暗殺教室 呪力から脱却した暗殺者   作:狼ルプス

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班決めと準備

呪詛師を捕縛してから数日、それ以降はほんと忙しい時間を過ごした。最近は夜やら昼間関係なく来る事がふえた。そう言えば五条悟が呪術師は晩年人手不足って言ってたな…この感じだと呪術師は相当なブラックな職場かもな

 

「ふぁ〜…」

 

そのせいか欠伸が出る回数が多くなった。

 

「天野君…大丈夫?すごい眠たそうだけど…」

 

「矢田か…問題ねぇよ。ただ欠伸が出ただけだ」

 

「そう?ならいいんだけど、無理はしないでね」

 

「ああ」

 

「それより天野君は修学旅行の班決めた?」

 

「修学旅行?ああ…そう言えばそんな時期だったか?」

 

「もしかして忘れてたの?」

 

「半分はな。もう半分は存在を忘れていた」

 

「そ、そうなんだ……」

 

矢田は若干引いている。半分は冗談だが、もう半分は本当に忘れてた。ただ最近はバイトも多くなり五条悟と会う前の時よりも疲れる。肉体的な疲れはないが主に精神面がつかれる。あの馬鹿グラサンのせいでな、ただバイト代の報酬だ。一応今後の為にと母さんが通帳を作らせたので振込先を五条悟に教えバイト終わりの翌日確認するとえらい金額が振り込まれていた。

 

 

「(だからって8桁の金額を振込奴があるかよ)」

 

一応連絡して五条悟からの返答は『それくらい妥当の報酬だよ?後は僕が声をかける前の分も含めてね♪』と軽く言われた…金銭感覚どうなってんだ呪術師は一体

 

 

 

 

 

 

「話を戻すけど、天野君は班はもう決めてるの?」

 

「そう言や磯貝から誘われたはずだ。それで承諾して行動することになってる」

 

「あ、私と同じ班だね!男子が少ないから丁度良かったよ。宜しくね。天野君」

 

「おう、宜しく」

 

どうやら矢田達の班の一員になったらしい。

 

「女子は矢田と他は誰がいるんだ?男子は把握してんだが…」

 

「めぐちゃんとひなちゃん、岡野さんだね」

 

「確かに男女バランスのいい人数になってんな」

 

 

 

ただ修学旅行といってもE組のは普通の旅行ではない。殺せんせーの暗殺も兼ねた旅行だ。

 

国が雇ったプロのスナイパーが狙撃するため、生徒たちはそれをサポートすることになる。そのため普通以上に念入りに現地の調査をする。

 

「ふん、あんたらもガキねえ。世界各国を渡り歩いてきた私からすれば国内の旅行なんていまさらだわ」

 

無駄に気障ったらしい仕草で言うのはイリーナである。

 

「それじゃビッチ先生は留守番しててよ」

 

「花壇に水あげといて」

 

前原と岡野は振り向きもせずにそう言った。イリーナのE組での立ち位置がよく分かる一幕である

 

「ここはどうかな?」

 

「ここは障害物が多すぎて狙撃には不向きじゃないかな?」

 

「でも逆に盲点を付けるかもしれないですよ」

 

「それに障害物が多いなら身を隠せる場所も多い」

 

 

ほかの生徒も同じようにに暗殺ルートの考えに夢中であった。その様子を見て徐々にイリーナの目が半眼になっていく。

 

「ちょっと! 私抜きで楽しそうな話しないでくれる!?」

 

 

叫びながら銃を抜くビッチ先生。大人気ないように見えるが、この先公はこれでも世界でも有数の殺し屋である。

 

「行きたいのか行きたくないのかどっちなんだよ!?」

 

「めんどくさいなこの人」

 

「うるさい! 仕方ないから行ってあげるわよ!!」

 

「やっぱり行きたいのか―――」

 

「素直に行きてぇって言えばいいだろ」

 

「うっさいわ「後…」っ⁈」

 

「軽く銃向けんじゃねぇよ。危ねぇだろ?」

 

「あ、あんたいつの間に⁈ってか、それ返しなさいよ!一応弾は装填してないんだから!」

 

