TS転生ロリ猫ちゃんの性癖が崩壊するまで。   作:もん

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猫の気持ちいいところ

齢14にして、自死によってこの世を去ったとある少年がいた。

 

小中学校ともに凄惨ないじめに遭っていたことが後に判明し、その苦痛が彼の限界を超えた結果だと推察された。

 

彼は自らの手で、命を捨てることを選んだのだった。

 

 

 

___そして僕は、猫耳と尻尾を生やした無垢な少女へと転生した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗い森の中を、一人孤独に彷徨う。

 

僕...じゃなくて私は、気が付くと見知らぬ場所で眠っていた。背中を朽ちた大木に預けて寝ていたみたい。

 

衣服は血や泥に塗れていて、体中が痛かった。今もあちこちがズキズキと痛む。

 

私はこの痛みに見覚えがあった。というより、この痛みをきっかけに思い出したくもない記憶が蘇ってしまった。

 

結論から言うと、私は前世の記憶を引き継いだ転生者だった。しかも前世が男だったものだから、この女の子の体にぜんっぜん慣れない。

 

おまけに食べ物や飲み物だって無いし、私が乗り移る前に何があったのか全身ケガだらけだし。

 

「誰かいませんかぁ〜...助けてぇ〜...痛いよぉ...」

 

もう声を張る気力もない。藁にも縋る思いで、目の前に迫った背の高い草をどけた。

 

「あっ、やっと見つけた!」

「ふぇっ」

 

手で雑草をかき分けてみてびっくり。なんと正面からお姉さんが出てきたではありませんか。

 

私は腰を抜かして動けなくなった。ピンチ、ピンチだよ。

 

「たまたま通りかかったら声が聞こえたんだ、もう大丈夫だよ〜」

「ひっ」

 

お姉さんが私に手を伸ばしてくる。とても優しい声色だけど、私は怖くて叫びたい気分だった。

 

(あの人たちと...おんなじだ...)

 

前世で私を虐げてきた彼らだって、甘い言葉で私のことを騙して、殴って盗んで楽しんでいた。

 

どうせこのお姉さんも、私をいじめるんだ。

 

(早くっ...逃げないと...!)

 

なのに、体が言うことを聞いてくれない。腰が抜けていて、足にも力が入らない。ただジタバタして抵抗することしかできない。

 

そうこうしているうちに、お姉さんの綺麗な手が目と鼻の先まで近づいてきていた。

 

(こっ...怖いっ...!)

 

恐怖から目をギュッと瞑り、次に来るであろう痛みに備えた。

 

「よ〜しよ〜し...怖かったね、辛かったね...よしよ〜し...」

「あっ...ぇ...?」

 

私の予想は外れた。次にこの体に飛び込んできたのは痛みなんかではなく、頭を優しく撫でられる心地よい感覚だけだった。

 

「君、お名前はなぁに?」

「ぅ...えっと...」

 

私の長い髪の毛を手櫛で梳きながら、お姉さんが尋ねる。と、ここで返答に困ってしまった。

 

私は確かに前世の記憶を引き継いでいるけれど、名前までは覚えていない。この子の名前だって分かるはずもない。

 

それに、まだ恐怖心が抜けきれていなかったから、結局私は口をつぐんで黙りこくることにした。

 

「あー...そうだよね、急に出てきた変な人に名前なんて教えられないよね」

「んぅ...」

 

本当はそういうわけじゃないし弁明しようと思ったんだけど、うまく誤魔化せたし、いっか。

 

「どうしようかなぁ...私、今なにも手元にないんだよねぇ...」

「あ...」

 

しゃがんで私に目線を合わせ、頭を撫でてくれていたお姉さんが、いきなり手を離して立ち上がった。私は頭からいなくなった幸福感にどうしようもない寂しさを感じ、声を漏らす。

 

「ひどい怪我をしてるし、何とかしてあげたいんだけど...うーん...」

 

顎に手を置いて唸るお姉さん。その声を聞く限り、お姉さんに私をどうこうしようとする悪い気はないみたい。むしろ助けようとしてくれていることに驚いてしまった。

 

「仕方ないかぁ...ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してね...よいしょっ!」

「んっ!?」

 

何を思ったのか、突然立膝をしたお姉さん。流れるようにそこへ私を座らせ、足と腰に手を回して私の体を軽々と持ち上げた。

 

(え!ええっ!?...こっこれって、おっ、おひ...!?)

