ウルベルトの贈り物   作:読み物好き

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おーとす:(白目)
もおんが:(白目)


至高の導き

 墳墓から少し離れた地に無数の人影が野営地を築いている。

 大鍋で大量のスープが煮込まれ、巨大な煙が立ち昇っている。

 ミスリルから(シルバー)に至るまで、様々なチームがそこに集まっている。

 未発見の巨大な墳墓、そこに隠された秘密と財宝を胸に、ある者は目を輝かせ、ある者は未来に思いを馳せ、ある者は潜む危険に剣の手入れに勤しんでいる。

 

 そんな中に一つのチームが足を運んでいく。

 落ちる夕日がアダマンタイトのプレートを照らしている。

 疲弊した長身の女性、ご機嫌な小柄な女性。やや挙動不審な鎧。

 

「でねー、モモン聞いてる?」

「も、勿論だ!」

 

(ナザリックに…ナザリックに戻らせてくれ…!ハムスケを連れて来るべきだった…頼む…少し、少しでいいから時間をくれ…)

 

 ただでさえ切羽詰まった状態でハムスケの面倒まで見ていられるか。

 そんな判断で街に置いてきたのは間違いだった。

 途中でアルベドから飛んできた伝言(メッセージ)。小声で応じようにも視線が突き刺さっている。

 小声で後で戻るとだけ伝えるのが精一杯だった。

 ベロス!頼む!少しでいいから俺を一人にさせてくれ!

 そんな鎧を横にオートスは冒険者に視線を向ける。

 

(当日…当日だと……ベロスを一人で外に出したのが間違いだった…先ずは…先ずは囮の確保を…)

 

 準備も出来ず当日だと?流石にそれは承諾しかねる。

 数日前からの指名の依頼…。当日の依頼放棄は…。

 名声を捨てるのは確かに惜しいが…。リスクと釣り合っていない。

 その後散々断りの言葉を口にしたが、鎧…の味方をしたベロスに押し切られた形となった。

 

 二人を見届けるように太陽が眠り、暗闇が広がっていく。

 

 オートスは切り替えて考える。ここに何か潜んで居ればそれが情報として得られる。

 その為にも先ずは囮。それを送り込み、危険を判断する。

 

「チッ、もう日も暮れたんだぞ?良い時間の集合だなおい。それに漆黒、お前が来るとも聞いてねぇ」

 

 遠くから一人の男、イグヴァルジが睨むようにそう告げる。

 応じるようにアインズが口にする。

 

「事情がある。今回は我々でのチームだ」

「アダマンタイト同士でチーム?おいおい、どんな心配性だ?たかが遺跡だぞ?そもそも俺は──」

 

 聞いてもいない自分語りと文句を口にしていく。

 オートスが溜息を吐き出す。…鬱陶しい。

 囮と言えど、こいつはパスだ、扱いにくい上に不愉快だ。

 そんな中で一人が声をかけてくる。

 

「どうも、ちょっといいですか?噂のアダマンタイトで間違いないですよね?俺はヘッケランと申します」

 

 気軽に話しかけてくる白金(プラチナ)のプレートを首にかけた、金髪の男性の姿がある。

 

「何か?」

「いえね、アダマンタイト級の方にこんな申し出失礼ですが、どうでしょう?明日の探索ですが、一つ俺達のチームと組みませんか?危険が潜んでるかもしれないですし」

 

 そう告げる男を前に、良い鴨かと話を聞いていく。

 オートスとしては囮が欲しい。そしてこいつはまだ会話が成立する。

 

「構いませんよ、私達はふた…三人です。そちらは?」

「俺達は四人です。あれ…全員女性のはずでは?」

「モモンと言います。少し事情があって一時的にチームを組んでいます」

 

 アインズがそう告げる。

 

「事情…まぁ深くは聞きません。行きましょう、うちのチーム紹介しますんで」

 

 そんな彼等の背を切れ目の男が眺めている。

 

「おーい、連れて来たぜ。あれ?アルシェはどうした?」

「食事を取りに行ってますよ」

 

 聖印が描かれたサーコートを纏った男がそう告げる。

 

「そうか、じゃあ先に二人を紹介しますね。こちらロバーデイク、うちの神官です。こっちがイミーナ、野伏(レンジャー)です。もう一人魔法詠唱者(マジックキャスター)が居るんですが、戻ってきたら紹介しますね」

