暗殺教室 呪力から脱却した暗殺者   作:狼ルプス

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3年E組

幽霊退治をしながらあっという間に一週間が経った。停学が明け、俺は学校へ行く。と言っても今まで通っていた本校舎ではなく旧校舎のほうだ。その旧校舎へ行くには、山道を登らなければならない。まっ、朝の散歩がてらには丁度いいくらいだ。

 

 

「マッハ20の超生物を暗殺か、ふっ、こんなにワクワクするのは久しぶりだな」

 

そのためなら、毎日山道を登るくらい平気だ。むしろ今までの退屈な生活よりよっぽどいい。そして、校舎に着いた俺を待ち受けていたのは...

 

 

 

「初めてまして天野君、私がここの担任の殺せんせーです」

 

黄色の丸顔、正露丸のような目、関節の曖昧な無数の触手。資料で見た通りタコみたいな超生物だ。

 

こんな奴が実際にいていいのか?いや、グロテスクな幽霊が見えている時点でどうかと思うけどな

 

 

「俺は天野燈志だ。よろしく、殺せんせー」

 

そう言って手を差し出し、殺せんせーの触手を強く握り、握手した。そして空いた片手で触手をナイフで切った。俺はそのままナイフを心臓に刺そうとするとその瞬間殺先生はすぐさま俺から距離をとった。

 

「マッハ20ってのはハッタリじゃないらしいな」

 

殺せんせーの顔色が変わった。俺が触手を斬れるとは思ってなかったんだろう。

 

 

「ヌルフフフ、してやられましたねえ。しかし天野君、先生はそう甘くはありません。それをこの暗殺教室で教えてあげましょう(……この足捌き、素人じゃなさそうですねぇ……対峙してよくわかります。この子は普通ではない!)」

 

「へっ、期待してるぜ…殺せんせー(コイツ、化け物じゃなくて元は人か?なんで血の匂いがコイツからする…)」

 

「では、教室の前で合図があるまで待っていてください。合図したら、入って自己紹介をして下さい」

 

「分かった」

 

 

…数分後

 

教室では出席をとりながら一斉射撃はじめそれを全て避ける殺せんせー。それが廊下の窓から見ていた光景の感想だった。だが、気になる事が他にもある。

 

『い、いいいぃいいい、Eぐみだし…』

 

『エンドガ、エンドガ』

 

この校舎に来る途中もそうだが、山の森には大型の個体や少し人型に近い個体がいる。この山はそれなりに広いので恐らく別の場所に沸いてる可能性がある。

 

 

「(幽霊いすぎだろ……元E組生徒の怨念か?こりぁ退治しておかないと落ち着けねぇな)」

 

 

取り敢えずハクから短剣を出してもらい廊下にいる霊を斬り伏せる。この校舎に来る途中もあらかた退治はしておいた。少しはマシになるとは思うが…できるだけ退治はしておく。取り敢えず今は呼ばれるまで待つだけだ。

 

 

 

 

 

 

「…烏間先生から聞いていると思いますが、今日はA組からこのクラスに移動してくる在校生を紹介します。それでは、入って来てください」

 

もう入っていいのか?……まあ良い入ろう。

 

「…今日からE組に通う事になる天野燈志だ。よろしく」

 

教室の戸を開き、黒板の前で自己紹介をする。

 

「えっ!?天野君!?」

 

 

あれは…そうか、そう言えばこのクラスだったな

 

 

「ああ、確か矢田だったよな?」

 

 

「うん、そうだよ!覚えててくれてたんだ。あの時は、本当にありがとう!」

 

「ああ、どういたしまして」

 

何かと縁があるようだな。

 

 

「天野君、矢田さんを知っているんですか?」

 

 

「ああ、確か前に矢田がヤンキーにナンパされてて、無理やり連れて行かれそうだったから助けただけだ」

 

「そうでしたか〜、ヌルフフフフ」

 

と言って殺せんせーは顔をピンク色にする。……どうなってるんだ殺せんせーの顔は、あとわからんがなんかムカつくな。

 

 

後はなんだ、クラスメイトから視線を感じる。今まで浴びたことがない視線だ。

 

「それでは、今から少しだけ質問タイムにします。天野君に質問がある人は、手を挙げてから質問して下さい」

 

場を切り替えるように唐突に質問コーナーらしき物が始まった。……小学校の時もやった事があるな。

 

「はい!」

 

