でみえもん:ブ↓チ↓コロ↓↓しますよ(真顔)
周りの方々:うわぁ…(ドン引き)
「──ウルベルト様が!!?君は何を言っているのかわかっているのか!!?」
「仮説と言ったでしょう。では何故関係者である者がアインズ様を襲うというの?」
デミウルゴスが宝石なような目を見開き声を荒げるも、アルベドは淡々と言葉を続ける。
「一つの可能性として話をしているのよ。それにまだ別の可能性も──」
「やめろ!!!!」
杖が力強く床に叩きつけられる。
話を聞いていたアインズは一つの感情に支配されていた。
憤怒の怒りである。アルベドは暗に裏切ったのではと告げている。
ウルベルトさんが俺を?ありえない。ありえてたまるか!!!
何度抑制されるも、怒りが収まる事はない。激情に身を任せなかった事は奇跡に近い。
身を任せず抑え込めたのは偶然か、或いはシャルティアの一件で無意識下に怒りに対する感情のコントロールがほんの少しでも成長していたのかもしれない。
暫くの抑制後に冷静さが戻ってくる。
しかし抑制されるのはあくまで一定を超えた感情。
残る怒りは燻る炎のように心を焼いていく。
周囲を見ると皆が顔色を真っ青に変えている。
(…俺が…悪いんだよな…これ)
──説明不足だったのは…俺が悪い。
(でも…俺だけのせいじゃないだろ…アルベドが裏切った何て言うからだ)
そう心で悪態をつきながらも口を開く。
「…先ほども話したが、今回の争いの原因は…私に責任がある。許されざる事をしたのだ。そして──皆もよく聞け。これだけは絶対にありえん。ウルベルトさんが裏切るなど絶対に、絶対にありえんのだ」
全ての者が深く頭を下げる。
異論がある者はこの場には存在しないであろう。
小さく息を吐き言葉を続ける。
「彼女達は…確かに出会いは悪かった。だが、ナザリックの関係者であり──皆と同じだ。私にとっては大切な友人の残した、私にとっても大切な子供達だと…そう私は判断した。故にナザリックへと招く事としたのだ」
暫くの後にアルベドが小さく告げる。
「愚かで無礼な妄言を…どうかお許しください……」
「…………私の前で間違っても同じ事を口にするな。二度目は…ないと知れ」
二度目は抑え込める気がしない。
再度かかった抑制と共に頭に冷静な思考が戻ってくる。
…考えてみれば…アルベドは俺が命令したから考えを口にしたんだよな…。
それに何か言いかけていたけどさ…。
ナザリックの事を考えての事だったのかもしれないが、正直今は何も聞きたくない。
だけど──アルベドもデミウルゴスも俺なんかよりずっと賢い。話を聞いて初めて気付ける事もあるし…でもなぁ…同じような話が続いたら…今度こそ爆発しそうだ…。
でもこのままだと……俺が怒ったから思う所があったとしても、何も言えないから受け入れるって事になる…。それは…それはどうなんだ…。
暫く考え結論を口にする。
「アルベド、念のために聞こう。先ほど続けて何か──言いかけていたな」
「も、申し訳ございません……」
「先の話の延長線上であれば何も言う必要はない。が…別の可能性。確かそう言っていたな。何かあるなら口にせよ」
暫くの沈黙の後に言葉を発していく。
「ウルベルト──様の関係者……アインズ様は何を持って判断なされたのでしょう」
「何?」
「例の二人が関係者である…という確証は…何かあるのでしょうか」
アインズの頭にクエスチョンマークが浮かぶ。
アルベドは何を言いたいんだ?
関係者であるという確証??どういう事だ??
