「さて、始めましょうか」
「「「「((((何を!!?))))」」」」
分身1「中間テストが迫って来ました」
分身2「そうそう」
分身3「そんな訳でこれからは」
分身4「高速強化テスト勉強をおこないます」
各生徒の前に分身殺せんせーが1人ずつ現れた。かなり気合が入ってるな。一体何があった?
「先生の分身が1人ずつマンツーマンで」
「それぞれの苦手科目を徹底して復習します」
1人で27人分の役をするのか、スゲーな……しかもマッハ維持しながらだろ。体力どうなってんだ?
「下らね…ご丁寧に教科別にハチマキとか…ってなんで俺だけNARUTOなんだよ!」
「寺坂くんは特別コースです。苦手科目が複数ありますからねぇ」
生徒の苦手科目に合わせてハチマキを変えている徹底ぶり、1人は教科とは全く関係ないが、因みに俺のは数学&英語のハチマキだった。何故俺だけ2教科?
確かに俺はハチマキに書かれている通り数学が苦手でそれに次いで英語…言葉はわかるが書く方が苦手だ。
グニャン!
「んん?」
殺せんせーの顔が突然曲がった。誰がやってるのか探していたらカルマが対殺せんせー用ナイフを突きつけていた
「ちょっ!急に暗殺しないで下さいカルマ君!それ避けると残像が全部乱れるんです!」
「意外と繊細なんだこの分身‼︎」
「おもしれーな。カルマ、どっちが面白い顔にするか勝負してみないか?」
「乗った。負けた方はご飯一回奢りで」
「いいぜ。んじゃスタート」
「にゅや⁈天野君までやめてください!!先生の顔は遊び道具ではにゅやーっ⁈」
やべ、これマジで面白ぇな。殺せんせーの顔が面白い事になってる。
「ちょっ……2人とも真面目に勉強なさい!」
対先生ナイフを奪われた……しかもしっかりとダメージがないように布越しで奪われた。
「「チッ……」」
ナイフを没収されてしまい再び勉強に集中する。結果は引き分けに終わり互いに一度ジュースを奢ると言う形で幕を閉じた。
「偶にだけど息ぴったりだよね、あの2人」
「あはは……組んで悪虐をすることもあるって言うくらいだからね。でも先生こんなに分身して体力持つの?」
「ご心配なく、一体外で休憩させてますから」
「それむしろ疲れない!?」
外ではベンチで休んでる殺せんせーの姿が…あれは休んでるとは言えないのでは?
殺せんせーによる高速強化中間テスト勉強が終わり、放課後の鐘が鳴る。さっさと帰宅する者や残って復習をする者、殺せんせーを暗殺しに行く者、俺は渚と二人で殺せんせーに出されていた課題を提出しに職員室の前にいた。
課題を殺せんせーに提出し、それを受け取った直後に対先生ナイフを振るう。しかしあっさりと避けられてしまう。
「ヌルフフフ、惜しかったですね天野君。そう同じ手を食らうほど私は甘くはありませんよ?」
「ちっ、触手一本はいけると思ったが、同じ手は通じねぇか」
最近だが殺せんせーを暗殺しようと試みるもかなり警戒されているのか殆ど避けられしまう。シマシマ顔で触手を振る殺せんせーの顔が余計ムカつくがな。
「惜しかったね燈志君…相変わらず太刀筋は見えないけど」
「初日と違ってかなり警戒されてるからな…流石にマッハ20を相手に1人で殺るにも限界がある」
「燈志君って本当に人間?って偶に思う時があるよ」
「失礼だなおい。俺は歴とした人間だ」
俺が本気でやると周りを巻き込みかねないし物は破壊する恐れもある。それだけはなるべく避けたい。それとプライベートも同様だ。この年で器物破損罪とか御免だぞ。いや、幽霊退治とかで既に場所によっては破壊してる場所もあるが…建物の方は既に廃墟だから一応問題はないはずだ。
職員室に入っていった殺せんせーを見送り、途中まで渚と帰ろうと歩き始めた。その時、職員室の窓からある男の姿を捉えた。
「!……あいつは」