俺はビッチ先生の持ってる銃を奪い背後にまわっていた。弾丸がない事を確認し俺はビッチ先生に銃を返す。

 

「え?天野君いつの間にビッチ先生の背後に⁈」

 

これには矢田達も驚いていた。

 

「悪いな磯貝。こいつの事は無視してくれ」

 

「あ、ああ……それは構わないが……」

 

「さてビッチ先生よ、行きたいなら行きたいと言えばいいだろ?」

 

俺は若干冷めた目でビッチ先生を見る。そんな目で見られたビッチ先生はムスッとする。

 

「なによ、それだと私が修学旅行を楽しみにしてるみたいじゃない!」

 

「その通りだろうが。あんた暗殺とか抜きに修学旅行が楽しみで仕方ないんだろ?素直になれよ」

 

「ぐっ……!」

多分今の俺はすごい悪い顔してるはずだ。ビッチ先生は反論をしようとしたがその隙なく言葉を畳み掛けられ、言い返すこともできない。

 

「((((絶対図星だな))))」

E組生は全員同じ事を思っていたが口にはしない。ここで言えばビッチ先生の負けが確定したようなものだからだ。

 

 

 

などと騒いでいると教室に殺せんせーが入ってきた。

 

「一人一冊です」

 

そう言って生徒に辞書のような書物を配り始めた。

 

 

 

「重っ!」

 

「なにこれ!?」

 

「修学旅行のしおりです」

 

「広辞苑かと思ったよ」

 

 明らかにしおりなんてレベルのものではない厚さの辞書を渡されクラスからはブーイングが出る。実際に持ち歩くにはスペースと重量的にかなり問題があるつくりである。

 

「徹夜で作りました。イラスト解説の人気スポット、お土産人気トップ100、旅の護身術入門~応用に付録には組立紙工作の金閣寺がついてます」

 

「どんだけテンション高いんだよ!?」

 

 前原が当然といえば当然のツッコミを入れた。生徒からのブーイングをもろともせず殺せんせーはご満悦だ。

 

「辞書でその厚さはねぇだろ……(後でハクに仕舞っておくか)」

俺はボソッとツッコんだが殺せんせーに聞かれる事はなかった。そして、全員の手元に修学旅行のしおりが行き渡る。

 

「ざっと2000近くのページ……これ作るの時間かかったろ」

 

 

 「ヌフフ…いいじゃないですか。旅のしおりを作るのは楽しいですから」

 

「((((この辞書で2000ページ……)))」

 

 E組の生徒全員が心の中で同じことを思っていたが口にはしなかった。

 

ともかく、普通より盛り沢山になるだろう修学旅行に俺も内心ではテンションが上がってた。呪術の事は忘れて楽しむ事にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校が終わり翌日、この日は休日で俺は所謂ショッピングモールに来ている。当然、修学旅行に必要なものを買うためにだ。着替えとか、洗面用具とか、買うものは色々とある。生憎貯金も呪霊退治やら呪詛師の捕縛のバイトをしたおかげでたんまりある。だから俺は金銭的な面では問題ない。

 

「さてと……何から買うかな」

 

適当に店内をぶらつきながら必要なものを思い浮かべる。

 

「とりあえず衣類は問題ないな。洗面用具も大丈夫、歯ブラシも予備があるし、タオルやシャンプーなんかも大丈夫だな」

修学旅行と言えば泊りだ。当然寝る時の服装に気を付けなければならない。泊まる先には一応寝巻きもあるらしいが一応寝巻きを用意しておこうと思う。

後は雑貨品類だな。と言っても流石に使い捨てのものは買いたくないので持っていくとしてもボールペンやシャーペン、消しゴムみたいな文房具類だろう。

 

「(あとは何か必要なものあったか?)」

 

呪具や一部の荷物、暗殺類のものはハクに飲み込ませている。

 

 

「天野君?」

 

俺が必要なものについて考えていると名前を呼ばれたのでそちらに顔を向けると……

 

 

「矢田か?」

 

「うん、奇遇だね。修学旅行に必要な物を買うために来たんだ」

 

どうやら矢田も修学旅行に必要なものを買い物に来ているらしい。

 