「──私はナザリック全体の情報を把握しております。まず第一にナザリックの所属者に二人の名はございません」
「至高なる御方の──関係者との事ですが、その確証を得られる情報はあるのでしょうか」
「君はあの戦いを見届ける事無く出て行ってしまったからね」
デミウルゴスがアルベドに告げる。
それを耳にアインズに理解の色が浮かぶ。
そうか、アルベドはベロスの作った幻影を…ウルベルトさんを目にしてないからか。確かに確証を得られないのも無理はない。
「デミウルゴス、何が起こったのか、その情報自体は私も耳にしているわ。姿形を表現するだけなら方法は無数にあるわ。幻影を始め、
「ではどうやって至高なる御方、その御姿を知ったと?それこそ不可能だ」
アインズも心の中で頷いている。
そうだ、無関係の者であればウルベルトさんの姿形は知りようがない。
「姿形、仮に能力であっても知る事は可能よ。忘れたのかしら。シャルティアは一度──洗脳されているのよ」
それを耳にアインズに嫌な考えが浮かんでいく。
シャルティアが敵に情報を引き出されていたとしたら。
(考えすぎだ。あり…ありえない)
そうだ、それはありえん。ありえない。あの戦いの場にワールドアイテムを持ってこなかった。それからも確信…確信したはずだ。確かに敵は存在する。だがあの二人とは無関係…のはずだ。
「──アインズ様、例の二人に
「い、いや」
思わず言葉が詰まる。
「では先ずは
それを受けアインズは押し黙る。
アルベドの言っている事は…確実性を取るならば恐らく正しい。
だが、それこそ首の皮一枚で繋がっているような関係を間違いなく壊してしまう。
「そして長身の方は一度殺す事を提案致します」
「何!?」
「ワールド・ディザスターのクラス特性。死亡時にその権利を奪われ失うはずです。経緯はどうあれ、一度は畏れ多くもアインズ様の御命を狙った不届き者です。本来であれば死を持ってすら許されぬ大罪。一度の死、その程度で許されるのはナザリックの関係者である…その可能性があるが故です。正に温情に満ちた処罰かと」
確かにクラスを奪ってしまえば危険は大きく削がれる。それは間違いない。
ナザリックの安全、そして確実性を考えるのならばアルベドの提案は恐らく間違っていない。
ゆっくりと周囲に視線を投げると一部の者は賛同を面に出している。
客人として留まってほしいです。
ただし、信用できないので
そして念の為に一度死んでクラスを失ってください。
そんな事を伝え、実行した上で信頼関係を結べるだろうか。不可能だ。
「アインズ様の御命を狙う等、どのような者であっても許されざる大罪です。確証なくナザリック内部に置くのであれば当然かと考えます」
そう告げるアルベドの意見は恐らく正しい。
だがそれだけは受け入れるわけにはいかない。
どうする。どうしたらいい。
殺す、
全ての情報は口頭で得た情報。
パンドラに調べさせたのもあくまで調査。確実な情報だとは言い切れない。
俺は信じたい。そんな事はあり得ないと言い切りたい。だが皆を納得させない限りは先に進めない。俺が強く言えば収まるかもしれない。だがそれではダメだ。意見を求め、それを上の立場の者が理由もなく一方的に棄却する。それこそ最悪だろう事くらいは分かる。
長い沈黙の後、鏡に映る二人の姿を目に結論を口にする。
「…結論は…二人を前に行う。<
・
重々しく玉座の間の扉が開かれる。
アウラ、マーレに連れられた二人の影が部屋へと入り込む。
「連れてきました!」
重々しく首を縦に振る。
全ての者達の視線が二人へと集まっていく。
足音が妙に大きく響いているよう感じる。
「そこで止まりなさい、アインズ様の御前よ。跪きなさい」
それを耳にオートスは周囲に視線を投げる。
戦いの場に居た青い甲虫、
恐らくは彼等も同格の者であろうと推測できる。
彼女の脳が警告を鳴らしている。
向けられた敵意。それを考えれば、全てに従わなければ死が待っているであろうと告げている。
連れられる最中、彼女は一つの推測を立てていた。
恐らく
今一度会えるならば。そんな思いでウルベルト様は友を探していたのだ。
恐らく奴こそが探し人。その命を狙う形となったという事実は彼女に重く圧し掛かる。同時に
事実であれば、この戦力にこの規模だ。私達が探すより遥かに効率も良い事だろう。
賢く生きるならば全てに従う事だ。
生きてさえいれば──ウルベルト様にもお会いできるかもしれない。
理性では十分に理解できている。
十分に理解した上で体は従う事を拒絶する。
我等の唯一の場所を奪った者に膝を折る事だけは。
「…死にたい。という事かしら」
MPもない、数でも負けている。知能ですら…恐らく奴が高い。多くの僕を従えた、アンデッドの王たるこの姿こそが…奴の真の姿であろう。逆らった所で勝ち目は欠片すらない。現状を十分に理解した上で視線を妹へと向ける。
私に唯一残った最愛の妹。私だけであれば、死が待っていようと決して膝を折る事はしない。
が、この場での選択はベロスも巻き込む事となる。それだけは出来ない。
彼女は心を。感情を。思考を殺していく。
「アルベ──」
アルベド、よせ。そう告げるよりほんの少し早く。
彼女は膝を折る。姉に習いベロスも同様に膝を折る。
その様子を見ていたアインズの心も沈んでいく。無論アインズは跪く事を望んでいたわけではない。どうして、どうしてこうなってしまったんだ。
そんな姉妹を眺め、アルベドにされた可能性の話を頭に浮かべ考える。プレイヤーの関与、巧妙な罠…そんな事が可能か?ありえるか?そもそも今回の件はデミウルゴスが…俺が招いた結果だ。
慎重に行動していた俺達の存在に気づき…警戒していた俺達の目を掻い潜り、俺達に気付かれる事なくシャルティアを発見し洗脳。そしてシャルティアから短期間で的確な情報を入手。
その上デミウルゴスに目を付けられる場を的確に用意し…それを口実に俺を襲撃する?そんな事が可能か?
