ありふれたフロンティアへ   作:友(ユウ)

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最終話 ありふれたフロンティアへ

 

 

 

拓也達がトータスに召喚されてから約1年が経った。

因みにルーチェモンのお付きであったファントモンだが、カイゼルグレイモンとマグナガルルモンでルーチェモンと戦っている間に、人知れず浩介との影が薄い者同士で壮絶が死闘があったらしく、浩介が見事打ち取ったらしい。

何故かその事を周知している者は誰も居なかったが。

 

 

そしてある時、拓也のデジヴァイスにオファニモンから連絡があり、地球への帰還の準備が整ったとの報告があった。

その数日後、召喚された者達と彼らについていく者達が現れたトレイルモン(ワーム)の前で、トータスで出会った人々と別れを惜しんでいた。

 

「南雲さん………必ずまた会いましょうね」

 

「うん。必ずトータスに来る方法を見つけて迎えに来るよ」

 

ハジメとリリアーナが言葉を交わす。

リリアーナも本心はハジメに付いていきたかったが、現状のハイリヒ王国はリリアーナ無しでは立ちいかず、弟のランデルが成長するまではこちらに残ることを決めたのだ。

因みにトータスの人間で地球についていくメンバーは、まず、ハジメの恋人であるユエとシア。

更に義理の娘となったミュウと母親のレミア。

拓也の恋人であるティオとノイント。

更に幸利の恋人である、ウルの町の娘、アリサ。

そして、

 

「えへへ。こうく~ん!」

 

ハウリア族の1人である女性、ラナ。

ラナと浩介は最終決戦の後、なんやかんやで出会い、浩介が普通に自分を見つけてくれるラナに惚れて熱烈アプローチを繰り返し、ついに結ばれることになったのだ。

そうして、メルドを始めとしたこの世界で世話になった人々に別れを告げ、一同はトレイルモンの客車に乗り込む。

そして、

 

「出発だぞ~!」

 

トレイルモンが大きな口を開けて叫ぶと、車輪が回転。

前に進みだす。

 

「ヴヴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

 

汽笛のような叫び声をあげると、前方に空間の歪みが発生しゲートが生まれる。

拓也達は、客車の窓から身を乗り出すようにしながらリリアーナ達に手を振る。

 

「皆~! またな~!!」

 

「さよ~なら~!!」

 

「じゃあな~!!」

 

それぞれが手を振りながら別れの言葉を叫ぶ。

そしてそのまま、トレイルモンは空間ゲートに飛び込んだ。

 

 

 

暗いトンネルのような次元の狭間を抜けると、一気に視界が広がり、広大なデジタルワールドが一望できた。

 

「デジタルワールドか………懐かしいな………」

 

輝二が景色を見ながらそう呟く。

しかし、その表情は懐かしく思いながらも、何処か寂しさを感じさせる表情だ。

その理由は、

 

「デジタルワールド~! デジタルワールド~! デジモンのお客様はここで降りるんだぞ~!」

 

トレイルモンがアナウンスの様にそう言う。

そう、大切な仲間達との別れが近付いているからだった。

やがてトレイルモンがターミナルに停車する。

 

「森のターミナル~! 森のターミナル~!」

 

トレイルモンのアナウンスが到着を告げ、客車の扉が開いた。

 

「……………………」

 

ボコモンが無言で席を立ち、

 

「………んしょ」

 

ネーモンもそれに続いた。

すると、拓也を始めとした、共に旅をしたメンバーがそれを見送るために席を立つ。

2人はそのまま客車の扉から外に出ると、フルフルと震え、

 

「皆はん!!」

 

そう叫んで振り向いたボコモンは号泣していた。

別れの寂しさをずっと我慢していたのだろう。

 

「ううっ!」

 

ネーモンも涙を流している。

 

「拓也はん! 輝二はん! 輝一はん! それにハジメはん達も………! ワシは………ワシは………! また皆と旅ができて楽しかった……! 楽しかったんじゃハラ~~~~~!!!」

 

「僕も楽しかったよ~~~~~!!」

 

泣きながらそう叫ぶ2人。

そんな2人を見て、拓也達も目に涙を浮かべる。

 

「俺達も、また2人と旅ができて嬉しかったよ」

 

拓也がそう言うと、

 

「ワシはこの旅の事も本に書き記し、もう1つの伝説として長く語り継いでいくんだぞ~~!」

 

ボコモンはそう言った。

それを見て微笑む拓也。

すると、拓也達の懐が輝きだし、光が飛び出してボコモン達の周りに十闘士が現れた。

 

