超次元ゲイムネプテューヌ Origins Unknown 作:シモツキ
「さて、それじゃあ最終確認といこうか」
ぐるりと見回し、三人の事を見やりながら言う。私からの呼び掛けを受けた三人は、こちらへと視線を向け…声が一つ、返ってくる。
「それは、ホットケーキの乗ったお皿を持ちながら言う事なのか…?」
ご尤もな…本当にご尤もな乙戦ちゃんからの返しを受けて、私はあはは…と苦笑い。
今私達四人は、拠点として使っている家にいる。私はたった今、持ってきた食材を用いてホットケーキを作ったところで……既に、作戦の準備は整っている。だからこその、最終確認。
「でもほら、折角だから景気付けにスイーツでも食べてからの方が皆も良いでしょ?…スイーツっていうか、ホットケーキだけど…パペットに『お菓子と呼ぶにはビミョーな線じゃない?』と言われちゃうラインだけど…」
「景気付けに、ホット『ケーキ』…?」
「へ?…あ、ち、違うよ!?狙って言った訳じゃないよ!?」
まさか…という顔で見てくる東ザナちゃんに、違う違うと私は全力で否定。け、景気付けにホットケーキって…幾ら私でも、そんなしょうもない冗談を言ったりはしないって…。……た、多分…。
「…まあ、わざわざ自分の手持ちを使って作ってくれた訳だし、ありがたく頂くわ。程々に食事をしておいた方が、良いパフォーマンスで動けるものだし」
「こ、こほん。スカネクの言う通り、どっちにしろ食事してからのつもりではあったでしょ?で、味のない食事じゃ、栄養の確保は出来ても精神的なプラスにはあんまりならない。だから、ね?」
「ああ、別にわたしもホットケーキを使った事、食べる事を否定した訳じゃない。…ただ、真面目な顔をするには些か見た目が……」
これまたご尤もな事を言う乙戦ちゃんに、それは分かってるよと私は返す。それから私はホットケーキの乗ったお皿をテーブルに置き、台所に戻る。台所から、更に別のホットケーキを持ってくる。皆もナイフやフォーク、それに飲み物を用意してくれて…私達は、テーブルを囲む。
「へぇ、このホットケーキはチョコチップを混ぜてるのね。こっちは…ドライフルーツ?」
「うん。普通にバターと蜂蜜塗るだけでも美味しいけど、プレーンの他にこういう混ぜたのも用意した方が楽しめるでしょ?」
「それにしても、ホットケーキミックスにチョコにドライフルーツとは…イリゼは色々と持ってきたんだな」
「まあね。でも別に、好きだからってだけで持ってきた訳じゃないよ?チョコもドライフルーツも結構保存が効くし、チョコはカロリー面で優秀、ドライフルーツは言うまでもなく『果実』って要素がある…って感じに、ちゃんと持っていく物の内容を考えた上で選んだんだから」
「ホットケーキミックスも、ホットケーキ以外にも色々と使えるものね。そのまま食べる事は出来ないとはいえ、ある程度でも調理出来る環境があるなら便利な食材だと思うわ」
東ザナちゃんの問いを皮切りに、ちょっとしたお菓子(というか料理?)トークが始まる。持ってきたのはどれも真面目に考えて選んだものだと私が言えば、スカネクは理解を示してくれる。続けて東ザナちゃんも、確かに…と頷いていて……そんな中乙戦ちゃんだけは、ぽつーんとしていた。一人だけ会話に入れない状態だった。…な、なんかごめんね…。
…と、いう会話を経て、私達はホットケーキを食べ始める。実を言えば、スカネクの言った通りホットケーキミックスのポテンシャルの高さを活かして何か別のスイーツにしようかな、と最初は思っていた訳だけど…やっぱり普通のホットケーキでも十分美味しいし、工夫の為に色々他の食材も使っちゃうのは今の状況的に良い選択とは言い難いし、ホットケーキにしておいて正解だったかな。
「それじゃ、改めて最終確認しよっか。…と、思ったけど……」
『……?』
「一応この中じゃ一番新参の私が、仕切りやるのはよくなかったりするかな…?」
何気なく進行役をしてしまったけど、良かったのだろうか。それが気になって訊くと、三人からは「いや、別に?」って感じの軽い調子で返答を受ける。どうやら、私の気にし過ぎだったらしい。
「えー…まず作戦目標は、教会の占領。障害となるのは近付く事で発生するモンスターで、それを蹴散らし占領完了まで耐えるか、打ち止めになるまで迎撃し切るか…ってところかな」
「そうね。けど、モンスターの数に限界があるかどうかは分からないし、精神衛生的にも打ち止めを狙うのは避けた方が良さそうな気がするわ」
「だよね。で、要となる教会の占領だけど……」