何よりそれではシャルティアと共に襲い掛かってこなかった事への説明がつかない。あの場でシャルティアと共闘した方が勝率はより高かったはずだ。確かにアウラとマーレを潜伏させていた。それに気づいていたとしても、あの状況の方が勝率は高かっただろう。
アインズの中では姉妹は完全に白である。が、それを皆に証明する方法は思いつかない。
確証か…。敵ではない確証…。
ウルベルトさんの関係者である証拠…何か…何かないか。皆に証明できる何か。
色々と考えるも浮かばない。
黙っているわけにもいかず、ゆっくりと口を開く。
「二人を──二人の話を私は信じている。今一度聞かせてくれ。君達はウルベルトさんの関係者である事に間違いはないのだな?」
頭を上げる事無く姉妹は小さく顎を引く。
「信じている。が…──何か、何か確証が欲しいのだ。何でもいい。何か──繋がりを証明できる事はないか?」
長く考えた結論。本人達に直接聞いてみる。
アインズにはそれくらいしか浮かばない。
暫くの後にオートスの唇から一筋の血が流れ出る。
「……本当に…本当にいい性格をしている」
誰にも聞こえぬような消えゆく心情が口を出る。
憤怒の怒りが再度彼女の中で燃え上っていく。
迷いが生まれ、保たれていた天秤は怒りの方向へと振り切っていく。
その繋がりを破壊した者がそれを言うか。
ベロスが顔を上げ告げていく。
「父上は父上だよ…」
「それをどう証明できるというの?」
ベロスが口にするも側近と思われる女に冷たくあしらわれる。
そんな様子を目にオートスは自分の感情を殺していく。
感情を殺せ。膝まで折ったのだ。ここで激情に任せて何になる。
生きてさえいれば。生きていればこそ出来る事もある。
生き残る為に。生き残る為に今は頭を働かせろ。
奴の求めた事。この場に居ない者との繋がりをこの場で証明せよ。
証明…口頭情報等ではなく、確実に証明できる事柄だと?物品?姿形?何を出したところで難癖付けられて終わりだろう。疑いかかる者を納得させる。そんな都合の良い方法等存在しない。
沈黙を受けアルベドが口を開く。
「出来ない…というわけね…やはり一度──」
言葉を遮るようにデミウルゴスが告げていく。
「何か──持っていないのかね。我々守護者は創造主たる御方に装備品やマジックアイテムといった物を下賜されているが」
「デミウルゴス、素晴らしい着眼点だ。何か持っていないか?」
装備品!そうか、そんな単純な所に気が回らなかった。
ウルベルトさんなら何か渡していてもおかしくない。
何か俺の知っている物でも持っていれば確かに証明できる。
それを受けたオートスの心情は穏やかではない。
敬愛すべき父に下賜された物を差し出せと言っている。
が、彼女達に選択肢はない。
ここで拒絶すればどうなるのか。周囲の敵意を加味すれば想像に安い。
残された妹を横目に彼女の心は静かに、静かに沈んでいく。
少しの間の後に、顔を上げる事もなく一冊の本を震える手に取り差し出していく。
守護者を介してアインズの手元へと渡っていく。
金の装飾がされた古びた外装の一冊の本。
「──<
唱えると共にマジックアイテムの情報がアインズに流れ込む。
付与された魔法は
一日一度しか使用できない……一日一回がネックだけど、消費MPが免除されるとしたら相当便利じゃないのかこのアイテム。そんな事を考えながら情報を追っていく。
最後の制作者の項目でアインズの動きが止まる。
暫くの後に本を掲げ、歓喜の感情と共に口を開く。
「皆、聞け!この本の制作者はウルベルト・アレイン・オードル!ウルベルトさんの関係者である事が今ここに証明された!」
「改めて私はこの二人を今、ナザリックに正式に迎え入れる。意義ある者は申し出よ!」
主人の意を耳に沈黙を持ち皆が答えていく。
「皆の懸念はわかる。確かに不幸な行き違いはあった。だがこれからはナザリックの関係者として接してほしい。以上だ」
皆が深く頭を下げる。
その光景を目にアインズも安堵の息を心で吐き出す。
これで皆にも証明できた、俺の疑念も晴れた。
何とかなった…。なったんだよな??