「アグニモン…………そうか。アグニモン達ともお別れなんだな………」

 

『ああ………俺達にはデジタルワールドを守るという使命がある。それに、スピリットと言えど、デジモンが人間界に行けばどんな影響があるかわからない』

 

アグニモンがそう言う。

 

「アグニモン………トータスでは力を貸してくれて本当に助かった………ありがとう」

 

拓也がお礼を言うと、

 

「フェアリモン………あなたのお陰で拓也と一緒に戦うことができたわ………本当にありがとう」

 

優花が、

 

「ヴォルフモン、再びお前と戦えたことを嬉しく思う………ありがとう」

 

輝二が、

 

「レーベモン……お前のお陰で俺はまた自分を見つめ直すことができたよ………ありがとう」

 

輝一が、

 

「グロットモン………お前のお陰で友達を助けることが出来たんだ………本当にありがとな」

 

幸利が、

 

「ジングウモン………あなたのお陰で私は戦い続けることが出来たわ………ありがとう」

 

雫が、

 

「ブリッツモン、俺なんかを選んでくれてありがとな」

 

龍太郎が、

 

「チャックモン………! うまく言えないけど、ほんとに………ホントにありがとね!」

 

鈴が、

 

「ラーナモン………………一応感謝しておくよ。ありがとう」

 

恵理が、

 

「アルボルモン……………ありがとな」

 

そして浩介が。

それぞれが十闘士に感謝の意を伝えた。

すると、

 

『いいや、感謝するのは俺達もだ。君達のお陰で、ルーチェモンの復活に気付き、倒すことが出来た。本当にありがとう』

 

『ありがとう』

 

『ありがとう』

 

『ありがとう』

 

『ありがとう』

 

『ありがとう』

 

『ありがとう』

 

『ありがとう』

 

『ありがと』

 

『感謝感激雨霰』

 

十闘士達も感謝の意を伝えた。

すると、

 

「そろそろ出発するんだぞ~!」

 

トレイルモンがそう言った。

すると、客車の扉が閉まる。

 

「出発だぞ~!」

 

トレイルモンが動き出し、それに引っ張られて客車も動き出す。

すると、ボコモンとネーモンがその動きに合わせて駆け出す。

 

「拓也はん! 皆はん! さよならじゃ~!」

 

「じゃあね~!!」

 

目に涙を浮かべ、必死に手を振りながら拓也達の姿を追いかける。

拓也達も窓から身を乗り出しながら大きく手を振り返した。

ボコモン達はホームの端で立ち止まるが、その姿が見えなくなるまでずっと手を振り続けていた。

 

「ボコモン………ネーモン……………また会おうな!」

 

もう見えなくなった2人に拓也はそう呟いた。

 

 

 

 

 

またしばらくすると、トレイルモンが停車して客車の扉が開く。

 

「到着~! 人間界~! 人間界~!」

 

その言葉に全員が客車から降りた。

そこは、広い空間の中央に円柱型のエレベーター乗り場がある場所。

 

「ここは………渋谷駅の地下ホーム!」

 

見覚えのある拓也が叫んだ。

 

「えっ? 渋谷駅?」

 

ハジメが怪訝な声を漏らす。

 

「ああ。以前のデジタルワールドの冒険は、ここから始まったんだ」

 

拓也は懐かしそうに語る。

 

「ってことは、あのエレベーターに乗れば渋谷駅には行けるって事になるのか?」

 

拓也はかつての経験からそう予想する。

 

流石に一つのエレベーターに全員は乗れないので、いくつかのグループに分かれて乗るようにする。

因みにだが、トータスメンバーの服装は目立たない様に変えてもらっている。

ユエやレミア、ミュウはそのままでも大丈夫だが、シアやティオ、ノイントはいろんな意味でヤバいからだ。

エレベーターに乗り込むと、エレベーターは勝手に上昇していく。

そしてしばらくすると、改札口前のエレベーター乗り場に到着した。

別のエレベーターからも、ぞろぞろと異世界召喚組が姿を現す。

ふと時計を見れば、大体9時頃を指していた。

人の流れを見るに夜の9時だろう。

すると、

 

「よっしゃぁ! 帰ってこれたぁ!!」

 

突如としてクラスメイトの誰かが叫んだ。

 

「帰れた! 帰れたよぉ!!」

 

それを皮切りに次々と喜びの声を上げていくクラスメイト達。

時間的に人通りが少なくなってくる時間とはいえ、それでも結構な人通りがあるため、多くの人々がいきなり叫んだ集団に注目を集める。

 

