超次元ゲイムネプテューヌ Origins Unknown   作:シモツキ

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第三十七話 心届かぬ距離

 ネプギアの離反によってアルテューヌとクロワールに逃げられ、イリゼを奪還する事も叶わなかったわたし達は、天界から撤退した。入れ替わりという守りの策もバレてしまったから、もう通用はしない。…というより、原天界帰の出来ない神次元のイストワールにこのまま入れ替わっていてもらうのはあまりにも危険だから、彼女にも信次元のイストワールにも、自分の次元に戻ってもらう事にした。そして、わたしもわたしで治療を受け…今はプラネタワーにいる。

 

「凄く不便だわ…」

 

 肩からがっちりと固められた左腕。謂わば腕の根元をやられた訳だし、完全に大太刀が貫通していた訳だから、がっちり固められる事そのものは理解出来るけど…これじゃ左腕がまともに動かせない。片腕が機能しないというのは、相当不便。

 

「我慢して下さい。というか、我慢しなさい。これもセイツさんが自分で選んでやった事なんですよ?(´-ω-`)」

「うっ…それは、そうだけども……」

 

 有無を言わせない雰囲気でぴしゃりと言われ、肩を落とす。そう言われてしまうと、本当に返す言葉がない。更にイストワールに言われると、もうわたしはしゅんとする他ない。

 今、信次元のイストワールはこっちに戻ってきている。原天界帰を避けるという意味では、こっちのイストワールには神次元に留まってもらった方が良かったのかもしれないけど、そうなると今度は別次元への接触が格段に難しくなる。それも万が一の事を考えれば、出来る限り避けておきたいからこそ、イストワールには戻ってきてもらった。

 

「…ちゃんと、怪我を治して下さい。いいですね?セイツさん(´・∀・`)」

「…ええ、分かったわ。きちんと治さなくちゃ、戦闘にも多大な支障があるものね」

「そういう事ではないのですが…(~_~;)」

 

 片腕が使えないんじゃ、戦闘能力は激減する。モンスターを倒す位なら今のままでも問題ないけど、その程度じゃ今は足りない。アルテューヌを相手にするにも…ネプギアを相手にするにも、足りな過ぎる。

 

「…イストワール。貴女はネプギアの事を、どう思う?」

「…正直、わたしはその場にいた訳ではないので、皆さん以上の事が分かるとは思いませんが…ネプギアさんは、芯の強い方です。一見流され易い…いえ、実際普段は流され易い訳ですが、一度こうだと決めたら中々譲らないのがネプギアさんです。そしてそれが、『ネプテューヌ』さんの事となれば……

( ´△`)」

「一筋縄じゃいかない、って訳ね…」

「はい。それに、ユニさんへの背負い投げからひょっとしたら…と考えていらっしゃるようですが、わたしはそれについては慎重に考える必要があると思っています( ̄^ ̄)」

 

 芯が強い…それは即ち、心が強いという事。そして心の強さは、ここぞという時の胆力に、時に単純な能力や実力よりも大きな力を生み出す事がある。だから油断出来ないんだとイストワールは言い、その通りねとわたしもそれに首肯で返した。

 けど、イストワールの意見はそこで終わらなかった。そこからわたし達が抱いていた可能性に対する待ったを掛けて、更に言う。

 

「勿論、ネプギアさんを疑っているという訳ではありません。わたしも皆さんと、同じように思いたいです。ただ…わたし達はまだ、アルテューヌさんの力、その存在の全容を把握し切れていません。つまり……」

「わたし達の想像も付かない何かがあるかもしれない、そしてネプギアの離反もその『何か』が関係しているのかもしれない…って事?」

「はい。杞憂で終わるかもしれませんが、決して楽観視をしてはいけない…そう、わたしは考えています(。-_-。)」

 

 楽観視をしてはいけない。それが、最も伝えたい事なのだろうとわたしは思った。いつだって楽観視はしちゃいけないものだけど、心に余裕を持つ為以外で楽観視するのが正解な場面なんてまずないけど、無意識の内に楽観視をしてしまう事はある。状況が好転したり、今回みたいに悪い状況の中で希望が見えたりした時は、自分にとって都合の良い方に進むと勝手に考えてしまうものだからこそ、これは忠告として心に留めておかなくちゃいけない…そういう事でしょ?イストワール。

 

「…よし。振り出しどころか、総合的に見たらプラマイゼロ…むしろマイナスになってるんだから、少しでも取り返していかないとよね。まずは原天界帰を行おうとした場所、あそこに何か意味があるのか調査を……」

「…セイツさん?(¬_¬)」

「…してくれないか、皆に頼まないとね…あはは……」

 

 じぃっ、と見つめてくるイストワールに、まさか自分で行く訳ないじゃない…とアピールしつつ、笑って誤魔化す。…片腕が使えなくても、調査位なら…とは言わないでおいた。

 