本当に、本当に良かった。心の奥底からそう思う。
「アルベドよ、やはり考えすぎだったようだな」
「出過ぎた真似を申しました。申し訳ございません」
…アルベドが警戒しているのも理解はできる。
俺だって同格の者がいきなり現れて襲ってきた上、迎え入れるなんて聞いたら驚くし警戒するのは当然だ。俺は…個人的な繋がりがあるから信用したいし、信用できる。だが…それがない者であれば警戒するのも当然だ。
そんなアインズにアルベドが声を掛けていく。
「アインズ様、我等ナザリックの者一同そのお心のままに。ですが…一つ、よろしいでしょうか」
嫌な予感がする。
ダメです。話は終わりました。よろしくないです。
そう言いたい気持ちをグッと堪えて顎で許可を出していく。
「アインズ様のお考え、その慈愛に満ちたお心は皆が承知致しました。ですが、この二人が我々やアインズ様に再度害を成さない確証がございません」
「それは──」
それは…そうだ。一度は殺されかけている。今の状況はアインズが一方的に手を差し出した状況に変わりない。和解とは相手も手を差し出す事で初めて成立する。
言い淀んでいるとアルベドが続ける。
「良い方法があります。ナザリックの関係者である以上、皆が納得する方法です」
「先に伝えておく。クラスの消失を始め、危害を加える等は許さん」
先手を打っておく。ウルベルトさんの関係者である事が明白となった今、先のアルベドの提案は絶対に許されない。これだけは譲れない。
「その慈愛のお心を前にそのような提案は致しません。アインズ様もご納得頂ける方法かと」
「ほ、ほう?」
ほんとに?ほんとか??
そんな魔法の様な方法があるのか??
「誓いを立てて頂くのです。創造者…父だったかしら。ウルベルト──様の名に誓い、金輪際アインズ様に無礼を働かない、そしてナザリックに滞在するのです。その命には必ず従うと宣言して頂ければ皆も納得するのではないでしょうか」
その提案はオートスを震え上がらせるに十分な効果を発揮する。
ウルベルト様の名に誓う。それは誓いを破れば父を裏切る事に他ならない。
無礼を働かず、命じるがままに動く。それは一生
そんな様子を目にアルベドが続ける。
「どうしたのかしら。まさかとは思うけれど…これだけの慈愛の心で受け入れてくださったアインズ様を再び害する…等と考えているのかしら?」
一斉に視線が集まっていく。
先程までの敵意等という生易しい視線ではない。
沈黙は肯定と取られる。
「わ…私は……」
震える声が口を出る。何を言えば生き残れるのか。
方法は一つしかない。あの女が求めた言葉をこの場で口にする事。
それは同時に決して譲れぬ彼女にとって最後の一線。
「──よせ、アルベド」
「しかしアインズ様…」
「アルベド、お前の考えも理解できる。皆の不安もだ。これは私の──私の我儘だ。私は…ウルベルトさんを──ウルベルトさんの残した…この二人を信じたい」
「二人共、顔を上げてくれ」
オートスの肩が小さく跳ねる。
暫くの後にゆっくりと視線を上げていく。
その顔色は青く、表情から感情は抜け落ちている。
視線が合うとアインズが続けて告げる。
「君達にとって…私は許されざる事をした。簡単に許して貰えるとは思っていない。だが──これだけは信じてほしい。私は…共にウルベルトさんとの再会を喜びたい。これは私の本心だ。虫が良い話なのはわかっている。一度でいい。どうか信じて矛を収めてほしい」
絶対に外れる事のない鎖は着ける必要がない。
暗にそう告げた
アインズとのやり取りを前に、周囲からの敵意の視線が徐々に弱くなっていく。
暫くの後にデミウルゴスが口を開く。
「アインズ様、迎え入れる…との事ですが、どのようになさるおつもりでしょうか」
それを耳にアインズは頭に手を伸ばすのをぐっと堪えていく。
やめてくれよ…もう…もう限界だ。後日じゃダメか?ダメだろうなぁ。
「二人については…そうだな…」
同意は得た。同意してくれたんだよな…?