「それで天野君はどうしてここに?」

 

「ああ、俺も修学旅行に必要なものを買いに来たんだよ」

 

「そうなんだ」

 

「ところで矢田は1人で来たのか?」

 

「ううん、他にもひなちゃんもいるよ。一人だと大変だしね。あ、でも待ち合わせまで時間あるから軽く店内見て回ろうかなって考えてたの」

 

「なるほど、倉橋が一緒なのか」

 

「うん、だからちょっとこの辺を回ってみていい?」

 

「ああ、それは構わないが……」

 

「ほんと?それじゃ天野君!一緒に行こっ♪」

 

「は……俺も?って、おい、引っ張るな」

 

矢田は嬉しそうに俺の手を握って歩き始めた。まさか一緒に見て回るとは思わず俺は矢田に引っ張られながら店内を見て回る。そして色々と見て回った結果……

 

 

 

「ごめんね……思ったより時間かかっちゃた」

 

「いや……気にすんな」

時間はかかったがそれでも買い物はしっかりできたし、何より楽しそうにしている矢田を見れて俺的には悪くなかった。

 

「(E組に来てから、本当に退屈しない日々だ。矢田達を悲しませるような事はしねぇけどな)」

 

俺は心の中で呪詛師や呪霊から守ってみせると誓った。そして、俺と矢田は集合時間のため待ち合わせ場所のフードコートへ向かう。フードコートに向かうと倉橋が俺たちを見つけるなり笑顔で駆け寄ってきた。

 

「あ!矢田さんこっちだよ~!あれ、天野君も一緒だったんだ?」

 

「偶々会ってな、倉橋が来るまで一緒に見て回ってな」

 

「ほぅ…矢田さんも中々すみにおけないですなぁ〜?」

 

 

「そ、そんなんじゃないからひなちゃん!」

 

「なんでニヤニヤしながらこっちを見てるんだよ、倉橋?」

 

矢田は顔を赤くしているが俺は倉橋の反応の理由が分からず首を傾げた。

ただ矢田と見て回っている最中も倉橋は矢田のことをからかい楽しそうにしていた。その光景がどこか微笑ましく思えた。

 

 

そして、俺たちは倉橋達の買い物を済ませた後再びフードコートに戻りお昼ご飯を食べてる。

 

「いやー買った買った。天野君も付き合ってくれてありがと〜」

 

「ありがとね天野君、荷物持ち引き受けてくれて、それにお昼まで奢ってもらって…」

 

「これくらい問題ねぇよ」

俺は荷物持ちを買って出た。いや、買って出たというよりは、矢田に半ば強制的に荷物持ちをさせられていたが正しいか。まぁ別に問題はないんだかな、重くねぇし。まだまだ待てる。

 

「でも矢田さんも罪作りだよねぇ、私が来るまで天野君とデートしてたなんて♪」

 

「か、からかわないでよ!ひなちゃん!」

 

「(……これはデートなのか?)」

倉橋の言葉に俺は内心疑問を持ったが口には出さなかった。折角楽しそうにしているのだから水を差す必要はないだろう。

 

「(それにしても、楽しいな……)」

呪霊や呪詛師、今は命のやり取りと言ったものとは無縁の楽しい時間。E組に来てからは日常の退屈が覆った。

最初は慣れなかったが、今では心の底から思える。

 

「(こんな風に楽しめるのは、こいつらのおかげだな……)」

 

まだ短い期間だが俺は矢田達との出会いに感謝した。それと同時に呪いや殺意のない場所で生きるのも大切と思った。

それはこの日常を守りたいと、そして俺がこいつらの日常を守りたいと決めた瞬間だった。

 

「ん?どうしたの?」

 

「なんでもねぇよ」

 

俺が少し考え込んでいたのに矢田は気が付いたようだ。俺は慌てずそう誤魔化した。流石に口に出すのは恥ずかしかったからな。

 

「ふふ、矢田さんも罪作りだねぇ~」

 

「もうひなちゃん!」

 

倉橋がまた矢田をからかう。俺はそんな2人のことを見て自然と笑みがこぼれた。そして、思う……こいつらを、いや、E組で出会った奴らは全員俺が守ると……

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