そこにいたのは、この椚ヶ丘学園の理事長、浅野學峯だった。つまり、この学校の支配者であり、殺せんせーや烏間先生、ビッチ先生雇い主であり、このE組を作った張本人である。
「理事長がどうしてE組に……?」
「さあな……あいつがここにいるってことは碌でもない内容だろ」
突然やって来たこの理事長に渚は首を傾げ、職員室の扉越しから聞き耳を立て様子を伺うことにした。
「はじめまして、殺せんせー」
理事長は、人の良い笑顔でニッコリと殺せんせーに微笑みかける。相変わらず胡散臭い笑顔、気持ち悪い。
理事長のことを知らない殺せんせーは「にゅや?」と首を傾げたが、すぐに烏間先生が説明をした。
「この方は、俺たちの教師としての雇い主だ」
「にゅやっ!? これはこれはこんな山の上まで! そんなことより私の給料もうちょいプラスにできませんかねぇ? 私これでも分身を少々嗜んでおりまして……」
聞くや否やマッハで理事長にお茶を入れ、マッハで彼の肩を揉み、マッハで給料の交渉に入った殺せんせーの姿にメチャクチャ哀れな気分になった。
隣では渚が、『弱点メモ』と書かれてるメモ帳に『弱点⑥:上司には下手に出る』と書いていた。
「そういや集会の時に弱点をメモしてるってビッチ先生が言ってたな」
「あ、うん。今後の暗殺使えると思って…」
「いいじゃねぇか…集めた情報は今後役に立つ時が来る。因みに俺がE組に来る前までの内容は?」
「こんな感じ、まだ少ないけど」
渚はメモした内容を見せてくれた。どれどれ…
殺せんせーの弱点1:カッコつけるとボロが出る
殺せんせーの弱点2 :テンパるのが意外と早い
殺せんせーの弱点3 :器が小さい
殺せんせーの弱点4 :パンチがヤワい
殺せんせーの弱点5 :おっぱい
殺せんせーの弱点6 :上司には下手に出る
「………」
ツッコミどころ満載の弱点ばっかりだが…確かにあの先生には今後役立つ内容だわこれ。
「こちらこそすみません。いずれご挨拶に行こうと思っていたのですが。あなたの説明は防衛省やこの烏間さんから聞いていますよ。まあ、私には全て理解できるほどの学はないのですが……」
そう言って立ち上がり、ずいと殺せんせーに顔を近づける。
「……なんとも悲しいおかたですね。世界を救う救世主となるつもりが、世界を滅ぼす巨悪と成り果ててしまうとは」
「……………」
「いや、ここでそれをどうこう言うつもりはありません。私ごときがどう足掻こうが、地球の危機は救えませんし……余程のことがない限り、私は暗殺にはノータッチです」
「随分割り切っておいでなんですね? 嫌いじゃないわ、そういう男性」
「光栄です。しかしだ、この学園の長である私が考えなくてはならないのは、地球が来年以降も生き延びる場合──つまり、仮に誰かがあなたを殺せた場合の学園の未来です」
「学園の未来?」
「率直に言えば、E組はこのままでなくては困ります」
その瞬間、場の空気が瞬時に強張ったのを感じ取った。
「……このままと言いますと、成績も待遇も最底辺という今の状況を?」
「はい。働き蟻の法則を知っていますか? どんな集団でも20%は怠け、20%は働き、残り60%は平均的になる法則……私が目指すのは、5%の怠け者と95%の働き者がいる集団です」
その眼の奥に光る怪しい光をさらに強く輝かせて言う。普通ならあり得ないぞその考えは…
「実は今日、D組の担任から苦情が来まして。『うちの生徒がE組の生徒から凄い目で睨まれた』『殺すぞと脅された』とも……まあ、暗殺をしているのですからそんな目も身に付くでしょう。それはそれで結構」
「だとよ渚?」
「あはは…」
渚も乾いた笑いを出すしか無かった。つかちょっかい出したのはアイツらだろうに、嘘ばっかりな事を…今度どっかにパンツ一丁にして吊し上げておくか?