だけど、という言葉で私は一度区切り、乙戦ちゃんへと視線を送る。スカネクと東ザナちゃんも、同じように彼女を見やる。そして私達からの視線を受けた乙戦ちゃんは、真剣な面持ちで一つ頷く。
「任せてくれ。ある同僚の様に、瞬く間に占領を…とはいかないが、一秒でも早く占領下におけるよう、尽力する」
「頼んだよ、乙戦ちゃん。…因みに、その同僚ってどれ位凄いの?」
「彼女と彼女の指揮下の隊にかかれば、小規模どころか中規模の都市も瞬時に占領してしまえるな」
((それはちょっと凄過ぎる……))
ちょっとした興味から訊いてみる私。さらりと答えてくれる乙戦ちゃん。で、答えを聞いた私達は…まぁ、唖然とした。いや、唖然とするって…凄まじ過ぎるよ、その人……。
「まあ、それはさておき…もう一つの要は、突撃する上での乗り物ね。これも乙戦頼りになってしまうけど……」
「今回、この作戦においては、偶々わたしの技能が活きる場面が多かったというだけだ。逆にモンスター…異形の存在に対しては、わたしより皆の方が的確に対処出来るだろう?」
「適材適所…ではないけど、貴女がそう言ってくれるなら、私達もモンスターを全力で迎撃するわ。そうでしょう?」
仕切り直したスカネクの言葉に、また乙戦ちゃんが答える。それから返答と共に、東ザナちゃんが私達の方を向いて…それに私とスカネクは、勿論だと深く頷いた。
この作戦の要は乙戦ちゃんであり、私達の役目は謂わばサポート。占領に集中出来るよう、専念出来るよう、完璧に封じ込めるのが目的。それにそもそも、ここには四人しかいない…戦力が潤沢じゃないのは明白な訳だから、結局は全員が全力を尽くすしかないんだよね。
「じゃあ、次は細かい流れ…なん、だけど……」
『……?』
「…細かいも何も、『乗り物で可能な限り突撃する。モンスターの妨害を突破して、教会の所まで行く。乙戦ちゃんは占領に取り掛かって、私達はモンスターを蹴散らす』…で、終わっちゃうよね…?」
「それは、まぁ…そうね…モンスターの動きに応じた対処のパターンとか、想定外の事が起こった場合にどうするかとか、流れ以外で確認するべき事は沢山あるけど……」
「想定外…私達は教会が脱出に繋がる場所だと思ってここまで行動してきた訳だけど、それも確定情報じゃない事は意識しておかないといけないわね」
この作戦は、あくまで状況から推測した『かもしれない』に懸けたもの。それを確認するようにスカネクは言い…それにも私は頷いて返す。
でも、恐れる事じゃない。かもしれない、に過ぎないとはいえ、十分その可能性が感じられるから私達は…というか、三人が占領を目的にしてきた訳だし、仮に思った通りの場所でなかったとしても、一歩前進である事には変わりない。教会ではない別の場所を探す、という判断が出来るようになる訳だから。
幸い急がなきゃいけないって事はない。だから私達はホットケーキを食べつつ、細かい想定の話もしていく。順調に進んだ場合は勿論、中々上手くいかない場合の事もきっちりと考えて…最終確認を終えると共に、食事も終わる。
「ご馳走様。色々混ぜているホットケーキは初めてだったけど、美味しかったわ」
「お粗末様。無事にこの街…というか空間から出られたら、また何かお菓子をご馳走するよ。あ、それか皆で作ってみる?」
「それも良いかもしれないわね。けど、まずは目の前の事よ」
「同感だ。まずは作戦に意識を向けるとしよう」
片付けをし、拠点を出る。そのまま教会に…ではなく、移動させてきた乗り物のある場所へ向かう。
準備は…万端、だと思いたい。少なくとも、今出来る事という点では抜かりはない。今出来ない事、やるのは難しかったりリスクがあったりする事は、分からないままだけど…そこは出たとこ勝負。戦いっていうのはそういうもの。100%全てが分かっているのなんて、戦いじゃない…事はないけど、そんなのは現実的じゃないのだから。
教会を占領した時、何が起こるのか。占領した事により、脱出に大きく近付くのか、近付かないのか。それが、これからの戦いではっきりとする。はっきりと、させてみせるんだ。
*
遠くに見える、街の教会。女神にとっては生活の場であり、仕事の場であり、拠点でもある、街の中枢と言える施設。そこへ向けて、突っ込んでいく。全員で、突撃をかける。
「状況開始だ」
そう乙戦ちゃんは呟いて、目標地点である教会を見据える。…因みに今の言葉は、乙戦ちゃんの次元(又は所属する民間軍事会社?)では戦闘において使われるものの一つなんだとか。
今私達は、徒歩でも走りでもない。確保した乗り物で、真っ直ぐに教会へと向かっている。真っ直ぐに、一直線に、突撃をかけている。…けどそれは、道路を真っ直ぐに…って事ではない。
