忙しすぎました。(言い訳)
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「疲れた…」
アインズの自室から疲れ切った声が響く。
捕縛した姉妹は一度第六階層へ移し、アウラとマーレに任せた。
姉妹は魔力切れの上、抵抗する気はないとの判断である。
「……どうしよう…」
時は少し遡る。
デミウルゴスの計画通り、建国の為の戦争が起こった。
その際に不幸な行き違いにより勃発した姉妹との闘い。
辛勝を収め、後に建国は成ったとの報告は受けたのだが──。
「…何て説明するのが正解なんだ?」
勝利を収め、手に入れた思いもよらぬ情報。
同時に──取り返しのつかない事をしてしまった。
今回の件を皆に何と伝えるべきかと思考を回転させているが、妙案は浮かばない。
「一度状況を整理しよう…」
今回の──彼女達と敵対する事になった事件。
デミウルゴスが建設したスクロールの革を生産する為の牧場。
その牧場の地に選ばれたのが、運命の悪戯とでも言うべきか。
彼女達の大切な地であった。
この件の詳細まではアインズ以外は知らないはずだ。
姉妹がウルベルトさんの関係者であると知った者は回収した後に付き添った者達。
戦闘を…ウルベルトさんの幻影をナザリックから見ていたであろうデミウルゴスやアルベドも気がついてはいるのか??
いや…途中で現れたアルベドは見てないのか?未だ状況がわからん。
「…何をどう伝えるべきか…事実は隠しても仕方ないけどさ……」
彼女達が怒った理由はデミウルゴスの作った牧場がウルベルトさんの部屋でした。何て言っていいのか?良くはないだろう事くらいは分かる。守護者達の事は長く見てきた。良くも悪くも何と言うか…。俺や皆に対する思いが凄い。デミウルゴスもショック受けそうだしなぁ…。
「それに…本当に建国なんてしちゃったのか??…今後どうしたらいいんだ??」
頭を抱え独り言を呟く。
暫くの後に首を振り考えを追い出していく。
「……悪い方向は一旦置いておこう」
未来の自分に丸投げし、良い事を頭に思い描いていく。
今回得た歓喜すべき一つの情報。
「ウルベルトさんが…この世界の何処かに居る…!!」
考えるだけで震えとなり、歓喜の感情が押し寄せてくる。アインズ・ウール・ゴウンの名を広めるための…結果的な建国。正直皆とは二度と会えないかもしれない。
そんな考えが頭を過っていたアインズにとっての救いのような情報である。もしかしたら、他にも皆来ているのかもしれない。
同時に、他のプレイヤーはやはり存在するのではないか。シャルティアの一件はやはり敵対プレイヤーによる洗脳ではないかという疑念が強くなるが、今は考えない事とし頭から追い出していく。
アインズは歓喜しているものの、実際の所はあくまで口頭で得た情報である。本来であれば確実な情報と呼ぶには弱い。
が、姉妹の語った友の姿形。パンドラズ・アクターの集めた情報。そして戦いの際に見せた幻が姉妹の話は真実であるとアインズに確信させている。
無自覚に拳に力が入る。
「必ず…見つけ出す。何をしても必ず」
結果的にそれが姉妹への贖罪にもなるだろう。なるはずだ。
「その為にも…二人の事は上手く伝えなきゃならない」
「落ち着け俺。ここだけは失敗できないんだ」
下手な事を言えば大変な事になりかねない。
彼女達はナザリックに…滞在してほしい。それには合意してくれた…してくれたんだよな??