「全く…とはいえ、取り返していく必要がある事には同意します。今は皆さんもいますし、話をしにいきましょうか(´・ω・)」

 

 イストワールの返しにわたしは頷く。立ち上がり、イストワールと一緒にリビングルームから出る。

 こっちは攻めと守りの策の両方がほぼ使えなくなって、状況としては後退している。逆に向こうもこっちの守りの策に嵌められている訳だから、次の一手は慎重になる筈。だとすれば、今は探り合いになる。どう動くか、どう動いてくるかを見極め、次なる一手を打つ事…それが大事。

 

 

 

 

 原天界帰を行おうとした場所の調査。その話をいーすんとセイツが持ってきた時、わたしは真っ先に手を上げた。自分が行くと、その場で示した。…居ても立っても居られなかったから。ネプギアの事を思うと、何もせずにはいられないから。

 

「悪いわね、ユニちゃん。ただ見に行くだけなのに、付き合わせちゃって」

「そんな、謝らないで下さい。念の為二人で…ってなったのは、話し合いの結果なんですし」

 

 今わたしは、例の場所へ向けてユニちゃんと一緒に飛んでいる。ユニちゃんが言った通り、調査は二人で…って話になって、話し合いの結果ユニちゃんが同行してくれる事になった。

 

(何か、あればいいんだけど…。…ううん、あればいい、じゃなくて見つけるのよ)

 

 期待しているだけじゃ駄目、と自分に心の中で言い聞かせる。これからするのは先行調査。まずは二人で見回って危険がないか、そして本格的な調査の準備をしている間に消えてしまうような何かがあったりしないか確かめるのが目的で、だから今回の時点では発見がなくてもいい…って事にはなっているけど、わたしはそんなスタンスじゃない。何か見つけるんだ、って気持ちで天界に来ている。

 

「…っと、ネプテューヌさん。あの辺りでしたよね?」

「そうね。早速……」

「待って下さい。一応ここから、見える範囲で確認をします」

 

 暫く飛び、わたし達はアルテューヌ達が原天界帰を行おうとした場所の近くまでくる。すぐに調査を…と思ったわたしだけど、ユニちゃんはわたしを制止し武器のスコープを覗き込む。じっくりと、落ち着いてスコープ越しに浮島の一つ一つを確かめてくれて…スコープから目を離したユニちゃんは、ふぅ…と一つ吐息を漏らす。

 

「今見た限り、おかしなものは何もありませんでした。ここから見える範囲では、ですけど…」

「それだけでも助かるわ、ありがとうユニちゃん」

 

 こくり、と報告に頷いて、感謝を伝える。幸いモンスターや罠らしいものはなかったって事だけど、もしわたし一人だったら、そこまで気が回らず不意打ちをされていたかもしれない。元から女神の中でスコープでの確認が出来るのはユニちゃん一人ではあるけど…もっと気を引き締めないと…。

 

「どうしますか?二手に分かれて探します?」

「そうね…でも、お互い見える範囲にはいるようにしましょ。元々そこまで広範囲ではないし、まだ何があるか分からないもの」

 

 そうして着地したわたし達は、調査開始。わたしもユニちゃんも機材を持ってきている訳じゃないから、目視で何かあるだろうか、と確認をしていく。

 

「何か…何か、手掛かりは……」

 

 木の反対側、草の根元、虹の橋の裏側…思い付く箇所を、片っ端から見て回る。前にうずめ達が別件で調査をした時には、ほんの僅かなイリゼの血痕が大きな手掛かりになったんだから、隅から隅までほんの些細な事でも見逃せない。

 

「ユニちゃん、そっちは何かあった?」

「今のところ、何も…。…というか、場所はどこでもよかった…って事なら、何も見つからない可能性がありますよね…」

「それは…そんな事、あると思う?だって、信次元全体の時間を上書きしようとしていたのよ?」

「ですよね…すみません、後ろ向きな事言っちゃって……」

「気にしないで。遺跡とか祭壇とかなら何かありそうって一目で思うけど、ぱっと見ここは確かに何もなさそうだもの」

 

 一度探す手を止めて、ユニちゃんからの返しに答える。何もなさそうだ、って気持ちは分かる。だけど、そんな筈はない。きっと何かある、あってくれる筈だと信じて、わたしはまた目を走らせる。

 でも流石に、すぐに気になるものが見つかったりはしない。何もなければ伝える事も特になくて、暫くわたし達は無言になる。その状態で、少しの時間が経ち…今度はユニちゃんの方から、わたしへと話し掛けてきた。

 

「…少し、安心しました」

「安心?」

「はい。その、失礼だったら謝りますけど…ネプテューヌさんが、思っていたより冷静だったので…」

 

 冷静で安心した。ユニちゃんからの言葉を受けたわたしは、自分が恥ずかしくなる。妹の友達にまでこんな風に思われてしまうなんて…と、自分で自分を軽く笑ってしまう。

 