「お前ら! 気持ちはわかるが少しは落ち着け! こっち来る前に話し合って決めたことがあるだろ!」

 

拓也はそう言って全員に落ち着くように言う。

地球に帰る前に、1年間行方不明になっていた事をどうやって説明しようかと話し合っていたのだが、『すべてありのまま話す』という事は決まっていたのだが、それぞれ各自が説明するか、一旦全員の家族を集めて話すかどちらにするかという話になり、多数決の結果、後者に決定した。

そして、このクラスメイト全員を集められる場所だが、

 

「じゃあ、私は家に電話してくるわ………」

 

優花が若干気まずそうにそう言った。

優花の家は洋食店を営んでいる。

話し合いの結果、優花の家が経営している『ウィステリア』に集まろうという話になったのだ。

優花は自分のスマホは電池切れだったのだが、異世界にもソーラー充電器を持ち込んで今でも普通に使える恵理のスマホを借り、家に電話することにした。

拓也がその様子をうかがっていると、気まずそうな表情から焦ったような表情になったり、涙ぐんだりと、表情がコロコロ変わっている。

やがて電話を終えると、

 

「大丈夫よ。店を開けてもらえることになったわ。召喚組の家族にも、連絡網が出来上がってるから集まってもらう事にも問題ないって」

 

優花の言葉に全員が頷くと、移動を開始することにした。

だが、移動するための電車の切符を全員分買うお金は持っていなかったor紛失していたので、

 

「いやっほぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

 

夜の街を猛スピードで駆け抜け、飛び交う集団が現れることになる。

しかし、魂魄魔法のお陰で人々には察知されず、問題なく目的地まで辿り着けたことを記しておこう。

 

 

 

 

『ウィステリア』に着くと、

 

「………えっと、あの………ただいま……………」

 

優花がおっかなびっくりに店の扉をあけながらそう言うと、

 

「優花!」

 

「優花っ!」

 

優花の両親である博之と優理が一目散に優花を抱きしめた。

 

「あっ……! お父さん、お母さん………!」

 

突然の事だったが、優花は目に涙を浮かべた。

すると、

 

「「妙子!!」」

 

「お父さん! お母さん!」

 

「「昇!」」

 

「親父! 御袋!」

 

既に何組かの家族はウィステリアに到着していたようで、再会を喜んでいる。

すると、

 

「兄さん!?」

 

聞き覚えのある声に、拓也が振り返った。

そこには、

 

「信也………父さん、母さん………!」

 

弟の信也と父親の宏明、母親の由利子がいた。

 

「「拓也っ!」」

 

「兄ちゃん!」

 

3人が駆け寄ってきて拓也を抱きしめる。

 

「父さん……母さん……信也…………………ただいま! それと、心配かけてごめん」

 

拓也はそう言いながら涙を浮かべた。

次々と召喚者達の家族が到着し、再会の喜びに満ち溢れていく。

その中には輝二の両親、輝一と恵理の母親の姿もあった。

そして、

 

「「ハジメッ!!」」

 

店内に駆け込んできた男女が一目散にハジメに駆け寄った。

ハジメの容姿は、再生魔法で髪を黒くして召喚前の姿に近くしてある。

背も伸びてはいるが、こちらは1年経っているのでさほど違和感は無いだろう。

 

「あ……その…………ただいま…………」

 

一方のハジメは、久し振りに会った両親に目を潤ませながら少し言葉に詰まる。

 

「ハジメっ、お前、この馬鹿野郎! 今まで、どこをほっつき歩いてたっ」

 

「このバカ息子っ。どんだけ心配したと思ってんの!」

 

ハジメの両親は力一杯ハジメを抱きしめている。

それだけで、ハジメの両親がどれだけ息子を愛しているのかが理解できる。

 

「父さん、母さん――ただいま」

 

そんな2人の様子に、戸惑っていたハジメもようやく心の荷が下りたのか、安堵の笑みを浮かべながらそう言った。

 

「「おかえり、ハジメ」」

 

その言葉に、ハジメの両親はしっかりと返事を返した。

暫くしてからそれぞれがある程度落ち着いた後、

 

「……お前がいなくなってからこの一年、せめて手掛かりでもと手を尽くしてきた。だが、結局、何一つ情報は掴めなかった。……ハジメ、お前は、いや、お前達はいったい、どこにいたんだ?」

 