「流石にこれは、度胸がいるわね…」
「…大丈夫、なのよね?貴女の技術を疑う訳じゃないけど、教会に衝突して爆散なんて事にはならないわよね…?」
「ふっ、わたしもこんなところで人生に幕を引くつもりなどない。さて…モンスターが現れた、このまま突っ込むぞ…!」
並々ならぬ速度で突っ込んでいく乗り物、その中で私達は強い緊張を抱く。これから行われる戦闘に対してではなく、今の状況にヒヤヒヤとする。そんな中で乙戦ちゃんは表情を引き締め…私達も、全身に力を込める。
そう。今乗っているのは、ただの乗り物、車両じゃない。通常の車両よりも遥かに早く…そもそも、道路を走ってすらいない。
真っ直ぐ向かいながらも、高度を下げていく。距離を詰めながらも、速度は落とさず教会へ迫る。そして想定通り現れたモンスターの頭上を通過しながら、跳ね飛ばしながら──旅客機は、教会前へと強行着陸を敢行する。
「……っ!スカネク!東ザナちゃん!」
「えぇ!」
「任せなさい…!」
着陸脚を展開した状態で旅客機は地上に降りる…けど、速度を落としてもいなければ滑走路でもない場所での着陸で着陸脚が持つ筈もなく、すぐに壊れて旅客機は大通りを滑っていく。
激しい金属音と振動に揺さぶられる中、私達は扉を蹴り開け旅客機の外へ。扉から上へと飛び乗ったスカネクは念力で、東ザナちゃんは振るった剣から氷を精製する事によって、旅客機の勢いを殺していく。路面との摩擦と、二人の能力で勢いそのままに突っ込む形の旅客機を減速させていき…私もまた、旅客機の背を走る。走り、踏み切り、跳躍と共に突っ込んできた飛行型のモンスターを斬り飛ばす。
「このまま止めるわ…!火の対処は出来る…!?」
「もうやってるわ!」
尾翼を掴み、身体を振って旅客機に着地した私は素早く戻る。二人が減速、それに発火箇所の対処をしている間、空から仕掛けてくるモンスターを迎撃するのが私の役目。…操縦が出来なければ不時着の為の作業も出来ないから、消去法でこの役目に収まった感は否めない…というか、完全にそれが理由な訳だけど、気にしない。これも必要な事には間違いないんだから。
次第に速度が落ちていく旅客機。衝突は論外だけどあまり早い段階で止まってしまうのもベストではないから、衝突を避けつつ可能な限り距離を詰める…その為に二人、特にスカネクが力を尽くす。さっきまで高速で飛んでいた旅客機を強引に…それでいて絶妙な位置で止める負担はやっぱり相当なものらしく、スカネクは険しい顔をしていて、額には汗も滲んでいて…けれど表情に浮かぶのは、必ずやり遂げて見せるという意思。そして私がモンスターを迎撃し、東ザナちゃんが減速補助と消火作業を同時並行で行う中、スカネクは気合いの籠った声を上げ……すぐ側とは言わずとも、中々に教会から近い位置で旅客機は止まる。
「この距離…ばっちりだよ、皆!」
「我ながら、随分と無茶な不時着をしたものだ。…これより教会の占領を開始する!どれだけ掛かるか分からないが…頼むぞ、三人共!」
機内から飛び降りた乙戦は、教会へ向けて駆けていく。すぐさまモンスターは乙戦を狙い…その背に私は走り込む。ターンと共に、先頭のモンスターの鼻先へと横薙ぎを叩き込む。
続いて青白い光弾が飛来。モンスターの進路を阻むように地面を撃ち、更に刃も上から襲う。
「スカネク、東ザナちゃん、二人は一仕事終えた後ばっかりだけど…やれる?」
「私は余裕よ。中々の無茶ではあったけど、この位造作もないわ」
「気遣いはいらないわ。疲弊しようと怪我しようと、それを理由に待ってくれる敵はいないもの」
「ふふ、頼もしい味方で助かるよ…!」
瞬く間に集まってくるモンスターの大群、その上を跳び越える形でスカネクと東ザナちゃんも私の側に来る。造作もないという言葉通り、東京ザナちゃんはまだ余裕そうで…一方スカネクは、余裕綽々とまでは言えない様子。出来るだけ近付けた上での旅客機の停止において、一番負担が大きかったのは間違いなくスカネクなんだから、それも当然の事。
そんなスカネクとは対照的に、私は停止そのものには何の役目も担っていない。だから、最も余裕があるのは言うまでもなく私で…ここからが、私の頑張りどころ。
「私が突っ込んで切り崩す。支援は任せたよ…ッ!」
飛び掛かってきたモンスターを、真正面から刺突で貫く。即座に地面に叩き付け、その勢いでバスタードソードを引き抜きつつ、後ろへ向けて上げた脚を思いっ切り振り抜いて絶命したモンスターを蹴り飛ばす。モンスターの身体そのものを大群にぶつける事で突撃の邪魔をし…言った通りに、大群へ突っ込む。自らその内に身を躍らせ、剣を振るう。