 

そう、悩んだ末、お姉さんが最終的に取った行為はお姫様抱っこ。これが最も運びやすいと判断したゆえの、何の邪心もない行動だった。

 

「まっ、待って...どこに、連れてくのっ...」

 

しかし私にはどうしても刺激が強すぎた。心は男のままだし、まして前世は人との関わりを極端に避けてたわけだから、こんな経験したこともない。

 

「近くに宿屋があるはず!そこなら治療してもらえると思うから、それまでの辛抱だよ!」

「や、やどっ!?」

 

ちなみに無駄な知識かもしれないけれど、お姫様抱っこ()()()()は、バランスを崩して転倒しないようお姫様抱っこ()()()の首に両腕を回す必要があるんだって。

 

現に、私もお姉さんの首に腕を置いて、お姉さんの身体に抱きついている状態だった。

 

「大丈夫?痛くない?嫌だったら遠慮せずに言ってね?」

「あっうぅ......にゃぁ〜...//」

 

さっきまで感じていたお姉さんへの恐怖心は、完全に羞恥心へと塗り替えられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

溢れ出る数多の感情と戦うこと数十分。今は宿屋の一室、そこの椅子にちょこんと座ってお姉さんを待っているところです。

 

(は、恥ずかしさで顔が沸騰するかと思った...ううぅ...)

 

それにお姉さん、宿屋に入ってすぐに「緊急です!救急道具ありますか!?」なんて叫ぶんだもの。周りにいっぱい人いたし、絶対変に思われてるよ...。

 

私だけ部屋に移されて、お姉さんは応急処置できる道具を取りに戻っている。それまでお姉さんに待機を命じられたから、こうして律儀に座っているのだ。

 

「...それにしても、あんな森の近くに宿屋があるなんてね」

 

この宿屋の付近にも色々な建物が並んでいるようで、どうやらあの森だけが極端に危ない場所だそう。部屋に担ぎ込まれる前に、お姉さんと受付の人の会話を盗み聞きした。

 

「助かったのは幸運、なんだ...」

 

これも盗み聞き。あの森はこの世界にいくつか存在する聖域(サンクチュアリ)と呼ばれるうちの一つ。たいてい、聖域には強大な何かが封印されていて、牢獄としての役を担っているらしい。

 

「要は...禁足地みたいなもの」

 

封印されているそれらは、私レベルが立ち向かって敵う相手じゃない。もし一度でも目をつけられたら、それは命が尽きることを意味する。

 

(お姉さんは、なんで僕を助けてくれたのかな...)

 

私の声を頼りに助けてくれたお姉さんだって、命懸けだったはず。一歩間違えていれば、お姉さんも危なかったのに。

 

「...僕は前世、自分で自分を殺した」

 

そして私が乗り移った肉体は、惨いほどにズタボロだった。きっと、何も知らずに森に迷い込み...()()に命を奪われたのだろう。

 

「魂を失った肉体に、たまたま僕が入り込んだ」

 

おそらくは、そう考えるのが自然。私は前の体の持ち主に対し、ひどくいたたまれない気持ちに駆られていた。

 

「僕なんかよりよっぽど痛い思いをしたんだ、この子は...」

 

名も知らないその子を思うと、悲しくなってしまった。私だって自ら命を絶った身なのに、不思議な話だ。

 

ただ、私が置いてきてしまった家族も、こんな辛い心境だったのかと考えると___

 

「ごめんっ!お待たせ!......ってわぁぁぁ!?大丈夫!?」

「うぅっ......ぐすっ...おねーさ、ううぅ...」

 

涙が溢れて仕方がなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よ〜しよ〜し...私はここに居るから、大丈夫だよ〜...」

「ん...んんっ......」

 

目を真っ赤にして泣き出した私を見て、お姉さんは大慌てで私を抱き寄せ、頭を撫でてくれた。

 

すぐに落ち着いたのだけれど、今度はお姉さんの...その、豊満な......が、私を苦しめている。

 