可能であれば手を取り共に進みたい。ウルベルトさんが見つかった時にも手を取り合って喜びを分かち合いたい。
やはり問題はどのように皆に説明するするかだ。
現状姉妹に対するナザリック所属の大多数の者からの感情は最悪に近いであろう。ナザリックに唯一残ったアインズの命を狙ったともなれば当然である。
ウルベルトさんの関係者であった事、そして同時に彼女達に非がない事を説明して誤解を解く事が最も急務である。
実際の所、右が正解だとしてもアインズが左と言えば左が正解になるような状況である。アインズが手を出すなと言えば従うだろう。
「それじゃ根本的な解決にはならないんだよなぁ……」
社会人時代をぼんやりと思い出す。
表向きは仲良く振舞っても陰で陰口や嫌がらせ…そんなのは最悪だ。
かと言って「ウルベルトさんの関係者だったよ!みんな仲良くしてね!」等と言って丸く収まると思えるほど事態は単純ではない。
「はぁぁ……」
大きなため息をかき消すように扉がノックされる。入室の許可を得て姿を現したメイドの口からアインズへ、時間は既にないと告げるように言葉が発されていく。
「デミウルゴス様、アルベド様、パンドラズ・アクター様以下、潜伏中のセバス様達を除く主要な方々がご帰還なされました。一部の方を除く領域守護者の皆様や主要な方々も玉座の間にてお待ちです」
「……分かった」
考えも纏まらず玉座の間へと歩みを進めていく。
・
「え、えっと…あの…どうしようお姉ちゃん」
「あたしが分かるわけないでしょ!」
そんなやり取りが第六階層へ響く。
「え、えっと…アインズ様は客人としてって言ってたけどその…」
マーレとしてはどう対応して良いかわからない。
敵であれば何の躊躇もなく排除する。
戦いの一部始終を見ていた身としては警戒が必要なのは十分理解している。が、客人らしい。
更に自称ではあるが、至高なる御方ウルベルトの子だという。
「ど、どうしよう」
「だーかーら!あたしに分かるわけないでしょ!」
答えると共に手にした鞭を握る手に力が入る。
アウラとしてもどう接したら良いのかわからない。
戦いの場に居た身としては姉妹は信じ難い事に同格の敵である。
更には絶対者たる主の命を狙った大罪人でもある。
が、同時に主人にとっては友でもあるらしい。
更には至高なる御方の子を自称していた。
アインズが謝罪するという驚愕すべき光景を目にもした。
その後も幾つか主人と話はしていたが、何一つ状況が未だ理解出来ない。
「デミウルゴスとかアルベドならわかるのかもしれないけどさぁ…」
口を尖らせ口にする。
暫く考え一つの結論を出していく。
今自分がすべき事。命じられた事を厳守する。
アインズから指示された命令は第六階層で待て。
きっと何か自分では想像もつかないようなお考えがあるはずだ。
「ってそこ!!勝手に動かない!!!」
興味深そうに周りを見渡していたベロスを目に叫ぶ。
考えに浸っている場合ではない。今すべき事は監視だと気を引き締める。
「姉上、ここ外だと思う?」
ベロスからの問いかけに、第六階層の光輝く星の海へと視線を向ける。
視界に広がる雲一つない美しい星空。
問いに答える事もなく、ぼんやりと思考の海へと身を投げていく。
客人として滞在してほしい。そうは言われたものの、あの
当然と言えば当然だ。そもそも今の私達に選択肢等ない。
我々に今許されている自由は考える事程度だ。
──あの
かつてウルベルト様が所属されていた組織…アインズ・ウール・ゴウン。
もしこの話が本当なのだとしたら。
──馬鹿か私は。何を信用しようとしている。
我々の──ウルベルト様の住居を汚した張本人だ。
奴は頭が切れる。残念だが認めざるを得ない。
あの冒険者モモンは正に完璧な擬態だった。
超位魔法を無詠唱で放ち、あの対応力、そして奴の率いる戦闘力。
…格上だ。
同時に疑問が過る。奴の語る言葉が嘘であれば何故あのような嘘を付く?
何故留まってほしい等と口にした?
我々の力を惜しんでか?それであれば…幾らでも他にやりようはある。
では…では……まさか真実か?