大群の中は、完全な四面楚歌。囲まれているどころじゃない、全方位に隙無く神経を尖らせなきゃいけない状況下で、今の私は女神化もしていない以上、飛行による緊急離脱も、女神の膂力による強引な激早押し返しも出来ない。気を抜けば、判断を見誤れば、一気に殺到されて飲み込まれる。…でも、不利な事ばかりじゃない。そういう危険を理解した上で突っ込んだ事…それには当然理由がある。
「ふッ、ほッ…でやぁああぁぁッ!」
斬り上げ、振り下ろし、回転斬り。回避のサイドステップを挟んで、振り向きざまに袈裟懸けをかける。得物を片手持ちに切り替え、再び斬り上げ。前脚が浮き、上体が上向きとなったモンスターにサマーソルトキックを掛けて上に飛ばす。背後からのモンスターには肘鉄を、お次はその反動を利用し正面に掌底を打ち込んで、一歩横へ。そのタイミングで落ちてきたさっきのモンスターへ、回し蹴りを叩き込み、初めと同じようにまた蹴り飛ばす。次から次へと私は仕掛け…一方的に、私だけが攻撃を与え続ける。
通常、大群や敵陣に突っ込むというのは危険極まりない。多勢に無勢という言葉もあるし、数はそれだけで強みになる。ただ…一つだけ、圧倒的に私に優位に働く事もある。それは、モンスターからすれば多数の味方の中で相手が私一人だけだという状況なのに対し、私からすれば周りには相手しかいない状況だっていう事。私は周りを気にする必要がないのに対し、モンスターは味方同士が邪魔になったり、或いは障害物となる事で私の存在を見失ったりする…とにかく戦い辛い環境だっていう事。加えて遠隔攻撃が出来るモンスターも、今はほぼ行ってこない。私の近くにも、私の向こう側にも、味方がいるんだから安易に出来る筈がない。
(良かった。もし私達の見立てが外れてて、味方を傷付ける事も同士討ちする事も厭わない…或いはそもそもそういう認識すら持たないようなモンスターなら、一体どうなっていた事か……)
心の中で安堵しながら、更に私は得物を振るい、殴打や蹴撃も用いてモンスターを倒す。
街外れで既に一度戦っているとはいえ、あの時と今とじゃ数が大きく違うから、見立てが正しいという確信まではなかった。普通のモンスターじゃない、汚染モンスター程じゃないにしても何か変なモンスターだからこそ、不確定要素としての不安があって…でももう、不確定ではない。身を以て証明出来た以上、最早懸念すべき事ではない。
「喰らいなさいッ!」
「これ以上先には…行かせないわッ!」
地面を蹴り、前進で側面からの攻撃を躱しつつ正面のモンスターを両手持ち状態で刺突。そこから踏み締め、斬り上げる要領でバスタードソードを上に振るい、その勢いのまま身体の向きも反転させる。回れ右をするようにその場で回転し、私の前進によって攻撃が外れた、追撃をしようとしていた背後のモンスターへ振り下ろしを叩き込む。気配で捉えていた通り、斬撃は狙い違わずモンスターを両断する。
単独で突っ込んだが故の強みを活かして私が立ち回る中、大群の外、私には向かってこないモンスターの対処をスカネクと東ザナちゃんがしてくれている。東ザナちゃんは数瞬の溜めの後に剣を振り抜き、複数のモンスターを纏めて凍結させて『物』へと変える。それに後続のモンスターを衝突させる事で、凍結させたモンスターを破砕しつつ、後続のモンスターにも衝突によるダメージを与える。そしてスカネクは…恐らくは教会の敷地内にあったんだろうオブジェを念力で操り、浮遊する鈍器として振り回していた。高度を上げ、喰らえという言葉と共に、真下のモンスターに容赦無くオブジェを叩き付けていた。
二人の姿は瞬間瞬間でしか見えないけど、二人共追い詰められているという感じはない。散発的にではあるけども、頼んだ通りの支援攻撃も飛んできていて、そこでも二人にまだ余力があるんだって事を感じられる。…ここまでは、問題ない。今のところは、想定通りに事が進んでいる。
「乙戦ちゃん!占領の状況は!?」
「すまない、まだ暫く掛かる…!」
「イリゼさん、大丈夫?前衛の交代は必要ない?」
「あの拠点の占領の時ももう少し掛かっていたもの、まだまだ先は長いと思っておいた方がいいと思うわよ」
「そっか…って、教会はあそことは比べ物にならない位の規模なんだよ!?ちょっ、それは普通に想定外…!」
想定通り、と思ったのも束の間、確認一つで想定外に見舞われる…というか、想定外の事実を知る私。これに関しては訊いておかなかった私が悪いとはいえ、まだまだ掛かる、まだまだ全然終わらないって事なら、ペース配分を考え直していかなきゃいけない。
(でも、まずは……!)