ただ、ナザリック内で好きにしてくださいとも言い難い。
俺としては信用したい。二人も…暴れるような事はないと信じたい。
だが昨日の今日で二人から信用を得られるとは思えない。時間を置く必要がある。
俺は…少し距離を置いた方がいいだろうな…では誰に任せるのか、そして何処に居てもらうか。
もしも──もしもの事を考えるならば守護者クラスでなければダメだ……やっぱり俺も信用出来ていないじゃないか。偉そうに信じてくれと言っておいてこれか。
今はそんな事を考えている時じゃないな…。
シャルティアは…性格からしても何か起こらないとも言い切れない。アウラにマーレ…子供にこんな事を押し付けるのはなぁ…。パンドラは…俺の代わりに色々頼みたい。
コキュートス…うーん…ぁ…確かオートスさんは虫が苦手と言っていた気がする。もしかしてコキュートスもダメか??セバスは王都に居るし…アルベド…は…ダメだろうな……。
デミウルゴス……そもそもの原因なんだが…牧場の件は伏せてるし…大丈夫か??見ている限り悪い感情は持っていなさそうだし…ウルベルトさんの子供だし…兄妹みたいなものか??デミウルゴスなら機転も効くし、何かあっても何とかしてくれるか??
何処に居てもらうかは…何かあれば俺が直ぐに駆け付けられる場所、且つ生活にも困らない場所か…。
「…思うところもあるだろうが…今は第九階層の空き部屋を使ってほしい」
「慣れない地だ、不便もあるだろうが…デミウルゴス、任せても良いか?」
「お任せを」
「信頼しているぞ。ユリ、一般メイド達は一時的に第九階層から移動させよ」
レベル1のメイド達は何かあれば取り返しがつかない。そんな判断である。
そして共通点があれば打ち解けやすいかもしれないと続けていく。
「二人に紹介しておこう。デミウルゴス。私の信頼する優秀な守護者だ。ウルベルトさんによって創造された。二人から見れば兄妹と言えるかもしれないな」
オートスは顔を落としたまま、反応もなく床へと視線を向けている。
ベロスは不思議そうにデミウルゴスを眺めている。
「分かっていると思うが、問題が起こらないよう気を配ってやってくれ。皆に今一度伝える。彼女達はナザリックの関係者だ。これより皆と同じくナザリックの一員として暮らしてほしいと私は考えている。私への無礼は元を返せば私の失態、間違っても彼女達を害するような事はしてくれるな」
深く頭を下げた僕達を目に、今度こそ胸を撫で下ろす。
何とかなった‥‥なった…なったんだよな?結局ゴリ押しになってしまった気もするが……これ以上拗れたら収拾が着かない気がする。うん。考えない様にしておこう…。
そんなアインズに更なる追撃がかかる事となる。
「そのお心、委細承知致しました。続いてエ・ランテル、魔導国の件でございますが──」
「え?エ…ぇ、ェ…エ・ランテル……魔導国…………その一件は…暫くはアルベド、デミウルゴスに一任する。パンドラズ・アクター、引き続き二人の支持を仰げ。私は少し…そう、やるべき事がある。二人が必要だと判断次第、ナザリックに影響が出ない範囲で人員は好きに移動、配備せよ。そうだ…この本は返しておこう」
そう告げオートスへと本を手渡す。
震える手元に戻った本を両手に抱えていく。
「──私は戻る。何かあれば報告せよ。デミウルゴス、アルベドよ、任せたぞ」
実際の所やるべき事等ないが、国を始め色々お任せしますと念を押しておく。
これ以上は絶対に無理だ。早々にこの場を離れる必要がある。
──友が存在する。その希望を胸にアインズは玉座の間を後にする。
和解とは程遠いものの、これにより姉妹のナザリックでの滞在が始まる事となる。
でみえもん:ア↑インズ様↑↑の絶対の信↑頼↑を得るウ↑ル↑↑ベ↑ル↑ト↑↑様↑↑
あるべど :排除も鎖を付けるのも失敗
ももんが :何とかなったはずだ(震え声)
一般めいど:ファッ!!?私達の職場…
死人ゼロでやっと合流したぞよかったなぁ!!
なお精神面の致命傷(予備軍含む)が現在進行形で多数出ている模様