「…わたしは、ネプギアを信じているの。ネプギアの行動には意味があるって。アルテューヌを打倒するっていう目標は、今も同じ筈だって。でなきゃ、ユニちゃんへの攻撃も逆に不自然になっちゃうでしょ?」

「…そう、ですね。アタシもです。アタシもネプギアなら…って、そう思ってます」

「ふふ、ありがとう。ネプギアを信じてくれて」

「い、いえ。仲間、ですから…」

 

 情けないわたしだけど、確信がある。ネプギアの事なら信じられる。きっとこれも必要な事なんだったと、あの場でネプギアだけが気付いた何かがあったんだと…そう思えば、少しだけ落ち着ける。……ネプギアが危険な事をしてる以上、しっかりは落ち着けないけど。だからこそ、わたしも動かなきゃって思って今天界に来ている訳だけど。…こほん。

 そして、ネプギアの事を、ユニちゃんも信じてくれている。その感謝をわたしが伝えると、ユニちゃんはちょっぴり恥ずかしそうにしていた。仲間なんだから、信じるのは当然…それは普通の事なのに、なんだか恥ずかしそうにするだなんて…こういうところも、ノワールの妹よね。

 

「…あ、そ、そういえば、ここ何度か天界に来ていますけど、ネプテューヌさんは普通のモンスターを見てますか?」

「え?…そういえば、あんまり見ていない気がするわね…」

「平時なら普通にいる筈のモンスターが、明らかに少ない。その一方で、普通じゃないモンスターを向こうは使役している。安直な考え方ですけど、これって……」

 

 これはもしかして。そう言いかけたユニちゃん。だけど、ユニちゃんの言葉は止められる。突如として飛来した光線と、それによる轟音によって遮られる。

 

『……──ッ!?』

 

 反射的に、わたしもユニちゃんもその場を飛び退く。武器を構えながら、周囲へ、上へと視線を走らせる。

 攻撃そのものは、殆ど地面に着弾する瞬間にしか見えなかった。自分を狙ったものじゃないから、反応する事が出来なかった。だけど、当たった場所と巻き上がる砂煙から、攻撃の始点はある程度予想が付く。

 

「……ッ、第二射…!」

 

 再びの光線。一射目と同じように、自分を狙っている訳じゃないその攻撃で、わたしは完全に特定する。空に立つ、翼を開ける…二発の光芒の射手を。

 

「ネプギア……」

 

 下へ向けて、M.P.B.Lを構えるネプギアの姿。…間違いない。見間違える、筈がない。

 

「…お姉ちゃん、それにユニちゃんも、こんな所で一体どうしたの?」

「…こんな所?まだ戦闘の跡が残るような場所は、そういう表現をするものではないと思うけど?」

 

 M.P.B.Lを下げて問い掛けてくるネプギアに、ユニちゃんは見上げて返す。ネプギアと同じように、ユニちゃんも構えを解いている…けど、その立ち姿に油断はない。ユニちゃんは、冷静なまま警戒している。

 

「で、ネプギアこそこんな所で何してるのよ。まさか、射撃の訓練中なんかじゃないでしょ?」

「まさか。…ユニちゃん、わたしが何もなしに答えると思う?」

 

 ユニちゃんからの訊き返しに、ネプギアは肩を竦める。ただで訊けると思うな…そう言わんばかりの返しに、ユニちゃんは表情を険しくさせて……

 

「なーんて、ね。ユニちゃんからの質問だもん、答えられる事なら何でも答えるよ」

 

 けれど次の瞬間、ネプギアは自分の発言を撤回した。ただの冗談だよ、と言うようにして、ネプギアはユニちゃんに微笑みかける。

 

「…じゃあ、答えてくれる?」

「勿論。…破壊工作だよ、ただの」

 

 たったそれだけだよ?とばかりにまたネプギアは肩を竦める。その言葉を受けたわたしとユニちゃんは…困惑する。もしネプギアが何かしらの施設や兵器を攻撃していたなら、すぐに理解出来ていたと思うけど…ネプギアが攻撃したのは、二回共地面。これを以って破壊工作と言われても、何をしたいのか全く分からない。

 

「そういう訳だから、邪魔しないでくれるかな?わたしもやる事が済んだら、それで帰るからさ」

「……っ、帰るって…それは……」

「それは勿論、『お姉ちゃん』のところだよ」

 

 帰る。その言葉に、思わずわたしは反応する。一抹の希望と期待を抱きながら、ネプギアを見つめる。

…だけど、返ってきたのはわたしが望んでいたのとは違う言葉。訊がなくても分かる。お姉ちゃんのところ…その言葉は、プラネテューヌを指していない。今のネプギアが言う『お姉ちゃん』は…わたしじゃない。

 