突進を両手持ちのバスタードソードの腹で受け、片手を離した直後にその手でモンスターを殴り付ける。怯んだ瞬間剣の柄尻を頭に打ち付け、駄目押しの踵落とし…をすると共に、そのままモンスターを踏み付け跳ぶ。高く跳び、上から戦場全体を見る。
教会に近付く事でモンスターは現れるけど、教会から出てきている訳じゃない。教会の周囲から現れている…というのが三人に教えてもらった情報で、今見る限りやっぱりその情報は合っている。
今私達は、教会を背にする形で防衛戦を行っている。その内正面は、強行着陸した旅客機が巨大な障害物となる事で、モンスターの突撃を遅らせてくれている。そして私達…特に乙戦ちゃんは完全に教会に取り付いているからか、モンスターの出現数は凄まじい。それこそ多過ぎて逆に内側へ入られると対応し辛くなる位に、わらわらと現れては突撃してくる。…ペースを考え直さないと、って思ったけど…消耗を抑えて戦う余裕があるかって言われると、かなり厳しい…か…。
「…なら、逆に…全力全開で、圧倒する…ッ!」
宙の私へ向けて、複数のモンスターが飛び掛かってくる。その数と位置を視認した私はバスタードソードを投げ放ち、まだ跳んでいなかった、跳ぼうとしていたモンスターを投擲で突き刺す。続けて両の腕を引き、モンスターを引き付け…同時に貫手。左の腕は牙を剥き出しにしたモンスターの口内へ突き込む事で喉を貫き、右の腕は指で別のモンスターの目を刺して潰す。両腕に伝わる嫌な感覚は無視し、腕を抜き、即座に双方の首根っこを掴んで落下と同時に下方のモンスターへ打ち付ける。更に力任せに振り回し、遠心力で周囲の個体を次々と叩く。
これまでとは打って変わっての、荒々しい攻撃。女神ならぬ荒神とでも言うべき、乱暴且つ品のない攻勢。国の長として、女神として信仰される者として出来る限りやりたくはないけど、今は仕方がない。力任せの戦闘なんて、非効率だし身体的にも体力的にも負荷は大きいけど…その分得られるものもある。
「さあ、恐れぬのなら来るがいい!喰らいたくば迫るがいい!だが、逃げぬというのなら、襲わんとするのを止めぬというのなら…価値なき有象無象として、塵芥と成り果てよッ!」
通常のモンスター同様、ここのモンスターも、今首根っこを掴んで振り回しているモンスターもまた、撃破をすればその身体は消滅していく。その消滅によって失われる直前まで、武器代わりに私はモンスターを振り回し続け…最後に残った部位を投げ付ける。本能のままに人を襲うモンスターも、流石に飛んできた同族の一部…いや、同族だった『肉片』が飛んでくれば流石に動揺の気配を見せ…そのモンスターへと、私は強襲。頭部を掴み、思い切り下へと降ろし、同時に膝を突き上げる事で、膝蹴りでモンスターの頭部を粉砕する。……我ながら、戦い方がエグい。国民は勿論友達や家族にも見せたくないし、実際スカネク達が見えるような状況なら多分やってなかったと思う。…まあ、そもそもそういう状況なら、こういう手に出る必要自体ないんだけど。
「まだまだ…まだだ、まだまだ…まだまだぁッ!」
致命傷を与えたモンスターを地面へと叩き付け、既に粉砕状態の頭部を全力で踏み付ける事で完全に息の根を止める。斜めに跳び、投げ放ったまま地面に突き刺さっていた剣を引き抜き、次のモンスターに仕掛けていく。斬り裂くスタイルから叩き斬るスタイルに切り替え、一体一体確実に斬り伏せる。顔面を破壊し、腕や脚を付け根から斬り落とし、倒れれば剣で抉り、掻っ捌き、蹴り飛ばす。無惨な有様となるモンスターの亡骸には目もくれず、ゆらりとまだ生きているモンスターを舐め付ける。
そして私は、肌で感じる。モンスターの攻勢が、勢いが、これまでよりも落ちている事に。
(…そうだ、恐れろモンスター…!恐れて逃げ出すがいい!そうすれば…私達としても、一番楽でありがたいんだから…!)
激しく、荒く、残虐にモンスターを叩き潰す。その狙いは、モンスターに恐れを抱かせる事。それによって、モンスターの勢いを削ぎ落とす事。その為に、荒々しい戦い方が必要だった。あまりに多勢に無勢で、モンスターの側は味方がどんな風に倒されたか気にしていない…というより、よく見えていない状態だっただろうから、否が応でもやられる姿を意識させ、刻み付ける事で、モンスターに恐怖を植え付けた。
出来る事なら、モンスターには逃げ出してほしかった。別にモンスターを蹂躙したい訳じゃないし、普段はさっきよりも増えているんだから、逃げてくれれば大助かり。…ただ、そこまで上手くはいかない。勢いは削げたようだけど、逃げ出す様子は見られない。
「でも、恐れを抱いているのは事実なんだ。だったら、更に攻勢を強めれば……!」
小声で呟き、また私はバスタードソードを投げる。数の差があり過ぎて逆に一斉に飛び掛かれないのがモンスター側とはいえ、私の対応力には限界があるし、防戦に回らされれば植え付けた恐怖も薄れてしまうだろうから、そういう状況を未然に防ぐべく、背後や側面から仕掛けられたくない時は先んじて投擲をかける事で牽制を行い、その上で目標へ攻撃を仕掛けていく。
徒手空拳で複数のモンスターを倒した後、倒した直後のモンスターを上に投げ、そちらに目を向けた二足歩行のモンスターに飛び掛かる。首元へ組み付き、身体を振るい、旋回式DDTの要領で倒して頭を叩き付ける。更に別のモンスターに襲われる前に、一気に首を締め落とす事でこのモンスターの息の根を止め……って、あれ?なんかより一層モンスターの攻撃の勢いが減ってる…というより、モンスターの数自体が減っているような……
「くっ…段々モンスターの勢いが増している気がするわ…!」
「これまではかなりの数がイリゼに引き付けられていたのに…まさか私達の狙いを理解して、優先対象を変えてきた…?」
(あ、不味い!これビビらせたせいで、私以外を狙おうって思われちゃってない!?)