「それに、ハジメ。一年前のあの日、いったい、なにがあったの?」

 

ハジメの両親がハジメにそう問いかけた。

それは、ここにいる全ての家族が持つ疑問だろう

ハジメがその問いに答えようとした時、

 

「大輔!? 大輔は何処だ!?」

 

集まった家族の中で、唯一再会できていない1組が叫んだ。

それは、檜山の両親だった。

それを見て、唯一の大人で教師である愛子が真実を伝えようと決心して前に出ようとした時、その前に、前に出た者がいた。

それは、輝二だった。

 

「ハッキリ言おう。檜山は………檜山 大輔は死んだ」

 

輝二は躊躇なくそう言った。

 

「「なっ!?」」

 

檜山の両親は絶句するが、

 

「う、嘘だ! 大輔が死んだなんて嘘だ!」

 

「そうよ! 何で大輔が死ななきゃいけないの!?」

 

直ぐにそう叫んだ。

 

「息子を亡くしたあなた達の心中は理解できなくもない。だが、奴に対する同情の心は一切ない!」

 

輝二はハッキリとそう言う。

 

「み、源君!?」

 

余りにもストレートな輝二の言葉に。愛子が慌てたように説明しようとしたが、

 

「奴が死んだのは因果応報。それだけの事を仕出かしたんだからな!」

 

輝二はさらに言葉を続ける。

 

「奴は2度も俺達を裏切った。1度目は拓也、ハジメ、香織を殺しかけ、2度目に至っては敵にそそのかされたとはいえ、俺達全員を殺そうとした挙句、多くの人々を危機に陥れ、事実、少なくない人々が命を落とした。結果、敵にトカゲの尻尾切としてその命を奪われた。同情の余地もない」

 

「「なっ………!?」」

 

再び絶句する檜山の両親。

 

「…………輝二の奴………態々嫌われ役を演じなくてもいいのに…………」

 

拓也は輝二がワザと檜山の両親を煽るような言動をとっていることに気付いていた。

まあ、全くの本心でもあるという事も嘘ではないが。

 

「ハジメ、話の続きを」

 

「あ、うん」

 

輝二に促され、ハジメは口を開いた。

 

「それで、この1年何処で何をしていたかだけど……そうだね。それを説明するのは簡単でもあるし、難しくもある。たくさん、話さなきゃならないことがあるんだ。だけど、敢えて一言で言い表すなら……………」

 

ハジメが言葉を一旦区切り、息を吸い込むと、

 

「――剣と魔法のファンタジーな異世界に召喚されて、魔物や邪神と戦ってました!」

 

これ以外に言い様がないほど簡潔に纏めた答えを言った。

 

「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」」

 

家族達が声を揃えて、『何言ってんだ?』と首を傾げる。

 

「まあ、簡単に信じられる話じゃないっていうのは分かるよ。僕が逆の立場でも絶対にそう思うだろうし………まあ、言葉だけじゃ半信半疑だと思う。とりあえず今は本当だと仮定して欲しい。ところで父さん、母さん。話は変わるけど、むかし、俺が異世界に召喚されたら……なんて馬鹿な話をしていたのを覚えてる?」

 

「ん? ああ、覚えているとも。漢なら、剣と魔法の世界で、魔王でも倒して、ハーレムを築きたいだろうといった俺に対して、ハジメは『僕には、とても魔王は倒せそうにない。出来るのは、せいぜい家に帰ることくらい。大切な人がいれば、一緒に』と言ったな」

 

「よく、覚えてるね。まぁ、その………言葉通り大切な人達ができたんだ。だから、これから紹介しようと思うんだ? 序にさっきの異世界云々を証明する1つの証拠にもなるし」

 

ハジメがそう言うと、

 

「今からか…………っていうか、彼女ができたのか!? それも異世界の? いや、待て、お前には香織ちゃんという子が……」

 

「まあ、香織については紹介済みだからいいとして………」

 

ハジメがそう言うと、隣にユエが歩み寄った。

 

「まずはユエ。異世界人で、吸血鬼で、元お姫様だ」

 

ハジメの言葉に、

 

「「っ、テンプレ属性!?」」

 

絶対に他の家族とは違うだろう反応をするハジメの両親。

 

「……はじめまして、ハジメのお父様、お母様。ユエと申します。末永く、よろしくお願い致します」

 

「え、お、おう。いえ、これはご丁寧に。こちらこそよろしくお願いしますです?」

 

「よ、よろしくお願いします、ですわ?」

 