「アンタ…何か意図があるんでしょ?あるからそういう事をしてるんでしょ?」

「そういう事って、どういう事?」

「…ふん、惚けるつもりならそれでも良いわ。けど、ネプテューヌさんには…お姉ちゃんに位はちゃんと伝えなさいよ!これまではお姉ちゃん大好きっ子である事を隠しもしなかった癖に、こんな決定的なところで何やってるのよアンタは!姉妹って、そういうもんじゃないでしょ!?そういうものじゃ、ない筈でしょ!?」

「…ユニちゃん……」

 

 首を傾げるネプギアに対して、ユニちゃんは鼻を鳴らす。そして視線を鋭くさせて…ネプギアへと、言葉を叩き付ける。怒りを露わに…わたしには、お姉ちゃんにはって言ってくれる。

 その言葉には、重みがあった。自分なりに思うところが、強く感じるものがあって、黙っていられない。見過ごす事なんて出来ない。…そんな風に、感じられた。

 そんなユニちゃんの言葉に、ネプギアは目を見開く。声音もこれまでとは少し違って……そしてネプギアは、小さく笑う。

 

「…うん、そうだよね。姉妹なんだから、伝えたい事はちゃんと言わなくちゃだよね。何かこう…ユニちゃんが言うと、違うなぁ」

「う、うっさい。っていうか、アタシの事はいいのよアタシの事は!今はネプギアの話なんだから!」

「あはは、それもそうだね。…でも別に、ユニちゃんが心配するような事はないよ」

「…心配…?アタシが言ってるのは、そういう事じゃ……」

「わたしはお姉ちゃんを支えたい。お姉ちゃんの力になりたい。お姉ちゃんを助けられるわたしで在りたい。その為に今、出来る事をしてるの。ただ、それだけなの」

 

 怒りを露わにしたユニちゃんとは対照的に、いつもの雰囲気に戻ったネプギアは、いつも通りの調子で言う。心配しなくていいと、落ち着いて言う。

 お姉ちゃんを支えたい。力になりたい。助けられるわたしで在りたい。…それは姉として、凄く嬉しい筈の言葉。嬉しくて、誇らしくて、だからこそわたしもネプギアが胸を張れる姉でいようって思う…そんな言葉。…その、筈なのに……今は何も、響かない。何も感じない。だって──それはわたしに向けられた、言葉じゃないから。今、ネプギアが思いを向けているのは…わたしじゃ、ないから。

 

「だから…『ネプテューヌさん』には、特に伝える事はない、かな」

 

……それなのに、突き刺さる。だからこそ、抉られる。ネプギアとの、大切な妹との繋がりが、断たれてしまったような今この時が。

 

「……ッ!ネプギア、アンタッ!」

「…ユニちゃん、もういいかな。ユニちゃんもそうだと思うけど、わたしも暇じゃないんだよ」

「…はッ、そうね。もういいわ、今のアンタに言葉なんて既に意味を為さないみたいだもの」

「それじゃあ、わたしにはやる事があるし、今回はお互い不干渉で…って訳には、いかないんだよね?」

「当然でしょ。今のアンタとやり取りしたって意味はないけど…それはそれとして、今のネプギアには一発喰らわせてやらないと気が済まないのよ」

「あはは、それは出来れば勘弁してほしいな。…でも…お姉ちゃんがセイツさんに思われてたのと同じようなものを、今度はわたしがユニちゃんに思われるだなんて…全然誇れないけど、こういうのもやっぱり『姉妹』だからかな?」

「……ッ…!」

 

 にこりと笑うネプギア。柔らかな、ネプギアの笑み。いつもと同じ、いつも通りの、純粋さを感じる笑顔。…だけどそこに、そこにある思いの中に……わたしは、いない。

 分かっている。分かっていた。ネプギアが簡単に事情を話してくれるなら、話せるなら、こんな事にはなっていないって。ユニちゃんの言う通り、ネプギアには何か意図があって、敢えてこういう事をしている筈だって。ユニちゃんにダメージを与えないような形の攻撃をしたのも、その証左だって。そう分かっていた、思っていたからこそ、信じていた。心の中にある思いは、見つめている先は…今も、きっと一緒だって。…けど、だけど…だけど……

 

──だけどもし、そうじゃなかったとしたら…?ネプギアは、本気で…本心から、アルテューヌの事を『お姉ちゃん』だと…アルテューヌこそが、自分の姉だと思っているんだと、したら…?

 

「…だったら、素直に殴られなさい…本気で、そう思ってるならッ!」

 

 心が揺らぐ。信じていたものが、分かっていたつもりだったものが、ひび割れていく。…その中で、ユニちゃんは飛び立つ。一直線に、ネプギアへと突っ込んでいって…ネプギアは、躱す。

 

「避けるんじゃないわよッ!」

「そうは、いかないよ…ッ!そんな勢いで殴られたら、わたしもやる事を果たせなくなっちゃいそう、だからね…ッ!」

 

 宙で脚を振って反転し、再度ユニちゃんは突進。詰め寄るユニちゃんに対し、ネプギアは飛び回って距離を取る。ユニちゃんの勢いは十分だけど、流石に近接戦となるとネプギアの方が一枚上手で、ネプギアは的確に躱していく。何度かユニちゃんの攻撃を凌いで…M.P.B.Lを素早く構える。