立ち上がった直後に聞こえてきた東ザナちゃんとスカネクの声で、一気に嫌な汗が噴出する。読みが甘かったかと、逃げてほしいという思いから欲をかいたのが裏目に出たかと、嫌な汗と共に焦りの感情が湧き上がる。
「……っ!ごめん皆!私戦法をミスったかもしれない!」
「ミス!?どういう事!?」
「それは今から話すけど、一度下がってもいい!?私の想像通りなら、私が下がらないと状況は変わらない…!」
当然の反応をする東ザナちゃんに返答しつつ、答えを待つ。すぐさま戻りたいところだけど、二人の方でその準備が出来ていないのに下がったら、最悪この戦線が崩壊する可能性もある。それは絶対避けなきゃいけない。
一度戦闘スタイルを戻しつつ、二人からの返答を待つ。下がっても大丈夫と言われるか、それとも今はこっちも厳しいと返されるか…そう思う中、不意に飛んできたのは恐らくどこかに立っていたのであろう交通標識。
「これって…!」
「道は開くわ。貴女なら、一人でも下がれるでしょう?」
投げ放たれた槍の様に飛来し、次々とモンスターを貫いた標識は、続けて宙で回転する。その回転でもモンスターを蹴散らし、追うようにスカネクの声が聞こえてくる。更に東ザナちゃんの遠隔攻撃も追撃として走り、大群の壁に乱れが生まれる。
そこに私は全力で突進。穴とまでは言えない、けれど確実に脆くなった包囲の一部を、得物を振るいながら駆け抜けていく。三人と会った時の様に、二人からの支援を受けながら…けどあの時とは違って、一人で走って脱出を図る。…でも、駄目だ…!やっぱり数が多過ぎて、一気には戻れない…!
(こうなれば、上手くいくか分からないけど後はモンスターの背中を伝って……)
「──イリゼさん、うっかり足を滑らせないようにね?」
「……!当然…ッ!」
時間を掛ければ出られない事もないけど、その間も狙いを変えたモンスターが二人や乙戦ちゃんの方へ殺到してしまう以上それは避けたい。そしてそれを避けるべく、ワニではなくモンスターの背を次々跳んでいく神生オデッセフィアの白イリゼにでもなろうかと思った私だけど、そのタイミングで氷塊が正面に落ちてくる。それはモンスターを上から潰し…でも、それだけの為の攻撃じゃない。
意図を理解した私は、氷塊へ走る。斜めに刺さった柱の様に縦長の、表面に多数の凹凸が出来た氷塊へ向けて加速し…駆け登る。駆け登り、全力の力で蹴って跳ぶ。
「よ……っとぉッ!スカネク、バスタードソードをお願い!」
ただ跳ぶよりずっと長い距離を、私は跳躍。大群の中から外へと向けて大きく近付き…だけど足りない。まだこの跳躍だけじゃ、離脱し切れない。
だから私は落下しながら得物を突き出す。下への刺突でモンスターを倒しつつ、地面へ突き立てたバスタードソードで棒高跳びの様に再度跳ぶ。それによって、今度こそ大群から脱出し…着地と同時に声を上げる。頷いたスカネクの念力によって飛んできた、私の下へ返ってきた私の得物をしっかりと掴む。
「…で、何があったの?」
「何があったというか、何をしたかって話なんだけど……」
構え直し、即座に突撃。今度は内側から切り崩すのではなく、侵攻を抑える形で立ち回り、スカネクと東ザナちゃんも刀と剣でモンスターを迎撃していく。それと共に、スカネクの問いに返す形で私は私のした事を伝え……だから私から狙いを変えてしまったのかもしれないと締め括ると、二人からジト目で見られてしまった。
「…つまり、やり過ぎて作戦を乱す結果を招いた、って訳ね」
「う…わ、わざとじゃないんだよ!?あの段階では、ほんとこれが最善手だと思っただけで、実際途中までは上手くいってた訳で…うぅ、ごめんなさい…」
「…まあ、過ぎた事を言っても仕方ないわ。それに、私達もこんな距離まで接近して、更にそこに留まった場合にどれだけの物量で責められるかなんて、正確に把握してた訳じゃなかったし……」
「…そうね。援護すると言っておきながら、あまりイリゼを助けられていなかった私達にも責任があるわ」
ばっさりと言う東ザナちゃんに、私は言い返し…はしたものの、私が悪いのは事実な訳で、心は意気消沈しつつ、腕は斬り付けたモンスターへの追撃として殴打を放ちつつ、しょぼんと謝罪。すると東ザナちゃんは、小さく肩を竦めた直後に地面を踏み切り、剣から冷気を放ちながらモンスターに刺突突進。その東ザナちゃんの視線を受けたスカネクも、刀と刃の同時攻撃で素早く真正面のモンスターを斬り刻み…再び二人の瞳が、今度は強い意志の籠った眼差しが私を見る。