緑色の髪を短めに纏めた女子……なんだアイツ、様子が少し変だな…殺せんせーと似た匂いがするっつーかなんつーか。

 

「お前は?」

 

「私茅野カエデ、よろしくね!質問内容だけど、甘いもの好き?」

 

「ああ、甘いものは好きだ」

 

「本当⁉︎」

 

この感じは嘘ではなさそうだが…やはり何かかくしてるのはまちがいなさそうだな。

 

「はい」

 

整った顔立ちに黒い髪からピョンと出ているアホ毛が特徴の男子だ。

 

「名前聞いていいか?」

 

「磯貝悠馬だ。天野は何かスポーツはやっていたのか?」

 

「ン?ああ、部活はやってねぇが趣味で鍛えてるからな。それだけだ」

 

「マジか!?体付きもしっかりしてるしと言うか結構身長もあるよな…いくつある?」

 

「あ?ああ、今はわからねぇけど、多分180は超えてるんじゃね?」

 

「(((((いや、このクラスで一番でかいだろ!…)))))」

 

覚えてるのは最近では178くらいだったと思うが、また伸びている気がするのは事実だ。

 

 

 

 

「では続いては…」

 

「はいはーい!」

 

長い金髪の何というかギャル?っぽい感じの女子が手を挙げていた。

 

「名前は?」

 

「中村莉桜、よろしくね〜、質問だけど、好きな女の子のタイプは?」

  

「好きな女の子のタイプ?」

 

中村の質問に対し、オウム返しのようにそう聞くと「そーそー!」と笑いながら答える。好み……ねえ。

 

 

「別に好みとかねぇよ。その人に揺るがない人間性があれば、それ以上に何も求めん」

 

 

「「「「「おおっ…」」」」」

 

「えー、つまんないの」

 

「最後まで聞け、まぁ…強いて言うなら、俺が好きになった女の子が好みって事で」

 

その後も色々と質問が飛び込み、それに対して返答していくとそろそろ授業の時間が近いのか殺せんせーが声を出した。

 

「では、そろそろ質問タイムを終わりにします。天野君。席は矢田さんの隣です」

 

「分かりました。改めて、これからよろしく頼むな殺せんせー」

 

「ええ、よろしくお願い…」

 

ザシュッ

 

殺せんせーの触手が2本切られた。いや、切った。そして銃を一発撃つと突然の事で反応が遅れたのか腕に命中する。

 

「ニュヤ!?」

 

「…油断したな殺せんせー。あんた不意打ちは苦手か?まあ、殺気は極限までに抑えたからな。そして、最後のはいきなりのことで焦り、反応が遅れた。そうだろう?」

 

 

「い、今何が起きた?」

 

「わ、わかんない。そもそも彼の太刀筋…見えた?」 

 

「これで、殺せんせーにダメージを与えた人2人目だ!」

 

思惑している中、水色の髪の女子?……あー、男子だなあれは。中性的な見た目の奴がそう言った。その声の後、クラスの皆は殺せんせーにダメージを与えたことで喜んでいる。

 

 

「ニュウ…先生も自己紹介だからと油断しました。今日で二度も私の触手を斬り落とすとは素晴らしい暗殺でした。次は皆と頑張りましょう」

 

「ああ、そうだな」

 

「「「「「二度も⁈」」」」」

 

クラスのみんなもまさか俺が二度も切り落としていた事に驚きを隠せず声がハモる。

 

 

…数分後

 

 

「そろそろSHRが終わるので、席についてください」

 

「うす」

 

殺せんせーの指示により、矢田の隣に座る。

 

「これからよろしくね、天野君!」

 

隣に座ると矢田が明るく笑挨拶した。これは返すのが礼儀だな。

 

「おう、よろしく」

 

こうして、俺のクラスへの自己紹介は無事?終わった。

 

 

そして、ここからが本当のオレの暗殺教室だ。

 

 

「ん?何見てんだ茅野?」

 

「あ、あはは〜……なんでもないよ(殺せんせーの触手が切られる瞬間とその時の天野君の眼……あれ絶対に只者じゃないよね?)」

 

視線を感じ俺の目を見た茅野はどこか不安を感じていたが、俺には関係ないので何も言わないでおく。

 

 

「(しっかし…この辺はカラスが多いな、死体でもなんかあるのか?)」

 

 

窓の外。そんな様子を、数匹のカラスが飛び回っていた。

 




活動報告にてオリジナル呪具の募集をしております。もし気になりましたらそちらも読んでみてください!
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