 即座の射撃。躱しながら溜めていたのか、放たれたのは強力な光芒。…けど、放たれた先はユニちゃんじゃない。撃ち込まれた一撃が大きく削り取ったのは…地面の一部。

 

「アンタ、また…随分と余裕そうじゃない…ッ!」

「ユニちゃんこそ、X.M.B.を使ってない時点で手を抜いてるも同然でしょ…!」

「それは、撃っても構わないって事かしら…ッ!」

「わたしとしては、止めてほしいな…ッ!」

 

 攻撃を続けるユニちゃんの殴打を、ネプギアは躱し続ける。同時に隙を見つけては地面を撃つ。

 確かにユニちゃんも撃てば、射撃戦に移れば、状況も変わる。ネプギアだって、今の様にはいかない筈。…だけど射撃は直接攻撃より、ずっと手加減がし辛い。普通に撃てば怪我どころじゃ済まないだろうし、加減し過ぎれば簡単に凌がれてしまうだけ。その辺りの加減…寸止めを含めて丁度良い塩梅にする事が出来ないからこそ、ユニちゃんも射撃をせずに近接格闘を……

 

「…やっぱり、無理ね…当たったら頑張って堪えなさいよ、ネプギアッ!」

 

……そう、思っていたわたしだけど…嘆息するように呟いた直後、ユニちゃんは後退。着地し、手を伸ばし…突撃前に手放していたX.M.B.を掴んで振り上げる。ネプギアに向けて、声を上げると共に弾丸を放つ。

 

「……ッ、ほんとに容赦ないね、ユニちゃんは…!」

「自分から離反しておいて容赦してもらえると思ってた訳?だとしたら、勝手もいいところね…ッ!」

「それは、そうだけど…さッ!」

 

 迫る弾丸を、ネプギアはM.P.B.Lの刀身で斬り払う。続けざまにまた地面を撃って…けれどその隙にユニちゃんは距離を詰めて、拡散するビームをネプギアに撃ち込む。急降下で躱すネプギアの上を取って、光弾の連射でネプギアの再上昇を阻んでいく。

 

「ネプテューヌさん!戦えないなら下がっていて下さい!でももし、そうじゃないなら……」

「……っ…戦える、戦えるわ…!」

 

 厳しい、けど当然なユニちゃんの声。妹の友達…他国の女神候補生にこんな事を言わせてしまう自分の不甲斐なさに自己嫌悪を抱きながらも、わたしは自分の頬を叩いて地面を蹴る。大太刀の柄を握り締めて、射撃を躱し続けるネプギアへと接近を掛ける。

 

「ネプギア……!」

「……っ!」

 

 手は抜けない。昔はともかく、今のネプギアに腑抜けた攻撃をしたところで、手痛い反撃を返されるだけ。だから本気を、全力を出すしかないと自分に言い聞かせながら、大太刀を振るう。

 わたしが振り出した横薙ぎに対し、ネプギアは急減速を掛ける事で刃の届く範囲から逃れる。すぐさまわたしがもう一度振れば、今度はネプギアもM.P.B.Lの刃を立てて真正面から受け止めてくる。すぐに斬り結ぶ形になって、そこから始まる力比べ。

 

「…ネプギア…貴女はアルテューヌに騙されてるのよ…それか、アルテューヌに操られているか、何かで脅されている…そうなんでしょ……?」

「…ネプテューヌさん。仮にわたしがそうだったとしたら、そうだよって言うと思う?それか…わたしは正気に戻った!とでも返せばいい、かな?」

「碌でもない冗談を、言ってんじゃないわよッ!」

 

 こんな事を言って何になるのか。自分自身でもそう思うような、無意味な問い掛け。それに返ってくるのは、分かり切っていた答え。直後に急降下を掛けてきたユニちゃんの踵落としがネプギアに迫り、ネプギアはわたしを押し切って飛び退く。

 

「…力不足だよ、ネプテューヌさん」

「……っっ!」

 

 その間際、ぽつりと呟くようにネプギアが発した言葉。接近戦でわたしが押し切られた事実と共に、その言葉がわたしへ突き付けられる。

 

「今のは笑えなかった?」

「性格悪いとしか思えなかったわねッ!」

「そっか、やっぱりわたしはこういう冗談を言わない方がいいみたいだね。…一対二じゃ、どっちにしろ余裕なんてないだろうし…ッ!」

 

 数秒の接近戦、殴打と蹴撃の応酬を経て、ユニちゃんは後方へ跳躍すると共に射撃を掛ける。ネプギアはそれを避けるだけで、反撃はしない。避けて、防いで、凌ぐだけで…攻撃といえば、地面へ向けた射撃だけ。

 

(…ネプギアは、どうして地面を…。破壊工作って、地面を撃つ事のどこにそんな意味が……)