「お、おねーさん...苦しっ...」

 

顔をばふっと埋める形になっているため、心も休まらないし息もできない...結構大きくて...。

 

「...ん...んぅ......ひぁっ!?」

 

なんとか脱出しようとモゾモゾもがき始めたところで、私は背中...特に尻尾の付け根あたりに違和感を覚えた。なんだか、ビリビリする感じ。

 

「とん、とん...猫はこうされると嬉しいって、本で読んだことあるんだ〜...」

「あっ...んっ...にゃぁっ...」

 

抱きしめたまま、お姉さんが私の尻尾の付け根を優しく叩いている。一定のリズムで、トン、トンと。恥ずかしいのに、自然と声が漏れてしまう。

 

「とん、とん...嫌なこと、ぜーんぶ忘れちゃおうね?...今は私に甘えて大丈夫だから」

「あぅ...ひぅっ...んぁっ...//」

 

恥ずかしい、とっても恥ずかしいけれど、でも嫌じゃない。むしろ、どこか気持ちいい感じ。

 

(おねーさんっ...おねーさんっ...もっと、もっとしてほしいっ...♡)

 

声が出せないから、心の中で懇願する。でも、その思いは自然と体に出てしまっていたみたい。

 

「とん、とん...んふふ、尻尾ぶんぶん振ってて、なんだか可愛いねぇ」

「あっあっ...んっ...//」

 

我慢できない何かが、じわりじわりと込み上げてくる感覚がする。これ以上されてしまうと、体がおかしくなりそう。分かっているのに、心は続きを求めてしまう。

 

(もうちょっと...もうちょっとだけっ...おねーさんっ...♡)

 

しかし、私の願いは良くも悪くも叶わずに終わった。

 

「とん、とん...ちょっとは落ち着いた、かな?もう夜も更けちゃうし、一旦応急処置しよっか」

「んっ...ふぇ...?もう、終わっちゃうの...?」

 

思わず声に出てしまった。体はまだビクビクしているし、呼吸も落ち着かない。その場にへなへなと座り込み、とろけた上目遣いでお姉さんを見つめる。

 

「ふふっ、そんなに良かった?本の知識は蓄えておいて損はないね〜...あとでしてあげるから、ほら、まずはその傷なんとかしないと!」

 

少し不満げな表情をしていたものの、お姉さんの「あとでしてあげる」という一言にぱぁっと笑顔になる。分かりやすいと自覚してはいるけれど、それくらい良かったんだもの、しょうがない。

 

「消毒して包帯巻くから、服、全部脱げる?」

「えっ」

 

そして次に続いた言葉に、私は思考を失った。

 

(服を...脱ぐ?......お姉さんの前で!?)

 

ここで私は、自分の肉体が男のものではないことを思い出した。つまりお姉さんは私を女の子だと思っているから、裸を見ても特に何も思わないのだろう。

 

(えっえっ、うそっ、どうしよう、むり)

 

でも残念なことに、中身はれっきとした男。いくら体が女の子といえど、お姉さんの前で裸になるのは恥ずかしいのだ。恥ずかしいのだ。

 

脳内でパニックに陥る私に、お姉さんが苦笑を浮かべて言う。

 

「体、痛いもんね。腕もうまく動かないだろうし、自分じゃまだ脱げないか」

「う、うんっ...できない...」

 

これは好都合。服が脱げないことにして、なんとかこの場を切り抜けてしまおう。

 

「じゃあ私が脱がせてあげるね、はい、腕上げて〜」

「えっ」

 

事態が悪化してしまった。ピンチ、ピンチだよ。

 

「おっ、お風呂...先にお風呂入りたいっ...!」

 

咄嗟に機転を利かせ、私はお姉さんに「お風呂に入る」という選択肢を提案した。これなら大丈夫なはず、私の尊厳も保たれる。

 

「そっか、全身洗っちゃった方が早いね...じゃ、温泉行こっか、一緒に」

「えっ」

 

___ピンチ、ピンチだよ。




お姉さんの心は純真そのものです。
ロリ猫ちゃんの心も純真そのものです。
故にこれは純愛(横着)



※「」や()内が僕、それ以外が私なのは仕様です。
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