 

「宜しくお願い致します」

「よろしく」

 

 サーコートの男、ロバーデイクとイミーナと紹介された半森妖精(ハーフエルフ)が軽く頭を下げる。

 

「私はオートス。こちらは妹のベロスです」

「よろしくね!」

「モモンです」

 

「…ヘッケラン、本当に間違いないわけ?」

 

 小声でイミーナがヘッケランに告げる。

 あの二人がアダマンタイト…には正直見えない。

 何の迫力も威厳も感じない。首に掛かるプレートが無ければ信用できないだろう。

 恐らくアレが調査対象の八咫烏だが…モモンと言えば耳にする漆黒。

 あちらは圧が凄い。正にアダマンタイトだろう。

 だが何故その二つのチームが?そもそも漆黒は二人、八咫烏は三人。

 どう考えても何かおかしい。

 

 アインズの滲み出る焦りの感情が、ヘッケラン達には圧となり伝わっていく。

 そんな困惑の中、金髪の女性が器用に4枚の皿を持ち姿を見せる。

 

「食事を貰っ…て……来…た…」

 

 手に持った皿は吸い込まれるように地へ落ちる。

 見る見るうちに表情は青を通り越し、血の気は下がり白に染まっていく。

 

「あ…あり…ありえ………ウッヴォエエエ!」

「アルシェ!?あんた達…何したのよ!!」

「…その女性が…勝手に吐いたように見えるが…」

 

 アインズが告げる。

 人の顔を見るなり盛大に嘔吐している女性を前に三人は当惑していく。

 

「だいじょぶー?」

「ひっ!?」

 

 ベロスが手を差し出すも、顔色はより悪くなっていく。

 

「人の顔を見るなり嘔吐し…怯えるとは…些か失礼では?」

「…そうですね」

 

 オートスとアインズが告げる。

 

「アルシェ!?どうしたというのです!」

「あり…ありえない…ありえない…」

 

 壊れたように繰り返す女に少し苛立ちを感じつつ疑問が浮かぶ。

 怯えている?何にだ?この鎧か?私か?ベロスにか?

 疑問を浮かべつつ、囮とまずは信頼関係を。と手を差し伸べ優しく告げる。

 

「気分が優れないのですか?」

「…!!!?」

 

 顔を死人の様に白くし、口をパクパク動かしている。

 

「えー…これが…うちのチームの魔法詠唱者(マジックキャスター)のアルシェです」

「…アルシェ…さんは情緒不安定なのですか?」

「いえ…そんな筈は…ないんですが…」

 

 三人も困惑気味にそう告げる。暫く観察するも、怯えの原因がわからない。

 手を差し出すとベロス以上に全身を震わせている。何なら吐いている。

 何だこの女は。これでは取り付く島もない。

 何より…顔を見るや吐くとは不愉快極まる、人選を間違えたか。

 …最近何もかも上手くいかない気がする。

 そんな折、大きな声が聞こえる。

 

「各チームのリーダーは集まってくれ。明日の話し合いをする」

 

「あー、行きましょうか。えっと…リーダーは…オートスさん?モモンさんですか?」

「ベロス、行きますよ。…ベロスは何処です?」

「あそこで話してますけど」

 

 少し離れた所でベロスが冒険者達と話をしている。

 …少し自由すぎませんか?もう少し私の苦労を知ってくれませんか?

 そんな気持ちを胸に一人、疲労感と共に集まりへ足を進めていく。

 二人が離れた事を確認し、アインズが告げる。

 

「私は──少し墳墓の偵察に行ってきます」

 

 そう告げ早足で闇に溶けていく。

 姉妹が離れ、暫くの後にアルシェが徐々に落ち着き口を開く。

 

「…あの二人…ば、化け物…。化け物なんてもんじゃない…。あれは………ヤバすぎる…」

 

 イミーナとロバーデイクが顔を見合わせ首を捻る。

 アルシェの生まれながらの異能(タレント)を知っているからこそ、アルシェの言う事は信用できる。

 だが…化け物?威圧感も何もないただの女性二人に見えたが。

 アダマンタイト級にすらプレートが無ければ見えないが。

 

「勘違いじゃないの?」

「信じてよ!!!」

 

 真実の叫びは闇の中へと消えていく。

 

 

 

 