 

 あまりに不可解なネプギアの行動。地面を撃ったからって何かが起こる訳でもないし、狙う場所も毎回違う。ネプギアが何を狙っているのか、それは全く分からなくて…けど、違う。今わたしがやるべきなのは、ここで茫然と立って、二人の戦闘を見つめる事なんかじゃない。

 

「とにかく今は、ネプギアを止める…止めれば、きっと……!」

 

 止めて、どうなる?ネプギアは自分の意思で離反しているのに、止めたところで何の意味がある?…心の奥から湧き上がる、そんな声を振り払って、もう一度ネプギアへと向かっていく。ユニちゃんと二人で数度数度仕掛け、ネプギアはわたし達の両方を視界に捉えられる位置取りをしながら大きく下がる。

 

「ネプテューヌさん、目を!」

「……!」

 

 次の瞬間、ユニちゃんが発した合図。その意味を理解したわたしは、即座に左腕で目元を覆う。直後にユニちゃんは強く光るもの…恐らくは照明弾を撃って、強力な光を作り出す。

 遠くて見ればただ明るいだけの照明弾も、近くで撃てば強烈な閃光。腕と目元との微かな隙間からでも分かる程の強い光の中で、わたしは感覚を頼りに大きく後退し、目元から腕を離す。それでもまだかなり明るくはあるけど、視界が効かない程じゃない。そしてネプギアは、不意打ちの照明弾で視界を奪われ……

 

「驚いたよ、ユニちゃん…まさか照明弾を、スタングレネードの代わりにするなんて…」

「…こっちこそ驚きよ。その様子だと、ネプテューヌさんとほぼ同時に対応したわね?」

「ふふっ、分かるよこれ位。ユニちゃんはわたしの友達で、仲間で、ライバルだもん」

「…ふん、今のネプギアはほんとムカつく…!」

 

 殆ど通用していなかったネプギアの姿に表情を歪めて、ユニちゃんはまた銃口を向ける。撃ち込まれる射撃を上昇しながらネプギアは避けて、翼を広げる。

 

「でもやっぱり、この状況は厳しいね…だから一気に片付けさせてもらうよ…!」

 

 またわたし達を同時に視界に捉えるよう飛んだネプギアは、ビヨンドフォームを解放。即放たれたユニちゃんからの射撃を同じく射撃で相殺し、そこからネプギアは遠隔操作端末を射出。大小合わせて十二基の端末が宙で隊列を組むように展開し、一斉に光芒を放つ。

 

「くッ…って、これも地面…!?」

「いい加減分かってきたわ…ネプテューヌさん、ここを守りますよ!これ以上、好きにさせるかっての…ッ!」

 

 一気に砂煙が巻き上がる中、歯噛みしながらユニちゃんは上昇。速度を上げながらユニちゃんもビヨンドフォームを解放し、両手に持った二丁のサブマシンガンで射撃を掛ける。

 これまでと同じく、ネプギア自身は逃げの一手。けど代わりに、今は端末が地面を狙う。ネプギアがユニちゃんを引き付けている間に、端末の砲口にはまた光が灯って…でもユニちゃんは、再度の攻撃を許さなかった。

 

「言ったでしょ、好きにさせるかって!」

「やるね、ユニちゃん…!」

 

 プロセッサ各部の楔状パーツを稼働させてネプギアにビームを放ったユニちゃんは、続けざまにその場で回転。直後に開いた楔状のパーツからは、幾つもの銃器がばら撒かれて、その全てが次々と銃撃を掛ける。弾丸に、光芒に、グレネード…ばら撒かれたように見えた銃器だけど、銃口は全てネプギアの遠隔操作端末の方を向いていて、砲撃直前の端末を銃撃が襲う。

 

「なんだ、避けさせるのね。そのまま砲撃していてくれたら、全基撃ち落としてあげたのに」

「そうはいかない、よッ!」

 

 全火器が戻っていく中、これまでとは対照的にどんどん距離を詰めていくユニちゃん。勢いそのままに脚を振るって、楔状のパーツを衝角の様にして防御体勢のネプギアへと叩き付ける。そしてネプギアが端末での攻撃を行おうとする度に、銃撃で端末を狙って阻む。

 

「わたし、だって…!」

 

 押し返して距離を取ろうとするネプギアの背後へ回り込んで、捕縛を狙う。それ自体は避けられたけど、回避先へユニちゃんが射撃を掛けて追い立てる。その内に補給の為か端末は戻ってきて、ネプギアの浮遊ユニットと合体する。

 

「はぁああぁぁッ!」

「ふッ…てぇぇいッ!」

 

 ネプギアとユニちゃんによる接近戦。ハンドガンやプロセッサのパーツを駆使する事でユニちゃんは次々と仕掛け、ネプギアはそれに対応していく。防ぐか避けるばかりだったこれまでとは違って、パーツに斬撃をぶつけたり、打撃を打撃で相殺したりと、より積極的な対応をネプギアは選んでいく。

 それにわたしは、付いていけなかった。幾らビヨンドフォームといっても、距離を詰めての接近戦だけなら、置き去りにされる事なんてない筈。なのに、追い付けない。身体の動きが、酷く鈍い。

 

(…ネクストフォームなら…ううん、駄目…。ネクストフォームじゃ、ネプギアがどうなるか分からない……っ!)