ぼんやりと空を眺め考えるも答えが出る事はない。
全ての真実はアインズに
それこそ不可能だ。
「父上の話、本当だと思う?」
再びかけられるベロスの言葉に沈黙で返していく。
アインズの語った昔話。
答えの出ぬ問いを頭の隅へ追いやり、アインズの言葉と共に遥か昔の記憶を辿る。
今では蜃気楼のように朧げな、遥か彼方の輝かしい記憶。
暫くの後に独り言のように口にする。
「──探しておられた」
アインズ・ウール・ゴウンの名を耳にした時から聞き覚えはあったのだ。アインズの昔話が一滴の雫となり、動く事がなかった記憶へと小さく、小さく波紋が起きていく。
ぼんやりと思い出す。ウルベルト様は何を探され、何を語って下さったのか。
『…この世界には…恐らく居ない』
『何をお探しなのでしょう。ウルベルト様がお求めであれば必ずや見つけ出します』
『それは無理だろうな』
『私では力不足…という事でしょうか』
『そういう話じゃない…ぁー…何というか…誰であっても多分無理だ』
『父上?何の話?』
『ん?昔の思い出だ』
『どんな?聞かせて!』
『…むかーし仲がいい奴らと冒険したんだよ』
『どんな人?』
『そうだな…特に仲が良かったのは──さんっていう
朧げに思い出された記憶の欠片。
決して明確ではなく、朧げな小さく輝く記憶の破片。
ウルベルト様のご友人はの
「…モモンガ」
遥か彼方の記憶が無意識に小さく口を出る。
アインズ・ウール・ゴウンの名を知っていた
モモンを名乗る冒険者。偽名を使うのであれば他に幾らでもある。
それをあえて──知っている者へのメッセージだったならば。
「…私は……」
「姉上…?大丈夫?」
そんな折、少し離れた場所から姉妹へと声がかかる。
「アインズ様の所に行くよ。妙な動きしたら…殺すよ」
アウラへ向けた、アインズからの
それを受け彼女達もまた玉座の間へと歩を進めていく。
・
アウラへと
玉座の間に声が響く。
「面を上げよ」
集められた主要な者達が一斉にアインズへ視線を投げる。
(…どう切り出そう)
アインズなりに思考してみるものの、いい切り口が未だ見つからない。
黙っているわけにもいかず、先ずは労いをと口を開く。
「先ずは──デミウルゴス、アルベド。皆も見事な働きであった」
「勿体なきお言葉でございます!」
それを受け鷹揚に首を縦に振る。
(…この後どうしよう…)
そんな考えを頭に守護者達へと視線を移す。
本当に何と伝えようかと考えつつも暫く見つめているとデミウルゴスが口を開く。
「──諸君、アインズ様の導きにより建国は成った!これより我々は表に出る事となる!」
(あぁ……うん。建国…しちゃったんだよな…)
皆がその言葉に目を輝かせている。
「これもアインズ様の正に深淵なる英知、そのお導きあっての事でございます」
「お前達が優秀だったのだ。私は何もしていないさ」
「な、何とご謙遜を…!」
(いや、ほんとに)
「ところで街の──エ・ランテルの様子はどうだ?」
「アインズ様の影の姿をお預かりしたパンドラズ・アクターの働きもあり、抵抗する者も少なく大きな問題は起こっておりません。偉大なる支配者が誰であるか──本来であれば堂々たるそのお姿を住民に見せる事が出来ていない…という問題はございますが」
続くようにアルベドが告げていく。
「今は
「そうか。よくやってくれた」
そうか。
何か理由を付けてパンドラに俺の代わりに働いて貰うのはどうだ?
うん、悪くないんじゃないか?設定上デミウルゴス達と同等の頭脳を持っているはずだ。持ってるよな?それであれば俺よりよっぽど良いんじゃないか?
ある程度軌道に乗ったら俺が変わっても維持くらいならできるかもしれない。
そんな事を考えているとアルベドが本題を口にする。
「建国は成りました。今後の方針等も必要ですが、今は現れた脅威の解決を優先させるべきかと考えます」
「脅威?」
「畏れ多くもアインズ様の御命を狙った者達です。アインズ様自ら捕えられましたが、即座に処理する事を提案致します」
な、何かアルベド怒ってないか??明らかに怒ってるだろ!??