言葉使いがおかしくなるハジメの両親だがそれも仕方ないだろう。

ユエは超絶美少女だ。

そんな超絶美少女がいきなり現れて、恭しく挨拶をすれば、ハジメの両親の反応も当然だ。

ユエの登場だけでいっぱいいっぱいなんだろうが、ハジメは容赦しなかった。

次にフード付きのローブを被っていたシアが歩み出る。

 

「次はシア。見ての通り、ウサミミ美少女だよ」

 

ハジメが紹介すると、シアはフードを取り去り、

 

「はいですぅ! 義父様、義母様、私はシアと言います! よろしくお願いしますですぅ!」

 

「「ウサミミぃ、キタッー!?」」

 

職業柄からか、シアのウサミミに釘付けになる。

 

「レミア、ミュウ!」

 

「はい、あなた。はじめまして、レミアと申します。娘共々、よろしくお願い致します」

 

「え、えっと、えっと……パ、パパの娘のミュウです! おじいちゃん、おばあちゃん、よろしくお願いしますなの!」

 

「お、おじいちゃん!?」

 

「む、むすめぇ!?」

 

「「「「「「「「「「パパぁ!?」」」」」」」」」」

 

混乱した人たちは如何いう事か説明しろとハジメへ視線を向ける。

すると、

 

「ミュウは僕の娘で、ユエ達は全員、僕の嫁。以上」

 

「「「「「「「「「「軽ぅ!?」」」」」」」」」」

 

家族達が驚愕していると、

 

「ハジメ君! 君がそんなふしだらな人間だったなんて…………! こうなったら香織との仲も考え直さなければいけないようだな!」

 

そう言ったのは香織の父親である白崎 智一。

だが、

 

「そんな事言うお父さんなんて嫌い!」

 

香織のその一言で真っ白になる智一。

すると、

 

「に、兄さん………ハジメさん、凄いことになってるね………」

 

信也がそう言う。

拓也とハジメは友達なので、信也と顔を合わせたことも度々ある。

 

「あ、ああ………まあな…………」

 

拓也は歯切れ悪く答える。

 

「兄さん?」

 

それを怪訝に思った信也が確認するようにそう言うと、

 

「ご主人様? 妾達の事もご家族に紹介してくれんかのう?」

 

ティオが拓也の横に並びながらそう言った。

 

「わっ!? 誰!?」

 

突然現れたティオに信也が驚く。

 

「お初にお目にかかるのじゃ、義父上殿、義母上殿、そして義弟殿。ご主人様の側室となるる竜人ティオ・クラルスと申す。幾久しく、よろしくお願いするのじゃ」

 

「「「側室っ!?」」」

 

拓也の家族が盛大に驚く。

更に、

 

「初めまして。私はノイントと申します。ティオ様と同じく拓也様の側室となります。以後お見知りおき下さい」

 

ノイントが進み出て挨拶をする。

 

「「「もう一人っ!?」」」

 

再び驚愕する拓也の家族。

すると、

 

「拓也お前! 優花ちゃんとあろう子がいながら………!」

 

宏明が拓也に詰め寄る。

 

「あ~、まあ~、優花も了承済みっていうか……………色々あったんだよ………」

 

拓也は目を逸らしつつ遠い目をした。

すると、

 

「いや、まて、菫! こんな可愛い子達がリアルにいるはずがない! 全てCGだ! 騙されるな!」

 

「あなた、天才だわ! ハジメ、目を覚ましなさい! 二次元の女の子から3Dの女の子に乗り換えたとしても、結局は虚像。虚しいだけよ!」

 

ハジメの両親がそんな事を言い出した。

二人の様子に歓迎されていないと感じたらしいミュウがしょんぼりしながら、

 

「おじいちゃん、おばあちゃん……ミュウじゃダメですか?」

 

と尋ねた。

すると、

 

「どうも初めまして、俺がミュウのおじいちゃんだよ?」

 

「どうも初めまして、私がミュウちゃんのおばあちゃんよ?」

 

見事に、一瞬で態度が急変した。

ミュウのあざといまでの愛らしさに為すすべなくノックアウトされる姿は、やはりハジメそっくりだった。

その光景に呆れと同時に何か細かいことはどうでもいいやという雰囲気になる他の家族達。

落ち着いたところで語られ始めるのは、異世界ファンタジー小説のような冒険譚。

その話を聞いて一番はしゃぐのはやはりハジメの両親だ。

その冒険譚は夜遅くまで続けられ、行方不明となっていた召喚者の家族達は、久しぶりの本気の笑顔を見せていた。

 