 

 ふっと浮かんだ選択肢を、すぐさま否定する。ネクストフォームなら、今の鈍さを補えるかもしれないけど…わたしのネクストフォームは、あまりにも破壊に向き過ぎている。加えてまだ、完全に自分のものにしたとは言い切れない。動きの鈍い今、そんな中でネクストフォームを使ったら…取り返しの付かない事が、起きてしまうかもしれない。

 だけどそれは、何も出来ない事を意味する。行ってしまったネプギアが、今は目の前にいるのに。女神候補生のユニちゃんは、真っ向からネプギアにぶつかっていってるのに。

 

「…でも…それでも……ッ!」

 

 二人の距離が開いた瞬間を狙って、鈍い身体の中から力を絞り出して、側面から踏み込む。わたしの意図を理解してくれたユニちゃんは支援の射撃でネプギアを足止めしてくれて、わたしはネプギアから見た斜め前方から上段斬りを叩き込む。

 予想していた通り、斬撃に対してネプギアはM.P.B.Lを掲げて防御。完全に防がれる形だけど、これでネプギアの動きを止められれば、その隙にユニちゃんが回り込める。そこまで考えてのわたしの攻撃で…けれど予想に反して、ネプギアは一切耐えずに押し切られる。撃ち落とされるように、真っ直ぐ急降下していって…浮島へ激突する直前に、上下反転。そこから薙ぎ払うようにフルオート射撃を掛けて、地面に何発も光弾を撃ち込む。

 

「やられた…ごめんなさいユニちゃん、甘かったわ……」

「今のはアタシでも同じような結果になってたと思うので気にしないで下さい…!」

 

 すぐに追い掛けるわたしから逃げるように、ネプギアは再上昇。何とか浮島への攻撃の隙を与えないようにわたしも喰らい付くけど、上手くいかない。わたしよりも、遥かにユニちゃんの方が上手くネプギアに対して立ち回っている。

 

「どうして、こんな……」

「読まれるのか、って?…それは分かるよ。ね?ユニちゃん」

「…そうね。後ろにいれば、前衛の動きはよく見えるし…アタシ達は、ずっとお姉ちゃんを目標にしてきたんだもの…!」

 

 わたしの思考を読んだネプギアが呼び掛ければ、面白くなさそうな声でユニちゃんが返す。言われてわたしも理解する。わたしだって、ネプギアの…妹の事はよく分かってるつもりだったけど、戦い方に関しては、ネプギアに対するわたしの理解以上に、わたしに対するネプギアの理解は深いんだって。

 

(…やっぱり、ネプギアはわたしの事を、『ネプテューヌ』の事をよく理解してるんだわ…分かっているし、思ってもいる。そのネプギアが、アルテューヌに付いたのは…アルテューヌの事を、『お姉ちゃん』って呼ぶのは……)

 

 じわじわと、心の中に広がっていく思い。悲しさもある。情けなさもある。でもこれは…多分、諦観。広がるその思いを受け入れる自分も、心の中、どこかにはいて…わたしは追うのを、止めてしまう。それが酷い選択だって事は、ユニちゃんからすればあまりにも身勝手だって事は分かっているのに…もう、動けない。

 

「ネプテューヌさん…?……ッ…アンタ、お姉ちゃんがああまで傷付いてるのに、苦しんでるのに…それでもその、ふざけた態度を変えない訳…ッ!?」

「そうだよ、お姉ちゃんは苦しんでる…きっとずっと、苦しんできた…だから、わたしが支えてあげるの…!」

「それは、ネプギアがこれまでずっと一緒にいたネプテューヌさんじゃないでしょうがッ!」

「お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ…!それともユニちゃんは、もしわたしの立場だったら、相手がノワールさんだったら『自分の知ってるお姉ちゃんじゃない』って言って切り捨てるの?」

「それは……」

 

 光弾と実体弾、左右それぞれ違うハンドガンを構えて撃ちながら、ユニちゃんは怒りをぶつける。それにネプギアも、語気を強めた言葉で返す。そこからユニちゃんは、避けるネプギアの回避先へ光弾のハンドガンを撃つ…と見せかけて、ハンドガン自体を腕の振りと手首のスナップで投げ付ける。意表を突いた投擲に、ネプギアは驚きながらも飛んでくるハンドガンを蹴り飛ばし…その隙に、ユニちゃんは肉薄。突き付ようとするもう一丁のハンドガン、それを持つ手を咄嗟にネプギアは左手で掴んで、ギリギリで銃口が向くのを阻む。逆にユニちゃんもネプギアのM.P.B.Lを上から掴んで、お互い手にした火器を至近距離で封じ込める。