……事情を知らなければ当然か。
言葉を耳に、事情を知らぬ多くの僕達がアインズを狙った者へと殺意と怒りを滾らせていく。
不味い。何とかしなければ。
一拍起き、小さく息を吸い口を開く。
「あの二人の事だな。皆にも伝えねばならない」
腕を上げると
武装したアウラ、マーレと少し離れた所に姉妹の姿が映っている。
「この二人…見慣れぬ者も多いだろう。今回──不幸な行き違いで私は彼女達と戦闘となった」
小さくざわめきが起こる。
アルベドの言を耳にしていた僕達からは怒りの感情が見て取れる。
「ア…アルベドよ。お前は彼女達をどう認識している?」
思った以上の悪い状況に何時もの癖で会話のボールを投げていく。
「高レベルの
淡々と告げていくその目には冷たい光が宿っている。
それを耳にデミウルゴスが口を開く。
「アインズ様が捕えられたという事はお考えがあるからでしょう。それに君は途中で出て行ってしまったが…驚くべき光景を私は目にしました。アインズ様、捕えられたのはその為でしょうか?」
それを耳にアインズは一つ納得していく。
そういう事か。アルベドはあの幻影を見ていないのか。
確かに敵プレイヤー等であれば…アルベドの意見も納得できる。
「そうだデミウルゴス。先ずは──皆に伝えておく事がある。彼女達は敵ではない。不幸な──行き違いにより、確かに戦闘は起こった。だが敵ではないのだ」
命を狙った者が敵ではないとのその言葉に、多くの者が困惑の表情を面に浮かべている。
アインズは続けて言葉を紡いでいく。
「先ずは──軽く説明しておこう。アルベドの考察通り、高レベルの
再びざわめきが起こる。
分かる、分かるぞ。その気持ち。ワールド・ディザスターとか想定外もいい所だったもんな…。
うんうんと心の中で首を縦に振る。
先ずは情報共有。アインズとしては当然の選択をしたつもりだったが、多くの者は眉間に皺を寄せている。
「今回──戦闘となった原因は…全て私に責がある。彼女達の逆鱗に触れたのは私だ」
牧場の事は伏せていく。
デミウルゴスがした事は…部下のやった事は上司の責任だ。
つまり嘘はついていない。
ざわめきが徐々に大きくなっていく。
「そして同時に私は驚くべき情報を得る事が出来た。私の友人…ウルベルトさんの情報だ」
玉座の間には本来起こりえないような喧騒が起こっている。
絶対的な主人を前に許可を得ず周囲の者と話をする等本来ありえない。
ウルベルトの名が出た事により、それすら忘れるような衝撃が多くの者を襲っているのである。
暫くの後にデミウルゴスが口を開く。
「アインズ様、この愚かな身にどうかお聞かせください。情報を繋ぎ合わせますと…やはりあの二人はウルベルト様の…」
「そうだ。ウルベルトさんの関係者──ウルベルトさんの子だとの事だ」
それを耳に玉座の間には驚きと動揺が走る。
ある者は顔を青くし、ある者は驚愕を。様々な感情を面に鏡に映る二人を見つめている。
中でもナーベラルは青を通り越し顔色を蒼白に染めている。
(ナーベラル、お前も俺と同じく長い事関わってたもんな…)
アインズの考えている以上の事がナーベラルの中では起こっている。散々
暫くの後に徐々に静かになっていく。
(ん?あれ?絶対に何かあると思っていたが…皆納得したのか??上手くいったのか?このままの流れでいい感じに進めれば何とかなるのか?)
心の中でほっと胸を撫で下ろす。
そんな中で一人、先ほどから表情を崩す事無く鏡に映る二人を見つめる者が居る。
「アルベド?どうした?」
「──いえ。何もございません」
心の中で首を捻る。
アルベド?何だ?普段と違う気がするぞ。
「どうした。何かあるなら口にせよ」
「私如きが畏れ多い仮説です。アインズ様が仰る事に異論や意見などございません。どうかお忘れください」
そんな事言われたら…逆に気になる。
それに俺の意見が全てとなる事こそ避けなければ。
「何かあるなら口にせよ。今は何であれ見落としは許されん」
「ですが…」
何かあるなら何であれ聞いておきたい。
デミウルゴスやアルベドのような知者の意見であるなら余計にである。
アルベドは何度か口を開き閉じる。幾度かそれを繰り返し、ご命令であればとアルベドが小さく言葉を紡ぐ。
「関係者である事が真実であるという前提の話になります。逆鱗に触れたとの事ですが、その程度でアインズ様に刃を向けるでしょうか」
「何?」
「我ら守護者、ナザリックの者であればあり得ぬ蛮行です」
「それは…そうでありんすね」
一部の者はアルベドの発言に納得している。
それは仕方ない。彼女達の話を聞くにナザリックの事を…多分知らなかったんだろう。
そして
これは説明しなかった俺に非がある…説明出来ないというのが正解かもしれんが。ホントに…何て説明すればいいんだ。
「それはだな──」
「我々至高なる御方に創造された者、皆忠節は持ち合わせて当然です。例えどのような状況下であろうとアインズ様に無礼を働く等ありえません。ですが、例外も考えられます」
「例外?」
「──命じられれば別です。創造者によって命じられたならば、話は変わってきます」
小さく響いたその一言は妙に大きく広場へと響いていく。
ももんが :…は??(真顔)
でみえもん :は??(ブチギレ)
その他の皆様:はぁぁぁあん!!??(混沌)
セバスとソリュシャンずっとハブられててかわいそう。
気付けばすんごく期間が空いていたようです。
内容自体を筆者本人が忘れかけてて怖い。
スローペースですが、またゆっくりと妄想を書いていきます。
気が向きましたらお付き合いくだされば幸い。