「だから、これは私達全員のミスよ」
「誰が悪いって訳でもないなら、全員で巻き返すのが最良…そうでしょ?」
「スカネク、東ザナちゃん…」
二人がそう言ってくれるなら、そう思ってくれるなら、私ももう気にしない。完全に気持ちを切り替えて、これまでではなくこれからへと意識を向ける。
モンスターが私を恐れているのは間違いない。だからポジションを切り替え、前衛を二人に任せる。その上で、私は二人の処理しそびれたモンスターを着実に叩く。
そうして暫く立ち回り、私の一度切り替えた戦闘スタイルを認識しているモンスターが少なくなったところで、再び私が前衛に。今度は二人の支援をばっちりと受けられる位置で、三人で戦う。
「はぁ、はぁ…ふーっ、はぁぁッ!」
「流石に少し、キツくなってきたわね…」
「乙戦、どう?まだ掛かる…?」
「もう少し、持ち堪えてくれ…!三人の限界に達するより前に、必ず成し遂げてみせる…!だから……」
「なら、もう一踏ん張り…で済むかどうかは分からないけど、気張っていくよ…ッ!」
一瞬だけ止まり、ゆっくりと息を吐いて、すぐまた仕掛ける。東ザナちゃんと背中合わせの形になり、私達を目掛けて一斉にモンスターが飛んできたところで、私達は飛び込み前転の要領でモンスターの下を潜り抜ける。結果自分達同士でモンスターは衝突し、そこにスカネクがオブジェ(二つ目。最初に利用していたのはもう粉々になっていた)を叩き込んで纏めて撃破。直後にスカネクが発した言葉に、乙戦ちゃんが…私達と同じか、或いはそれ以上に消耗しているのが感じ取れる様子の彼女が声を返し、私は頷く。疲労しパフォーマンスは落ちているけど、それを気力で何とかカバーする。
(後少し…本当に後少しかは分からないけど、そう思えば耐えられる……!)
根拠の薄い元気なんて無理をしてるのと同義だけど、自分を奮い立たせて、キツい状況でも膝を屈する事なく踏み留まる活力に変えるのであれば意味はある。そして女神には、そこで「そんな風に思える訳ない」「むしろキツくなるだけ」なんて考えず、ちゃんと信じられる強さがある。そう、これぞ女神お得意の技、空元気!……というのは冗談にしても、私は信じられる。だって、乙戦ちゃんは「必ず成し遂げてみせる」と言ったんだから。私はそれを信じているし、必ず成し遂げてくれるのなら、これは根拠の薄い元気じゃなく、確信からの元気だから。
戦って、戦って、戦う。体力気力集中力、色んな力を注ぎ込んで、モンスターを押し留める。段々と細かい傷を受けるようになって、傷が増えて、消耗によって少しずつ防衛線は教会側に押されてしまっているけど…まだ、負けていない。私達が三人共立ち、戦い続けている限り…敗北には、程遠い。
「……っ!抜かれ──る、もんかぁッ!」
二人の取り逃してしまうモンスターも増える。ここまでは何とか全て処理していたけど、遂に私達全員の迎撃も躱すモンスターが現れて…でも、私は諦めない。反転し、全力で跳び、手を伸ばす。辛うじてモンスターの脚を掴み、転ばせる事で乙戦ちゃんへの到達を阻む。
即座に胴をバスタードソードで突き刺し、戻る。私が下がっている間に距離を詰めてきた別のモンスターにはショルダータックルを浴びせ、そのまま突っ込む事で別のモンスターにもぶつける。二体纏めてこちらも突き刺し、すぐさま次のモンスターと対峙。私は力をかき集め、その力を振り絞る。
「……っ…これ以上は、下がれないわね…」
「無理をすれば、一旦は押し返せるでしょうけど…その場凌ぎにしか、ならないわね…!」
当然、私ばかりが消耗している訳じゃない。気付けばスカネクは刀を持っての使用が増え、東ザナも最初に比べて遠隔攻撃の頻度が落ちている。それでも何とか食い止めるべく、わざと自分を危険に晒し、モンスターを誘う事で突破を遅らせている。安全性を削って、戦闘継続へと費やしている。
皆が皆、全力を注いでいる。引く気はない、撤退なんて考えていない。絶対にここで、全身全霊で脱出への道を開くんだという思いで戦っていて……そして遂に、私達の思いが実を結ぶ。
「……──ッ!?…これは…いや……スカネク、東ザナ、イリゼ!占領、完了だ!」
『……!』
待っていた、待ち侘びた声が背後から届く。続けざまに、後方から射撃による支援が迫り来るモンスターの大群を撃つ。