 数秒のせめぎ合い。さっきの銃器ばら撒きの事を思えば、有利なのはユニちゃんの方かもしれない。けど、先に動いたのはネプギアで、ネプギアの言葉は一瞬ユニちゃんを動揺させる。その一瞬をネプギアは逃さず、掴まれたM.P.B.Lを手放す事で一気にユニちゃんを押し返す。

 

「ちっ、けどまだ……」

「ううん、これで終わりだよ」

「……──ッ!」

 

 体制を崩して落下するユニちゃんは、M.P.B.Lを投げ捨てる。それから落ち着いて立て直しを図ろうとして…けれどそのユニちゃんへ向くのは、浮遊ユニットに接続されたままの遠隔操作端末。ただの砲として向けるその動きに、わたしは目を見開く。わたしは…それに恐らくユニちゃんも、「ネプギアにわたし達を攻撃する気はない」と思っていたからこそ、それに反する動きに愕然とする。

 間一髪、ユニちゃんが間に合わせる回避行動。立て直しは後回しにしたユニちゃんが、牽制するようにハンドガンを撃ちつつ動いた直後、ネプギアの砲撃も放たれる。ユニちゃんの弾丸はネプギアを掠めて、四条の光芒はユニちゃんが一瞬前までいた場所を貫くように駆け抜ける。

 

「ユニちゃん!」

「うぐ…ッ!…やってくれたわね、ネプギア…!まさか、ここまでのが全部ブラフだったなんて……」

「ううん、違うよユニちゃん。むしろブラフっていうなら今のがそう。だって、ほら」

 

 回避と引き換えに地面に突っ込む形になったユニちゃんは、すぐさま跳ね起きてその場を離れる。一方のネプギアは肩を竦めて、自分が撃った先…四条のビームが抉った地面を指差す。

 その光景を見て、わたしは理解する。今のネプギアの攻撃は、ユニちゃんを狙ったものじゃなくて、これまでと同じく浮島を狙ったものだったんだって。ネプギアはユニちゃんが避ける事を見越して、回避行動を取らせる事で隙を作って地面に砲撃をしたんだって。そしてわたしがそれを理解する中、ネプギアは軽く見回して…小さく頷く。

 

「…うん、これだけやれば十分かな。ユニちゃん、わたしはそろそろ行くね」

「行く、って…やっぱアンタ、ここを荒らす事が目的だったのね!この浮島云々っていうより、見えない何かを滅茶苦茶にする為に、バカスカビームを撃ち込んでた…そういう事なんでしょ!?」

「流石はユニちゃん。でも、もう遅いよ」

 

 見上げるユニちゃんに向けて、ネプギアが返す肯定の言葉。けどすぐに、ネプギアは冷静な顔になる。もう遅い…ユニちゃんの言う通りなら、ネプギアの言った「十分」って単語の通りなら、既に見えない何かは滅茶苦茶になっていて……ネプギアからすれば、もうここは放置してもいい状態なんだって事。

 

「それじゃあね、ユニちゃん」

「アンタ、アタシがこのまま逃すとでも思ってるの!?だったらアンタをとっ捕まえて……」

「……もう、いいわよユニちゃん」

「ネプテューヌさん!?」

 

 くるりと背を向けて、すぐに飛び去っていくネプギア。言い返しながら、追おうとするユニちゃん。…でも、わたしは言う。言ってしまう。もう、いいって。

 別れの言葉を、ネプギアは発した。けどそれは、ユニちゃんに対してだけ。わたしには何もなく、目をくれる事もなかった。…だけどそれも、当然の事。実際ここまでの戦いで、殆どわたしは関われていなかったんだから。今のわたしは…いてもいなくても変わらない存在だったんだから。

 

「ちょっ、いいって何がです!?一体何が……あー、もうッ!」

 

 小さくなっていくネプギアの姿。ユニちゃんはわたしとネプギアとを交互に見て、それから頭を乱雑に掻く。

 分かっている。何も良くはない事なんて。けれど、もう…よかった。わたしはもう……追えなかった。




今回のパロディ解説

・「〜〜もういいわ〜〜既に意味を為さない〜〜」
ARMORED CORE VERDICT DAYに登場するキャラの一人、Jの代名詞的な台詞のパロディ。でもこれだとユニがラスボスになっちゃいますね。パロネタと色的には合っていますが。

・「〜〜わたしは正気に戻った!〜〜」
FFシリーズに登場するキャラの一人、カイン・ハイウインドの代名詞的な台詞の一つのパロディ。これだとむしろ、洗脳されてる事の証明になってしまいますね。

・「〜〜仲間で、ライバルだもん」
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会における、各話サブタイトルの一つのパロディ。友達で、仲間で、ライバル…これは二人の間だけでなく、女神候補生組や守護女神組全体でも言えそうですね。
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