「問題は、成績底辺の生徒が一般の生徒に逆らうこと。それは私の方針では許されない」
それが今回ここに来るに至った理由だったようだ。自分の教育方針に沿っていないE組に釘を刺すために。ただ、そんなこと知ったことかって話だがな
「以後慎むよう、厳しく伝えてください」
席を立ち、ゆっくりとドアのところまで歩いていく。その手前で立ち止まると、急に振り返って殺せんせーに向けて知恵の輪を投げつけた。
「あっ、そうだ。これを一秒以内に解いて下さい」
「え、ちょっ、いきなり!?」
突然投げつけられた知恵の輪に殺せんせーはすぐに攻略にかかる。しかしかなりテンパったのか次の瞬間には知恵の輪も解けずに、それどころか知恵の輪に絡まってしまい哀れな姿を晒した殺せんせーが完成していた。
「(なんてザマだッ!)」「(なんちゅーザマだよ)」
恥を晒す担任教師に心中でツッコミ入れるしかなかった。一応あの姿を扉の隙間から写真を撮る。何かに使えるかもしれないしな。
「噂通りスピードは凄いですね。確かにこれなら、どんな暗殺もかわせそうだ。でもね殺せんせー……この世の中には、スピードで解決できない問題もあるんですよ。それではこれで」
と理事長は職員室を後にした。ガラガラとドアが開き、渚は慌てて横に退いた。すると、理事長と目が合った。
「おや? 天野君か。久しぶりだね。そういえば、君もここにいたんだったね?」
「……そうっすね(相変わらずわからねぇな…胡散臭いやつには変わりねぇんだが)」
理事長は早々に俺から視線を外すと、今度は渚にその笑顔を向けた。
「今度の中間テスト期待してるよ。頑張りなさい」
理事長はそこで渚からも視線を外し、二人の元を去っていった。その顔からはすでに笑顔が消えていた。
「おい渚」
「っ…なに?」
「今回の中間テスト、あの理事長何か仕掛けるぞ…今回の範囲…範囲外の内容もやっておけ」
「え?それってどう言う…」
「いいから、やれ。あの理事長…いつか絶対吠え面かかせてやる」
「と、燈志君…すごい悪い顔してるんだけど?」
「あ、悪い悪い」
とりあえず渚に忠告はした。後は実践するかどうかは渚次第だ。俺も今回は気合を入れるつもりだ。帰ったら勉強に集中だ。暫くは幽霊退治もお休みだ。今の所この校舎周辺も落ち着いているし、問題はないはずだ。
あの後、寄り道もせずに勉強に集中する。今の所数学、英語はわからないところは学校にいる間殺せんせーにサポートを受けながら勉強を進めるつもりだ。
「燈志、あなたにお客さんよ」
「客?誰だ、俺の同級生か誰か?」
「いや、なんか白髪に全身黒ずくめの真っ黒のサングラスをかけた人が燈志に用事があるんだって」
「俺に?(防衛省の関係者か?)
勉強途中に母さんに言われ向かうとそこには確かに母さんの言った通り白髪に真っ黒のサングラスをかけた黒づくめの衣服を着込んだ男。
「君が……天野燈志君だよね?」
「そうだが、アンタ誰だ?つか、なんだよ…その顔は?」
男性はなんとも言えない顔をしており初対面にして失礼な表情をしていた。
「あ、いや……ホントに呪力が無いんだなと」
「?…要件はなんだ?」
「僕は五条悟。呪術師やってるんだけどさ。君…この辺の呪霊を祓ってる上、呪力が全く無いのに見えてるよね?」
俺にとってこれが、初めて呪術師と邂逅した瞬間だった。
現在活動報告にてオリジナル呪具の募集をしております!
殺せんせーは呪霊が見える側にするかしないか?
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見える側
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見えない側