 

 

 

【BGM 『FIRE‼』】

 

 

 

主なメンバーのその後。

 

 

 

・ハジメ

元の学校に復学となる。

ただ、他の召喚者及び担任として愛子と一緒に特別教室と称して隔離状態で授業を受けた。

なお、毎日のように迫ってくるマスコミに嫌気がさし、情報化社会に魔法をぶっこんでチョロくしたという。

何故か裏の世界と関わることが多くなり、影の薄い人物と日々奮闘中。

香織、ユエ、シア、レミア達との仲も良好。

トータスへの行き来ももうすぐ何とかできそうな予感。

 

 

 

・香織

ハジメの正妻。

帰還後はハジメと共に学校に復学し、特別教室に通う。

召喚前より魅力が増したことで告白される回数が激増したが全て一刀両断に断っている。

尚、親バカの父親に制裁を科す回数が徐々に増えてきているという。

 

 

 

・ユエ

ハジメと同じ学校とクラスに転入する。

戸籍問題等はハジメが何とかした。

告白される回数も数知れず。

ただし本人はハジメにしか興味がない。

 

 

 

・シア

ユエと同じくハジメと同じクラスに編入する。

ユエとは違った魅力で学校の生徒達からの人気も高い。

しかしこちらもハジメにしか興味がない。

 

 

 

・レミア

ハジメが創設したジュエリーショップにティオと共に就職。

割と普通に地球の暮らしに順応する。

ご近所さんの間ではミュウと合わせて美人な母娘として有名に。

 

 

 

・ミュウ

保育園に入園すると、何故か『お姉ちゃん属性』を取得。

相変わらず歳の割に人生経験が凄まじいしっかり者。

でも、どこかに必ずハジメの影響を受けている。

 

 

 

・輝二

ハジメと同じく元の学校に復学。

雫との関係を八重樫家に報告したところ、何故か門下生総出で襲われるようになった。(もちろん全て返り討ち)

その際八重樫家が忍者の末裔であると知る。

八重樫道場を継ぐかどうかは未定。

 

 

 

・雫

ハジメと同じく元の学校に復学。

トータスの旅で頼ることを覚えた結果、割とどこでも輝二に甘えている。

最近の悩みは、実家が実は忍者屋敷で、普通と思っていた家族も普通ではなかったことである。

 

 

 

・輝一

ハジメと同じく元の学校に復学。

恵理との関係を一から見直し、共に歩んでいる。

とはいえ、拓也達からすれば、本当の恋人になるのも時間の問題らしい。

 

 

 

・恵理

ハジメと同じく元の学校に復学。

相変わらず輝一の事を夫だと公言しまくって外堀を埋めることを躊躇わない。

因みに輝一に近付く女の影があれば、魂魄魔法を使って排除しているらしい。

 

 

 

・優花

ハジメと同じく元の学校に復学。

拓也との関係も順調。

将来は調理師の資格を取るために専門学校に進むことを決めており、そのために日夜勉強中。

 

 

 

・ティオ

なんやかんやで拓也との関係を認めてもらう。

ハジメの創設したランジェリーショップにレミアと共に就職。

レミアと共に、割とすんなり地球の暮らしに順応した。

 

 

 

・ノイント

ティオと同じくなんやかんやで拓也との関係を認めてもらう。

そして何故か神原家のメイドとして働いており、ハジメがノリで送ったメイド服を着用している。

本人も悪い気はしていない、というより性分なようで今や神原家に欠かせない存在となっている。

 

 

 

・拓也

ハジメと同じく元の学校に復学。

しかし、元々の夢だったサッカー選手は、召喚時のチート身体能力を得た事で、他の者達とはフェアではないと悟り、自ら断念した。

現在は次の目標を探しつつ、空いた時間に人並外れた身体能力を生かし、土木建築業のバイトで荒稼ぎ中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼らは歩み続ける。

ありふれたフロンティアへ向かって…………

 

 

 

 

 

 

【Fin】

 

 

 

 

 





はい、何か強引に終わらせた感もありますが最終話です。
何かうまくまとめられなかった。
デジタルワールドで別れた時点で終わらせておくべきだった?
ともかくこれにてこの物語は終了です。
因みに新作、『転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件』が先行して投稿中です。
今現在で4話まで投稿中。
興味ある人は読んでみてください。
そしてここまでお付き合いいただいた読者の方々に感謝を。
新作にもお付き合いいただければ幸いです。
それではこれにて失礼。
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