 

 ・

 

 

 

 

 

「面を上げよ」

 

 急ぎ帰還したアインズが告げる。

 本来はこんなやり取りしている場合ではないのだが…仕方がない。

 今は一人でも多くの知恵が必要だ。そう考え玉座の間にナザリックを離れている者を除き、守護者にプレアデス、一部を除く領域守護者を集めるようアルベドへと指示を出した結果、多くの者がそこに集っている。

 遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)を目にしながら口を開いていく。

 

「皆、耳にしているだろう。冒険者の件だ」

 

 そう告げるとアルベドが口を開く。

 

「ナザリックに足を踏み入れよう等と…思い上がった下等生物に確実な死をお約束致します」

 

 デミウルゴスが続く。

 

「魔将を始め、捕獲に長けた物、戦闘に長けた物の第一階層への移動は済んでおります」

 

 至高なる御方が作り上げたナザリックに土足で踏み入る等…と、当然と言えば当然の事だが、集まる皆の顔には怒りの色が現れている。

 

(そう…そうなるよな…どうしよう…)

 

 アインズとしては、無礼を働かない者は生かして帰してやりたい。

 心に小さく生まれた種。人間としての心がそう告げている。

 暫く考えるも、何と伝えればよいのか良い考えが浮かばない。

 先ずは現状を共有する必要があると口を開く。

 

「…今回…私も冒険者としてナザリックに足を踏み入れる」

「ア、アインズ様が!?」

「アインズ様が冒険者として!?」

「え!?あの?えっと??あの?」

 

 皆が当惑の声を上げていく。

 まぁ…そうだよな…と思いつつ、続けていく。

 

「そうだ…今回…ナザリックに無礼を働かない者は……生きて返そうと考えている」

「な…何を!?アインズ様!?」

「生きて返す!?ナザリックに足を踏み入れた人間をでありんすか!?」

 

 ざわめきが広がっていく。

 主人の意図が全く理解できない。

 一体何を?何をお考えに?皆が困惑の中に落ちていく。

 

「な…何故…栄光あるナザリックに…足を…踏み入れる者を…」

 

 アルベドがそう告げる。

 絶対者と振舞うアインズとしては、できれば殺したくないんです。

 …等と間違っても言えるはずもない。

 

「私の──考えあっての事だ。無礼を働かず…探索のみで帰る者には手を出すな」

 

 多くの者が何故だと口にしていく中、主の姿をじっと見つめる者が居る。

 その者──デミウルゴスが口を開く。

 

「──まさか!?…そういう事でございますか…!」

(え?)

 

「となれば…確かに生きて返す方がよろしいかと!」

(デミウルゴス?何だか知らんがここは乗るしかない)

 

「──よくぞ気付いた。デミウルゴス」

 

 鷹揚にそう告げる。

 頼む!今回も何とかしてくれ!!そんな願いを胸に。

 皆が視線を向ける中、デミウルゴスは暫く考え口を開く。

 

「となると…一度、友好的に接触した方がよろしいでしょうか?」

(…何だって?…ナザリックに足を踏み入れた者に友好的に?)

 

「それに伴い一部の財を一時的に移動させる許可を頂ければ、確実な成果をお約束致します!」

(財!?何の話だ!?)

 

 暫く考えるもアインズには全く何の話か分からない。

 だが何とかなるなら何でもいいと、鷹揚に頷き告げていく。

 

「任せる。皆、聞いての通りだ。案は一つでも多い方が良い。追い返す方法…何か案はないか?」

 

 皆が頭を捻っている。

 殺す、捕えるといった事であれば幾らでも方法が思いつく。

 だが追い返すとなれば全く別だ。

 当のアインズ自身も思いつかない。

 

「…何でもいい、何かないか?」

 

 そう告げるアインズに小さく声が上がる。

 

「あ、あの…か、看板とか、ど、どうですか?」

「看板?マーレ、詳しく話してみよ」

「た、立ち入り禁止…とか、あの、その…」

 

 …それで帰ってくれれば苦労は……やらないよりはマシか。

 ここで却下して意見が止まっても困る。そう考えアインズが指示を出す。

 

「…マーレに任せる。他に案がある者は?」

 

「恐怖公の部屋に送り込めば即座に帰るのではないでしょうか」

「アルベドよ…」

「嚙みつかず、体中を這い回るよう指示すれば多くの者は傷一つ付く事なく追い返せるかと」

 

「それは面白いねアルベド。だが今はそれはいけないよ」

「……その通りだ。却下だ」

 

 何かデミウルゴス優しくないか?

