン」

 

スサノオモンが右手を掲げると、8匹の雷の龍がその手に集い、一本の剣を作り上げた。

 

草薙之太刀(くさなぎのたち)!!」

 

スサノオモンが霞の構えでその剣を構えると、ルーチェモンを見据える。

そして、一気に飛び出した。

 

『『『『『『『『『「はぁあああああああああああああああああああああっ!!!」』』』』』』』』』

 

スサノオモンと融合している全員の思いが一つとなり、その力を爆発的に高める。

そして、

 

「がはぁっ!?」

 

ルーチェモンの身体を、スサノオモンの剣が貫いた。

 

「人間ども…………征服………支配………今度……こそ………………」

 

ルーチェモンは恨みがましくそう呟くと、デジコードを発生させた。

 

「ルーチェモン………何度蘇ろうとも、俺達は何度でもお前を止めて見せる………!」

 

スサノオモンはそう言うと、10のデジヴァイスを浮かび上がらせ、

 

「再びその怨念のデジコードを、浄化する!! デジコード………! スキャン!!」

 

10個のデジヴァイスにデジコードが吸い込まれていく。

 

「ぎゃぁああああああああああああああああああああああっ!?!?!?」

 

断末魔の叫びをあげながら消滅していくルーチェモン。

それは、聖と魔、2つのデジコードを全て吸い取り、浄化した。

スサノオモンは地面に降り立つと、人質となっていた召喚組の方に向き直る。

そしてデジコードに包まれてそれぞれの姿に戻ると、

 

「俺達の………勝利だ!」

 

拓也が拳を掲げてそう言い放った。

 

 

 

 

 

 

次回予告

 

 

 

トレイルモンに乗り、元の世界へと帰還する拓也達。

1年ぶりの家族との再会に涙しつつ、この1年の冒険を語り始める。

 

 

 

次回、ありふれたフロンティアへ

 

 

 

最終話 ありふれたフロンティアへ

 

 

 

今、ありふれた伝説が進化する。

 

 

 






はい、第49話です。
ってことでルーチェモンとの決着でした。
あっさりしすぎですかね?
まあ予想してた人もいるでしょうけど、全員進化でスサノオモンXです。
技名は自分で考えて適当に。(多少な頭使ったつもりですけど)
大まかなデータは下に。
次回はいよいよ最終話です。
最後までお楽しみに。







スサノオモンX:究極体 神人型 ワクチン種

必殺技:草薙之太刀(くさなぎのたち)八神雷之剣(やくさのいかずちのつるぎ)


備考: 奇跡の力でX抗体を獲得したスサノオモンの姿。その力は通常のスサノオモンの力をはるかに超え、神が狂い暴走した時、それを打ち倒す存在とも言われている。必殺技は、8匹の雷の龍から剣を生み出して敵を串刺しにする八神雷之剣と、その力を1つに束ねて全てを断つ剣を生み出す草薙之太刀。




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