顔を見合わせる私達。出来る事なら、今すぐにでも教会へと入りたい。でも、ただ反転して教会に駆け込むだけじゃ、少し危ない。だからここで、残った力の全てを注ぐ。荒々しい、さっきの戦闘スタイルとは違う…純粋に、私達の実力を全力で以ってモンスターへと見せ付ける。
「これが私達の…全力だぁああああぁぁッ!!」
全身の力、持てる能力の全てを駆使してモンスターを圧倒する。私達と同じ位置まで突っ込んできた乙戦ちゃんも加わり、四人で一度だけモンスターを押し返す。声を上げ、張り上げ、モンスターへの威嚇に繋げ…これまでは押していたのに、急に押し返された。その事実がモンスターの大群の動きを鈍らせた一瞬を見逃さず、私達は踵を返す。全速力で、開いた教会の扉へと飛び込む。
「イリゼ!殿はわたしが……」
「いいや私が殿を務める!私は!女神だからッ!」
「あ、そ、そうか…」
疲労してる状態からの全力疾走なせいで落ち着いた思考が出来ず、乙戦ちゃんからの呼び掛けに対して語気で押し切るような返事をしてしまう。当然の様に、乙戦ちゃんには困惑をされてしまう。でも私の思いが伝わったのか、それとも今の私を説得するよりその通りにした方がまだ良さそうだ…みたいな判断をされたのか、とにかく乙戦ちゃんは先に行ってくれて、三人は駆け抜け教会に入る。
後は私だけ。背後には、足の速いモンスターの気配を感じる。間に合うかどうかは微妙なライン。このまま走るのは危ない賭け。だから私は、敢えて速度を落とし、モンスターに追い付かせる。敢えて追い付かせ…ノールックで後ろへと蹴りを放って、モンスターを踏み付けるようにして押し留めつつ、そのモンスターを蹴った勢いで教会に突っ込む。
私が飛び込むと同時に、乙戦ちゃんは外へと向けて弾丸を放ち、スカネクと東ザナちゃんが素早く扉を閉める。大きな扉は、二人の殆ど叩き付けるような力任せの動きで閉められ、道は塞がり、衝突音が次々と聞こえる。勢い余ってぶつかる音が何度も聞こえ、私達は武器を離さないまま扉を見つめ…段々と、ぶつかる音は減っていく。次第に、着実に減っていき……最後には、外から聞こえる音は完全に消えていた。私達が発する、荒い呼吸…それだけが、私達に聞こえる音だった。
*
「よう、あいつ等が妨害を突破したみたいだぜ?このままだと、お前の計画が破綻しそうだが、どうするよ?」
「どうもこうも、対応する他ないわ。出来ればもう暫く留まっていてほしかったし、今動くのは避けたいところだけど…仕方ないわね。…協力、してくれるかしら?」
「そうだなぁ…このまま無視して、何も成せないまま終わるお前の姿を見るのもおもしれーかもしれないと思うんだよなぁ」
「そうするつもりなら、貴女はそもそも状況を伝えてなんてこないでしょう?」
「ちっ、詰まんねー返しだな…まぁ、その通りだけどよ。ここで終わるんじゃここまで手伝ってやった甲斐がねぇし、協力してやるさ。…その分、ちゃんと楽しませろよ?」
「えぇ、尽力するわ。…それにしても…貴女は悪ぶってる割には、って感じね。趣味と性格は捻じ曲がってるし、全然似てはいないけど、案外……」
「余計な事言ってねぇでさっさと動きやがれ。…俺は、善だろうと悪だろうと、希望だろうと絶望だろうと、なんだって良いんだよ。おもしれーものが見られるなら──おもしれーって、思えるならな」
今回のパロディ解説
・「〜〜パペットに〜〜言われちゃうライン〜〜」
デート・ア・ライブの登場人物(パペットですが)の一人、よしのんの事。白米や麺と違って、ホットケーキ…というかパン系はご飯とスイーツの中間というか、ほんとどっちもいけますよね。
・〜〜神生オデッセフィアの白イリゼ〜〜
古事記の物語の一つ、因幡の白兎のパロディ。イリゼといえば兎ですね、多分。でも別に、モンスターに毛を剥がれたりはしませんよ?普通に包囲から脱出出来てますしね。
・〜〜女神お得意の技、空元気〜〜
ポケモンシリーズの登場キャラの一人、アオキの台詞の一つのパロディ。女神の得意技は空元気ではなく…なんでしょうね。まもる、とかでしょうか。まあこの場合、『守る』ではなく「護る』ですが。
・「これが私達の…全力だぁああああぁぁッ!!」
とあるシリーズのヒロイン(主人公)の一人、御坂美琴の代名詞的な台詞の一つのパロディ。でも、台詞の内容的にはシンフォギアの響のパロディとしてもいけそうですね。