 と言うか何だ?あの顔は?何か凄く尊敬の視線を感じるんだが…。

 

「直接話して帰るように説得するのはどうでしょうか。あ、わん」

「ペストーニャ…悪くはないが…余計な情報が冒険者に渡るのは……保留だ」

 

「シンプルに封鎖するのはどうですか?」

「ルプスレギナ、それはダメだ。この世界にあるかはわからんが、アリアドネが機動したらそれこそ不味い」

 

 マーレを口火に徐々に意見が出始める。

 これなら何とかなるんじゃないか?アインズにそんな希望が胸に湧く。

 そんな中、アウラが告げる。

 

「あの…アインズ様」

「どうした?何か案があるのか?」

「あの人間達…何か探してます」

 

 そう告げ遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)へ指を指す。

 松明を手に複数の人間が何か──誰かを探している。

 

(しまった!!長く空け過ぎたか!?パンドラに…ベロスに接触した際に気付かれる危険が…!あぁ!ダメだ!俺が行くしかない!)

 

「私は戻る!後は任せたぞ!!」

 

 そう告げアインズが急ぎ玉座の間を後にする。

 暫くの後にマーレが小さく問いかける。

 

「あの…結局アインズ様は、えっと…?」

「友好的にってのもピンとこないっす」

「デミウルゴス?どういう事なんでありんすの?」

 

 主人の意図が全く分からない。

 何か気付いた様子であったデミウルゴスへと視線が集まっていく。

 そんな視線を受けたデミウルゴスが説明していく。

 

「まず、アインズ様がモモンとしてナザリックに参られる。これの意味するところだよ」

「名声…?それにしては…ナザリックを使われるとは思えないけれど」

 

「その通りだよアルベド、ナザリックを使って名声を稼ぐとは流石に考えにくい。つまり…それ以上の事…ナザリックを表に出されるご決断をされたのではないかな」

「え?何?どういう事?」

 

「シャルティアを狙った敵対勢力が居る以上、敵はこちらの存在に気付いている。つまり裏で探すのでは後手に回る。表に出た方がよいと判断されたのだろう」

「まさか…建国を?」

 

「その通りだよアルベド!考えてみればカルネ村を支配した時から、アインズ様はそのテストをされていたのかもしれないね」

「あの?え…えっと…あの?」

 

「今回…王国がナザリックに無礼を働いた。つまり…領土へ足を踏み入れ、王国が自ら敵対を宣言した。アインズ様は常々敵対者への警戒心を持たれていた、敵が潜む可能性がある時は大義名分があると無いとで大きく変わってくる。それが証拠にアウラに森精霊(ドライアード)や現地の生物を友好的に集めさせていただろう?」

「…あたしにも何が言いたいのかわかんないんだけど」

 

 マーレとアウラが渋い顔をしてそう告げる。

 

「つまりこうだ。アインズ様は現地の者達と友好的な関係を築いていた。だがある日、王国はアインズ様の領土…ナザリックに不敬にも攻め込んできた!これは反撃するに大義名分として申し分ないだろう?」

「あ、あの…アインズ様の…えっと、それがモモンと何か関係があるんですか?」

 

「今ではモモンは人間の中で英雄として扱われている。もしやこの為にモモンを作られたのかな。──そのモモンが生き証人として、王国からの攻撃を証明してくれる…というわけだよ!ただ、一人では少し弱い。だからこその"追い返せ"だよ。モモン以外にも数名の生き保証人を出せという事だろう!」

 

「大義名分…そんなもの必要なんでありんすの?」

「例えばだがね、シャルティア。家で静かにしていたら隣の者が刃物を持って押し入ってきた。君はどうする?」

「殺すでありんす」

 

「そうだ、それであれば周囲も何も言えないだろう。だが──こちらから仕掛けた場合、周囲の目も変わってくる。アインズ様は敵対者が複数居た場合を考慮され、友好的に接していたという事実を作り上げ利用されるおつもりなのだよ!」

 

 成程…と皆に理解の色が浮かんでいく。

 アルベドがそれに対して考えを示していく。

 

「デミウルゴス?それなら帝国で行うべきよ?王国を支配したとして、何の魅力もないわ」

「その通りだよアルベド。実際王国がナザリックを見つけたとは考え難い。帝国あたりの差し金だと思うがね」

 

「ではやはり帝国で行う方が良いんじゃないかしら?それにそれでは計画が…」

「アインズ様はそれを見越してだよアルベド!セバスからの報告と合わせても王国には魅力がないのは間違いない。…一人を除いてはね。だからこそ今回判断されたのではないかな?」

「デミウルゴス、ドウイウ事ナノダ?」

 

「建国されるという事は、先ずは周辺国に舐められない事が重要だ。その為には力を示す必要があるが…王国には魅力が何もないと判明した」

 

「…そういう事なのね!王国でナザリックの力を示し、支配…或いは滅ぼすおつもりかしら?その後周辺国を徐々に滅ぼす…或いは支配していく…という事ね?であれば…計画の大幅な変更が必要ね。それと、あの人間は惜しいけれど…もう接触を?」

 

「接触はまだ出来ていない。だが建国されるとのご意思であれば、王国を従わせる、或いは滅ぼしてからでも十分だろう。従わせたなら人質、滅ぼしたのなら拾い上げれば良い」

 

 納得していくアルベドを背に皆へとデミウルゴスが振り返る。

 両手を掲げ皆に告げていく。

 

「皆を集めたアインズ様の意思は正にこの計画を伝えよとの事だろう!これこそがナザリックの!アインズ様の世界征服計画の第一歩となる!アインズ様の為に力を振るう時は近いと知りたまえ!」

 

 首を傾げていた者達も徐々にやる気が満ちていく。

 少なくとも理解できた事が一つある。

 主人の為に力を示す。何と素晴らしい事をお求めに。

 

「問題となるのは…どう侵入者を迎えるかね」

「そうだね。まずは友好的に、それを押し切り攻撃してきた。その事実があればなお素晴らしいからね。そして問題となるのは、モモンと生き残りに何を目撃させるかだよ」

 

「──愚か者は目に見える物を信じるわ。ならば…アインズ様ご自身のお姿…がいいのかしら?」

「理想はその通りだね。アインズ様自らが撃退に出て頂く…それこそが最上だろう。ここの主人が一体誰か…それを知らしめるのは重要だ」

 

「それに生き残りの選別はどうしようかしら」

「…本当に…アインズ様は流石は端倪すべからざる御方だ。見たまえ、例のアダマンタイトだ!この時の事を想定し、エ・レエブルでも生かしておいたのだろう!一体何手先を読まれているのか!アインズ様とあのアダマンタイトの2チーム!!あとは適当に生かせば十分だろう!」

 

 デミウルゴスが高々に告げる。

 皆がアインズの深淵の智謀に驚愕を現していく。

 これが──至高の御方のまとめ役としての智謀。

 多くの者から尊敬と畏怖の声が上がっていく。

 

「あの、アインズ様があの、モモンですよね?えっと?アインズ様が来るんですよね?」

「その通りだよマーレ。今回はアインズ様がお二人必要という事になるね」

 

 一斉に視線がパンドラズ・アクターへと集まっていく。

 

「参謀殿?統括殿?本当によろしいので?」

「無論さパンドラ。アインズ様自らが動いてくださっている!絶対に失敗は許されない!」

 

「これが最もナザリックに利益を運ぶ行動となると私は考えるが…パンドラ、君は違う意見かい?」

「ナザリックにおける純粋な利益、その点に異存ございません」

 

「それは良かった。何か見落としがあっては困るからね。では頼むよパンドラ」

Wenn mein Gott es so will(我が神がそう望んでいるのであれば)!」

「では諸君!まずは友好的に…という所を詰めていこうじゃないか!」

 

 皆がどうするかと様々な話をしているのを横目にデミウルゴスが小さく呟く。

 

「お任せくださいアインズ様、ウルベルト様。必ずやこの世界を手中に」

 

 その決意の声は守護者達の喧騒に消えてゆく。

 




ももんが   :デミウルゴス…頼りになるわぁ(安堵)
デミえもん  :お任せください↑↑↑
るぷー    :パねえっす!ヤベえっす!鳥肌っす!
あるべど   :アインズ様ぁ!
ぱんどら   :ホントにいいんですか?
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